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「出入り禁止」からの復活ー新規事業立ち上げ秘話【後編】

 JBAの事業や、働く人々の魅力を知ってもらおうと始まったこのインタビュー企画。
今回お話を伺うのは、2010年入社のマネージャー、園田さんです。

先日公開した前編ではJBAの「クリニック事業」の始まりについて、新卒からその立ち上げに携わってきた園田さんに話を聞きました。後編のテーマは、失敗とそこからの学びです。

◆あわせてお読みください!:
ドクターの人生に向き合うー新規事業立ち上げ秘話【前編】


園田さんが仕事をする上で大切にされている価値観を教えてください。

 なによりも「まずお客さまに喜んでいただくこと」です。当たり前のようでとても奥が深く、難しいことです。私も最初、入社式で「もらおうとするな、まずは与えなさい」というその言葉を社長のお話のなかで聞いたときは、正直よくわからなかったんですけれど。

「ああ、このことか!」と気付いたのは、クリニック事業で初めてHPリニューアルの案件を受注した時のことです。看板制作のウェブサイトから問い合わせがあったお客さまに、こちらから提案を持ち込む、つまり営業をするわけですが、当時の私は、クリニックの周辺情報など徹底的に調査して分厚い提案書を作って、「絶対にこの案件をとるぞ!」と張り切っていました。そしてアポ当日、準備万端で出かけようとしているところを社長に呼び止められたんです。「必ず成功させろよ」と発破をかけられるのかと思った私の予想に反して、社長は意外な言葉を放ちました。「園田さん、売っちゃだめだよ」って。

売るつもりで頑張って準備してたのに、拍子抜けです。どういうことかと戸惑っていると「お客さまが自分のお兄ちゃんだったらどうする?売るか?違うだろう。どうやったらそのクリニックうまくいくかということだけを一緒に考えるだろう。」と言われたんです。

そこで、なるほど、と。視点が180度変わりました。本当に相手の立場に立って、手持ちの情報をすべて与えるつもりで行けと。

実際にお客さまとお話ししてみてどうでしたか?

 社長の言葉を肝に命じてお客さまに会った私は、本当に私の持つ情報すべてを提供しました。そうしたら先生は一生懸命メモを取りながら真剣に聞いて下さるんです。私が親身になることで、「営業と客」という関係じゃなくなってくる。一緒に同じ目的を実現しようとする仲間になるんです。それで先生の方から、「じゃあここをお願いできますか」と聞いてきて下さいます。そうやって信頼関係が生まれていくということを体感できました。

情報だけ取られて仕事はもらえなくてもいいやくらいの感覚で、お客さまが「なんでここまでしてくれるの?」と思うところまでやりきる。そしたら、売ろう売ろうってがめつくならなくても勝手に依頼が舞い込んでくるようになりました。それが社長の伝えたかったJBAの理念、「長期関係性モデル」なんだなって腹に落ちました。



JBAのビジネスを語るときに「長期関係性モデル」は欠かせない言葉です。目先の利益ではなく、お客さまとの関係性を重視する。お客さまを深く理解し、永続的に取引することを何より大切に考えます。クリニック事業は長期関係性モデルの権化のようなものです。クリニックの院長の人生、そのご家族のことまで相談に乗ることもある。私の造語ですが、「生涯密着支援モデル」って言ってもいいかもしれません。


お客さまの期待を超えたエピソードがあれば教えてください。

 一番印象深いエピソードは、人生で初めていわゆる「出入り禁止」になった話です。あれはクリニック事業を始めて3年目でした。上司と私で対応していたクリニックで、私と上司の間にコミュニケーション不足が生じ、ある先生への対応が遅れる事態が発生してしまいました。その先生から見れば、窓口となる私の責任で、担当者を外されてしまったのです。その後別の担当者が付いたのですが、その人も折悪く体調を崩して、先生とのアポを守れなかったことがありました。他に人がいなかったため、出入り禁止になったはずの私が謝罪に出向くことに…。当然先生の怒りは頂点です。後日、部長と再度謝罪に出向きましたが、お客さまは「対応が不誠実だった分値引きをするべきだ!」と主張されました。

でも、私は、ここで平謝りして条件をのんではだめだ、と感じました。

先生の真意は、よいWebサイトを作りたい、というところにありました。自分の医療の考え方や専門性、技術力や設備などについて地域にしっかり伝えたい。その想いを理解して真剣に取り組んでくれるパートナーが欲しい、と考えているはずだと。

だから私は、「もう一度、私に提案するチャンスをください」と頼み込みました。そして無理やり頂いた時間で、徹底した調査と提案をやりなおしました。それは地域の競合に対抗するための策で、その先生の売りの白内障手術に関するWebサイトを追加で作るという案でした。私の渾身の分析と熱意に、先生は首を縦に振ってくださいました。実はそれはもとの提案の倍額だったにもかかわらず、です。お客さまのインサイトを見極めて本気でぶつかった結果でした。心の底から嬉しかったですね。

その先生は、納品後も何かとご相談をくださるようになりました。そして何年も関係を続けているなかで、先生の価値観に対する理解が深まって、より質の高い提案ができるようになり、今では組織コンサルとしての顧問契約を結んでいただいています。

マイナスからのスタートで追加提案が成功した理由はなんでしょうか?

カギは、「逃げない姿勢」ではないでしょうか。なにか問題が起こったとき、謝って引き下がることは簡単です。でも、そこまでの人間なんだな、そういう会社なんだな、という印象になりますよね。相手に認めてもらえるように全力をかけて行動で示す。その性格は、私が仕事をする上で大きな力になっていると思います。 






今後のクリニック事業の展望をぜひお聞かせください。

 大きな夢ですが、中長期的にはJBAで医院経営をやってみたいです。ドクターを雇って、クリニック経営の成功モデルを作るんです。全国の院長たちに見学に来てもらって、自分のクリニックの経営に生かしてもらえるような。でもまず現実的なところとしては、クリニック事業を全国展開することが目標です。今は東京と大阪中心で、なかなか地方まで手が回りません。でも、これから社会構造が大きく変わっていく中で、地方にこそ私たちがお手伝いするべき課題ががたくさんあるのではないかという気がするんです。実際に、現在札幌と広島に拠点を作るプロジェクトを進めています。JBAの力で全国のドクターをサポートする。夢を夢で終わらせないよう、コツコツと励んでいきます。

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