- テクニカルディレクター
- フロントエンドエンジニア
- オープンポジション
- Other occupations (43)
- Development
-
Business
- テクニカルディレクター
- Webディレクター/プロマネ
- Web Director
- リモート/プロジェクトリーダー
- コンテンツディレクター
- ディレクター
- 企画・制作ディレクター
- Webディレクター
- 企画・運用Webディレクター
- webディレクター
- Webディレクター(業務委託)
- ディレクター・プランナー
- ディレクター/マーケティング
- Webディレクション
- 経理・会計
- Finance / Accounting
- 総務
- アカウントプランナー
- Digital Marketer
- Webマーケター/未経験OK
- 採用広報
- SNS運用アシスタント
- SNS運用ディレクター
- SNS運用インターン
- SNS運用
- Webマーケター/ディレクター
- デジタル広告の企画・運用
- デジタルマーケティングの提案
- 社会人インターン|副業ライター
- webメディアライター・編集
- Other
コロナ禍が始まって約1年。リモートワークもすっかり「ニューノーマル」として定着してきました。しかし、効率的な働き方に「リモート最高!」という声も聞かれた導入当初に比べて、最近はリモートでのチームワークに「ほころび」を感じるリーダーも出てきました。
デジタルエージェンシーTAMで20人の「デザインテクノロジー」チームを率いる角谷仁さんもそんなリーダーの1人。
リモートワークが2年目に突入する今、角谷さんが気づいたほころびの原因、そしてそれを解決するために現在試みていることなどについて話を伺いました。そこで出てきたキーワードは「感情」でした。
家庭と仕事で分かれた「リモートワークの明暗」
―リモートワークに移行して、個人的な生活は変わりましたか?
もともとうちのチームは仙台や沖縄からリモートで仕事をしている人もいたんですが、基本はみんな出社という形でした。それが、昨年4月の緊急事態宣言で自宅勤務になり、解除された後はほぼ週1回の出社でした。
うちは長男が2歳で、下の双子が生まれたのが昨年の3月20日だったんです。なので、双子が生まれたタイミングとリモートに移行したタイミングが同じだったんですね。
双子の育児ってやっぱり結構大変なので、妻は僕が家にいるだけでも安心だったり、僕が家事を手伝えたりするというので、家庭的にはリモートにシフトしたことで良かった面がたくさんありました。
あと、コロナの影響でいろんなものが延期になったり止まったりして、昨年4月単月でみるとちょっと仕事がゆったりしたというのも、個人的には助かりましたね。
―双子のお子さんが生まれて、1日のスケジュールは変わりましたか?
双子が生まれてなのか、緊急事態宣言があってなのか……タイミングが同じなのでなんとも言えないのですが、ベビーシッターにお願いしたり、妻の両親に助けてもらったり、すべてを総動員してパズルみたいにスケジュールを組んでいました(笑)。
働く場所が自由になったし、いつ仕事をしてもいいので、リモートでオンとオフの境目がなくなったのは弊害ではなくて、むしろいいんちゃうかな、と思っています。育児のほうは時間が決まっているので、育児の合間や朝5時半に起きて仕事をしたりとか。
―リモートワークは家事や育児の面で良かったようですが、仕事面ではいかがでしたか?
仕事としてリモートが良かったのかというと、微妙ですよね(苦笑)。リモートで前よりも仕事が効率的になったとは思います。通勤とか移動の時間が減るというのも大きいんでしょうね。なので、育児しながらでも売り上げを維持することはできるんです。
ただ、昨年12月ごろからチーム内でいろんな「ほころび」も出てきたりして。リモートならではの弊害みたいなのを感じています。リモートに完全に移行して万歳だったかと言われると、そういうわけじゃない、という面もありますね。
チームから損なわれた、人として大切な「感情」
―チーム内でどういう「ほころび」が見られたんでしょうか?
業務委託のパートナーさんと何人かお仕事していて、そこでいろいろ問題が起きました。
リモートだけが原因じゃないものがいっぱいあるんで一概には言えないんですけど、12月納品の大規模な案件で、パートナーさんのフラストレーションが溜まってしまって、納期に影響しそうな問題が起きてしまったりとか。
コミュニケーションが取れていないことによる問題が、端々で噴き出してきた感じがあったんですよね。
それってなんなんだろうと考えたとき、出社してみんながいるところだと、隣の人のタイピングの音が大きかったりしたら、「なんかイライラしてるなあ」とか、「忙しそうやな」とか全部分かると思うんですけど、そういう状態が見えないことが問題だと気づいたんです。
パートナーさんからしたら、こっちの状況も分からないし、テキストだけの顔の見えないやりとりだと感謝されているのかも分からない。一部のパートナーさんからは「同じ依頼内容でもテキストだけで受け取るのと、口頭でも説明してもらうのとで全然違いますね」という言葉ももらいました。
それに、家で黙々と仕事をしていると、ただでさえ疎外感を感じたり、チームとしての一体感が感じられなかったりしていたのだと、恥ずかしながらあらためて気づきました。
顔の見えないコミュニケーションの弊害として、礼儀だとか、戦友感だとか、つまり「感情」の部分が損なわれてしまったというのが、去年の反省としてあります。
もともとTAMって結構、「人対人」というコミュニケーションを大切にしていたので、「ありがとう」と言うなどを大切にしてきた文化があります。
例えば、ディレクターがエンジニアとかデザイナーとかに依頼するときにも、メールやSlackでなにかをお願いした後に、対面でも「よろしくお願いしますね!」みたいにやっていたのが、リモートに移行して減ってしまったんですね。
ただただ「修正お願いします」みたいなテキストだけが送られてくるようになって、そうなると「どういう状態なんやろ?」と受け取る側としては思いますよね。そのあたりがリモートだからといって効率化してはダメなところなんだろうと思います。
―リモートで仕事が効率化して、はじめのうちはリモートへの期待感をみんな持っていたと思うのですが……。
たしかに、割とみんな昨年12月ぐらいまで、「リモートになって自由に自分のやりたいように仕事ができるし、通勤時間もなくなってラッキー!」みたいな感じだったと思うんです。
そんなふうにリモートへの変化を楽しんでいたのが去年だったと思うんですけど、今年に入ってみんなから話を聞くと、「僕はやっぱりみんなと一緒にワイワイやっているほうが好きなんだな……と最近ちょっと思います」みたいなことを言ってたりとか。リモートで一人で作業しているのが「なにしてるんだろ」となってきているんだと思います。
あと、リモートだと相手の笑っている顔を見なくなったなあと思いますよね。打ち合わせも仕事の話ばっかりになるんで、一緒に笑う機会がなくてタスクだけこなしている状態だと、やっぱり仕事面白くないやろな……と思っちゃうんですよね。
―そうしたリモートに対する感情の変化は、チームメンバーの仕事の成果に現れたりしますか?
落ちていく人は落ちていくんですよね。自己管理があまり得意じゃない人って、やっぱり締めつけられないとピリッとできないというのがあって。
例えば、夜中遅くまで起きてて、朝寝坊してミーティングに顔出さなくなったりとか、どんどん悪循環に陥ってしまうんです。放っておいたら、たぶん責任を感じて辞めちゃいますよね。だから、そういう人とは話をして、落ちていく前にすくって、自分で走れるように言葉で背中をたたいてあげることを意識しています。
「その先に人がいる」チームワークを取り戻すアイデア
―「やっぱり対面のほうが楽しかったな」と、揺り戻しを感じる人が多いということですが、今、チームのリーダーとして始めていることは?
今はみんなに出社してくれと言える状況でもないので、リモートでどうコミュニケーションを改善するかをいろいろ模索しているところです。
すでに始めているのは、「おはようミーティング」です。毎朝10時からみんなで入って「おはよう!」と言って、5分だけ雑談して終わるミーティングです。みんなどうでもいいことばかり話して、最後に「じゃあ、今日も頑張りましょう」と。
これは昨年から始めていたんですが、10月ぐらいからなあなあになって「入れる人だけ入ろうや」みたいになって、最後は2人とかしかいなくなっちゃったんですよ。
でもそれは良くないと思って、これは出社の代わりにやるものなんだということで参加必須にしました。全員の顔をきちんと見て、だれがどういう状況なのか、どういう感情なのかを感じるようにするための時間ということで。
―他にもなにか始めたり、計画したりしていますか?
チームのミーティングでいろいろ伝えることもやっています。今日もみんなに「パートナーさんとテキストだけのコミュニケーションならないように、週1で10分でも定例ミーティングをするようにしてくださいね」という話をしたところです。
それから、テキストでやり取りする場合も、文字を書き込むだけじゃなくて、その先に人がいることをちゃんと意識したうえで、人の気持ちを考えて文章を書こう、と。みんなもそのあたりは実感していると思うので、響きやすいとは思うんです。
あとは、月一回、チーム飲み会をやろうかなって。週1ぐらいで若手のランチミーティングも考えています。「飯代は会社持ちでいいから若手同士で話して」と。
―そうした工夫で、チームにどのような変化を期待しますか?
リモートのコミュニケーションだと、「僕対メンバー」になりがちで、チームの横のつながりが薄くなってしまうので、やっぱり横同士のコミュニケーションをしてもらいたいというのはありますね。
というのも、気軽に相談できる友達みたいな人を社内につくるって大事なことだと思っていて、だけど昨年入社した若手社員はリモートでそういうのがなかなかできてないんです。上司でない人に仕事の質問をしたり、いろいろ相談したり、飯を食ったりするのも大事だと思うんですよ。そこから新しい発見があったりするから。
―角谷さんとチームメンバーのコミュニケーションになにかすでに変化はありますか?
これまでは対面であっても1分の時間を惜しんで、雑談の時間をあまり取っていなかったんですよね。「1on1」とかでも30分ぐらいの対話なんで、雑談というよりもすぐに要件に入っちゃうことが多かったな、と反省しています。
今は要件から入らないで、「元気?」「どう、調子は?」から入るようにしています。そのほうが、結果、腹割って話せるというか。リーダーとしてはそこを意識していますね。とにかく単純に顔見せて、「元気そうやな」みたいなのが大事なのかなと。
―ビジネスや組織においても「感情」をやりとりするのが大事なんですね。
そう思います。感情のやり取りをしなくなると、人間なんでストレスがたまって、結果ダメになる、ということだと思うんですよね。実際にパートナーさんとの関係が悪化したりしたのは絶対そういうところなんで。
効率的にやっているだけじゃダメ。長期的にちゃんと組織として成長するためには、みんなが顔を出して、お互いの人となりを理解して、礼儀を大切にして、みんなでやっていくんだという気持ちが大事だと思います。
株式会社TAM デザインテクノロジーチームリーダー 角谷仁
IT業界歴=TAM歴の13年目。チームマネジメント歴は8年。PWA Nightコミュニティ発起人で、3児の父でもある。2歳のイヤイヤ期真っ最中の長男と0歳の双子の赤ちゃんを育てながら、大規模案件のPMや、モダンなWebフロントエンドの開発案件のプロデュースに従事。育児に仕事に奮闘しています。
Twitter:@hitoshisum
[取材・編集] 岡徳之 [構成] 山本直子 [撮影] 石田バレット (Barrett Ishida)