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カンボジアの倉田さんが胡椒で世界を平和にする話

愛猫「にゃん丸」のブラッシングをすると、自分の体もスッキリした気がしてしまう、ほぼ猫の、KANです。

2024年5月6日、自分の兄貴分の、敬愛する信濃屋食品のウルトラスーパーバイヤー岩崎さんから、「カンタローはん、すごい胡椒のイベント仕込んだから、遊び来て」ということで、虎ノ門ヒルズステーションタワーB1Fのcaskさんへ。

誰から紹介されるかって、とても重要。岩崎さんからのご紹介は間違いないと確信しているので、胸を躍らせ、ほぼ予備知識もないまま、イベントへ。

(ちなみにそんな岩崎さん、_SHIP KOMBUCHAも認められ、caskさんや信濃屋さんでも大好評、お取り扱いいただいております!)

当日は、KURATA PEPPER代表の倉田浩伸さんを中心に、50名を超える業界の方々が集まっていらっしゃいました。

イベントの流れは、倉田さんによる胡椒のお話を伺い、全5品のKURATA PEPPARを存分に味わえる、スペシャルコース料理を堪能するもの。

「胡椒」という、メインに躍り出てくることがない香辛料を主役に据えた、どんなイベントになるのか、期待が高まりました。

■KURATA PEPPERとは

カンボジアのカルダモン山脈の麓にある、KURATA PEPPERの自社農園と契約農園で、現地の人々と、昔ながらの自然農法で栽培された胡椒を販売する企業。

かつて「世界一美味しい」と言われ、700年以上の歴史がある、カンボジアの胡椒を蘇らせたい。

その想いで、日本人の倉田浩伸さんが、1997年に創業。安全で高品質な胡椒を生産することにとことんこだわり、2011年、カンボジアオーガニック協会から、国内オーガニック認証を取得。

■KURATA PEPPERの大きな特徴

ファームがあるのは熱帯雨林エリアであり、胡椒は熱帯雨林でないと育たない。

しかし2024年現在、メコン川の川底が見えるくらい、カンボジアは深刻な水不足に陥っているそうです。地球環境の乱れが、胡椒業界にも悪影響を与えていることを伺い、胸が痛くなりました。そんな中でも、現地の方々と力を合わせて、最高品質の胡椒の生産に励んでいらっしゃいます。

ちなみに胡椒はツル科の多年木。そして、どんよりした天候を好み、5月ごろから花芽をつけ、水蒸気で受粉する植物です。

生産工程で、問題になるのが「ハエ」。このハエが花粉を舐めてしまうと、実がつかないので、基本的には殺虫剤を撒きます。しかし、オーガニック認証を取得しているKURATA PEPPERではそれを使わず、収穫量は減るが、あえてそのハエを「摘果」作業の代わりに活用。品質の高い胡椒作りに、一般的には敵として考えられているハエを活用。これが、KURATA PEPPERの一番の特徴かなと、感じました(もちろん後述するように、味も超一級品!)。

■味わい

そんな倉田さんの生み出す胡椒は、辛いだけではなく、旨みもしっかり楽しめる仕上がりになっています。

作っているのは、辛いだけではない、旨味を楽しめる緑胡椒や、直径6mm以上になったらフサごと、手づみをする黒胡椒、さらに完熟胡椒という、完熟すると果肉に旨みが出る商品は、産地によって旨みが出る出ないがあり、現在、世界で唯一、倉田さんのみが生産しているという希少なものまで。

さらに予約限定で、発酵させて味を整え、素材の旨みを引き出す、極上のうま味調味料である白胡椒など。生産量がかなり限られているとのことでしたが、caskでは取り扱いあり!そのまま買って帰りました。

cask虎ノ門ヒルズ

■胡椒の成分

・ピペリンが辛味作用であるが、胃腸を強くする

(カプサイシンとは全然違う)

・香り成分の皮には、食欲増進効果があるし、オイルにすると、気分高揚効果もある

・利尿作用もあり、塩分排出効果もある

大きい粒の胡椒は、プチッと楽しい食感で口いっぱい風味が広がります。本当に、おすすめの香辛料。

商品紹介詳細はこちら

■改めて、なんで始めたのかを聞いてみました

倉田さんは、フェアトレードに重きを置いて、事業を始めたとのこと。

労働搾取が行き過ぎることで、争いが生まれる現状を目の当たりにし、それを変えたいという思いが芽生えたとのこと。これは、オーガニックの考え<IFOAM(国際有機農業運動連盟)が制定したオーガニックのルールの一つ:公正・・・地球環境や、生きとし生けるもの全てが平等に尊重され、自然体でいられる状態を保つ。これは児童労働禁止、貧困撲滅、フェアトレード、動物福祉などのアクションに紐づく>に通じており、2011年に、現地のオーガニック認証を取得したところにもつながりました。

倉田さんからは、胡椒を通じて、世界を平和にするんだという強い想いを感じ取ることができました。

現在、胡椒の世界一の生産地はベトナムですが、過去にカンボジアが世界一だった時代があり、カンボジアにおいて、胡椒という香辛料は、とても重要な意味があり、ストーリーがある。それを倉田さんが知り、現地の人にそれを伝え、プライドを思い出させ、根付かせるアクションをしているということ。こんな日本人、素敵やんってな感じで、共感しました。

KURATA PEPPER

■心から堪能させていただいた胡椒のフルコース

そしてお楽しみの、KURATA PEPPERをふんだんに使ったコース料理は、caskに隣接するワインレストラン「W」のシェフ渾身の5皿。

全てが胡椒の旨みをふんだんに味わえる、最高の構成でした。

〜前菜〜

真鯛のカルパッチョ 木桶醤油の海苔ジュレソース

完熟胡椒・生胡椒の塩水漬

〜スープ〜

空豆のポタージュ+ポップコーン

黒胡椒

〜パスタ〜

カチョエ・ペペ

黒胡椒・完熟胡椒

〜メイン〜

マグロのペッパーソテー

完熟胡椒 黒胡椒 白胡椒

〜デザート〜

バニラアイス

完熟胡椒 木桶醤油

一言で言うと、心地よい辛みが、口内を素敵な環境にするコース。

素材を引き立たせるとともに、自己主張も程よくするクラタペッパー君が愛おしくさえ思いました。

■イベントに参加して

やはり、生産者の取り組みを直で聞ける機会は、貴重でありがたいなと感じた時間となりました。

これだけ世の中にものが溢れている中で、何を選ぶか、その基準は価格とか量ではなく、根元に流れる作り手の想い、情熱に重きを置かれるようになってきていることを、実感しました。

それを伝える店舗やバイヤーの存在価値も、より高まってくるでしょう。正しいアウトプットが、未来を創って行くと感じました。

そんな素敵なプロダクトと出逢える場を、大泉工場も運営しておりますので、ぜひ、お越しください。

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