偶然は「ただの偶然」それとも「奇跡的な出会い」か。あなたはどう捉える?|福岡でコツコツまじめにやってる会社の平凡な日常
「人生に無駄な経験はない」 皆さんはこの考え方に賛成ですか? それとも反対ですか? コウダプロ社長の幸田八州雄さんは、この説について「半分本当で、半分嘘」とこの日の朝礼で話しました。 ...
https://note.com/koudapro/n/n005dac9f6473
「コウダプロは激変期の真っ只中にいます」。コウダプロ社長の幸田八州雄さんはそう話します。詳しくは書けませんが、直近立て続けに起きた出来事は良いものばかりで、大きな流れに乗っているようだといいます。
起きる物事やその流れをつくったのは、人の思考やそこから派生する行動や習慣ですが、もう一段大きな流れを支配しているのは「宇宙」だと考えています。
「自分の人生は広大な時間の流れの中のほんの一瞬で、身体は広大な宇宙における小さなかけらにすぎない」。この言葉を残したのは、近年シリコンバレーを中心に再注目されるストア哲学における代表的な哲学者のひとり、マルクス・アウレリウスです。
宇宙のリズムや流れを大切にするコウダプロの考えと近いものがあり、ストア哲学を学んでいる私にもズーンと響く話でした。始まりからワクワクする……!
こんにちは、プレスラボの池田園子(@sonokoikeda)です。2023年12月より、月1回「コウダプロ朝礼レポート」を担当させていただいています。
前回(2025年3月)の朝礼noteはこちらから。
先日、出張に行った幸田さん。幸田さんが慕っている先輩社長(A社長とします)と行動をともにしていました。
大好きなA社長との時間はめちゃくちゃ楽しみ、でも荷造りや準備、移動が面倒(涙)と話していた幸田さん。それでも行動することに大きな意味や新たな展開があることは、身をもって知っています。
いざ出張へ。そこで偶然の出会いと「心の開き」があったと振り返ります。
その後、ご縁でつながった不思議な能力を持つ先生との面会で、幸田さんはいろいろなことを伝えられ、とくに印象に残ったのがこの言葉。
「(幸田さんに)運を感じません」
そのときのことを「……違和感。どう理解すればいいのか? と戸惑いました」と幸田さんは振り返ります。
確かに、超強運な人は分かりやすいものです。幸田さんの周りにも「運が濃厚」な印象の方がいるそう。運が濃厚とは言い得て妙で、私もそんな方がひとりふたり思い浮かびます。
先生としては「運の強さを感じない」としても、幸田さん自身は自分が運が良いと感じています。その根拠は現象としても現れています。
たとえば、幸田さん(50代前半)はアスガール顆粒という商品を発売して6年くらい経ちます。おかげさまで少しずつ知られるようになってきました。その間には「運」としか言いようがないような奇跡的な出会い、さまざまな方々からのありがたいサポートがありました。それらなしには今のアスガールはあり得ません。
この6年間でいったいどのくらいの新商品が日本で発売されたでしょうか。幸田さんは社員に向けてこう話していました。
「地方の中小零細企業が発売した新商品が、今のアスガールくらいの立ち位置に来れる確率は、福岡でデビューした歌手が6年後に紅白歌合戦に出れるくらいの確率だよ」
「本当に多くのご縁と幸運がなかったら到底無理だった」と力説していた幸田さん。「僕も、コウダプロも本当に運がいい」と心から感じているようです。さらに、続けます。
「会社として大きな波に飲み込まれそうになっても、積極性を失わずに立ち向かい、状況を良い方向に加速させてきたのがコウダプロ。そして、各自の仕事をプロとして本気で向き合う約20人のメンバーに恵まれています。僕は超強運な人と比べると、もともと持つ運の量は多くないかもしれないけれど、これらは“運に愛されている”としかいえない現象じゃないでしょうか」
客観的にもそう見えます。では、なぜそうなれているのか? 幸田さんの在り方にヒントがあります。
「人間性の底にある玉、言い換えると良心のようなものに背かずに生きてきた。そして、人生で直面した課題に誠実に取り組んできた」「宇宙の流れに逆らわずに生きてきた。だから宇宙から嫌われることはないのだと感じている」
「コウダプロ憲法第二章 運」でも伝えられている内容そのままです。
宇宙に逆らわれないよう流れに乗っていたら、運は自然と増幅していき、運とは自然科学の領域にあって再現性と法則性があるものだ、という幸田さんの発言は心に刺さるものでした。
面白い人の周りには必ず面白い人がいます。先の出張に同行したA社長然り、この後幸田さんが言及する社長(B社長とします)然り。
幸田さんは若かりし日、福岡のとある会社に入社したことがあります。ん? なぜそんな妙な表現なの? と違和感を持った方へ。当たりです。幸田さんは、同社に入社後4日でクビになったという伝説を残しています。
何があったのか分かりませんが、時を経た今、B社長とは一切のわだかまりなく、会食をご一緒する関係性に。そんなご縁もあり、B社長の会社のコーポレートサイトをなんとなく見ていた幸田さんは、B社長が“社長の盲点”について語る動画を見ながら、首を大きく縦に振っていたと話します。
「B社長の『社長自身が盲点に気づいて、そこに光を当てて、修正していくかどうかで、上昇するか現状維持か下降するかが決まる』という話に心から共感しました」
“社長の盲点”=事業のすべては経営者の哲学の結晶体であり、その哲学の進化・深化は自らの盲点に気づくことから。B社長が長年の知見からそう確信して誕生した経営者の哲学が動画内で語られていました。
そんな幸田さん自身にも思い当たる盲点がありました。それは「中二病的な体質」。幸田さんは大人の男性ですが、その要素を恥じることなく、皆に堂々とシェアします。その様が人としてかっこいいなと感じました。
「行き着いたのは、自分自身の人間性の器の問題です」と幸田さんは続けます。今から2年前、社内のメンバーに「俺のダメなところを言って」と頼んで、率直に伝えてもらったことがあったそう。
「当時もそうだなと素直に感じたし、今でもあれが自分の器だったのだなと感じます」
それから2年経ち、幸田さん自身の人間の器が広がりを見せてからは、いろいろな問題がどんどん解決していき、道が開けていったといいます。
「自分の器のサイズがもう何倍か大きくなったら、今のコウダプロは成長の天井が外れて、際限なく伸びていくのは間違いありません。事業や会社の伸びは経営者の器に比例します」
これもひとつのセレンディピティ。かつて衝突したB社長の動画を視聴したことで、自身の盲点を認識して自ら光を当てたことは、幸田さん及びコウダプロにとって、非常に価値のある出来事に他なりません。
ここまで、相当濃い話が繰り広げられましたが、「今日最後に伝えておきたいこと」として、幸田さんは続けます。
ネガティブな感情を抱くことは誰にでもあるものだと。そして、人はネガティブ感情の有無を論点にしがちだけれども、それ(ネガティブな感情)があるのは当たり前だと。
「でも、“感情の海に飛び込むかどうか”は自分次第です。そこで溺れるかどうかも自分の勝手。これは問題に気づいても見て見ぬふりをする現実逃避とはまったく違います。51歳にして気づき、言語化することができました」と話します。
目の前に海がある。それを知っていて、飛び込むかどうかは自ら決められることで、選択は自由にコントロールできるということです。「知っておくと心の護身術になる」という幸田さんの言葉が今でも心に残っています。
今回も非常に密度の濃い朝礼でした。ストア哲学を学んでいる私にとっては、そこに通じる思想に深く共鳴し、心踊るひとときでもありました。
本文では、幸田さんご自身の「盲点」に焦点を当てましたが、朝礼では「誰にでも盲点はある。それを素直に言い合えるのがコウダプロの良さ」という言葉も印象的でした。
この姿勢は、コウダプロ憲法第二十条にある「建設的な提言」、言い換えればNetflixのように“相手や組織のためを思って伝える”文化に象徴されていると感じます。
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コウダプロという組織の在り方に改めて惹かれました。そしてこれからも、その進化の過程を見つめ続けていたいと思わずにはいられません。
Text/池田園子