「だらしないね💢」社長激おこ&不穏な空気でスタートした朝礼で学びがありすぎた話 プレスラボ 池田園子さんによる朝礼レポート|福岡でコツコツまじめにやってる会社の平凡な日常
幸田社長「だらしないね(怒)」 メンバー(シーン......無言) 社長「ぬるくなってんじゃないの(怒)」 メンバー(シーン......無言) 12月11日(月)、コウダプロの朝礼は、非常に不穏な空気で始まりました。 ...
https://note.com/koudapro/n/n793d406f0f8c
もし「仕事初めのドレスコード=新年に相応しい格好」と社長から言われたら、皆さんはどんな格好で出社しますか?
「新年に相応しい格好とは」を自分に問いながら、読み進めてください。
1月4日。初詣を終えて社に戻ってスタートした、コウダプロの新年特別朝礼。
服装については冒頭のように皆に伝えていんた社長でしたが、朝礼開始早々「緊張感ないよ」「(その格好の選択は)バカか舐めてるかのどっちかだよ」とコメント。
詳細は省きますが、社長から見て「明らかに普段通り」「どう見てもカジュアル」な格好のメンバーが散見されたのでした。
社長「斎藤道三、知ってる人います? 織田信長の義父にあたる人ですが、信長と初対面する日の前日、移動中の信長を目撃したときは、ひっつめ髪で帯の代わりに縄を使っているような、無茶苦茶な格好だったんですよ。そのときは『信長よ、お前、終わってるな』って感想ですよ。ところが翌日、城に現れた信長は前日とは打って変わって完璧な装いだった。それを見て『我が子はこの男に殺られる』と確信したんです。それくらい、服装っていうのは重要なんです」
不意に歴史上の好事例! 最高です。
こんにちは、プレスラボの池田園子(@sonokoikeda)です。昨年12月より、月1回「コウダプロ朝礼レポート」を担当させていただいています。
今回も予想通り(?)予想外の展開になりましたが(コウダプロファンなら言いたいこと分かりますよね)、ここから朝礼レポートをお届けします。
社長にとって年始は特別感と緊張感を持って臨むタイミングだといいます。
大晦日は関係各所に対する1年の感謝の念を抱いた後、元日は「激動の環境下で今年はコウダプロとして何を強みに、どう経営していくか?」を緊張感を持って思考するのが恒例なのだとか。
この先何が起こるか分からない、未来予測が困難になっている今、20人近くの従業員を抱え、世界進出を見据えている会社の経営者として、社長が大きなプレッシャーを抱えているのは想像に難くありません。
ただ、特に新入社員や若手社員にとって、オーナー社長が抱える年始ならではの感情、感覚を想像するのは難しいと思います。むしろ、彼らがそれを完璧に想像できるくらいなら、すでに会社経営をしているでしょう。
だからこそ、一般の会社ではまず話されないであろう、社長の内省の共有は斬新で、社員一人ひとりが経営者の感覚に多少なりとも「タッチする」ことはできるのではないでしょうか。ひいては、経営者の感覚を持つ人も出てくるのではないかと想像します。
コウダプロでは仕事初めの日、2ヶ所の神社を参拝しています。起業後初の初詣では、2枚の封筒に1万円ずつ収め、その後は会社・事業が続いていることへの感謝を込めて、毎年少し増やしていくなど、会社としてお参りする初詣も特別な時間なのだと社長は言います。
社長「お賽銭のことなんて、こんなふうにわざわざ話すことじゃないですよ。でもね、緊張感なく、初詣に行く意味はありますか? 僕が年始と年度初めに特別な感覚を持っていることが言葉にしないと伝わらないなら、あえて言わないといけないと思って、言葉にしています」
根底にあるのは「社員を一人の人間として信頼・リスペクトしているから、何でも(プライベートな事柄や各自の給与のことを除く)全員に公開している」姿勢。人を雇うのには相当なお金がかかる(辞めた社員の例を挙げながら)話すらしているくらいです。
それくらい皆へのリスペクトがあるからこそ、「仕事初めはスーツで来ましょう」なんて野暮な呼びかけはしないということ。メンバーを「自ら適切な解を出せる人」だと信頼している証ですよね。
「〜しなさい」という命令・指示が増えると、窮屈な世界になるのはもちろん、自分の頭で考えない人が増えます。ただ、指示する方が管理する側はラクなので、相手を信じて「〜しなさい」とは言わない姿勢を貫けるリーダーを私は尊敬します。
この後、社長のここまでの話を受けて、メンバーの意見シェアが活発に行われ、再び社長のターンに。
社長「皆さんをリスペクトして、人として扱っていると言いましたが、ここからは『菌扱い』します。腸内環境における善玉菌・日和見菌・悪玉菌の例で説明したいので、ご容赦ください(笑)」
社長「自分が善玉菌だと思う人?」「自分が日和見菌だと思う人?」
(メンバー各自:おずおずと挙手)
(池田:この問い、やばい(噴))
社長曰く、多くの組織は善1:日8:悪1の割合で、コウダプロは善4:日6の印象とのこと。
組織には2:8の法則があり、大企業だろうと有名企業だろうと、大抵の組織が2:8の法則に基づいた構成になるのは知られていますが、コウダプロはさすが、そうではないということ。
約20人という少数で世界進出を本気で考える、一種の狂気を纏う組織。その勝負に挑むには社長が言う「異常なこと」をする必要があるわけです。
この朝礼も一般の会社から見ると、良くも悪くも「異常な朝礼」と映ることでしょう(私はポジティブな異常さを感じて、この場に参加できることを誇りに思います)。
社長の「日和見菌が善玉菌になればいい、できれば皆が善玉菌であってほしい」とのコメントには、心から共感しました。組織の理想的な在り方でしょうが「普段から善玉善玉とばかり言っていたら、某隣国みたいな会社になってしまいます。年始と年度初めのような特別なタイミングくらいは善玉を推奨したいなと」と、社長はフォローも忘れません。
フリートークを挟んだ後、若手社員に社長から「君たちはどうなりたい?」との問いが飛んだ流れで、「君たちはどう生きるか?」と「君は何のために生きてるのか?」の明確な違いが語られました。
前者は「自分というモノを持たず、迷いを抱えながら、“どう生きるか”を探している」、後者は「自分の命を何に使うか決断した」スタンスであると、社長は解釈しているといいます。
社長「『XXが好きで、XXのために生きている』と言える人は覚悟とパワー、迫力を持っています。自分の言葉でそう言い切れる人は100人に1人いるかいないか。だから、言い切れたら100人に1人の人材になれる。コウダプロにそう言い切れている人はいます」
私はコウダプロウォッチャーのひとりとして、「その人」が誰なのか分かるような気がしました。また、両者の違いを考えたことはありませんでしたが、今世に自分が人間として生まれた意味を大事にし、心身はもちろん、命にも等しい時間を何に投資するか? と考える人でありたいとつくづく感じました。
ここまでの話を総括する言葉として、社長の口から出てきたのは「凡事徹底」。
凡事=ありきたりのこと。平凡なこと。
凡事徹底=当たり前のことを徹底して実行する
(『三省堂国語辞典』より)
全ての強いスポーツチームでは凡事徹底が確実になされていると社長は言います。社長は皆がイメージしやすいようにとスポーツの例を挙げましたが、スポーツに限らずあらゆる強いチーム、ひいては個人レベルでも言えることではないでしょうか。
社長「年始だからこそしたい話もありましたが、物事には順番があるから、あえてこの話をしています。今のコウダプロでは、コウダプロ憲法を理解し、実践するメンバーによって組織が構成されています。そこまではできているけれど、高い意識を持って組織運営されて初めて、成長戦略を描けるんです。それができてない段階で成長戦略を描いても組織は滅びます。今のコウダプロに必要なのは凡事徹底の意識です」
この後、フリートークを経て、社長がぼそっとつぶやきのように放った言葉に、私は首がもげるほど頷いていました。
社長「……思うんですよ。人は皆『いい人生を送りたい』と思いますよね。だけど、人は必ずしも『これをすればいい人生になる』選択をとるとは限らない。僕含めて、人は愚かな生き物です」
合理的に考えると明らかにAの選択をした方がいい人生、幸せな人生になるはずなのに、なぜだかいい人生には結びつかなそうなBの選択をとる。そんな経験はないでしょうか。
私が勝手に例を挙げてみます。「優しく穏やかで犬みたいに従順ながら面白味に欠ける独身のナガノ君」より、「俺中心で猫のように気まぐれながら刺激に溢れる既婚のソメヤさん」に引かれてしまう、というような。
10年後に振り返ると「ナガノ君を選択した方が幸せだろうよ」と即答するでしょうが、人は幸せを取りこぼす選択をすることがあるわけです(ソメヤさんを選んで幸せになる人がいる可能性も否定はしません)。
社長「僕の経験上、おおごとは日常の『まあ、いいや』『このくらいでいいや』から生まれます。20回に1回、5%くらいの確率で、おおごとを引き起こす芽が出るんです。知っておいてほしい感覚です」
これはコウダプロ憲法第十五条「芽を摘む」と関連する話ではないでしょうか。「悪い考えが芽生えた瞬間に、それを摘み取るように努めなければならない」とありますが、「まあ、いいや」「このくらいでいいや」という見逃しや妥協も、明らかな悪意はなくとも会社を毀損する「悪い考え」には該当します。
だから、些細なことでも「まあ、いいや」「このくらいでいいや」という発想が生まれたら、「それでいいのか?」と自問自答したいところです。
「おおごと」という言葉が出てきたこともあり、社長は若干極端な仮定の話を始めます。
社長「もし会社の売り上げが0円になったら、と想像することがあります。でもね、天変地異系のアクシデントを除けば、売り上げが全くなくなっても、みんなの給与は1年分くらいは払い続けられます。うちは潰れることができないくらい、強い会社です」
その瞬間、皆の脳内には「うちにそんなに資産があるのか!?」との問いがぐるぐる回っていたかもしれません。しかし、資産云々の話ではありません。社長は「自分には切り札がある」と言い、話を続けます。
「全員で自社商品を福岡県511万人に向けて売り歩く」活動を1年やりきれば、創業以来最高の売り上げが出る、と言い切るのでした。
「もし会社の売り上げが0円になったら、そうやって売り歩く人?」との問いには全員が手を挙げています。全員に覚悟がありました。
社長は「組織風土の強みこそが、コウダプロの強さの源泉」と言います。組織風土の強みはこの朝礼をはじめ、日々の積み上げで作られていて、一朝一夕には成り立たないものです。いかに普段から一人ひとりの仕事、会社への意識を高めるかに対し、社長は心を砕いているのだなと感じました。
その上で、時代を読み、人の感情を揺さぶるストーリーをもって世界へ飛び出す未来を社長は描いています。最良のタイミングを窺い、そこで社運をかけた挑戦をすることを決断しています。
コウダプロが「なる」と決めているのは「ブランドコンテンツカンパニー」です。ただ、グローバルであまりにも強大な力を持つハイブランドがひしめく市場での「椅子取りゲーム」に、ありきたりなやり方で参加しても勝てません。論理を変えて戦う必要がある、と社長は言います。
10数年前に自宅を建築した際、お世話になった腕のいい大工の例を挙げ、素晴らしいモノを作る力があるのに、売る力がないあまりに搾取される職人を見て、社会の在り方としておかしいと感じた、と社長。「職人(モノを作る人)をリスペクトし、チームに引き入れて挑戦をする」と展望を語りました。
社長が新年に用意していたテーマもとても気になりましたが、今回の話もとても学びが深かったです。
振り返ってみれば、新年に気を引き締めて生きていくのに相応しい、むしろ新年にしっくりくる話を聞けたのではないでしょうか。
改めて社長の視座の高さを感じると共に、メンバーのひとりが「社長の年始への想いが理解できてなかった。そこへの理解が育てば社長の考え方に近づいていける」と言っていましたが、同感しかありませんでした。
「今後も刺激をいただける朝礼に参加したい! 社長がシェアする考え方や言葉から学びたい!」という気持ちが強まった1月4日でありました。
Text/池田園子