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2024年9月、ユニークなアイデアをガジェットや体験に落とし込み、話題化することに長けたカヤックの実力派が集結。技術部第二課・通称「テクニ」と名乗る3人組に、結成の背景や自分たちの強み、これから目指していることをインタビューしました!
宮野有史(中央)
1986年生まれ、2017年入社
面白プロデュース事業部/技術部第二課/エンジニア
コンタクトレンズを取るときにベロがでてしまいます
ゆうもや(右)
2000年生まれ、2023年入社
面白プロデュース事業部/技術部第二課/エンジニア
インスタレーション展示を見る時、まずセンサーの位置を確認してしまいます
村上藍加(左)
1999年生まれ、2023年入社
面白プロデュース事業部/技術部第二課/プランナー、ディレクター
アイスティーは二分の一飲んだ後にフレッシュを入れて味変するタイプ
カヤックの面白さ✖️ものづくりの才能を実世界に実装
ー本日は、面白プロデュース事業部で新しく結成されたユニット、技術部第二課・通称「テクニ」のメンバーにお話を聞いていきます。まず簡単に自己紹介をお願いします。
宮野
2017年にカヤックに転職し、エンジニアとして主にインタラクティブなコンテンツをつくっています。カヤックではアイデア出しもさせてもらえるので、実装だけでなく企画から関わることも多いです。
ゆうもや
2023年に新卒入社した、ゆうもやです。WEBフロントエンジニアをやりつつ、ブレストにもたくさん参加しています。宮野さんと一緒に「うんこミュージアム」の現地メンテナンスも担当しています。
村上
私はクライアントのSNSの投稿・運用や、ゲームやWEBのサイト制作、パッケージ制作、イベント企画など、幅広くやらせてもらっています。前職でエンジニアをしていたこともあり、企画やディレクションをしてあとは人にやってもらうというより、自分も一緒にものづくりしたい、と思うタイプです。カヤックに転職してきて一年くらいです。
ーなぜこのメンバーでユニットになったのですか?
宮野
職種や年次は違いますが、この3人には似ているところが多いんです。変なアイデアを考えてそれを実際に形にすることが大好きで、SNSでバズらせているとか。
村上
たしかに、「実世界に実装したいものづくり」は共通点かも。カヤックに入社してすぐ、「宮野さんとゆうもやくんと話してみた方がいいよ。気が合うはず!」と言われていたんです。
宮野・ゆうもや
へー、そうだったんだ!
村上
だから、カヤックで初めて指名したブレスト相手もこの二人でした。たくさん話すうちに、一緒に活動したらより面白いことができそうだと実感するようになって......。先輩からも、同じようなアウトプットを目指している人同士で組んでみるのもいいよね、とアドバイスをもらい、自然とユニットができていました。
▲技術部第二課の通称「テクニ」は、漫画を原作にした90年代のヒットドラマ「ショムニ(総務部庶務二課)」に由来
ーそこから、カヤックの面白さ✖️ものづくりの才能を実世界に実装するユニット「テクニ(技術部第二課)」が誕生したわけですね。
村上
はい、勝手に撮影した宣材写真を見せながら「3人でユニットをつくりました」と事業部長に言ってみたら、「それ、ええやん」とすぐにOKしてもらえました。それで、もうインタビューを受けているという......。ユニットの証として、宮野さんに名札も彫ってもらいました。
ー完全に事後申請ですね(笑)。そしてかなり立派な名札ですね!
宮野
これはレーザーカッターでつくりました。村上さんが「国会議員風の名札が欲しい」と言い出しまして(笑)。僕が拠点にしている古民家オフィスは、レーザーカッターや3Dプリンターが自由に使えるし、広い作業スペースもあるので、どうせなら社内ワークショップをやってみようということになりました。意外とつくりたい人が多くて、結局たくさんの人が参加してくれました。
村上
こういう環境やノリは、すごくカヤックっぽいですよね(笑)。
アイデア満載の実力派が集結しました!
ー「テクニ」の皆さんが、今までどんなものをつくったのか紹介してください。
村上
ゆうもやくん個人の代表作と言えば、「無限バンクシー」ですよね。
宮野
バンクシーの作品が高額落札された瞬間、シュレッダーが起動して裁断された騒動が元ネタになっているんですよね。
ゆうもや
オークションハンマーを叩くとバンクシーの絵が裁断されて、逆から叩くと元に戻るマシーンをつくってみたんです。それがめちゃ話題になって、テレビなどのメディアに取り上げられました。学生時代から、こういうバズ系のものづくりをXに投稿していたんです。
宮野
すごいな、嫉妬しちゃうな(笑)。
僕がつくったのは、歯車を花輪に見立てた卓上サイズの「回転する開店祝い」。裏にスイッチがあって、モーターでエンドレスに回ります。けっこう話題化したので、カヤック25周年イベントでは実物の花輪サイズで入り口に設置しました。
ゆうもや
これは遊星歯車かー。「テクニ」っぽいですね、ギアの仕組みを知らないとつくれない。
村上
私は全社合宿の「つくっていいとも」で、サボるためのChrome拡張「MeeTube」を発表して、カヤック社長の「柳澤賞」をもらいました。YouTubeの視聴画面をGoogleMeet風のデザインにし、他の社員が喋っているアニメーションを横に入れました。あたかも、仕事で共有されて仕方なくYouTubeを見ているようになる仕組みです。
▲サボるためのChrome拡張 「MeeTube」
個人の作品以外ですと、例えば、スシローカフェ部とブラックサンダーのコラボを公式Xで話題化しました。両社のコラボの開始を、芸能人の結婚報告風に投稿したところがポイントです。
「スシローカフェ部✖️ブラックサンダー」コラボのSNSキャンペーンで、累計20万のいいねを獲得。キャラクター属性も念入りにつくりこみ、文字や文体で表現した
宮野
僕は、企画から実装、当日の呼び込みまで関わったグランフロント大阪のイベント「オフィスポーツCHAMPIONSHIP2024」が思い出深いですね。「デシャバルーン」は、僕のアイデアやプロトタイプをもとに企画に仕上げてもらった競技です。また、勤怠ム・チャレンジは、コミュニケーションの活性化のため、社員が誘い合って参加できるように意識して企画し、実装の一部も担当しました。
▲社会人はでしゃばるくらいがちょうどいい?ポンプを押して画面に映る自分の顔型バルーンを大きくすれば、グランフロント大阪をスタートし、最終的には宇宙まで飛んでいける壮大なデシャバルーン
▲「勤怠ム・チャレンジ」はタイムレコーダーの定時ぴったりにジャンプする競技で、ジャンプが早すぎれば「退勤失敗」遅すぎれば「残業確定」。「オフィスポーツCHAMPIONSHIP2024」はまた参加したいという回答が95%という結果に
宮野
また、クライアントの持つ最先端の技術を親しみやすく伝えることができる、触れる絵本カメレオンアクターをつくりました。振動デバイスの能力と魅力を最大限に知ってもらうため、1ページごとに変化する触り心地にこだわりました。
▲カメレオンの変身とともに様々な触覚を体験できる、さわれる絵本。TDK株式会社のPiezoHapt™アクチュエータの特徴である豊かな表現力を形にした
宮野
「うんこミュージアム」の「うんこ白刃どり」も実装するのが面白かったですね。あえて難易度を高くしているので、皆さんたいてい失敗してしまうんです。キャッチの瞬間は、前と横につけたカメラで会場にスローモーション再生されるようになっています。
▲上から落ちてくるうんこを素早くキャッチする大人気のアトラクション。画面上に偽物が落ちてくるなど、チャレンジングな仕掛けも
ゆうもや
僕がつい先日つくったのは、「もー。検定」。パパママ層に人気のクリエイター・つむぱぱによる「もー。展」の体験コンテンツです。子育ての中で、やめてほしいけれど愛しい我が子の「もー。」な瞬間ってありますよね。そんなシーンのアニメーションに大声で「もー!」と叫び、自分の「もー。」レベルを判定できるというもの。
もともと、「うんこミュージアム」の「うんこシャウト(叫ぶと声の大きさに比例したサイズのうんこが頭上から落ちてくるアトラクション)」のような、楽しくストレス発散できるコンテンツをつくりたいという依頼だったんです。「うんこミュージアム札幌」で「うんこシャウト」を設営したり、メンテナンスで関わった経験を活かして、体験やシステムをつくりました。
画面や規格におさまりきらない、豊かな体験をつくりたい
ー「テクニ」の特徴と強みとはなんだと思いますか。
宮野
アイデアを考えてすぐに、実際につくることができる、つまりゼロイチをこの3人でできます。
ゆうもや
分業化されていると、プランナーが何か考えて、そこから誰かにお願いする流れになります。一方で、「テクニ」はものをつくっている人自身がボトムアップでアイデアを出せるところが特長であり強みです。
村上
技術的な目線を持ちながらブレストするので、プランナーだけでは出せないようなアイデアや企画が生まれるところがいいですよね。
ゆうもや
普通だったら、上長の承認をとってからあれこれ動きますが、僕たちならすぐにプロトタイプをつくった上で提案できます。普通じゃないスピード感がある。
村上
さらに、つくって終わりではなく、世の中に広く届けるところまでワンストップです。ひと目で何が面白いのか分かるように意識しています。
ゆうもや
アイデア、つくるもののディティール、動画の撮り方ひとつで、拡散力はかなり変わりますよね。
宮野
ゆうもや君は学生時代からSNSで活躍して有名でしたよね。インターンで来てくれた時はびっくりしたし、絶対このままカヤックに入社してほしいなと思っていました。
村上
でも、嫉妬していたんですよね(笑)。
宮野
はい、二人を尊敬しつつも、ちょっと嫉妬しています(笑)。ゆうもやくんはアイデアが本当に面白くて、それを形にしてバズらせることが得意。村上さんは出してくるアイデアがクレイジーであっても、それをきちんとディレクションして、企画をまとめていけるところがすごい。
村上
宮野さんは頼れる課長です。突然変なアイデアを出しても、「それ、できますよ」と次の日には試してくれるんです。
宮野
「これをつくったら面白そうだ」という感覚が冷めないうちに、即行動するのをモットーにしています。
ゆうもや
あと、宮野さんはブレストする時からスケッチを描いてくれる。アイデアをスケッチで見せられる人って案外いないけれど、スケッチがあるとイメージのしやすさが全然違うんです。
とにかく、「面白いものをつくりたい」「ものづくりが好き」という気持ちがみんな強いんですよね。
村上
そうですね。私は面白いものをつくるためのインプットになったらと思って、海外の様々なオペラやバレエの公演を観ています。演出面など、意外と参考になることがとても多いです。あとは、万博! 6歳で初めて愛知万博に行って、「こんなに楽しい未来がくるんだ」と感動して......。それ以降、上海、ミラノ、ドバイ、全ての万博に行っています。
やっぱり、手触り感のあるものやリアルな体験は豊かですよね。画面とか規格を飛び越えて驚きを味わえますから。画面上だと後から修正が効くけれど、実物って「control Z」ができないから、絶対に失敗できないんです(笑)。そこにあえてかける労力が、つくっていて面白いんですよね。
ー今後の展望を教えてください。
宮野
リアルなプロダクトやガジェット制作、体験コンテンツやイベントの企画・制作が得意なので、そこを活かしたいですね。新商品やブランドの認知、商業施設・店舗のオープニングでは、リアルなものや体験はより大きなインパクトを与えることができると思います。
ゆうもや
行動変容、課題解決にも効果があると思います。真面目に啓蒙するだけだと心に残りにくいものも、エンタメ性のある手触り感を加えることで、目に留めてもらいやすくなったり分かりやすくなったりしますから。
村上
プレゼントキャンペーンで、商品に絡めたユニークなガジェットを開発してお届けするとか、ワークショップの開催もしてみたいですね。
ちょっぴり変なガジェットや面白い体験コンテンツをつくりたいなら「テクニ」に頼もう、と思ってもらいたいです。どうぞよろしくお願いします!
(取材・文 二木薫)