今日は経営戦略室の宍戸が、「クリエイター」という言葉や働き方について、じっくりお話します。
経営戦略室の宍戸です。
エレファントストーンという映像制作会社に入社して、もうすぐ2年が経とうとしています。
「クリエイター」という言葉が一切でてこない異業界からエレファントストーンの経営戦略室のメンバーとして仕事を始めてから、この「クリエイター」という言葉に何度も向き合ってきました。
クリエイターという言葉が一切でてこない、いわゆる「普通のサラリーマン」としてのキャリアを持つ私は、どんな仕事を進める上でも、クリエイターの思考や価値観を理解することを周りにも求められていたような気がしますし、自分でも最もプライオリティをおいていた気がします。
おそらく数百回、クリエイターって何?って自問自答し、メンバーにヒアリングしたり、インターネットで検索したり、漫画やドラマを見てみたりして、この答えを出そうとしてきました。
今回はその中で形成された私なりの「クリエイター」について、記事にしたいと思います。
一般的なクリエイターの定義
広辞苑でクリエイターという言葉を探してみると、「創造的な仕事をする人」と書いてあります。まさに言葉の通りですね。
ウィキペディアでは、クリエイターとして以下の職種が例として取り上げられております。
・作家、著作家、芸術家
・作詞家、作曲家、編曲家などの楽曲制作者
・テレビドラマやシチュエーション・コメディなどの企画原案者
・小説家
・漫画家
・ゲームクリエイター
この他にも、WEBクリエイターやCGクリエイター、映像クリエイターなど、クリエイターと名のつく職業は世の中にたくさん溢れています。
「創造」という言葉をさらに広辞苑で探してみると、その意味は「新たに造ること」「新しいものを造りはじめること」。反対語は「模倣」です。
ようするにクリエイターという言葉を広辞苑上で簡潔に定義すると、「新たに何かを造りだす人」となります。シンプルでわかりやすい気もするのですが、すごく広義な言葉でもありますよね。
このクリエイターっていう言葉、世の中で多用されているわりに、実は非常に曖昧で輪郭のない言葉だと思うんです。
普通のサラリーマンとクリエイターって、何が違うのか?
大手広告代理店を舞台にした「左ききのエレン」という漫画をご存知でしょうか。もともとは『cakes』にて2016年〜2017年に掲載され、その後リメイク版が少年ジャンプ+で連載されています。
昨年にはドラマ化し、今年の春には舞台化するなど何かと話題になっている作品です。
私もcakesで掲載されているときに一度読んではいたのですが、「クリエイター」という言葉に悩んでいたときに、ちょうどZOORELでも取り上げられていたので、もう一度読み返した記憶があります。(参考:クリエイターにこそ読んでほしい“大人”の漫画『左ききのエレン』)
この漫画、クリエイターやクリエイティブ職という言葉が頻繁に使われているのですが、世の中でよくいわれる「普通のサラリーマン」として営業とか総合職のポジションもでてくるんですよね。
そもそも広告代理店では、制作部門や制作物をクリエイティブと呼ぶので、特に意識して用語を使い分けているわけではないと思うのですが、普通のサラリーマンとして生きてきた私にとっては、違和感の塊でしかなかったんですよね。
普通のサラリーマンとクリエイターって、何が違うんだろうって。
結論をいいますと、ここに何の違いもないと思っています。
世の中一般にサラリーマンと呼ばれている人たちも、私はクリエイターであると思っています。
世の中の大半の職業がクリエイター
そもそもサラリーマンという言葉が和製英語であり、しっかりとした定義づけはされていないのですが、「”日本の”ホワイトカラーの会社員」として欧米でも普通名詞として浸透しつつあるようです。
「”日本の”ホワイトカラーの会社員」をサラリーマンとして一旦定義するとして、そのサラリーマンと一括りにされる人たちの職種も様々あります。
総合職や事務職と一つの言葉にまとめられがちですが、そこには経営企画や総務、人事、財務、広報、営業、法務、事業企画、マーケティングなど会社によって様々な部門があります。
そこで働く人たちがクリエイティブな仕事をしているかという問いがあるとしたら、私ははっきりとYESと回答します。
クリエイターを前半部分で定義した「新たに何かを造りだす人」と捉えると、上記であげた人たちの中にも、新たに何かを造りだしている人たちはたくさんいるからです。
例えば、経営企画の仕事を例にあげてみます。
経営企画の業務を簡潔にまとめると、「市場や競合他社・自社についてのデータを収集・分析し、経営目標や実施計画などの「経営戦略」を立案、実施、管理する」ことが具体的な仕事内容になります。
クリエイティブな仕事か?と聞かれると、一見違うような気もするのですが、会社を成長させるという目的のもと、市場や自社についてのデータのリサーチ分析を行い、会社の課題や強化項目をあげ、実行のためのプロジェクトの立案を行うことは、「新たな何かを造り出す仕事」にあてはまるのではないでしょうか。
経営目標と呼ばれるものにも、経営者の会社をこうしていきたいという思いや希望が込められており、その経営目標を具現化するツールが、様々な制度や事業方針、組織改革だったりするのです。その一つ一つが会社の特徴や組織風土などを考慮しながら、より実現可能性の高い方法で会社毎にオリジナルにアレンジされており、世の中に同じものは決してありません。
クライアントの要望や市場ニーズをとらえ、伝えたいことや想いを映像やイラスト、文字などで具現化することがクリエイティブと呼ばれるなら、その本質はサラリーマンの仕事も同じなのではないでしょうか。
サラリーマンと呼ばれる人も、目的に向かって想像力を発揮し、新しい企画やプロジェクト、制度やシステムを生み出し続けています。
そう思うと、世の中の大半の仕事がクリエイティブな仕事なのではないかと、私は考えます。
エレファントストーンでのクリエイターの考え
私が入社をしてからのこの2年間で、今後もっと会社を成長させていくために、組織体制の見直しや評価制度の導入、勤務形態の変更や様々な研修実施など、いわゆる「組織改革」の仕事に携わってきました。
その度に、ディレクターやエディターなどの映像制作チームと、営業的業務も兼任しているプロデューサーチーム、そして私が所属する経営戦略チームで、内容に特別な違いをつけるかは議論としてあがりました。実際に、クリエイター職においては特別な違いを設けている会社は世の中にたくさんあると思います。
しかし弊社では、結論として、上記において、どの職種においても一切の違いを設けておりません。
いままで話してきた「クリエイター」という言葉に対する違和感を、代表の鶴目とも何度も話をし、どの職種においても「創造性をもったクリエイター」であるべきだという結論に辿りついたからです。
その大きな象徴として、弊社の組織階層は全社共通で3つのグレードで編成されており、その中間層に位置するメンバーを、職種にかかわらず「クリエイター」と呼んでいます。
そこには、営業であれ、マーケターであれ、経理であれ、経営企画であれ、どの職種にもクリエイターとしての自覚をもち、想像性を発揮したクリエイティブな仕事が求めているという、会社としての強い想いが込められています。
最後に
これまでクリエイターという言葉の定義を私なりに紐解いてきましたが、これはあくまで私なりのクリエイターの解釈であり、ご紹介したエレファントストーンのクリエイターの定義も、あくまでエレファントストーン独自の考えです。
クリエイターやクリエイティブという実態の曖昧な言葉だからこそ、その捉え方は人や会社によって違います。だからこそ、ぜひ”クリエイター”が所属する組織にいる方、特にそこの管理部門を担っている方には一度クリエイターの定義を考えてみていただければと思います。
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