ChatGPTをはじめとした生成AIの登場で、エンジニアの仕事はどう変わるのか?
コードを書くこと、UIを整えること、ドキュメントを作ること、これらの多くはすでにAIで代替可能な領域に入り始めています。では、そんな時代に「エンジニアが担うべき仕事」とは何なのか。言い換えるなら「生成AIに任せられない仕事」とは、どんなものなのかを考えてみました✨
それ、誰のための機能ですか?
システム開発においてもっとも人間らしい判断が求められるのが、“目的の設定”です
例えば、学生管理システムで「成績レポートをPDFで出力したい」という要望が出たとします。AIに頼めば、レポートのPDF出力部分のコードは即座に生成できます。けれど、本当にそれが「現場の先生が使いやすい仕組み」かどうかまでは、AIは判断できません
「そもそもなぜPDFなのか?」「紙で印刷する運用が本当にベストなのか?」「誰が、いつ、どこで使うのか?」こうした“現場の文脈”を踏まえたうえで、最適な解決策を選び取る力。これは人間にしかできない“設計”であり、“要件の再定義”でもあります
現場と技術の“翻訳者”になる
AIは技術的な問いにはとても優秀に答えてくれます。けれど、業務側の言葉と技術側の言葉を橋渡しする“翻訳”はまだ苦手という領域かと思います
・「それって、何を自動化したいんでしたっけ?」
・「この操作、先生たちどれくらいの頻度でやってます?」
・「このフロー変えると、現場は混乱しませんか?」
こうした地道な会話の中から、本当の課題を見つけていく。そうして導き出された要件は、単なる仕様よりもずっと強く、実際に現場で「使われる」プロダクトになります。生成AIにはできないのは、こうした“関係性の中で本質を探る”仕事なのです
「目的」から「仕組み」へ、そして「人」へ
生成AIによって、エンジニアの仕事はより“人に向き合う領域”に進化しつつあります
・ただのコード作成から、「業務にフィットする設計」へ
・ただの設計から、「目的を一緒に考える対話」へ
・ただの要望ヒアリングから、「現場の葛藤に寄り添う理解」へ
この変化に対応するために、今こそ身につけたいのは「仕様の背景にあるストーリーを聞き出す力」と、「目的を整理し、形にしていく力」です。
生成AIが進化すればするほど、人間にしかできない仕事の価値は上がります。
あなたは、コードを書く人ですか?それとも、“何を作るべきか”を導き出す人ですか?
今後のキャリアを考える上で、この問いに向き合うことが大切かと思います😊