コードタクトでは、設立10周年を契機に、社員とその子供たちを対象としたプログラム「スクールタクト サマーラボ」を開催しました。
このプログラムは、私たちが開発・提供する「スクールタクト」を使って、子供たちが自由進度学習を体験するもの。日常的にスクールタクトを活用し、自由進度学習を実践しているオルタナティブスクール「HILLOCK初等部」の小野寺先生のリードのもと、それぞれの「やってみたい!」を起点に、学びを深めていきます。
前編では、プログラムの開催背景や、子供たちの関係づくりの第一歩となった懇親会の様子をお届けしました。後編では、いよいよ自由進度学習の取り組みと、そこから見えてきた子供たちの成長の様子をお伝えします。
1. 学びの主役は「私」、自由進度学習がスタート
プログラム初回は、子供たちが「すきなこと・きらいなこと」や「夏休みにやりたいこと」をスクールタクト上で共有しながら、自然にツールの使い方を覚えていきました。ツール操作に不慣れな小さな子供たちも、手書きや写真の貼り付け、テキスト入力などをすぐに習得。保護者の手を借りず、自分の力で取り組む姿も見られました。
その後は、1週間の中で「挑戦してみたいこと=めあて」をそれぞれが設定。
小野寺先生からは、めあてを考えるときのポイントとして、次のようなアドバイスがありました。
- 「がんばればできるかもしれない」ギリギリのラインを狙おう
- 「〇〇までに宿題を〇ページ終わらせる」など、具体的な数字や期間を入れてみよう
宿題や習い事、お手伝いに限らず、「友達と思いっきり遊ぶ」「夏の旅行を楽しむ」といった内容も、立派なめあて。何より大切なのは、自分の「やりたい!」を、自分で考えて自分で決めるプロセスだということです。
こうして子供たちは毎週めあてに取り組み、1週間ごとに振り返るサイクルを重ねていきました。最初は「できた」「できなかった」で終わっていた振り返りも、次第に「なぜできたのか」「どうしたらできるようになるのか」と、自分の行動を客観的に見つめて考える力も育っていきました。
<子供たちの振り返り(一部抜粋)>
2. 一人ひとりの学びが、みんなの学びに!
プログラムでは、「夏の思い出」を日記のように書く活動も行いました。旅行先での初めての体験や昆虫採集の様子など、日記には子供たちの個性豊かな体験が綴られていきました。
小野寺先生は、毎回その記録を話題に出し、子供たちと対話しながら内容を引き出し、みんなの前で紹介しました。話す側の子供にとっては、自分の楽しかった体験をみんなに直接伝える場となり、聞く側の子供にとっても自分の知らない出来事や気持ちに触れる機会となりました。
また、毎週のめあての発表と、その振り返りの共有も重要な活動です。子供たちは毎回みんなの前で自分のめあてを宣言し、翌週には子供たちだけのグループに分かれて振り返りを共有。プログラムの後半になると、ほかの子のめあてに対して「いいね」やコメントで応援し合う時間も生まれました。
こうした対話や交流を通じて、子供たちは「一人で進める学び」から「仲間とともに高め合う学び」へと意識を深めていきました。
3.参加者からの声
子供たちの声
- 「また目標を立ててみんなと感想を言い合いたい」
- 「ぬいものにちょうせんできたことがよかった。サマーラボがなかったらやらなかったかもしれないから」
- 「自分の生活をより細かく知れて改善点などが見つけやすかった」
保護者の声
- 「最初は「なんでめあて書かなきゃいけないの?」と渋っていた子供が、自主的にめあてを思い出し、それを達成するための行動がとれるようになりました」
- 「普段は引っ込み思案な性格の子ですが、サマーラボでは普段は挑戦しないことに挑戦したり、みんなに発表したりすることも楽しみだったようです。一人でもしっかり発表する姿に成長を感じました」
- 「家庭や保育園以外にもつながりができたことは、子供にとって貴重な体験になったと思います」
「自由進度学習」というと、自分のペースで進める“個”の学びと見えがちですが、実際には他者との関わりを通して学びが深まる“協働”の学びでもあります。学びが人と人とのつながりの中で豊かに育まれていくことを、肌で感じる機会となりました。
最後に
私たちは、これからの時代を生きる子供たちにとって、「自ら学び、考え、行動する力」こそが何より大切だと考えています。そしてスクールタクトは、その学びを支える存在でありたいと願っています。
今後もビジョンの実現に向けて、製品の開発・改善を続け、すべての子供たちが自分の可能性を最大限に発揮できる社会の実現に貢献していきます。
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