【EM座談会】リーンコーヒーやってみた|EMが考えていること、悩んでいること、ちょっとだけ公開します!|株式会社カンリー 公式note
こんにちは! カンリーでエンジニア採用を担当している宮本です。 みなさんは転職先を選ぶとき、何をポイントにしていますか? 給与、働き方、評価制度、技術、事業の将来性、チャレンジできる...などなど、いろんな軸があるかと思います。 ...
https://note.com/canly/n/nc3a452e43552
※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
こんにちは! カンリーでエンジニア採用を担当している宮本です。
みなさんは転職先を選ぶとき、何をポイントにしていますか? 給与、働き方、評価制度、技術、事業の将来性、チャレンジできる...などなど、いろんな軸があるかと思います。
その中でも、「上司がどんな人なのか」が気になる人は、多いのではないでしょうか(少なくともわたしは、めちゃくちゃ気になります...!)。そこで今回は、エンジニアリングマネージャー(以下、EM)に協力してもらい、座談会を開催しました!
カンリーのエンジニア組織に興味がある方はもちろん、EMを目指している人や、(エンジニアじゃないけど)マネジメントに携わっている人にも参考になると思いますので、よかったら読んでみていただけると嬉しいです。
座談会に入る前に、企画の趣旨や進め方の説明や、参加いただいたEMのみなさんの紹介をさせていただければと思います。
▼リーンコーヒーとは
「その場で、みんなでアジェンダを決める」ミーティングのこと。いつも目の前の課題を解決したり、目的のあるミーティングが多いEMのみなさんに、たまには、ざっくばらんに話してもらったら新しい発見があるんじゃないかな、と思い、企画してみました。
ちなみに今回は結論を出すことが目的ではなく、
といった効果があるといいな、といった趣旨の企画になります。
▼参加してくださったEMのみなさん
参加者は、以下の4人。基本的に、プロダクトごとでチームを分けています。
・須藤さん:
カンリーエンジニア部の部長兼カンリー店舗集客のEM
・和田さん:
カンリー店舗集客のEM
・佐々木さん:
カンリーホームページとカンリーカスタムシリーズのEM
・井上さん:
SREチームのEM
▼リーンコーヒーのやりかた
せっかくなので、リーンコーヒーの進め方についても簡単に説明しておきます。(ぜひ、みなさんの会社でも、試してみていただければと! ふだんできない話ができて、すごく盛り上がります!)
※ちなみに、時間にこだわりすぎると話しにくくなってしまう感じだったので、制限時間はよしなに変えています...!
①トピック出し
EM同士で話したいトピックを、付箋に書き出します(2分)
②トピック紹介
1トピック15秒程度で、話したいことをプレゼンします(3分)
③トピック決め&優先順位の決定
話したいトピックに投票してもらい(ひとり3票)、投票数の多い順に並べていきます(2分)
④トピックについてディスカッション(1トピックのサイクル:最大10分)
優先度の高いトピックからディスカッションを始めます。開始から5分経ったら、継続するか検討します。
・「続けたい」が半数以上:さらに3分ディスカッションする
・3分後にまた検討して、「続けたい」が半数以上:1分だけディスカッションする
・1分で結論が出なければ、次のトピックへ
・「続けたい」が半数以下:次のトピックへ
みなさんから出たトピックは、こちら!
事業貢献や組織づくり、育成など、視座が高い上に、幅広い領域に興味、関心を持ってるのは、さすがだなぁと思いました。
トピックが出揃ったところで、さっそく投票へ。(1時間ですべてやろうとするとギリギリなので、自然と効率的に動くようになります笑)
出していただいたトピックが似ている、つまり、話したいこと、悩んでいることがけっこう似ていて、意外と(?)スムーズに決まりました。
(優先順位)
1位 事業をスケールするためにEMができること(4票)
2位 マネジメントで意識していること(3票)
3位 カンリーの好きなところ(2票)
4位 メンバーのキャリア支援・育成(2票)
次の項目からは、実際にどんなディスカッションをしたのか、トピックごとにご紹介していきたいと思います。
井上さん(以下、井上):
トピックを出した人が、最初に背景とか理由とか話す感じがいいですかね?
僕たちエンジニア、EMって、機能を作ることで、一定の事業貢献はできていると思っていて。一方、事業をスケールさせるために、もっと何かできることがあるんじゃないかとも感じていて。
なぜこんなことを考えるようになったのかというと、予実(管理表)が開示されて、コストを意識するようになったのが大きくて。アロケーションだったり、インフラのコストをスマートにしていきたいなとか、ちょっとずつ考え出したところなんですね。
とはいえ、まだまだ俯瞰して見れてないし、上位レイヤーの考え方とか思想もあまり知らないな、とも感じていて。この点も踏まえて、事業をスケールさせるためにEMが率先してできることってどんなことなのか、みなさんはどう考えているのか気になったというわけです。
和田さん(以下、和田):
そもそも、事業スケールとはなにを指しているのか、考えてみてもいいかもしれないですね。新しいプロダクトを作っていく動きなのか、それとも、既存プロダクトのトップラインを上げていく(売上を伸ばしていく)動きなのか。
井上:
そこでいうと、両方なんでしょうね。マルチプロダクトという戦略を取っている以上、新しいプロダクトをどんどん作る方向性は、ひとつあって。他方で、マーケティング(カンリー店舗集客)のプロダクトが主力であることは変わらなくて。既存プロダクトをどれだけ強くできるのかがめちゃくちゃ重要で、そう考えると両方なのかなと。
和田:
とはいえ、僕らEMがトップラインを上げていくのはむずかしいですよね。たとえば僕の前職はSEOで、順位に応じてお金をもらうというビジネスモデルがあったんですね。そうなると、検索順位を上げていくための施策が打てて、トップラインを上げていくことができるんです。
でも、カンリー店舗集客はこういうマネタイズ構造になっていない。となると、EMができることって少ないんじゃないかなと...。
須藤さん(以下、須藤):
コストや定義の話が出ましたが、セールスやカスタマーサクセスが売りやすいプロダクトを作っていくのも重要なのかなと。そのためにはプロダクトの信頼性を担保したり、機能開発やブラッシュアップし続けなくてはならなくて、それができる組織を作るのがEMにできることなんじゃないかと思ってますね。
佐々木さん(以下、佐々木):
そこでいうと、ボードメンバーがどうしたいのかを理解するのが大事だと思っていて。それと同時に、EMからも「〇〇ができますよ」といった意見を伝えたり、提案していくことも必要ですよね。そういう機会を積極的に作ることで、事業をスケールさせていけるのかなと。
和田:
マネジメントのところだと、週次で1on1をするなど、メンバーとはしっかりコミュニケーションを取るようにしていて、特に、傾聴する姿勢を大事にしています。同時に、メンバーの意見に流されないようにするのも意識しているのですが...。
けっこう、1on1って、愚痴の場になりがちだとも思っていて。こうした場面で安易に賛同してしまうのではなく、マネージャーとして意見を伝えたり、ほかの選択肢を示すようにしてきたつもりではあるのですが...。
須藤:
むずかしいこともありますよね。ちなみに、メンバーの話に対して賛同する場面もあるんですよね?
和田:
もちろん、というか、僕、めちゃくちゃ褒めるんですよ。たぶん二言目には「ステキやね」って言ってます(笑)。逆に、それがよくないんですかね。
須藤:
慣れちゃうみたいなことはあるのかもですね。実は、私もけっこう褒めるのは意識していて。「ステキ」とまではいかないですが(笑)、「いいじゃん」とはよく言ってます。
ちょっと話が戻るんですが、愚痴に賛同しないというスタンスは、私も同じです。賛同はしないけど、きちんと聞く、みたいな。
和田:
ほんとそのとおりで、ぶつかるのは良くないと思っていて。
須藤:
一回受け止めて、「でも、〇〇ですよね」と意見を伝えるというステップが大事ということですよね。そういう意味だと、自分としては傾聴の姿勢がちょっと足りてないのかな、と感じました。
井上:
実は、最近ちょうどこのケースに当てはまることがあって。やっていること自体はめっちゃいい。けど、〇〇さんが今、やるべきことじゃないよねという状況だったのですが、そこで頭ごなしに否定してしまうと、対立してしまうと思って。
そこで、考え方とかやりたいところとか良い部分は褒めつつ、「調査まではやりましょう。でも、手を動かすタイミングになったら(他の人に)スイッチしましょう」という伝え方をしました。
メンバーが持っている役割に対してパフォーマンスを出せないと、どうしても評価につながらないので、そこは軌道修正してあげるというか。せっかくがんばってるのに、方向性が違っているのはもったいないですから。
須藤:
なるほど、井上さんの場合は、期待値を明確にしているんですね。ちょっと気になったのですが、メンバーから、裁量がない、信頼されていないというフィードバックがあったりはしないですか...? 口を出されていると感じてしまうメンバーもいるのかなと思いまして。
井上:
超ざっくり言うと、メンバーとの間で期待値調整ができているか、ということですよね。やらなくちゃとは思っているものの、できてないかもしれない。
須藤:
一度、振り返ってみるのもいいかもしれないですね。
佐々木さんのチームはメンバーが多いですが、どこまで任せるとか意識していることはありますか?
佐々木:
一番は、モチベの部分ですね。本人がやりたくて、かつ、やる気がある状態で仕事に取り組めているかは、かなり気にかけています。その上で「やれます」と言うのであれば、まずは任せてみます。
任せるといっても、丸投げするのではなくて。上手くいかなかったときにサポートできるよう、自分でカバーしたり、自分だけでむずかしい場合は、他のメンバーの力も借りてフォローできるような体制を作るようにしてます。
実際に任せてみれば、できるかできないかがわかるので、そこから次の仕事をどうするか考える、というような感じですね。
佐々木:
トピックを出した理由を話すんですよね? 座談会(リーンコーヒー)を記事として出すと聞いて、カンリーのいいところや魅力を伝えられたらいいなと思ったのと、EM同士が語り合っている場面を見せられるのもいいのかなと思って。
一同:
たしかに、記事向けですね(笑)。
須藤:
アトラクトの見本ですね(笑)。じゃあ、佐々木さんから話していただいてもいいですか?
佐々木:
なんといっても代表の2人ですね。ずっと夢を見させてくれて、その夢を叶えるために「みんなでがんばろう」と引っ張っていってくれるエネルギーが大きくて。なかなか、ああいう人っていないと思っていて。自分ががんばるだけじゃなく、それをみんなに浸透させて行動につなげていけるところがすごいし、大好きです。
和田:
僕も佐々木さんに近しいところがあって、入社した決め手は辰巳さんでした。少年のように夢を語る姿に惹かれて、代表2人の夢を一緒に叶えたいなと強く感じました。
あとは、代表やボードメンバーと距離が近いのがいいなと思っていて。入社した当時から、直接、意見を言ったりもできましたし。これから社員はどんどん増えていくと思いますが、こういう関係性、環境はなくならないようにしたいですね。
井上:
いろいろあるのですが、雰囲気の良さですかね。ボードメンバーだけじゃなくて、みんなが「事業を伸ばしていこう」といったポジティブ要素を多く持っていて、それが自分にとってもプラスになってる感じです。
もうひとつ、スタートアップに共通するものなのかもしれないですが、チャレンジできるところがたくさんあって、背中を押してくれるのもありがたいです。自分の可能性を広げられるという意味で、すごくおもしろい環境だなと。
じゃあ最後は、部長にしっかり締めてもらいましょう(笑)。
須藤:
わたしですか?(笑)。やはり、バリューですかね。元を正せばたぶん、両代表の考え方の良いところをバリューにしているので、代表の人間性が好きともいえるとは思うのですが。
なぜ、バリューが好きなのかというと、働きやすかったり、居心地がいいからなんですね。カンリーのバリューを体現している人=いい人だと思っていて。そういう人が集まっていることで、いろんなことにチャレンジできるし、どんどん上を目指していける気がしています。
須藤:
カンリーではエンジニアのキャリアパスとして、EMか、テックリードへ進む道を用意しているんですね。一方、エンジニアのキャリアパスが多様になってきている中で、人によってはこの枠で収まらなくなっているんじゃないかなと。
この枠にムリに収めるのではなく、個人のキャリアパスを伸ばしていくほうがいいのでは、と考えつつも、マネージャーとして事業成長を目指すためには期待している役割、ポジションに寄せていかなくちゃいけない側面もあるじゃないですか。このあたりのバランスをどう取っているのか、みなさんにお聞きしてみたいなと思ってます。
井上:
「組織がやりたいこと」と「個人がやりたいこと」の、最大公約数を取れるといい気がするんですが、状況によっては、そうも言ってられないことも多いですよね。それにせっかくなら、長く一緒に働きたいという想いもあって、モチベのところをどうやってケアしていくべきなのかが悩みどころです。
須藤:
長く働いてほしいというのは、同じです。そのために、事業を推進する方向性と個人のキャリアパスが合う人を、入口のところ、つまり採用で見極めようとはしていて。たとえば、「学術的にアルゴリズムを研究し、技術のフロンティアを切り拓きたい」というアカデミックな探求心が強い場合。志向性としてはすばらしい一方、「技術を活用して、いかに顧客の課題を解決し、事業を伸ばすか」というカンリーのミッションとは、ベクトルが異なってしまうんですね。
そこで面接では、「当社は技術を事業貢献の手段と捉える文化ですが、その点についてどうお考えですか?」といった形で私たちのスタンスを率直にお伝えしています。このタイミングで、事業フェーズとご本人のキャリア観を丁寧にすり合わせするようにしています。
もうひとつ、市場価値を高めるみたいなところは、けっこう意識していまして。現時点でキャリアが明確に定まっていたとしても、今後、変わるかもしれないし、市場の状況で選べなくなってしまう可能性もあるじゃないですか。だからこそ、キャリアの選択肢を増やすために市場価値を上げることが必要で、そこにつながるような仕事を任せたり、経験を積ませてあげるのが、EMの役割なのかなと思ってます。
佐々木:
あえて、反対のことを聞いてもいいですか? 須藤さんがおっしゃってるとおり、キャリアに対する考え方って、たぶん、どんどん変わっていくもので、決められないと思うんですね。そうなると、EMができることって少ない気がしていて。
須藤:
そこでいうと、メンバーの性格だったり、特性だったりを見て、一度、レールを敷いてあげるみたいなことは、上司であるEMだからこそできることなのかなと思っていて。やってみてどうかを見てもいいんじゃないかなと。和田さんはいかがですか?
和田:
キャリアが明確になってるメンバーに対しては、「いつまでに◯◯ができるようになろうね」という話をかならずしてます。一方、キャリアが定まっていないケースはむずかしいですよね。「こういうキャリアがいいんじゃない?」と提案することはできますが、本人にとってそれがいいとは限らないですから。
じゃあ、どうするかというと、仕事以外でやりたいことを聞いています。若いメンバーだと「お金を稼ぎたい」という人も多いので、「お金を稼ぐためには、どうしたらいいんだろうね」と、一緒に考えるようにしています。僕も、エンジニアになったきっかけは給与がよかったから、だったので、原体験をベースに話すようにしてます。
<EMの感想>
カンリーでは、正直であれ(※1)やオープンコミュニケーション(※2)といったカルチャーが根付いていることから、ディスカッションが白熱してしまい、すべて結論が出ない、というまさかの結果になりました。
(※1)正直であれ:カンリーの5つのバリューのひとつで、本音で思いを伝え、納得するまで対話することを示しています
(※2)オープンコミュニケーション:バリューを体現するために、「問題の具体化」「直接的な対話」「景色の交換」をベースとしたオープンコミュニケーションを意識して行っています
まぁ、これはこれとして、少しでもEM自身やメンバー、そして、この記事を読んでくださっているみなさんの気づきになれば嬉しいです。
EMからの感想にもありましたが、ぜんぜん話たりない! という感じだったので、今後、定期的に座談会を開催できればと思っています。というわけで、また次回をお楽しみに!