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「つながる」をカタチにする 〜 デザイナー、一人ひとりの価値観から生まれたミッション・行動指針

最近の世の中の傾向として、“デザイン”という言葉の持つ意味がとても広義になってきました。「デザインで世界を変えることができる」と世界中のデザイナーが謳っているように、デザインは企業の事業発展に欠かせない経営資源になってきています。今後は一つの職域に収まらず、戦略立案やエンジニアリングといった分野でも力を発揮していくデザイナーが増えてくるのではないでしょうか。

今年7月に、『弁護士ドットコム』『税理士ドットコム』『BUSINESS LAWYERS』など専門家を対象としたプラットフォームの開発・運営に携わるデザイン部門で「ミッション」と「行動指針」を策定しました。

デザイナーが求められる役割が多様化する中、共通の価値観を定義し、よりどころにすることが大きな目的でした。

今回、弁護士ドットコム事業本部 デザイン部 部長の内藤さんにインタビューし、「ミッションと行動指針を作った背景」や「完成までのプロセス」「デザイナーメンバーへの想い」について語ってもらいました。

【Profile】
弁護士ドットコム事業本部 デザイン部 部長
内藤 竜一(Naitou Ryuichi)

新卒で宝石商社に就職し、苦手に感じていた接客職に挑戦。その後、音楽コンテンツ配信会社でwebの魅力を知り、webデザイナーの道へ。ゲーム会社やデザイン制作会社、事業会社でのデザイナー経験を経て、2017年10月に弁護士ドットコムに入社。2018年4月よりデザイナーチームのマネージャーに就任し、「弁護士ドットコム」のサービス開発に尽力、事業拡大に貢献する。2020年11月にデザイン部の部長に就任し、デザイナーが活躍できる組織づくりに励んでいる。

トップダウンではなく、みんなでつくるプロセスに意味がある

ーー 「ミッション」「行動指針」を策定した理由を教えてください。

現在、弁護士ドットコムでは『弁護士ドットコム』や『クラウドサイン』などの各種サービスが成長・拡大期にあります。そのため、事業の状況に応じてプロジェクトやチームの改変があり、デザイナーの役割も変更などが発生していました。デザイナーという職種であっても、所属プロジェクト毎で関わるプロダクトや期待される役割が異なります。

そうした変化が激しい環境の中、「デザイナー共通の価値観を持って、同じ方向を向いて仕事ができるようになると良いよね」という話がメンバーから出てきました。それが、デザイナー独自の「ミッション」と「行動指針」を作ったきっかけです。デザイナー共通の価値観があれば、社内のどこに異動しても、どんなプロジェクトに参加しても、迷いなくデザイナーの仕事に没頭できると考えました。

ーー 内藤さんがイチから構想し、作られたのですか?

マネージャーが「ミッション」を作ってメンバーに落として、メンバーが「行動指針」を作っていく方法もありますが、当社ではトップダウンではなく、ボトムアップで作り上げる文化があります。デザイナー全員で定期的に集まって、みんなで意見を出し合って作りました。ミッションや行動指針はデザイナーが働く上での軸となるものですから、トップダウンではなく、一人ひとりが納得感を持てるようなものではないと意味がなく、形骸化してしまうと考えたのです。

また、ミッションを先に決めるのではなく、行動指針から策定し、その上でデザイナーの使命や存在意義を見つけていきました。完成するまでにかなり時間がかかりましたが、面白い取り組みでした。

全員が納得できるまで議論を重ねる

ーー「ミッション」「行動指針」が完成するまでのプロセスを教えてください。

2021年7月から動き始めたのですが、初めにデザイナー全員と1on1を行いました。まずは全体の現状価値観をつかむことから始めようと思い、1on1では「感謝」「責任」「希望」など約100種類のバリューカードの中から自身の大事にしている価値観を3つ選んでもらって、それにまつわる具体的なエピソードを聞いていきました。

バリューカードの中でピンとくる価値観がなかった場合は、オリジナルで作ってもらったケースも。


次に、デザイナー個々人が選んだ価値観を発表する場を設けました。自分の価値観を周りに知ってもらい、周りから自分はどう見えているのかを理解し合うようにしたのです。自己開示をすることによって、周りの相互理解を深めるという流れですね。各メンバーの考えを改めて知ることができ、これは大きな発見の場となったと思います。

その後は弁護士ドットコムに入社した理由や今後やりたいことを、みんなで発表し合うワークを行い、その中で「どんなデザイン部にしたいか?」という個からチームへと視点を変えた話をしていきました。チームで大事にしていきたいことを明確にするためにも、「現状でできていること」や「将来こういう組織にしたいこと」を出していき、現状と理想のギャップをあぶり出していきました。

ーー当時、現状と理想のギャップは大きかったのでしょうか?

意外と大きなギャップが生じていることが分かりました。「ギャップを埋めるために必要なことはなんだろう?」とみんなで話し合った結果、25個の価値観が行動指針としてあれば、理想の組織に近づけるんじゃないかという結論になりました。

ですが、25個も行動指針があるのは多すぎるので、本当に大事にしたい3つの価値観を一人ひとりに考えてもらいました。同時に、行動指針として掲げるフレーズについても検討してもらい、再び全員で持ち寄り、発表するワークを行いました。

一人ひとりが挙げた3つの価値観で近いものをグループ化し、更に深堀りをするディスカッションを実施。そうやって何度も議論していく中で、最終的に、『俯瞰する、没入する』『トライを積み重ねる』『共に、オープンに』『そして、追い風へーー』という4つの行動指針が決まっていったのです。

ーーミッションはどのようにして決められたのですか?

行動指針のフレーズを検討している時に、そもそも「行動指針やミッションは何のために作るのか?」という話があがりました。会社が掲げる「専門家を、もっと身近に。」という経営理念を実現するために、デザイナーは何をすべきなのかという視点で考え出てきたのが、「アイデアを具現化していく」というミッションでした。

デザイナーとは、ぼんやりしているものを具現化していく仕事だと思うのです。何らかの形でアウトプットしていくことを、私たちは担っていくべきじゃないかと。そのような答えが見つかり、全員一致で掲げるべきミッションの方向性になりました。それからは、より言葉として磨いていくためにフレーズのアイデアをみんなで出し合い、『「つながる」をカタチにする』に決まりました。

行動指針を意識することで、デザイナーの在り方を再認識できる

ーー「ミッション」「行動指針」が作られたことによって、これからどんなことを期待していますか?

今回作ったミッションと行動指針は、改めて新しく創り出したというよりは、今のメンバー達が普段の行動や想いを言語化したものとなっています。

普段仕事をしている中で無意識だった行動を「言語化」することができたのは、まず大きな成果だと感じています。普段の仕事で行動指針を意識すれば、デザイナーとして大きな貢献ができるはずです。

今後は各自が行動指針をもとに、「この施策ではこんなトライをしてみよう」「ビジネスの視点が足りてなかったな」など、日々の業務や成長過程の中で意識してもらえたら良いかなと思います。大事なのは、デザイナーとして果たすべきミッションの下で、行動指針に沿ったアクションをしているかどうかだと考えています。

ーー「ミッション」「行動指針」を意識しているかどうかは、どのように確認していくのでしょうか?

ゆくゆくは、デザイナーの採用基準になっていくと思いますし、評価基準もこれをベースにしたいという構想はありますが、今はそこまでガチガチにする必要はないと考えています。

普段の仕事の中で意識してくれるレベルで、まずは良いです。ただ、今後新しい人が入社して組織が拡大していく中で、組織に浸透する仕組みは必要ですので、行動指針をグラフィックで表現したり、グッズにしてみたり、デザイナーならではの遊び心を取り入れて、何かできたらと思います。将来的にはメンバーも増えて、時代の流れに合ったアップデートも必要になるでしょう。その時々に合わせて、柔軟にやっていきたい考えです。

得意分野を突き詰めてもいい、職域を変えたり広げてもいい

ーー今後、デザイン部をどのようにしていきたいですか?

弁護士ドットコムでは、これまでにいろいろなサービスにおいて、デザインの力によって成し遂げられたことが多く、ここまで事業拡大することができたという経緯もあります。それは、デザイナーをきちんと専門家として尊重してくれる環境があるからと言ってもいいでしょう。

だからこそ、もっと今以上に、事業の戦略に関わっていけるようなデザイナーを増やしていきたいし、自身の得意分野を突き進むことで高いクオリティとパフォーマンスを生み出すデザイナーも増やしていきたい。そんなデザイナーが増えることで、デザインの文化を更に醸成していけたらと思っています。今以上にユーザーに寄り添ったプロダクトやサービスを実現することで、事業の成長スピードもあがります。部長として私がやることは、そんな組織づくりに他なりません。

これまでに多くのメンバーが入社し、裁量のある環境で挑戦することで、仕事の幅を拡げて成長しています。これから入社される方にも、デザイナーとしての可能性をここで見つけてほしいし、“なりたいデザイナー”になってほしい。

「感性」と「技術」を使ってアイデアを具現化し、人々の力になることによって、私たちデザイナーは会社の経営理念である「専門家を、もっと身近に。」を実現したいと考えています。私たちのミッションや行動指針に共感いただけた方と一緒にサービスづくりができたら嬉しいです。

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