大手SIerほどの入社難易度はないが、割と大きな会社もあり、下手なSIerよりも儲けちゃう会社もあったりするセグメントであり、新卒採用も積極性が高いこともあって、実際に応募・他社と比較している方は多いんではなかろうか。
なんなら全部SIやSESに分類してしまうキャリアアドバイザーなどもいて、カオスの極みと言う気もしなくもない。いちど、この辺りの話を記事にしておいた方がよいかもしれないなー。
って事で、本記事を書くことに。
しかし、この辺の企業群はとても多彩で種類が多いので、ある程度ざっくりしたものであるという事も認識しておいて頂けるとありがたい。皆様側で応用が必要な情報と言う事です。
1.SIerとか、SES会社との違い。
このへんはよく聞く名前ですな。(求職者によってはSIerはしらないがSESは知ってると言う人もいるくらい)人によって言葉の定義が違うらしく、『SIer出身です』と言う人の前職会社名を聞いたら別にSIerじゃなかったとか、よくある感じです。
ここでは、世間一般の通念に近しいところで、いったん仮に定義しようと思います。
〇SIer
システムインテグレーター(Systems Integrator)
integrate=まとめる、結合[統合・統一・一体化]する。
ですので、いくつかのベンダからパッケージやハードウェアを調達、一つのシステムにまとめてエンドユーザーに提供する。なんか販売代理店(ディストリビューター)みたいな役割が本質の言葉みたいですね。
日本においては、IT業界の『ゼネコン』と考えると良いかと思います。(揶揄してITゼネコンと表現する人もいるので、言葉の扱いには注意。) クライアントが発注したシステム開発を複数の2次請ベンダーを使って開発。統合して、クライアントに提供する役割な訳ですな。このへん、建築で言えばゼネコンとサブコンの関係に当たるかと思います。
ゼネコン=General Constructor(ゼネラル・コントラクター)
サブコン=Sub Contractor(サブ・コントラクター)
ゼネラルは『総合』 コントラクターは『請負業者』
そういう訳で、基本的にSIerはプロジェクト/契約の主幹(プライマリベンダー)となります。
請負・準委任問わず2次請けメインの会社であったり、自社単体ですべてを開発し納品する受託会社等に関しては、ふつうはSIerとは言いません。この辺りの区分があいまいな人は業界内にも人材紹介会社にも多く、認識齟齬を産むことになっていたりします。
〇ビジネス上の優先目標
外部パートナー会社(サブコン)を使用し、社員一名当たりの売上を最大化する事になります。
下図の左のケースの様に、派遣的にメンバーを調達しますと、派遣メンバーを管理する上で、自社の管理者を用意する必要が出てきます。自社でリーダーを用意する必要がある為、SIerにとって必ずしも効率的ではありません。また、偽装請負が発生する可能性をはらみます。(一応、派遣契約であれば個別にメンバーを調達する事は可能)
この為、SIerのパートナーは、右図のように『リーダー付きチームで、担当成果物の品質や納期に責任を持てる』会社である必要が出てきます。これであれば、責任者兼現場監督としてPMを配置すればOKとなります。(実際には、SI特有のフェーズの経験者が外部調達できず、そんなに効率的にはいかないが)
というわけで現代では、この辺りが取引開始の前提条件になっていそうです。(多くのSIerはすでに十分にパートナー企業を抱えており、パートナー企業として新規で取引開始するのが難しい会社が多い。)
〇SES会社
SESと言う言葉の定義は人によってかなり異なる上、なぜかその定義にコダワリのある人が多いので、ネット上の情報から正確な定義を見いだそうとするのはほとんど不可能です。本記事では『多重派遣の代替サービス』をSESの定義として仮置きします。
SES会社のネタは結構書いたので、この記事では最低限に抑えます。
気になる事がある方は下記リンクから各記事へどうぞ。
BAMV-LLC-blog(寺野さんの記事)のindex ※Wantedly blog
マクロ視点で近年のSES会社を語るとするならば、2010年前後で進行したSIerの再委託規制を理解する必要があります。
SESは準委任契約を再委託する事によって合法的(?)に多重派遣を行うことができるのですが、これが商流の多層化、階層の維持をもたらしてしまい、行政(経産省・厚労省)に問題視される流れに。
2000年代後半に介入が相次ぎ、大手エンド・大手SIerに対して多層構造の是正の圧力がかけられていく事になります。(ゲーム業界でも、大手パブリッシャーが派遣契約以外NGにしたりとか、あった。)
結果、発生したのが再委託規制で、元請のSIerからの発注が『直接契約まで・再委託まで』に制限されたり、プロジェクト参加者の所属を明らかにする様にルールが決められたりしました。
これは受注者から見れば、2次請け・3次請けまでしか参加できないという事になります。(3次請けに派遣契約で入るとかはOKだったりするらしい) 下図のように、見えない再委託規制の壁が出現し、案件が激減。SES事業者も3次請けを選ぶか、SI下請商流から離脱するかの選択を迫られる事になりました。
〇ビジネス上の優先目標
SES会社のビジネス上の目標は、稼働人員数最大化による、利益の獲得です。
商流(売上)を上げていく考え方ではない訳ですから、数×粗利額と言う考え方になります。
細かな背景については下記の項で説明します。
●再委託規制の出現による勝利条件の変化
再委託規制の壁の上か下かによって、ゲーム内容が変わるという事態になりました。
・上層の勝利条件
商流を上げ、売上額や権限を確保し、市場内での優位を取る事になります。
しかし、大手SIer、基準は人によりますがせいぜい5~20社くらいの、少数の大企業群になります。取引開始のハードルも高めで、下請け側としては次々に取引先を変更する事は難しいです。
その為、成果を出していく必要が発生します。
・下層の勝利条件
取引先が固定的ではなく、成果を出してもリターンに繋がりません。つまり成果を出す動機がありません。ですので、準委任契約である事と階層の深さ(所属が不明)を活かしリスクを回避。人員の質を落として大量増員を果たす方向にインセンティブが発生します。経歴偽装の増加や営業の質の低下をもたらし、組織戦の放棄による自由度の上昇など、特有の特性を持つようになっていきます。
2.2次請けとか3次請けとか。
というわけでようやく本題ですな。
SIの項で前述の『サブコン』に似た立ち位置の為、各社ごと差別化されたポジショニングとなっており、とても多様性が高い企業群です。ですのでまず、典型的な2次請け会社と、ビジネス上の優先目標を挙げます。
●典型的な2次請け開発会社
古典的な二次請けベンダーのイメージになります。300名~ウン千名?
社歴も20年とか経過している会社がゴロゴロです。すでに規模も大きく、昔ながらつきあいの信頼できるパートナーを保有しています。強いですね。 だいたい金融を主力にしている。大手SIerになる事を目指している会社が多い。
主に大手SIer配下の大規模金融案件などでポジションを確保しており、プログラム・インフラ共に十分な規模の組織を有します。資本力もかなり大きく、大規模案件でなければ自分たちがプライマリとなって受注する事が可能です。しかし大手SIerと比較しますとプライマリの経験値が不足している事が多く、また、自分たちがプライムとなる案件を無理して取りに行く傾向もあります。また、パートナーは2次請けの経験が無い会社が多いですからうまく回らないケースもあります。そんなこんなでさりげに案件燃やしがち。
おそらくは再委託制限の影響なのか、近年はSES会社や中小のソフトハウスを買収し、一気に規模を拡大したいという会社が多い気がします。社員数は増えるのですが、売りたい会社って、まあ、売る方は先が無いと思ってるから売る訳で、いまいちなメンバーがどっと増え、はえぬき側の社員がフォローに奔走したり、離職しちゃったりと言う本末転倒の結果もよく見られます。
エンジニアの守備範囲は、自社チームリーダー~自社担当範囲の納品までに必要なこと全て。システム開発に置いての主力を担う立ち位置になります。
〇ビジネス上の優先目標
外部パートナー会社(3次・SES)を使用し、社員一名当たりの売上を最大化する事になります。
この為、よくSIerの劣化版の様に受け取られがちですが、会社によっては大手SIer以上に財務状況が良い会社など、ポジションの利点を活かし、えらくうまくやっている会社も存在します。
2次請けの利点を挙げますと、
・プライマリがプロジェクト失敗リスクを負担している
・プログラマーくらいのレベルの人員を戦力化しやすい
・コスト負担なくプライマリのブランドや営業力の恩恵を受ける。
・自分たちの担当範囲については比較的権限を持っている
基本的には自社のリーダーを中心にチーム体制でそれなりの規模の成果物を担保する事になりますが、成果物さえ担保できれば、若手のほか外注の投入が可能となる立ち位置で、ここで利益を確保する事が可能です。会社によっては社員一人当たりの年間売上が3000万・4000万に達するケースもあり、かなりの利益額を叩き出す事になります。
問題は、外部パートナーの質です。
それなりの規模の成果物を担保する事ができてしまう企業は2次請けのポジションに移動してしまいますので、規模が小さいか、品質担保が難しい会社(もしくはそういう部署)との付き合いが前提になってきます。なかにはかなり厳しいレベルの人材ばかりの企業も存在し、これらのパートナー人員の管理がとても大変で、2次請けのリーダー職を悩ませることになります。
組織的に管理を強める2次請け企業もあり、さらに従属的なスタンスの3次請けがぶらさがり、SESが3次と契約などとなりますと、まあまあ過酷なことになったりもします。
〇2次請け企業の差別化軸のパターン
とても多彩ですので、網羅できません。また、基本的に成果を要求される立ち位置である為、準委任契約・請負契約など契約面のコダワリがあまりなくなってきており、契約の種類での判別も困難です。
一つの会社が複数の差別軸を持ちえますし、規模や得意分野によって戦略も変化します。加えて2次請け3次請け同士がやたらめったらあちこちと付き合うと言う事も無いので、横の関係の情報がとても得づらいです。そのレベルの情報なんだなとご認識下さい。
なるべくいろんな角度で書き出してみようと思います。
●業務知識で差別化するぞ。
SIerは、ターゲットとするエンドの業種ごとに事業部を分ける事が多いのですが、どの事業部と付き合うかで2次請け側の得意分野も決まっていきます。
銀行・証券・保険などの金融系は、プロジェクト規模や案件単価が高く、この領域を得意分野とする企業はとても多いです。多いと言う事は競合も多い訳で、その中での優位性が必要になります。この競争力の源泉となり得るのが、エンジニアが持つエンドの業務知識になります。
顧客の業務知識が無ければ設計も困難になったりする訳で、難しい領域の業務知識を持っているエンジニアを多数抱えるベンダーの競争力は強力です。
業種ごとの知識に加え、財務会計・販売管理・生産管理・在庫管理などなど、多くの会社で共通する基幹業務の知識なども武器になり得ます。(多くはパッケージを担ぐ事になる)
●技術ブランド特化型
2000年代に多く発生したタイプです。
その名の通り技術的なブランドが強く、それを採用面・受注面で活かす戦い方になります。この為、所属エンジニアの平均スキルは高いものとなり、受注単価も高めになっている印象です。
しかし裏目に出てしまう要素もあり、難易度の高い受注が増えたり、マネジメントが苦手だったり、営業軽視傾向ゆえに営業が弱く、特定の顧客への依存度が上がったり、顧客への発言力が低下したりすることもあります。
●魂のセカンダリベンダー
確信犯の二次請け企業です。エンドからの直接受注で責任を負って経営の自由度を下げてしまう事や、プロジェクト失敗リスクを回避し、外部パートナーを稼働させた利益の確保に注力するという、かなり割り切ったスタンスの企業群になります。
この為か、大手SESと表現したアフィリエイトサイトなども見かけますが、基本的にはSI配下で自社の担当範囲のQCDに対して責任を負うスタイルである事は変わらないので、SESとは言えないと思います。(現代の再委託制限の壁の上層では、SESらしく振舞う事はだいぶ難しいと思う。)
無理してエンドユーザーと付き合わない代わりに、自社の開発能力の維持に対しての意識は高めで、社員のスキルを腐らせる事はあまりない印象です。加えて規模が大きく、パートナー企業のコントロールもうまいとなれば、SIer、パートナー企業双方に対して、発言権を確保して進むことができ、それなり以上の利益の確保が可能です。ただし、パートナーの数を回す事と粗利を抜く事の両立はやはり難しく、その分の負担が社員に襲い掛かっている印象でもあります。
●パッケージベンダー
本質的にはプライマリの特性です。が、パッケージ担ぐ会社は大小いろいろあるので...2次請け3次請けメインの会社がパッケージ持ってることもあります。
よくある成り立ちとしては、受託会社が自社の開発資産をパッケージ化し、それを使って受託の受注を取って行くパターンが多いのではないかと思います。儲かる領域では一人月150万と、大手SIer並みの受注額を取ったりすることもあるのですが、時間経過でパッケージ自体が古くなっていく問題があります。
パッケージが古くなれば、その案件に関わるエンジニアの要素技術も古くなる訳で、儲かるゆえにパッケージに依存しすぎますと、所属エンジニア全体のスキルがレガシー化してしまう恐れがあります。
これを恐れる社員の離脱が発生しますと、いよいよ古い技術で安穏としている層ばかりが残ってしまう事になり、パッケージが売れなくなった瞬間にとても厳しい展開を迎える事になります。
●他社のパッケージ・サービスを担ぐ
こちらは、SAPやSalesForthなど、(外資含む)他の大手企業が開発したパッケージの導入プロジェクトを取りまくるスタイルのベンダーさん。けっこう単価が高く、儲かるプロジェクトも多いのだけど、社内のスキルが外部の特定のパッケージに依存したスキルとなる為、主力のパッケージ製品が売れなくなった日には大変なことになるなど、若干のリスクがある。
このリスクの回避方法として、同時に複数の製品に手を出しまくり、儲かる奴にはちょっと集中。を繰り返すというやり方がある。この方法をうまく回すと、常に、儲かるパッケージにいち早く関与したという状態を繰り返し作る事ができ、それを利用してパートナーを確保。さらに、リスクはなるべくパートナーに負わせると言った立ち回りも可能になってくる。
かなり強力な立ち回りだが、実行には頭数も資本も必要となる為、いきなりマネする事は難しい。
●サポートの会社。
システムを導入したとして、そのシステムや顧客に関わるヘルプデスク業務や、枯れたシステムの運用業務などの、さほど専門性を要求されない人員需要もあります。この仕事を取りに行くかどうかは会社によって判断のわかれるところになり、なかにはかなりサポート業務に特化した企業なども存在します。
サポート業務の良いところは、ロースキルでも投入可能なことで、採用上の負担が低いです。一気に企業規模を拡大する事ができ、利益も得られます。
悪いところは、高齢化した人員の扱いが難しいことで、何かしらの対処が必要になる事です。
なるべくSES人材を借りてきて回すのか、定年を低く設定するのか、契約社員にするのか、いろいろ考えられますが、実際にどう対処しているのかは不明です。ほか、開発会社の本体とは分けて分社化するケースも多いです。サポート人材とエンジニアは求められる人物像がかなり違うものなので、ロースキル投入可能な案件を持つ事とのシナジーが少ないのかもしれません。
●古き中小企業
古くから存在、あまり規模が大きくならなかったソフトハウスと言うやつ。20名~30名前後。かなり数が多い。昔はソフトハウスの数自体がすくなかったのか、大手企業との取引開始ハードルが低く、古い会社ほど良い取引先を持っている傾向があります。
大きくならなかった理由は何かあるはずで、採用が弱いとか営業が弱いとか、そういう弱みがあるケースから、そもそも巨大化を志向しなかったケースなど様々です。会社のポテンシャルは十分あるので、優秀な営業が途中からJoin、会社の内部の立て直しをゴリゴリ進めるケースも割と見ます。(だいたいこの営業が次期社長にされる)
中間層が離脱し、社内の高齢化が進行、若手層はロースキルのみとなると、結構まずい状態と言え、入社するにしても、『なぜそうなっているのか』と言う原因を特定する必要があるかと思います。
●天下り型
異業界でもよくみるやつ。
IT業界の大手の社員が退職し、起業。その大手や社員だった当時の発注先などを主要顧客としてスタートするパターン。内部価格もわかっているし、深い関係性もあるしで、かなり良い単価を取れる。また、同じ大手の退職者の受け入れ先になったりする(PMになりたくない若手社員や、小さい会社に行きたくなった人とか)為、初期メンバーの質も高めだったりと、様々な優位を活かして事業展開していく。
なお、大手出身である為SESと言う業態のイメージは湧かないらしく、だいたいソフトハウス的なスタンスになる。(異業界出身者や、複数名で起業等の場合はこの限りではない。)
イケてないケースもよく見られ、営業力の不足や軽視により、初期の顧客に大きく依存する展開になってしまい、自社の交渉力が低下・初期取引先(出身企業)の交渉力が強くなって行ってしまうと言うもの。
こうなると、顧客の無理難題もトップダウンで実行されるようなスタイルになっていき、この天下り型企業の社員も下請けも苦しくなっていく。
ほか、コンサルファーム出身者がコンサルファーム向けにSESをやろうとするケースもあるのだが、多くの場合は高い要求ハードルと、その人材の外部調達の難しさで失敗する。(社員20~30名くらいでとまっちゃう感じ。) 元チュアやベイカレの、そこそこうまくやっちゃう人たちは、一味違うのである。
●典型的な3次請け開発会社
ここまでくると数も種類も膨大になってくる訳でありますが。単純な共通点を挙げる事が出来ます。
『事実上、大手SIに刺されていない。』です。まだ過程の段階にある企業と言えるかと思います。
その理由はいろいろ考えられますが、例えば下記のものがあげられます。
・社員数が不足(リソース規模が小さい)
・技術力が不足(リソースの質が低い)
・資本力不足(資本金の額が小さいなど)
・営業力不足(新規開拓を行っていない)
・チーム化ができていない
・選択・集中ができていない
なお、この『不足』は、競合と比較しての相対的な評価である事が多いです。
強力な競合が多数存在する『金融系』のステージですと、競合の企業規模も大きく、それらの会社を押しのけて評価される必要がある訳です。
選択・集中ができていないという状態は、競合優位性を取りやすい領域で社員のスキルセット・得意分野などを揃えられていない状態です。経営層は戦略レベルで市場内のポジショニングを選択。そこに戦力を集中していく必要があり、これは同時にエンジニアの案件選択の自由度の低下を意味します。
チーム化ができてないというのは、主にSES会社からスタートした会社で、まだ組織がSESモデルからの転換が完了していない段階と言えるかと思います。SESモデルからの離脱の段階では、チーム化を推進するリーダー格や、それを支援するメンバー達の負担がとにかく大きくなります。
指示待ちの姿勢や自己中心的なスタンスの強い人間がチーム内におりますと、チーム内の他のメンバーの負担が増加し、他のメンバーの不満や離脱を招いたりすることもあります。個人戦主体のSESとは戦力となる人物像が異なる為、SES的なスタンスの人物が負債となり、戦術の転換を阻むことになったりもします。
また、採用面があまり得意ではない会社も多い印象で、この点が中長期の苦戦の原因になっていたりもします。質を上げるか、数を増やすかをしていく必要がありますが、これも競合がいる話であり、簡単な解決方法と言うのはありません。
営業は、技術・採用側と連携して行われる必要があります。
技術と他部署間の関係性が悪い状態からのスタートとなりますと、様々なロスを産むこととなり、ふつうに考えてデバフが重すぎます。なお、たった一人営業担当が変わっただけで問題が解決する事もあり、その人物を中心に営業メンバーが稼働・採用活動も巻き取る形で、一気に息を吹き返す会社なんかも割と見かけます。
3.おわり
と言う感じで、意外といろいろな会社がありますね。
わかりやすくまとめるならば。
・SI業界は大手SIerを頂点とした、建築業界のゼネコン・サブコン等の関係に酷似した構造になっている。
・SI業界以外にも、広告・ゲームなど、いくつかの業界が存在し、それぞれの業界構造がある。
・2次請け3次請けは、SI業界内の下請けプレイヤーにあたり、基本的には上昇を狙う。
・SESは特定の業界の案件・ルールに縛られない事を強みとし、準委任で個別派遣を行う。
と言ったところでしょうか。