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複数部署での経験が、キャリアの幅を広げるきっかけに。「SaaS人材」になるメリットとは

スタディストでは、複数部門での職務経験を持つ「SaaS人材」の育成に取り組んでおり、部署を超えた人事異動が積極的に行われています。そんな中、営業効率の最大化に向けた分業制度「The Model」の4つの業務(マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)をすべて経験した人材も現れました。

スタディストがなぜ「SaaS人材」の育成に取り組んでいるのかについては、
こちらの記事もぜひご覧ください。

スタディスト初の「The Modelの4職種コンプリート」を実現したのは、マーケティング部の萩本さん。自身のキャリアについて会社に希望を伝えたり、相談したりできる「キャリア申告制度」も活用して、キャリアの選択肢を広げてきたそうです。4つの部門を経験して、実際どんなことを感じたのでしょうか。執行役員 CHROの今井さんがインタビューしました。

<プロフィール>
執行役員 CHRO/人事部長 今井 威紀さん
筑波大学第二学群人間学類卒業。2008年新卒でリクルートエージェント(現:リクルート)へ入社し、HR領域の法人営業や企画、マネジメントなどを行う。その後、リクルートマネジメントソリューションズにて人事・組織のコンサルタントとして、人事制度構築・組織サーベイ・マネジメント力強化などのプロジェクトを手掛ける。2022年1月、
スタディストに入社。入社後は人事全般業務の責任者となり、2023年3月に執行役員 CHROに就任。

マーケティング本部/マーケティング部/コミュニケーション・プランニンググループ/イベント・プランニングユニット 萩本 妙子さん
医薬品の製造販売会社にて約8年間営業を担当した後、2018年9月、スタディストに入社。アライアンスセールス、カスタマーサクセス、フィールドセールス、インサイドセールスを経験し、2023年3月からマーケティング本部所属。

入社から5年弱で、The Modelの4部門をすべて経験

今井:はじめに、萩本さんがスタディストへ入社する以前のキャリアについて、教えてください。

萩本:新卒で製薬会社に入社し、8年間ほど営業の仕事をしていました。新たなチャレンジをしたいと考えていたタイミングで、イベントで知り合ったIT企業の社長にお声がけいただき、転職しています。創業期のベンチャーで、仕事はやりがいがあったのですが多忙をきわめ、自身のキャリアについて模索していた時期にスタディストと出会いました。今後のキャリアを考えると幅広い業界への営業経験がつめること、またライフイベントがあっても働き続けられる環境だなと思い、2018年9月に入社しました。

今井:入社して、最初に担当したのはどんな業務でしたか。

萩本:大阪支店で、アライアンス営業を担当していました。地方銀行からご紹介いただいた西日本のお客様を訪問し、Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)を知っていただく仕事です。

今井:その後、カスタマーサクセス(CS)を経験されたのですよね。

萩本:はい。CSの業務を一定期間経験する社内留学制度ができ、最初の対象者に選ばれました。3ヶ月間ほどCSを担当した後、フィールドセールス(FS)に異動しています。ちょうどコロナ禍が始まったタイミングで、オンラインで商談を行っていました。インサイドセールス(IS)を経て、2023年3月からマーケティング本部で働いています。

今井:異動の際、萩本さんの希望は反映されましたか。

萩本:IS部門への異動、マーケティング本部への異動は私自身の希望です。そのほかの異動は、会社からの提案を受け容れる形で実現しました。

今井:なぜISやマーケをやってみたいと思ったのですか。

萩本:以前は「食わず嫌い」で、私にISの仕事は無理だと思っていたんです。でも、副業で請けている業務委託の仕事で電話営業をする機会があって。実際にやってみたら面白く、「性に合っているかもしれない」と希望しました。マーケについても、個人事業主の方々と連携をとる中で興味が湧いて「やってみたい」と思いました。

今井:一方で、CSやFSへの異動については会社からの提案がきっかけだったと思います。外側から機会を与えられることについては、どう考えていますか。

萩本:中には抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、私自身は、新たな部署の文化や考え方を体感することで、見えてくるものがあると感じています。異動してすぐに100%の力を発揮することは難しいですが、部署が変わっても、これまでの経験が無駄になるわけではないんです。新たなステージで自分の知見をどう生かしていくか、主体的に考えて行動することが大切ではないでしょうか。

今井:自分自身で選択すると、今の自分に見えている範囲の外に出ることは難しいですが、思ってもみなかった部署へ異動することで、偶発的な発見があるかもしれないですね。

複数の部署を経験することで「新しい視点」を獲得。仕事の進め方が変わる

今井:社内異動を多く経験する中で、大変だったことはありますか。

萩本:どの部署でもそうですが、配属されてから業務に慣れるまでの間はやはり必死ですね。個人の性格や価値観と、その部署の基本的な考え方、仕事の進め方の相性もあると思います。

例えばサービスについてお客様にご案内する際、営業の立場では、お客様が興味を持っておられる部分を重点的にお伝えします。一方、CSでは、サービスの使い方を細部まで正確に伝えることが求められます。営業時代、感覚的につかんでいたやり方がCSでは通用しないので、初めはかなりしんどかったです。

今井:確かに同じ事業部でも、部門が違うとサービスに対する観点が変わってきますね。萩本さんの場合、どうやって新しい部署の視点にチューニングしていくのですか。

萩本:「郷に入っては郷に従え」ではないですが、まずは先入観を持たず、その部署の考え方に「脳みそを慣らす」ことを心がけています。そのうちに、以前は見えていなかった世界が見えてきます。同じ事象でも、別の視点から見ることで「こういう構造になっていたんだ」「だからあの人はこう言っていたんだ」と新たな発見があるんです。結果としてお客様に対してより深い提案をしたり、業務改善をしたりするきっかけにもなっています。

例えば私がFSを担当していたとき、今すぐには契約に結びつかないお客様について、ISの方に「良い感じにナーチャリングをお願いします」とざっくりした依頼をしていました。自分がIS部門に異動し、その伝え方では抽象的すぎて、具体的に何をしたらいいかわからないと気づいたのです。

IS担当者として、FSからナーチャリングの依頼を受けたとき、ナーチャリングの種別(電話・メール)ごとのメリット・デメリットを説明することで、お客様の状態にあったコミュニケーション方法を選択してもらうことができました。FS時代に学んだお客様の希望に合わせる大切さと、ISで学んだ具体的な手法があわさってより良いサポートにつながったと感じています。

今井:新しい視点を獲得したことで、行動が変わったのですね。萩本さんのお話を聞いていると、SaaSのプロセス全体を理解することで、お客様への貢献度が深まっていくのだと感じます。

萩本:The Modelの分業制では、それぞれの部門の専門性が高まる一方、ほかの部署についてはよくわからないということが起こりがちです。以前は私自身もそうでした。複数の部門を経験することで、ほかの部署が何を重視しているかがわかるので、部署間の距離が近くなり、連携がスムーズになることを実感しています。

自身のキャリアについて考え、自律と成長を促す「キャリア申告制度」

今井:スタディストでは2022年から「キャリア申告制度」を導入しています。「自律と成長」「挑戦と協働」という人事ポリシーを実現するため、スタディストで働く一人ひとりが自分のキャリアについて考え、希望を伝えたり、相談したりする場を設けたいと考えているからです。希望いただいた方には役員・執行役員・人事部長のいずれかが担当し、面談を実施しています。萩本さんもこの制度を活用していますが、どんな思いで面談にのぞんだのでしょう。

(スタディストの人事ポリシーより抜粋)

萩本:新卒の頃から、自分のキャリアをどう築いていくべきなのか、考え続けていました。長く営業の仕事を続けていましたが、営業としてキャリアを積み上げていくイメージが持てなくて。社の内外を問わず、いろいろな人に会って話を聞いたり、キャリアに関する情報を集めたりすることは積極的にしていました。キャリア申告制度について知ったときにも、ぜひこの機会を活用したいと思いましたね。

今井:面談では、執行役員CMOの近内さんと話をしたそうですが、実際相談してみて、どうでしたか。

萩本:ふだん、キャリアについて誰かに相談したいと思っても、そもそも論点が整理できていなかったり、誰に相談すればいいのかわからなかったりするので、そういう意味では貴重な機会だったと思います。1回の面談ですぐに何かを変えたり、決断したりすることは難しいかもしれません。私の場合は、近内さんが管掌するマーケティング部で働いていることもあり、将来の自分がなりたい姿と現在の業務をどう結びつけていくか、考えるきっかけになりました。

営業×マーケの掛け算。SaaS人材として、希少性の高いキャリアを築く

今井:萩本さんは、これからどんなキャリアを歩んでいきたいですか。

萩本:私の強みは、営業の仕事に携わる中で身についた「お客様目線」だと考えています。そこに、企画やデータの活用などマーケティングの知識をかけ合わせることで、定量と定性、両方の視点を持ち、行き来できる人材になりたいです。

今井:いいですね。営業とマーケター、どちらかの視点に偏るのではなく、複数の観点を持つことで、萩本さんにしかできない仕事につながっていきそうです。

分業型のThe Modelの拡がりに伴いSaaS人材の需要は高まっていますし、その中でも職種にとらわれないポータブルスキルを見つけることは、個人の今後のキャリアにとってもメリットが大きいですよね。

萩本:キャリア申告制度を利用し、社内のさまざまな方とお話ししながら多くの部署を経験する中で、私自身のキャリアについて、おぼろげながら見えるようになってきました。これからもスタディストで働き続けたいという気持ちはあるのですが、同時に「会社を離れても通用する人になる」という視点は常に持っていたいです。

今井:自分のキャリアについて、そこまで具体的に語れる人は多くないと思います。以前の萩本さんのように、もやもやを抱えている方に対して何かアドバイスはありますか。

萩本:漠然とでもやりたいことがあれば、まずはそこに向かってみるのがいいと思います。もしやりたいことが思い浮かばなくとも、これまで自分がやってきたことを振り返って、何ができそうか考えてみるのもひとつの方法ですよね。

今井:先が見えない中でも、複数の部署で経験を積むことで、萩本さんのように希少性の高い「掛け算」のキャリアを築いていけるようになるかもしれません。今後はより多くの方に、キャリア申告制度を活用してもらいたいですね。萩本さん、今日はありがとうございました。

(執筆/高橋三保子)

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