みなさん、スパイスファクトリーからの年末年始のご挨拶はご覧いただけましたか?今回、メッセージに添えられたキービジュアル、実は当社内で初の試みとして社内コンペにより制作されました!「スパイスファクトリーらしく」年末年始のご挨拶をするためのキービジュアルの制作、ということでなかなかの重要任務…。 この記事では、コンペに参加したデザイナーチーム(Interface&Experience Div. 以後IXD)へのインタビューを通し、スパイスファクトリー・デザインチームの仕事と向き合う姿勢や雰囲気をお伝えできたらと思います。
代表取締役CEO・高木からの【年末年始のご挨拶】はこちら
目次 今回お話をきいた方々
社内コンペのきっかけ|企画者と参加者の思い
「スパイスファクトリーらしさ」|それぞれの解釈とデザインプロセス
互いに刺激となる機会と存在 | 社内コンペに参加した感想
レビュー方針は「クリエイティブに対して」対等にディスカッションすること
チーム責任者が日々目指しているデザインチームの姿
今回お話をきいた方々
佐野 京都ブランチ所属。制作会社にてWebデザイナーとしてコーポレートサイトなどのデザイン制作を担当。社会課題を解決するプロダクトに携わりたいという思いから、2022年1月にUIデザイナーとして当社に参画。現在はアクセシビリティを重視したWebサイトや、WebサービスのUIデザインを手がける。趣味は映画鑑賞、植物を育てること。
上坂 東京都出身、デザイン制作会社でWebやアプリの UI/UX、ロゴやDTPのグラフィックなど、クライアントワークからインハウスまで、広くデザイン領域を経験。良質なものづくりをするためにはひとりひとりが専門性を持ってチームで共創するべきだと考え2024年8月UIデザイナーとして当社に参画。当社では英語能力測定テストのサービスサイトデザインなどを担当、趣味は音楽鑑賞、レコード集め、映画鑑賞、送迎、お酒作り。
チェン 台湾高雄出身。制作会社にて9か国語に展開する規模のブランドサイト制作から、開発フローを効率化する広告運用ツールの開発に携わる経験を持ち、上流工程から社会貢献性の高いプロジェクトに関わりたいという思いから、2024年7月にUIデザイナーとして当社に参画。現在は、薬品関連配信ポータルサービスのデザインや運送納品アプリのデザインなどを担当。趣味は銭湯巡り、芸術祭巡り、食べること。
佐藤 IXDチーム責任者。美大卒業後、自転車メーカーでプロダクトデザイン、販促広報、営業、受注管理等を担当。シェアオフィス企画運営や建築コンサルを行う会社で、取締役を10年経験。公益財団法人の国内政策シンクタンク事務局に従事後、当社に参画。現在は、新規事業開発プロダクトを中心に担当。日課は、炊事、洗濯、掃除、社内コンペ。
社内コンペのきっかけ|企画者と参加者の思い ー今回社内コンペを実施したきっかけをおしえてください 佐藤: スパイスファクトリーは日常的にクライアントワークを行っている組織です。UIデザイナーという同じ職種でも、複数人で1つの案件に取り組むことは少なく、他のUIデザイナーの視点や考え方を知る機会は少ない環境です。社内レビューを受けることはあっても、同じ立場で一緒に作業している人ではなく目線の違いがあるので、複数人で1つの課題に取り組み、1つの問に対する複数の解を見られること自体が新鮮です。社歴に関わらず匿名のアウトプットだけでフラットに評価される緊張感と、感想戦で他の人の思考を知って答え合わせできる親密感が社内コンペの良いところで、、それがチーム全体のよい刺激となり、今後のデザイン品質向上に繋げられたらという思いがありました。
ただ、社内コンペは時に、チーム内の空気を険悪にしてしまったりなど楽しく取り組めない場合もあるかとは思うので、最初はとてもドキドキしていた部分もありました。結果、そうはならず、みんな「良いものをつくりたい」という思いのもと、相互でデザインに対するパッションを再確認する機会となり、やってよかったなと感じています。
ーそれぞれどんな気持ちで社内コンペに参加しましたか? 佐野: 社内コンペは、スパイスファクトリーに入社後初めての取り組みだったので面白そうだなと思いました。1つのテーマに対して他のメンバーが考えたアウトプットを見ることは貴重な機会で勉強になるだろうなとも思いました。
上坂: デザイン要件が提示された際、年末・年始感、司馬遼太郎の引用、スパイスファクトリーらしさ、掲載媒体の多さなど留意すべき要素が多い印象を受けました。何をモチーフに選ぶか、いかに方向性を外さないかという点で少し不安がありました。
チェン: 前職の会社で社内コンペに参加しとても勉強になった記憶があり、1つの課題に対するみんなのアウトプットがとても楽しみでした。コンペはもちろんドキドキしますが、今回、制作や審査過程において、佐藤さんが心理的安全性を保って進行してくださり感謝しています。
「スパイスファクトリーらしさ」|それぞれの解釈とデザインプロセス ー 今回デザイン要件として、高木さん(CEO)からのメッセージのキービジュアルの役割とともに「スパイスファクトリーらしさ」というものがありましたね。それぞれ、これらのテーマをどう解釈しデザインに落とし込んでいったのか教えてください 佐野: スパイスファクトリーのブランドカラーである黄色をメインに採用し、当社らしいトーン&マナーとしてシンプルさを心がけました。送る時期がクリスマスでありながら、万が一年末年始に災害などがあった場合でも送ることができるデザインを考慮し、モチーフの選択には苦労しました。 最終的に、高木さんのメッセージからインスピレーションを得て、「明るい未来」をテーマに、雲と日の出をモチーフに選びました。 また 、クライアントや関係者への感謝をメインに伝えるため、「Thank you for your support this year」というテキストを配置しました。 当初入れていた「Happy Holidays」のメッセージは削除して要素を絞りました。
初稿では、シンプルにモチーフとテキストを配置するデザインにしていましたが、佐藤さんの中間レビューを受け、年末の慌ただしいひとときに目に留まるインパクトを加えることにしました。高木さんのメッセージに込められた「無邪気さ」や「ワクワク感」を表現するため、ページをめくるような二層構造を取り入れ、イラストに没入できる仕掛けを施しました。
佐野さんのエントリー作品
上坂: 高木さんのメッセージの内容や意図から、小説のようなアンニュイな雰囲気を感じ、 「ハッと目を引く視覚的インパクト」と「ノスタルジックで安らぎを与える雰囲気」をデザインに取り入れようと考えました。 また1つめのデザイン案では、「困難に必死に立ち向かう」のではなく、 「無邪気に理想を目指す」というイメージづくりに重きを置き、最終的には登山家がスキップして頂を目指しているようなイメージに着地させました。 2つめのデザイン案では、スパイスファクトリーが「社会的インパクトを与える存在であることを重視する企業である」という点に着目し、植物のモチーフ・蓮を採用し、よりインパクトがでるよう位置やサイズの調整を重ねました。今回、佐藤さんとの壁打ちを通し、デザインをどんどんブラッシュアップしていった過程がとても楽しく意義深かったと感じています。
上坂さんのエントリー作品 案1
上坂さんのエントリー作品 案2
チェン: 高木さんのメッセージにあった司馬遼太郎の引用部分「のぼっていく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて、坂をのぼっていきたい」、 この部分が「常に変化し、挑戦・進化し続ける」企業というスパイスファクトリーらしさにつながる部分ととらえました。 また、 「可能性を追い求め、失敗を恐れず、常に前進する姿勢」を入社以来実感していて、これらを限度や境目がなく、躍動感のあるビジュアルで表現しようと考えました。 上下の終わりなき文字配置、下から上に進化していく様子、左右で龍から蛇へバトンタッチし続ける、という各モチーフの配置・デザインでそれらを表現しています。
チェンさんの最終エントリー作品 案1
チェンさんの最終エントリー作品 案2
色味やフォントについて、当初は年末年始のイメージから赤を基調としたデザインを制作していましたが、佐藤さんとの壁打ちのなかで、よりスパイスファクトリーらしさを強めるために、ブランドカラーである黄色バージョンも制作してみました。また、フォントについてもスパイスらしさと掲出先やターゲットを鑑み、明朝体、ゴシック体、など試した上で最終形に着地しました。
チェンさんの途中デザイン
互いに刺激となる機会と存在 | 社内コンペに参加した感想 佐野: 社内コンペは初めての挑戦でそれぞれの視点やアプローチがとてもためになり楽しかったです。同じテーマに対する解がこんなに色々あるんだ!という感動がまずあり、今回の審査基準ともなった「インパクト」の部分では、お二人のデザインで学びになったことが多く、大胆な構図や配置、モチーフ選びや配色など、自分では想像もしていなかったアプローチでめちゃ面白いなと思いました。また、レビューをいただきながらブラッシュアップし品質向上させていく過程は、チーム全員でいいものを作っているという実感がありました。案件のなかでもこのような体制・機会を目指し今後も臨んでいきたいです。
上坂: 今回参加してとても楽しかったし勉強になりました。私は、モチーフ選定からアウトプットするまでの姿勢として、守りの姿勢で向き合っていましたが、二人のデザインからは攻めの姿勢を感じ、見る人をワクワクさせるアウトプットはクリエイティブ視点でもとても学びになりました。デザインプロセスの部分でもお話ししましたが、今回、佐藤さんとの壁打ちを通し、デザインをどんどんブラッシュアップしていった過程がとても楽しく意義深かったと感じています。
チェン: 今回、とても楽しく参加させていただきました。「コンペ」といっても、私自身は争う気持ちは全くなく、一つのテーマに対する皆さんの解を拝見するのがとても楽しみでした。 お二人のデザインをみた時、やってしまった・・・と感じました(笑)私の抽象的なデザインに対し、二人はメッセージへの導入となるストーリーを感じるモチーフと丁寧な色味の調整を施していてとても素敵だなと感じました。 同じテーマに対する異なるデザインアプローチを共有いただく機会は、大変刺激的でした。
レビュー方針は「クリエイティブに対して」対等にディスカッションすること ー今回、各デザイナーからあがってきたデザインに対峙したときの感想を教えてください。また、スパイスファクトリーは日常業務はリモートワークが主ですが、佐藤さんがIXDチームの責任者として普段から配慮しているコミュニケーション方法があればおしえてください。
佐藤: 今回のコンペでは、私はクリエイティブディレクターとして入るわけではなく、また、提出前に私のレビュー必至などの決めごともしませんでした。もし、制作過程で客観的な意見が欲しい場合は声をかけてねという存在で伴走しました。そのため、3人それぞれ、タイミングもデザイン粒度も異なる状況で声をかけてきてくれた感じです。
デザインがあがってきて、三者三様のテーマのとらえかたと表現は、やっぱり純粋に面白いなと感じました。また、今回3時間で制作という工数目安を設けての実施で、制作に充分な時間を提供できない申し訳なさはありつつも、クライアントワークという性質上、短時間でクオリティをあげる瞬発力が求められる役割でもあるので、そこに果敢に挑み制作してきたみんなに頼もしさと嬉しさを感じた機会でもありました。
レビュー方針として、アサーティブ・コミュニケーションであることと、いいものを作るために対等に語り合おうというスタンスがあり、例えば「制作した人」を対象にレビューするのではなく、「クリエイティブ」に対してレビューを行います。こういう方向の考慮があったほうがいいのではないか、この視点で考えるとこの表現は調整したほうがいいのではないか、といった内容で、いいものをつくるために制作者と対等な立場で語り合う形でレビューをしました。 今回のデザイン要件は、高木さんのメッセージ・時期・媒体、大きく3つでしたので、おさえるべき要件のポイントに過不足はないか確認しました。例えば、単純に媒体でのインパクトだけではなく、その後のメッセージにつながる導線としての機能を果たせているかなど、それぞれのデザインをもとに各デザイナーの思考を私なりに紐解いていきました。要件のポイントにそった良いところは伸ばし、足りていないところを補っていくというレビューを行いました。
チーム責任者が日々目指しているデザインチームの姿 佐藤: 私は「一人一人が“無双”できる状態」を理想と考えていて、そのためには、デザイナー同士のつながりや、互いをサポートするスキルも必要だと考えています。そのため、今回のような個々の強みやデザインの発想・プロセスを互いに知る機会を重ねていきたいなと考えています。また、私自身、デザイナーのベースはありつつマネジメントとしてのキャリアの方が長いので、デザイナーとしてではない一歩引いた視点でクリエイティブに向き合いやすいのかもしれません。 今回社内コンペを実施してみての感想は、やっぱりみんなと一緒にものをつくっている感じは楽しいなと感じました。日々のクライアントワークではユーザー・クライアントドリブンでのものづくりなので、今回、各デザイナーの個性やクリエイティブジャンプが垣間見えたのもとても有意義な機会でした。次回社内コンペはチーム戦にしてみたらどうかとか、また新しい挑戦もしてみたいなと思っています。
いかがでしたか?この記事では、スパイスファクトリーのデザインチームで初の挑戦となった社内コンペの裏側をお届けしました。スパイスファクトリーのデザインチームではリモートワークが中心の中でも相互理解を深め、UI/UX品質のさらなる向上に役立つ取り組みなども活発におこなっています。
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