30代突入を間近に控えた29歳の時、苗加は転職活動を始めた。
三十路を前に人は改めて「生き方」を考えるものなのかもしれない。会社というものに入ってからおよそ10年。自分の可能性を強く感じた日々も、逃げ出さずになんとか踏ん張った日々もあった。酸いも甘いも含めて、振り返るに足る経験を積んできた。一定以上の評価を得ている中堅の正社員。外野から見れば、不満を漏らすことが贅沢に思えるようなそんな日常に、どこかしら物足りなさを感じる自分。
苗加は。受託ではなく自社サービスに専念したかった。自身のデザイナーとしてのスピリットをもっと高めたかった。情熱をもって仕事をしたかった。そして結婚を考えていた。
今回は、まずは一人前の社会人になるという段階を終え、仕事で自己実現することに期待し始める30代前後の方々に贈る当社の一社員の肖像である。
三十路を前にし、求め始めた「自己実現」
前職は100年を超える老舗の印刷会社でした。おっかないけど無二の腕をもつ工場長がいたりして。当時のことですから紙の印刷物が主な取り扱い物でした。私はデザイナー。時代の移り変わりと共に、その会社でもWEB部門を立ち上げ、WEBデザインを担当するようになりました。社業は長年培ってきた信頼もありそこそこ順調。私自身も社会人としての基礎筋肉を身に付け、成果を上げる術も覚え、約束されるであろう未来を想像することもできるようになりました。こういうのを「安定」というのでしょうかね。
もちろん安定が悪いわけではありません。当時結婚も控えており一般的には安定を選ぶ時期とも言えなくもないと思います。が、どこか空虚さがあった。受託が中心ですから、たとえばWEBページを開発して納品しても、その後は基本的にお客様次第。何年も全く更新されずただそこにあるだけの存在になり果ててしまっていても、再提案に踏み込むことはまずありません。そつなくきちんとやっていれば一定程度の評価を得、安定した報酬を得ることができる。が、朽ち果てるに任せるWEBページを量産し、そこから報酬を得る。何のためにやっているんだろう、と思ってしまう自分がいるわけです。
繰り返しますが安定はそれ自体悪いことではない。安定を選択する人生もあると思います。が、私は意義を感じて生きたかった。仕事に情熱を持ちたかった。デザイナーをやめていく同年代の友人もいました。が、私は、イイモノを作り続け成長し続けたかった。もしかしたら転職により安定は失うかもしれない。でもその心に嘘はつけなかったんです。
モノを創る人としての魂を揺さぶられた
ポイントサイトの事は知りませんでした。オズビジョンという会社を知ったのも、転職エージェントに照会されたから、です。代表の鈴木さんに会ってみると、ハピタスのデザイン上の課題や要望、デザインに限らない夢や戦略をこと細かく話してくれたんです。職人としての血が騒ぎました。「こりゃ、すごく整理された具体的なオリエンテーションだ。すぐにでも受注できるじゃないか」。
半端ない情熱をもって私のデザイナーとしての魂を熱くする。しかも初対面の応募者に対して。ここでなら仲間として熱を込めて仕事ができる。そう確信しました。もちろん他に応募していた会社はあります。給料などに特段の差はありませんでした。それぞれきちんとした事業を営んでいらっしゃいました。が、情熱をもって推し進めるという高い心意気という意味で、オズビジョンは一頭地を抜いていました。
デジタルの世界でも語り継がれるようなものを
こうしてデザイナーとしてスタート。更新業務などから入っていき、徐々に領域を拡大していきました。やがていい意味でも悪い意味でも壁にぶつかります。自社メディアを自分の力で改善していくのであれば、それを可能にするために必要な足りない要素、私の場合でいえば「技術」を自ら身に付けていくことが求められます。もちろんエンジニアに頼ることもできますが、私は印刷やグラフィックデザインの商売をやってきた身です。「自分でやったろうじゃねえか」、と。今は、デザイナーとエンジニアの両方に軸足を置くことができる存在として、後輩と共にハピタスを改善発展する楽しさを満喫しています。
今後は、将来的にきちんと収益が出せる新規事業を立ち上げてみたいと思っています。実はこれは「これから10、20と数多くの新規事業にチャレンジする」という会社の方針があってこそ。もしその方針が「ハピタスの運営に集中する」であればそっちを最優先します。これは私の強い思いとして「最大限の情熱をもって新しいことにチャレンジしたい」というものがあるから。新規事業立ち上げでも、運営に特化でも、どちらでも「新しいことへのチャレンジ」はできると信じています。自身の思いと会社の方針を一致させれることができれば、相互に最大の成果を得ることができると確信しています。
私はモノづくりが好きです。ある尊敬する人が言っていた言葉を今でも思い出します。「モノを創る人は、モノを創って世に出すことができる。それはいわば唯一無二の仕事だ」。場合によっては50年、100年と世に存在し、語り継がれる「良いモノ」。デジタルの世界になったこれからは、これまでとは違った形で、50年、100年単位で残る「良いモノ」が出て来るだろうと思います。AR、VRと増殖していく今後の世界。どんな「良いモノ」が出てくるか、どんな「良いモノ」を私が生み出せるか。ワクワクしています。
オズビジョンは「仕事を通じて自己実現したい方」を募集しています。ご応募をお待ちしております。