「なんか意見が合わないけど決まったことだからやるか。はぁ。」「なんとな~くチームの雰囲気が悪いなぁ」「上司から降りてくることに納得感がないけど…」なんてことはありませんか?
チームで仕事をする上でたまっていくもやもやを「組織もやもや」といいます。組織もやもやがたまると不思議と良い成果も出づらいのです。
今回はそんな組織もやもやについて前後半の2つに分けて書きます。前編では「なぜ組織もやもやがたまるのか」、後編では「どうやったら組織もやもやを解消できるのか」を探求します。
組織もやもやとは
魚を飼うということは、水を飼うということである
という糸井重里さんの言葉があります。僕もこの言葉は大好きなのですが、良い環境を維持すれば、魚がすくすく育つということですね。組織にも同じことが言えるよということが糸井さんのメッセージだと思いますが、僕も激しく同意です。
組織にとって「水」とは「組織文化」と捉えています。「良い組織であるとは、良い組織文化ということである」となりますでしょうか。組織もやもやが発生すると、組織文化が濁ります。では、組織もやもやはどのようにたまっていくのでしょうか。
組織もやもや蓄積メカニズム
組織もやもやにはたまるメカニズムがあります。例えばこのような流れです。
- 期待する成果が出ない
- 成果を上げるために上司から一方的に指示命令が出る
- 納得感や面白みがないままわかったふりをする
- 仕事に身が入らず、なんとなく業務をこなす
- 結果、やはり成果がでない…
いかがでしょうか。みなさんも一度くらいは経験があるかもしれません。
もう少し一般化すると、このような悪い流れになっています。
- 成果が悪化
- 関係性の質が悪化
- 思考の質が低下
- 行動の質が低下
- 成果がさらに出ない…
これが組織もやもや蓄積メカニズムなのです。
ダニエル・キムさんの「組織の成功循環モデル」
組織もやもや蓄積メカニズムは、マサチューセッツ工科大で組織学習を研究しているダニエル・キムさんが提唱されている「組織の成功循環モデル」のことです。持続的にチームが良い成果を生み出すには、良いループがあると言っています。そして順番が大事なのです。そして組織の良い流れは以下の順番で生み出されます。
- 関係性の質
- 思考の質
- 行動の質
- 成果の質
要するに、成果を高めるには、まずは関係性の質を改善することからということです。なんとなく言っていることはわかりますよね。期待する成果を出すために「成果!成果!」となるのではなく、「良い人間関係」からはじめましょうということです。
関係性が良くなれば、チームとしての学習が進みます。チーム学習を通じて自分の考え方が変わります。考え方が変われば自発的な行動が生まれますが、その前提となるのは深い思考です。そして自分の考えとチームの考えが共鳴することで行動が変わり、良い成果が生まれます。すなわち、良い関係性が良い思考を生み、良い思考が良い行動を生みます。その結果として良い成果が出るのです。
さてさて、組織の成功循環モデルをもとに組織もやもや蓄積メカニズムを探求してみました。次回の後編では蓄積されてしまったもやもやの解消についてお話したいと思います。