言うまでもなく、「これから自分が入社する会社」あるいは「これから自分が選考を受ける会社」についてしっかりと理解し、自分の価値観と齟齬がないかを確認しておくことは重要です。
とは言え、入社前に会社のことを深く理解するのはなかなか難しいのも事実です。そこで今回は、会社の方針や実態について二者択一の質問を社長にぶつけ、私たちの会社はどちらに当てはまるのか、それはなぜなのかを解説してもらいました!
例えばこんな感じです。
私たちの会社はどちらを大事にしているか? それはなぜか?
A:一つのことをじっくりとやる
B:あれもこれも手を出していく
ビジネスは複雑な事情もあるので二者択一で明確にするのはかなり勇気のいることですが、それでも就職/転職活動中の方にオンサイトのことをより理解してもらえるよう、このような趣旨にしました。ぜひ参考にして、ご自身の価値観に合致するところがあるか照らし合わせてみていただければと思います。
【質問1】
私たちの会社はどっち?
A:一つのことをじっくりとやる
B:あれもこれも手を出していく
■社長の回答とその理由
B:あれもこれも手を出していく
これは私が一番大切にしている会社の運営方針ですね。私たちの会社が手掛けているインターネットビジネスを取り巻く事業環境の変化スピードは、想像を遥かに超えるものです。
おそらく一般的には、Bの「あれもこれも手を出していく」は悪いことだと思われているのではないでしょうか? 一つのことだけに集中し他のことはあえて視界に入れない方が良いと経営の教科書には書いてありますが、実際にこれまで四半世紀に渡ってインターネットビジネスの最前線でやってきた経験から、一般的な「選択と集中」はインターネット関連事業においては絶対に当てはまらないと感じています。
一つのことにこだわりすぎると、あっという間にクライアントニーズが変わり、そのビジネスは陳腐化します。みなさんも「ほんの数年前には当たり前のように使っていたけど今は全く使っていないインターネットサービス」があるのではないでしょうか。そういったときに残るものは、新たなニーズに適応できなくなった古い自社サービスであり、それに携わっている人材です。会社としては、これはゼロに戻るのでなくマイナスを抱えることになります。
人材も含めた事業価値をしっかり磨くことはもちろん前提ですが、その中で次の潜在的ニーズを見て、会社としてスモールチャレンジし続けていくことを怠ってはならないと考えています。時には、既存の収益事業を捨ててでも、そのスモールスタートしている小さなビジネスの種にピポッドしていくようなダイナミックな会社運営を行っています。そんな会社だからこそ、これからの時代に本当に必要な人材(=スピーディーに変化でき、新しい価値を次々と産み出すことができる人材)が育っていくのです。
【質問2】
私たちの会社はどっち?
A:しっかり準備して確実に物事を進めていく
B:リスクを取ってスピーディーに進めていく
■社長の回答とその理由
B:リスクを取ってスピーディーに進めていく
私たちの事業の性質を考えれば、当然Bのスタンスに行き着きますし、それが当たり前だと全社員が思っていてほしいです。
オンサイトは決して「あり物のサービス」をプロダクトアウトで利用してもらう事業をしているわけではありません。例えば地方には、ポテンシャルはあるがデジタル関連(EC、メディア、広告、社内システムなど)のノウハウを持っておらず、さらに自分たちで行うための人や時間といったリソースもない、そんな企業がたくさんあり、そんな企業にもデジタルの恩恵を受けてもらえるようにするのが私たちがやっている事業です。そのためには今の世の中のトレンドや新サービスについて自分たちが誰よりも詳しくなければなりませんし、詳しいだけでなく常に自分たちが最前線でそれを実務・実行まで現場レベルでやっている、そのため肌感覚でも自分が一番よくわかっているという状態でなければなりません。ある意味、常に新規事業の開発をしていると言ってもいいかもしれません。
……と考えれば、当然「A:しっかり準備して確実に物事を進めていく」ではなく「B:リスクを取ってスピーディーに進めていく」になります。準備している間にも、事業環境の変化が日常的に起こりうる環境です。私自身もそこをしっかり意識して仕事に取り組んでいきたいと考えています。
【質問3】
私たちの会社はどっち?
A:現場主導
B:経営主導
■社長の回答とその理由
両方
まず「A:現場主導」について。クライアントと日々接している現場のコンサルタント(案件の担当者)が、いちいち会社の許可を取って時間をかけて新しい提案をしていくのは望ましくありません。業務に一番詳しいのは現場のコンサルタントでなければなりませんし、実際に一番手を動かしているはずです。一番地に足がついていて詳しい人が、サービス開発を主体的に行う。これが基本になります。
一方で、インターネットビジネスは経験上、「みんなの意見を少しずつ取り入れて最大公約数的な解を取る」「たくさんの関係者の意見を調整する」といったことをしていると、エッジのない流行らないサービスが生まれがちです。そういう意味ではリーダーがしっかり決断し、ゴールに導いていくことも大切だと考えています。そういう意味では「B:経営主導」でもありますね。
いずれにしても変化の速い事業環境で、しっかり結果を出し続けていくためにスピードを意識した仕事の仕方を追求しており、そのためには現場主導と経営主導をうまく組み合わせていくことが大切だと考えています。
【質問4】
私たちの会社はどっち?
A:これまでの経験を活かして成長していける
B:未経験でもゼロベースで学びながら成長していける
■社長の回答とその理由
B:未経験でもゼロベースで学びながら成長していける
既にご説明した通り、インターネットまわりの業界は変化のスピードが速く、そのため求められるスキルセットも常に変わります。これまでの経験で培われたスキルだけを活かそうという考え方では行き詰まります。どんなに経験があっても、どんなに年次が上でも、常に「新しいスキルを!」です。これはインターネットビジネスに関わる人の覚悟の問題でもあると思います。
常に新しいことを最前線で、頭も口も手も足も使って習得し続ける人が、クライアントの課題解決ができる人であり、だからこそ、未経験の人でも今から「その領域で一番詳しく、一番相談される人」になれるチャンスがあります。
【質問5】
私たちの会社はどっち?
A:どこに行っても通用するスキルが身につく(ジェネラリスト的)
B:特定の領域で通用する特殊なスキルが身につく(スペシャリスト的)
■社長の回答とその理由
A:どこに行っても通用するスキルが身につく(ジェネラリスト的)
先ほどの【質問4】の回答を見ると「じゃあ頑張っても自分の中に何も残っていかないじゃないか」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。何が残るのか。それがこの【Q5】の回答です。
まず、何度も繰り返しますが、私たちが手掛けているインターネット業界は変化が速いという特徴があり、それゆえに、ある領域自体が消滅するリスクに常にさらされています。特定の領域で勝負したいというのが一般的かとは思いますが、この業界においては得意分野以外を避けていると、ある日いきなり自分の得意分野自体がなくなってしまう可能性があるのです。
私自身も、自分が何者なのかというのを狭めず、決めつけずに、周辺領域まで手を広げ、顧客からの新たな相談は例え未経験であっても調べたりしながら何とか成果を出していき、そういった経験の中で「自分ができること」を増やしていきました。自分のためにどういうスキルを蓄積していくかではなく、目の前で困っている人がいたら何とか役に立てることはないかと考えるスタンスで仕事をしてきました。その結果、仕事は広がりましたし、チャンスも増えました。
それにインターネット業界では仕事の境界線が曖昧になるのは良いことでもあります。例えば「マーケティング施策」と「それを実行するための具体的な日々のオペレーション」と「その裏側で動いているシステムの開発」が一体となって捉えられるようになっていくと、顧客に対して最善の提案ができます。そうなると顧客からも「ここだけをこの通りにやってほしい」という部分的な作業依頼をされるのではなく、「全体としてこういうことに困っているから企画から提案して実行までやってほしい」という課題やプロジェクトそのものの相談をされるようになります。
こうやっていろいろな専門領域を組み合わせ、人を動かし、成果を出すというプロジェクトマネジメントあるいはプロデューサー的な仕事ができるようになるのは、まさに「A:どこに行っても通用するスキルが身につく(ジェネラリスト的)」ということです。
次回、後編として質問6〜10についても掲載します。
今回の質問1〜5をお読みになり、少しでも同じ価値観の中で仕事をしたい、こんなダイナミックに進化していく分野で自分を成長させていきたいと思った方は、ぜひまずは面談でお話しましょう。
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