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デザインはユーザーさんとわかりあうコミュニケーション手段――ハイパーデザイナーの流儀

ミラティブのUI/UXデザイン部部長として、チームマネジメントやクオリティマネジメントを務める渋谷英次。幅広い分野のデザイン経験を積み、フリーランスとしてもキャリアを重ねてきた渋谷は、どのような思いを胸にミラティブのデザインと向き合っているのでしょうか。その仕事の流儀と、デザインにかける想いを聞きました。

UI/UXデザイン部 部長 渋谷 英次(シブタニ エイジ)
デザイン制作会社で、数千以上のありとあらゆる案件にデザイナー/ADとして携わる。10数年勤務した後、さらなるスキルアップを求め2011年フリーランスに転身。フリーランス時代は個人開発者として主にスマホゲーム開発に従事。エンジニアリングスキルやUX面のスキルを磨く。2018年、ミラティブに入社しデザイン部長を務める。お笑い好きな関西人。

目次

  1. 時流に背を押され、選択してきたキャリアチェンジとスキルアップ
  2. ユーザーさんとコミュニケーションを取る手段としてのデザイン
  3. 苦手意識は感じない。『苦手』と捉えるか『初心者』と捉えるかの違い

時流に背を押され、選択してきたキャリアチェンジとスキルアップ

――ミラティブ入社前のキャリアを教えてください。

エイジ「関西のデザイン制作会社で10年間勤めたあと独立し、個人開発者としてスマホゲームをリリースしていました。それから一人目のデザイナーとしてミラティブに入社し、現在に至ります」


――一社目でもゲーム関連のデザインを経験されていたのでしょうか?

エイジ「いえ。いわゆる制作会社で、広告やグラフィック、web、インテリア、プロダクトデザイン……分野の垣根なく、ありとあらゆるデザインを経験しました。あの十年間は、一般の人の三倍くらい働いたんじゃないかなと思います。忙しかったけれど、そのぶんスキルが伸ばせましたね」

――そこからあえてスマホゲーム開発で独立した理由は?

エイジ「リーマンショックの波紋が広告業界に広がったのがきっかけです。景気が悪くなると、広告費は早めに削られますから。周りの制作会社や取引先だった印刷会社などが倒産するのを目の当たりにして、自分のキャリアについて考えるようになりました。
当時はスマホゲームのプラットフォームが台頭し始めた頃で、個人開発者のリリースしたゲームが一躍話題になることもありました。ブロガーや開発者がアフィリエイトで稼げることが注目され始めた時代です。そうした時流を見て、自分自身でお金を生み出そうと独立したんです」


――スマホゲーム開発は一人でやっていたのでしょうか?

エイジ「はい、デザインもプログラミングも、全部一人で。開発したゲームの広告収入を軸に生計を立てていました。ときどきデザインの受注案件をやることもありましたが、それはあくまで副業というか、息抜きみたいな感覚でやってましたね。」

――すごい。一人でそこまでできるスキルがあるのに、就職を再び選んだのはなぜでしょうか?

エイジ「僕が作っていたものはいわゆる"カジュアルゲーム"なんですけど、次から次にゲームのアイデアを出して、デザインしてプログラミングして…ってカジュアルゲームの開発サイクルに疲れたというか大変だなって気づいたというか…。そして段々とスマホゲームのクオリティも上がってきて、この世界で個人で戦い続けるのは限界があるなと感じたんです。ちょうどその頃、業務委託の立場でDeNAに関わっていたので、そのまま創業時のミラティブにジョインしました」


――ミラティブへの入社を決めた理由は?

エイジ「ミラティブが創ろうとしている世界に共感したというのが一番ですかね。ボス(赤川さん)や、元々知り合いだった共同創業者のまおさんの熱量はハンパないし、メンバーも世界観に共感してる人ばっかりだし、かつ優秀だし。この人たちとなら個人では到達できなかった場所にまで行けるなみたいな感覚があって、おもしろそうだなと。
フリーランス時代は他にもいくつかの会社からスカウトされていたのですが、どんなに好条件であったとしても、ミラティブの“おもしろさ”を超える魅力的な会社はありませんでした」

ユーザーさんとコミュニケーションを取る手段としてのデザイン

――これまでのキャリアが、ミラティブの仕事で活きたと感じることはありますか?

エイジ「プロダクト課題におけるデザインでの“対応力”は、これまでのキャリアがあったからこそ培われたものだと思います。数千のクライアントワークを通じ、属性が異なるお客様の抱える課題に対する最善のデザインを思考し続けてきたので」

――一方、現在はMirrativのユーザーさんと向き合い続ける仕事になったと思いますが、その違いはどのように感じますか?

エイジ「難しいこと訊きますね(笑)。一言で言えば、おもしろいです。一つのプロダクトに向き合い続けるのは初めてですから。

ユーザーに向き合うという点だけでいえば本質的にはクライアントワークとさほど変わらないのですが、当然、クライアントワークのように作って納品して終わりじゃないですし、事業をグロースさせていくうえで僕らが向き合うKPIや施策そのものは、都度変化したりもします。

事業成長について考えつつ、ユーザーさんに寄り添ったデザインの最善を目指して試行し続けられることは、とても刺激的です」



――Mirrativのデザインで重視していることは何でしょうか?

エイジ「ユーザーさんにとってどう見えるか、体験としてどう感じるか。シンプルに、ただそれだけですね。

細かい話ですが例えば、ユーザーさんにとって重要な情報を分かりやすくレイアウトする、一方で、それがユーザーさんのネガティブな感情を生み出してしまっては体験として成立しない場合もあるでしょう。

具体的にいうと、『個人情報が配信画面に表示されないよう、プッシュ通知の設定をしてほしい』という情報は重要ですが、それを注意喚起として大々的に出すと、きっと配信未経験のユーザーさんは怖く感じちゃいますよね?では、安心させるためにはどう伝えればいいんだろう。こういう問いを立てながら、ユーザーさんに寄り添ったデザインを追求し続けています。」

――エイジさんにとって、デザインとは?

エイジ「デザインは、コミュニケーションだと思いますね。僕らがやりたいことをテキストで書いてユーザーさんに出せば、おそらく意味や意図は伝わるでしょうけれど、きっと誰も読まないんですよね。

いかにして、ストレスなく、スピード感保ったまま、僕らの思い描いた世界をユーザーさんに体験してもらうのか?という部分の、コミュニケーションの答えの一つとしてUI/UXデザインがあると思っています。

ですので、どのような施策であっても常にユーザーさんにディープダイブし、ユーザーさんに寄り添ったユーザー目線でのデザインを徹底しているのですが、そういった面でも、都度属性の違うクライアントさんとお仕事してきた経験は活きているといえますね。」

苦手意識は感じない。『苦手』と捉えるか『初心者』と捉えるかの違い

――エイジさんは周囲から「ハイパーデザイナー」という肩書で呼ばれることがありますが、その定義を教えてください。

エイジ「ああ、うん……自分で言ってるわけじゃないんで恥ずかしいんですけど…。
定義はわからないですけど、デザイナーとしての個の力で僕より上の人間はいないんじゃないかな、とは割とまじで思ってます(笑)。これまでの経験で、あらゆるスキルを身に着けてきましたし、それだけのことをやってきた自負もありますし。ただし、チームの中のデザイナーとしては、マルチなスキルそのものはあんまり重要じゃないんですよね。だってチームの中にはあらゆる分野のスペシャリストがいるわけですからね。

僕がもっている圧倒的な個の力は、チームの中では“推進力”というスキルとして頼りにされているんだろなぁと思います。プロダクトのアウトプットにおける意思決定をすることが多いので。そして、その意思決定をする過程での思考力や、プレゼン力、コミュニケーション力、自信…、そういうところをまるごと見て、ありがたいことにハイパーデザイナーって言ってもらってるのかもしれないですね」


――では、そんなエイジさんが逆に苦手なことって、あるんでしょうか。

エイジ「基本的に、学びさえすればできないことはないと思っている人間なので、苦手と感じたことは少ないかもしれませんね。何事も最初は誰もが初心者なわけなじゃないですか?その時点で『苦手』と捉えるか『初心者』と捉えるかの違いかな、と。

あ、でも最近は苦手なことにもチャレンジしていますね……。組織づくり、いわばチームデザインに関わる立場になったのですが、これは難しいな、と思っています。今はまだ『初心者』なんできっといつかは上手くなるはずですけれど、今はトライアンドエラーしながら知見を貯めていって、少しづつ正解が見えはじめてくるフェーズです」

――ミラティブではムードメーカー的な役割を担っているようにも見えますが、チーム内のコミュニケーションで意識していることがあれば、教えてください。

エイジ「そう捉えられてると嬉しいですけど。そうですね。意識しているというか、自分の中では常に『人生最高に楽しい状態でいたい』って想いがあって、人生の意思決定の場でもそれを軸に選択してきたように思います。仕事も周囲の環境も『どうしたらもっとおもしろくなるかな?』とは常に考えていて、その考えがただただ外に出ちゃってるだけかもしれないですね。

やっぱミラティブってtoCのエンタメやってるわけですから、働いてる人たちも楽しまないとなっていうか……楽しく仕事できた方がパフォーマンスがあがりますし。なので、みんなにも楽しんでもらいたいって想いはあります。
みんながどう思ってるかはわからないですけど。

ただその中で、難易度高めなきついボケを入れることもあるので、うまくツッコミを入れてくれる人がいればなぁと思います。ツッコミうまい人がいないと、僕のことよく知らない人からしたら『あれ?この人本気で言ってんのかな……?こわ……』みたいになるじゃないですか〜?」

――(笑)。では最後に、ミラティブに興味をもったデザイナーさんにメッセージをお願いします。

渋谷「ミラティブは、ユーザーさんに寄り添うことにかけては徹底的に追求できる会社です。ユーザーさんの動向やデザインの課題は配信を見ればすぐわかりますし、何より会社のミッションが『わかりあう願いをつなごう』なので、全メンバーがユーザーさんに寄り添うことを第一に働いています。そういう環境でデザインに向き合っていきたい方は、ぜひ来てください」

デザインとは、コミュニケーションである。そう定義する渋谷が繰り返したのは、ユーザーさんに寄り添い、そこから答えを導いていくことがデザインの柱であるということでした。シンプルにユーザーさんに寄り添い、デザインのスキルを磨いていきたい方は、ぜひ気軽にご連絡ください。
(取材・執筆:宿木雪樹)


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