今回は、CS(カスタマーサクセス)として約3年、お客様と最前線で向き合った後、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)へとキャリアチェンジを果たした早津にインタビュー! 実は法務担当者としてキャリアをスタートしている早津。法務、営業、CSを経験したからこそ今に活きていること、キャリアの転機、CSとして培った「顧客解像度」がPMM業務でどのように活きているのか、PMMとしての仕事のやりがいについて教えてもらいました。
キャリアの新たな可能性を探っている方、ぜひご覧ください。
早津 誠文 (はやつ・まさふみ)
中央大学法学部卒業後、TOTO株式会社に新卒で入社し法務部門を担当。その後海外事業の営業を担当し、2021年7月にLegalOn Technologiesに4人目のカスタマーサクセスとして入社。約3年間カスタマーサクセスを経験した後、2024年4月からPMMに。現在は「LegalOnアシスタント」などのGo-to-Market(GTM)業務に従事。 趣味は、筋トレ💪🏻・サウナ🧖🏻♂️・子育て👶🏻
製品のビジョンに強く共感。CSからPMMへのキャリアチェンジを決断した理由
— はじめに、これまでのキャリアについて教えてください。
新卒でTOTO株式会社に入社し、法務部に配属され4年間法務業務を担当していました。大学では法学部だったものの、そんなに法律を勉強しておらず、どちらかというと営業や海外事業に携わりたいと考えていたため、配属当時は、あまり納得していませんでした(笑)。そんなうだつが上がらない新人法務の私は、先輩たちの温かい指導のおかげで法務業務にも徐々になれ、やりがいを感じていくようになってきて、今思うと本当に貴重な経験をさせてもらいました。一方で学生時代から海外事業に携わりたい思いがあり、キャリア面談時に希望を伝え続けた結果、セラミック部品の海外営業に異動になりました。その後、LegalOn TechnologiesにCSとして入社した感じです。
以前、法務を経験した自分が「法務の方向けに営業をしている」ことについて書いたnoteもあるので、よければこちらもご覧ください。
— LegalOn Technologiesに入社した理由は何でしたか?
前職での営業は、どちらかというと、ある程度枠組みが決まっている中で量産製品を安定的に供給できるよう調整するスタイルでしたので、自分の経験を活かしつつ、裁量ををもって営業活動ができる環境に身を置きたいと思うようになりました。
ちょうどその頃、法務時代から知っていたLegalOn Technologies(当時:LegalForce)の求人を見つけて、「あの会社か」と気になったんです。法務業務の課題については実際に自分が体感していたので、その課題を解決しようとしている点に強く共感できたのは大きかったです。新しいフェーズの会社で、自分の経験を活かしながら挑戦できそうだと思い入社を決めました。
— 入社後、CSではどのような業務をされていましたか?
入社した当時は、ちょうど組織が拡大しているタイミングで、いわゆる既存顧客の営業担当としては4人目のメンバーでした。過去の法務経験を活かして、どうやって機能を訴求していくかを考えたり、提案内容を仕組化していったり。エンタープライズからSMBまで幅広いお客様を担当して、たくさんの法務の方々とお話しできたのは、勉強になりましたし、すごく楽しかったです。
— 約3年のCS経験を経て、なぜPMMへの挑戦を決意されたのでしょうか。
もともと自分は「LegalOn」という製品そのものに強い興味があって、製品が解決しようとしている課題にすごく共感して入社しました。自分が法務を経験していたこともあり、法務業務の大変さや苦労は身に染みて実感していましたし、そこをAIで解決していきたいという思いは入社当時からずっとありました。
そんな自分自身の法務経験や、CSとしてお客様へ活用提案をする中で「こういう機能があったらさらに良くなるのでは」と感じることがあり、製品づくり側に携わりたいという思いが強くなっていきました。個々のお客様に対する課題解決もは非常にやりがいがあったのですが、製品の企画に携わることで、より広い範囲で、より多くの課題解決をしたいと思ったんです。
— キャリアチェンジにおいて、何か工夫されたことはありましたか?
まずはCSとして、お客様の課題に向き合い、しっかり結果を出すことですね。
・担当のお客様の業務・課題&自社製品の仕様を深く理解する。
・お客様の実務/運用に落とし込んだ提案を行う。
・課題解決/定着まで伴走する。
これらを意識したCS活動の結果が、数値目標の達成に結実すると思います。またこういった経験が、PMM業務を行う上での強みになっていると感じます。(現在、自分が担当している業務や部門から異動を考えている方も、ぜひ現職で結果を出すことを考えてみてはいかがでしょうか。その経験は必ず次のフェーズでも役に立ちます)
更に、その上で製品側との連携する業務を積極的に拾うようにしました。
例えば、開発部門がお客様とのお打ち合わせに同席し、既存のお客様から機能についてご意見をいただく「開発ヒアリング」の取りまとめを自ら買って出たり、集約したお客様の声を開発側に届けるなど、開発側とのコミュニケーションを積極的に行うようにしました。
一方で、CS在籍時は、開発部門(特にPdM/PMM)がどんなことをしているのかという解像度はそんなに高くなかったので、異動が決まる前でも自分から情報を取りに行くようにもしました。
例えば、プロダクトマネジメントの本を読むことはもちろん、社内で検討中の機能のPRD(プロダクト要求仕様書)を読み込んだり、CS部門に所属していながら、PdMが企画を議論する会議や「LegalOn」開発の定例会議を傍聴させてもらったりしてました(もぐって参加してたわけでなく、許可をもらったうえで参加してました笑)。
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顧客の課題を知り尽くしたCSの経験が「最強の武器」になる
— 現在は、PMMとしてどのような業務を担当されていますか?
メイン製品である「LegalOn」のPMMとして「LegalOnアシスタント」や、その他機能のGo-to-Market(GTM)業務を担当しています。 新しい機能がリリースされる際に、「どうやってお客様に届けるか」のシナリオを考え、プライシングを設計したり、営業の方がお客様に説明するための資料や紹介動画を作ったりといった企画をしています。製品を魅力的に世の中に届けるために何でもやる、という感じです。
具体的な例をご紹介します。
生成AIを活用した法務チャットボット「LegalOnアシスタント」。この機能は、「LegalOn」上にアップロードされた契約書や、法律一般に関する内容について、任意のプロンプト(指示・質問)を入力すると回答を得ることができます。
しかしながら、生成AIに慣れていないお客様の中には「どのようなプロンプトを入力すれば、実業務に活かせるか」をイメージしづらいという懸念がありました。(実際、私も生成AIが出てきた当初はどのように業務に使えるか、いろいろと試行錯誤をしました) そこで、法務開発の社内弁護士・PdM(プロダクトマネージャー)、CSオンボーディングチームと連携し、ユースケースを体系的に洗い出し、すぐに実践可能なプロンプト集(AIへの指示例)を作成しました。このプロンプト集は、営業資料・CSのオンボーディング資料としても活用してもらってます。
— 直近、新しいサービスの立ち上げにも携わっていると伺いました。
はい。「LegalOn」を導入頂いているお客様と一緒に、金融商品に関する広告審査といった、「LegalOn」ではまだ提供できていなかった領域でのサービスをゼロから立ち上げました。
お客様と何度も打ち合わせを重ね、実際にオフィスにも伺って業務を追体験させていただいたりと、課題を深く理解するところから、「どんな機能が必要なのか」「優先順位をどうつけていくか」などを一緒に考えていきました。これはPMMというより、いわゆるプロジェクトマネージャーに近い立ち位置で進めさせてもらったのですが、とても貴重な経験になりました。こちらのサービスはお客様にも高い評価をいただき、他部門でも運用できないかとご相談いただき、目下企画を一緒に検討しています。
— CS時代にはなかった難しさなどはありますか?
CSの頃は、自分の担当するお客様にしっかり向き合って課題を解決していく、というものでしたが、PMMはもっと広い視点が必要だと感じています。企業規模や、法務リテラシーなど、お客様ごとにさまざまなため、「どうすれば幅広い層のお客様に価値を届けられるか」を常に意識しなければなりません。
また、関わるステークホルダーがぐっと増えたので、しっかり情報を伝達し、意思疎通していくという難しさもありますね。それぞれの部門がどんな業務をしていて、何を重視しているのかを理解しておくとスムーズに進めやすくなります。
特に、PdM業務の解像度を上げることは重要だと考えています。なぜかというと、PMMはGo-to-Marketを担う立場ですが、その前工程である「どんな課題を解決したいのか」「どんな技術が必要で、どう機能に組み込んでいくのか」といった背景も理解することで、よりGo-to-Marketに活かしやすくなるからです。また、資料や動画もタイムリーに出せるかでインパクトが変わってくるので、スピード感も非常に大事で、PdMとしっかりタッグを組み情報連携していくことが欠かせません。
— CS経験がPMM業務に活きていると感じる点は、具体的にどんなところでしょうか?
自分がCSを経験していたからこそ、営業やCSの方がどんな点が気になるのか、どんな資料だと伝わりやすいかを理解しているので、「どうすれば魅力的に伝えられるか」を意識しながら資料や動画を作ることできていると思います。自分だったらどんな訴求をするか、どんなスクリプトで話すかを想像しながら作っていますね。また、これまで築いたきた人間関係があるので、現場の営業の方々に気軽に意見を貰いやすいというのも強みだと思います。
加えて、お客様の業務を理解していることも大きいです。日々お客様と相対している営業CSは、「この機能であれば、あのお客様のあの課題を解決できるな。こういう提案にしようかな」と思考を巡らせることを日常的にやっていると思います。この経験が、原体験として製品訴求や資料作りの血となり肉になります。
だからこそ、個人的には営業やCS出身の人は結構PMMに向いているのではないかなと思ってます。社内の動きだけでなく、お客様の業務の解像度も高いので、即戦力になりやすいと思いますね。
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多くの人を巻き込むプロジェクトと、両方向のグローバルGTMが醍醐味
— PMMとして特にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
自分が作った説明資料や動画が、実際に現場で使われているのを見ると、やっぱり嬉しいですね。「作って良かったな」と感じます。
あとは、多くの人を巻き込みながら、「LegalOn」という魅力的な製品をお客様に届けていくことは非常にやりがいを感じます。PMMはとにかく関わる人が多く、調整事も多いです。
例えば、ある機能を有償化するとなったときには、価格の設定、社内への周知・案内、利用規約の改定、プレスリリースの作成、営業資料やLPの用意、ユーザーへの案内などの一連の流れを調整していく必要があります。 開発、営業、CS、営業企画、法務、知財、広報、法務開発、ユーザーサポート、マーケティングなど、本当に多くの関係部門を巻き込みながら、最後までうまく調整・橋渡しし、プロジェクトを完遂できたときは大きな達成感を感じます。
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PdMと進捗を確認していたタスクリストの一部
— 今後、挑戦していきたいことはありますか?
将来的には、自分で仕様を考えられるPdMにも挑戦してみたいと思っています。
PMMとしてGo-to-Marketを経験し、CSとしてお客様と伴走する経験もしたので、次は「何を作るのか」という企画側に携わってみたいというのが、今のモチベーションです。
— 最後に、PMMに興味を持っている読者の方へメッセージをお願いします!
LegalOn Technologiesは今年度からグローバル開発体制にシフトしました。海外のニーズをもとに企画された機能を日本市場にどう訴求していくか、難しさであり、PMMの面白いところだと思っています。
また、「LegalOn」はあらゆる法務の課題をAIで解決するために次々と新しい機能が登場しており、生成AIなどの新しいテクノロジーをお客様にどう使ってもらうかを考えるのも、当社ならではの面白さです。最先端の技術・AIを搭載したプロダクトのPMMを経験できるのは、市場価値としても強みだと思っています。グローバル、AIという両軸で挑戦したい方、お待ちしています!
We’re Hiring!
早津さんがCSとして培った、顧客理解の解像度や社内ネットワークは、PMMとして製品を世の中に届ける上で最大の武器となっています。もし今、目の前のお客様だけでなく、製品を通じてより大きなインパクトを生み出したいと考えている方がいらっしゃれば、PMMというキャリアはこれまでの経験を存分に活かせる選択肢だと思います。
LegalOn Technologiesでは、PMM採用を積極的に推進しています。少しでもご興味のある方は、以下よりご応募お待ちしています!