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「Oyakata(オヤカタ)」アプリ開発を担当する姉崎さんへインタビュー

ナマステ~みなさんこんにちわ。

iTipsインド法人のあるバンガロールでは、マンゴーが美味しい夏の季節が終わり、気温20度台の過ごしやすい季節が戻ってきたようです。日本はこれからが夏本番・・・バンガロールがうらやましいですね~

さて、この記事をご覧いただいている皆さんはすでにご存じかもしれませんが(!?)ここで我々のミッションと取り組みについて復習します!!

私たちiTipsは、「すべてのがんばる人に、幸せを(Best wishes for all the Hard Worker)」というミッションのもと、日本の技術力とインドの若い人材を繋ぎ、両国の建設業界が抱える課題を解決することに取り組んでいます。

さて、今回の記事では、日本の現場とインドの職人を繋ぐプラットフォーム「oyakata(オヤカタ)」の3本柱の1つ、アプリについてご紹介します。

(キャプション)oyakata 3つの特徴

「Oyakata」のアプリ部分は、株式会社 N sketch(エヌスケッチ)が一手に開発を担っています。
今回のインタビューでは、 N sketchの代表、姉崎さんに登場していただきます。

「システム開発を通じて、遠いインドの社会問題を解決したい!」そんなグローバルな野心を持つエンジニア・エンジニア志望の皆さま、ぜひご一読いただきたいです!!
それでは姉崎さん、よろしくお願いいたします。

 N sketch(エヌスケッチ)とiTipsの関係

小西:
姉崎さんは、iTips立ち上げ当初から事業に参画されていますね?まずは事業参画の経緯・背景を教えてください。

姉崎:
私とiTips代表のクマールは大学時代の学友なんです。大学時代にイーフープというソーシャルベンチャーを立ち上げた仲間でもあります。

小西:
イーフープでは、何を目的として活動されていたのですか?

姉崎:
最近ではネットを通じ広く支援金を集めるプラットフォームとして認知されている「クラウドファンディング」ですが、そのクラファンの先駆けのような事業をしていました。

貧困解決や学校建築など国際支援を切り口に活動をしていましたが、当時は時代の先駆けすぎて、そして正直自分たちのスキルもまだ足りず、この事業は継続することはなかったのですが・・

小西:
ご学友であり、ともに事業を成し遂げるために切磋琢磨した戦友でもあるのですね!

姉崎:
そして、社会に出てからもクマールとは、途上国における課題解決において何か一緒にできないか?さらに、私はシステムエンジニアですので、DXで解決できる術を提案し、協議する関係でした。

小西:
今でもその関係性は変わらず、姉崎さんはラトネッシュさんにとって、事業を推進する上での大切なバディなんですね。
特にiTipsの掲げるミッションのどのような点に共感しますか?

姉崎:
「インドの建築現場にはDXの仕組みが存在しません。だから、インド建築現場が抱える課題解決のためのプラットフォームを構築したい。頑張っても救われない、評価されない、キャリアを描けない、そのような悪循環をDXの力で変えていきたい」そんな風に思いますね。

小西:
うわ、ラトネッシュさんと同じくらいの熱量!
姉崎さんご自身は、N sketchの代表ですが、ここまでiTipsのミッションと共鳴しているとは・・・

姉崎:
そうなんです。私はiTipsに就職したいくらいなんです!

 Oyakataアプリに込めた思い

小西:
それでは、インドの建築現場が抱える人材の課題についてもう少し詳しく教えてください。

姉崎:
インドの多くの職種に当てはまる課題だと思うのですが、特に建築現場では、日雇い労働が多いため、就労がキャリアとなって本人の経歴に蓄積されない、いつまでたってもステップアップせず日雇い労働しかできない、つまり社会的なステータスや報酬、そして本人のモチベーションも一向に上がらない。

そんな「がんばる人が報われない」環境がインドの建築現場なのです。

小西:
カースト制度が廃止になった現代、カーストに縛られず職業選択できるようになったように思いますが、特に建築現場においては、仕事の評価がキャリアとして引き継がれない、そのため、仕事への未来が描けない方が多いとお考えなんですね

姉崎:
Oyakataアプリはその課題に着眼した、インドの建築人材のキャリアの見える化を実現するアプリです。具体的にはどのような機能としては、3つあります。

  1. 教育管理・・iTips訓練校生徒の学習進捗、成績、得手不得手を数値化
  2. 勤務評価/管理・・勤怠管理(出欠・遅刻など)、働く姿勢等を数値化
  3. マッチング・・就労候補先とのマッチング機能

アプリでは、「成績がいい」、「勤勉である」といった個人の「がんばり」を数値化し、それらを正確な評価・キャリアアップにつなげる役目を担っています。

小西:
客観的な判断がアプリにどんどん蓄積されていくのですね。

(キャプション)個人の勤怠情報・能力を表すチャートの例

指標を細分化することで、「Aさんは、日本語のポイントが高い」「Bさんは、とにかく真面目で現場での評価が高い」といった個人の特性がデータ化され、雇用する側にとっては、今必要とする人材を選定しやすくなるのですね。

姉崎:
はい、そしてもう一つ重要なのは、その評価が、雇用側・雇用される側双方にとってフェアであることだと思います。
働く側も雇用主を選ぶことができるのが、本来あるべきマッチングの形だと思います。

現在の技能実習生制度の課題として、外国人労働者の失踪問題がありますが、結局そのような結末になれば誰も幸せにはなれないですからね・・

小西:
このアプリにより、個人の能力が見える化されれば、働く側も堂々と企業に対し自分をアピールできますね。ひいては、働く側が企業を選ぶことにも繋がりそうです。

そして、ひとつの職場での経験や評価が蓄積されることで、次のステップも描ける。そんなストーリーが見えてきます!

「教育と人材輩出がセット」であることの意義

小西:
ところで、このようなアプリは国内外に他にもあるのでしょうか?

姉崎:
私の知る限り日本にはないですね。もちろんマッチングや勤怠管理に特化したアプリはたくさんあります。ただ、Oyakataアプリは「教育管理」「勤怠管理」「マッチング」がセットになっているのが特徴です。
そして、アプリだけでなく、インド現地訓練校での教育システムがあってこその人材輩出だと考えています。

ちなみにインドでは、教育+マッチングを提供する企業があるようです。

(キャプション)参考記事:https://g-japan.in/news/start-up-vol-009/

この記事では、「Urban Company」という各業種のローカル専門業者をアプリで自宅に派遣するインドのスタートアップカンパニーを紹介しています。
ハイパーローカルビジネスの競業が多いインドにおいて、着実に成長を続けているようです。

その勝因のひとつとして採用者に対する「教育」を挙げており、トレーニング費用に対前年約2.5倍の投資額を費やしていると記事にはあります。

小西:
企業が責任をもって人材を輩出しているのですね。サービスを利用する側にとっても安心ですし、働く側にもやる気とチャンスを与えているように思います。

姉崎さんも、有能な建築人材を育てるための教育と人材輩出がセットであるべきと、
お考えなのですね。

姉崎:
はい、従って既に日本語能力の高いインド人を日本へ輩出するのがメインではなく、正当に評価されない多くのインド人に教育機会を提供し、がんばっている彼らに日本の企業を選んでもらい、輩出することが真の目的だと考えています。

小西:
日本で経験を積んだインド人建築人材の、その先のストーリーとしてはお考えですか?

姉崎:
日本で積み上げた経験・技術力をもとに、インドに戻って活躍してほしいと思います。
日本の職人さんの持つ技術的なスキルに加えて、品質や納期への強い責任感、仕事への生きがいといった職人文化を継承した人材がインドでも評価されれば、インドの建設業界が大きく変わります。
インドは、職人スキル不足に起因する工期遅延で年間何兆円もの損失を出していますから、職人さんの腕でそれを解決すれば、彼ら一人ひとりの社会的な信用向上に大きく繋がると考えています。

(キャプション)iTips訓練校の様子

Oyakataアプリ 今後の展開

小西:
次に、Oyakataアプリの今後の展開についてお聞かせください。例えばほかの業種・他国での展開の可能性はありますか?

姉崎:
当初、建築業界に特化したアプリとして開発を始めましたが、製造業へも展開していきます。既に、インド現地訓練校では製造業の育成コースも始まっていますし、製造業でも日雇いの方々へのキャリア支援は必要になりますからね。また、他国への横展開ももちろん視野に入れています。

またOyakataで個人の信用データが蓄積されることにより、「医療」「保険」「金融」といったサービスが受けられる、個人の信用を裏付ける存在として活用される未来を描いています。

Oyakataアプリ開発仲間大募集!

小西:
Oyakataアプリは、現在は姉崎さんの会社 N sketchで開発されていますが、将来的にはiTipsで内製化することを検討していると聞きました。

姉崎:
そうですね、やはりシステム開発において、現場との距離が近いことは強みです。
これまでもインドの現場メンバーの意見をアプリ開発に反映してきましたし、我々から現場の課題をシステムで解決する提案も行ってきました。
ちょうど今、Oyakataアプリ開発部隊は、インドのiTips直営訓練校を訪問しています。
実際現場を目にすることで、課題への解像度が上がると思います。

(キャプション)Oyakataアプリ開発部隊インド訪問中

小西:
それは、得られるものが多そうですね。システム開発は、パソコンに向かいプログラムを書いているイメージでしたが、現場に触れることも大事なのですね。

またインドの街中・建築現場を実際に見ることで、「すべてのがんばる人に、幸せを」というiTipsのミッションを肌で感じ、アプリ開発にもより一層気合が入りそうです。

それでは最後に、「アプリ開発」に関心をもつ読者の方にメッセージをお願いします。

姉崎:
iTipsの描くゴールに共感いただける方、「社会課題をテックで解決したい」そんなマインドをお持ちの方、ぜひ扉をたたいてください。

インターンでも学べる事、最先端の技術を学ぶ土壌はそろっています。ぜひ積極的に参加してほしいと思っています。

小西:
この度は、インタビューありがとうございました!


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