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本企画は、ハッカズークで働くメンバーの「リアルな想いと働き方」を伝える
インタビューシリーズです。
今回登場するのは、アルムナイ(退職者)との関係構築を支援する神菊さん。
家庭と仕事の両立に悩みながらも、“退職=裏切り”という価値観を変える仕事に挑む彼女に話を聞きました。
働き方の「常識」への違和感から始まった問い
16時半、PCを閉じて保育園へ走る。
夕方以降、社内コミュニケーションが取りにくくなる罪悪感。お客さんへ即レスできなくなる焦り。
きっと私だけじゃない。だけど“当たり前”とされてきた働き方に、ずっと小さな怒りがあった。
「子どもとの時間を大切にしたい。自分で決めた働き方なのに、コミットしきれない日常が悔しかった」そう語る神菊さん。
日中は仕事、夕方には子どものお迎えから寝かしつけまで。
子どもが小さく、家庭の時間を優先せざるを得ない日々の中で、
夫は働き方の構造上、残業や会食を調整できず、
家族の予定や調整は、自然と私が担うことが多かった。
同じ家族なのに、自由の幅が違う。
そんな違和感が、次第に“自分だけの問題ではないのかもしれない”
という気づきに変わっていった。
そう思っても、個人の努力だけでは限界がある。
夫婦間の合意でカバーできる範囲を超えた、“構造的な壁”の存在に気づいた。
個人の工夫では限界がある。
その気づきが、社会や企業の“仕組み”に目を向けるきっかけになりました。
アルムナイとの出会い—「社会の仕組みを変えれば、自分のもやもやも変えられる」
そんなときに出会ったのが、ハッカズークの掲げる「アルムナイ」という考え方でした。
“退職”を終わりではなく、“新しい関係の始まり”として扱う。
「アルムナイを広げるハッカズークが、これまでの常識を変えていることに惹かれました。社会の仕組みが変われば、私自身の抱えてきたモヤモヤも少しずつ解けていくかもしれないと思ったんです。」
退職者を“裏切り者”と捉えるのではなく、
“つながりを持ち続ける存在”として扱う仕組み。
それはまさに、働き方の多様性を認める社会のあり方そのものでした。
「仕組みそのものを変える側に回ろう」と決めた
アルムナイの思想に触れ、「社会の仕組みを変えれば個人の生き方も変わる」と実感した神菊さん。
そこから生まれたのは、“共感者”としてではなく、“変革する側”として関わりたいという想いでした。
「個人の努力だけでは、働き方の常識は変えられない。
制度や文化を動かす側に立たなければ、同じ問題は繰り返されると思ったんです。」
家庭で感じてきた葛藤や、働く中で見えてきた構造的な課題。
それらを自分ごととして受け止め、企業や社会の仕組みに働きかけていく。
その気づきを行動に変える場として、ハッカズークを選びました。
“正解のない仕事”の立ち上げに苦労した日々
アルムナイという新しい仕組みを扱う以上、当然ながら「前例」はない。
入社当初、神菊さんはその“正解のなさ”に何度も直面したといいます。
「立ち上がりの頃は本当に苦労しました。
アルムナイの可能性をどう伝えるか、自分の中でも整理しきれなくて。
クライアントに納得してもらえる形に落とし込むまで、すごく時間がかかりました。」
「アルムナイって何?」という説明から始まることも珍しくなく、
まだ世の中に定義されていない概念を、信念を持って広げていく。
それは、常に“自分の言葉”で価値を語ることを求められる仕事でした。
“誰もやったことがないことを、言葉にしていく”。
それこそが、神菊さんにとってのハッカズークでの挑戦の始まりでした。
「退職=裏切り者」を変えたオフボーディング研修
印象に残っているプロジェクトを尋ねると、
神菊さんが真っ先に挙げたのが「退職面談ロープレ研修」
「ある企業さんでは、“退職=裏切り”という文化が根強く残っていました。
退職者に『なんで辞めるんだ』『他に行ってもいいことないよ』って言ってしまうのは、悪意じゃなくて“知らないだけ”なんです。」
そこで、現役社員の方々に、上司役・部下役になっていただき
実際の退職面談をシミュレーションしてもらったといいます。
「15分のロープレでも、すごく気づきがあるんです。
“確かに辞める側は相談しづらいよね”とか、
“この言い方は傷つけるかもしれないな”とか。」
この研修をきっかけに、
退職時の体験を“見送りの儀式”ではなく“関係をつなぐ場”として再設計した企業も。
その後、退職者が社内のセミナー登壇に呼ばれるようになるなど、
“退職”の意味が少しずつ変わっていったそうです。
「かっこいい母でありたい」——社会を変える仕事を子どもに誇れるように
「子どもが大きくなったときに、“実はママ、ちょっと社会を変えたんだよ”って
胸を張って言えるような仕事をしたいんです。」
神菊さんが大切にしているのは、
“社会を良くしたい”という気持ちと、“子どもとの時間を大切にする自分”をどちらも手放さないこと。
かつては「わがまま」と見られてきた選択を、
今は自分らしさとして胸を張れるようになったといいます。
今後、どんなキャリアを描きたいですか?
「5年、10年先には、アルムナイが“特別な取り組み”ではなく“当たり前の仕組み”になっていると思います。大手企業はもちろん、中小企業も含めた社会全体で、退職者を再び仲間として迎え入れる時代が来る。そんな社会を、自分の手でつくっていきたいです。」
「いつか自分がリーダーとして、メンバーや後輩に“働きやすさ”を還元できたらうれしい。子どもに『ママ、やるじゃん』って言ってもらえるような、背中で見せられる仕事をしていたいですね。」
編集後記
神菊さんの言葉は、ハッカズークのビジョンそのもの。
退職という“終わり”を、“新しいつながり”の始まりに変える。
その変化の積み重ねが、働く人すべての「当たり前」を更新していく。