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Freewillには、新入社員が最初に挑む特別な研修があります。
その名もMission Global―― 研修と聞くと、座学やマニュアルを想像するかもしれません。
でもFreewillの「Mission Global」は少し違います。
非日常の世界に飛び込み、体験し、自分自身に落とし込む。そんなユニークな学びの場から、新入社員の挑戦は始まります。
今回は2025年4月に入社したメンバーの、能登半島での体験をご紹介します。
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私たちは今回、能登半島を訪れた。
能登半島地震から一年半が経ち、復興に向けた努力を続ける人々と共に、日常の「当たり前」に隠された深い意味を再発見する貴重な機会を得た。
被災した家屋の中で見つけた輪島塗のお椀や、無農薬農業に取り組む人々、また馬との対話を通じて、共に協力し合うことの重要性を再認識。
このような体験が、未来に向けて何を大切にすべきかを見極める力になると確信している。
現代社会で見過ごされがちなこの視点を持ち続けることが、これからの未来に必要な一歩なのではないだろうか。
日常の「当たり前」の裏側にあるもの
日々の食卓に並ぶお米や野菜。
その一つひとつが、どのような過程を経て私たちのもとに届いているのか。普段の生活の中で、その背景に思いを巡らせる機会はほとんどなかった。
今回出会った渡辺キャロラインさんは、無添加・無農薬の農業や養蜂に取り組み、自給自足の生活を営んでいる。
里山で自然と共に暮らす彼女の生き方からは、自然への深い愛情と敬意が感じられた。
農業体験を通じて、私たちは食材の背後にあるストーリーを知った。
土を耕し、育て、収穫する。
目の前にあるその食材一つひとつには膨大な時間と労力がかかり、自然との対話なしには成り立たない。
一つの食材に込められた思いや手間を知った今、私たちにできるのは、それを決して無駄にせず、感謝の気持ちを持っていただくこと。
何気ない日常の食事こそ、最も尊いものであると気づかされた。
◾️震災を乗り越えた輪島塗のお椀
震災で倒壊した家屋から見つかった、輪島塗のお椀。
それは、ただの器ではなく、被災してもなお、使い続けられる美しさを持っていた。
年季を感じる木箱とその食器は、歴史を物語っているようだった。まるで命を吹き込まれたかのように、時を重ねるごとに味わい深さを増している。
そのお椀を使って食卓を囲んだとき、ただ食事をするのではなく、過去と現在を繋げる瞬間がそこにあった。
目の前に広がる料理は、全て手間ひまをかけて育てられたものだということを感じながら、食事を楽しむひととき。
その器は、被災してもなお、前向きに生きる力を象徴しているように思えた。
物が壊れ、家が倒れても、人々の心が前を向き続ける限り、その先に希望がある。
輪島塗のお椀のように、傷ついてもなお使い続けられる美しさがある。
人々の心には、どんなに試練を受けてもその美しさを守り、次の世代に伝えようとする強さが宿っているのかもしれない。
その美しさと力強さに触れた時、私たちもまた、困難な状況の中でも前向きに進み続けることの大切さを学んだ。
何かが失われたとしても、何を守り続けるべきかを見極めることが、これからの私たちに求められることだと思う。
◾️馬との対話から学ぶ、判断力と協力の重要性
「アンコンシャスバイアス」という言葉がある通り、人間は無意識のうちに過去の経験や社会的な枠組み、価値観に影響されていることが多い。
より良い判断を下すためには物事を客観的に観察し、事実と主観を区別して判断することが不可欠だ。
珠洲ホースパークでは馬と向き合い、共に時間を過ごすことで、普段は気づかない自分の内面や、無意識のうちに抱えているバイアスに気づくことができた。
馬はそのシンプルで本質的な反応を通じて、私たちにそのことを教えてくれた。
さらに、現代社会において「Non-predatory(捕食者でない)」という概念がいかに重要かということも強く感じた。
Non-predatoryとは、他者を傷つけたり、搾取したりせず、共存共栄を目指す生き方だ。
社会や企業の中で競争が激化する現代ではその対義語である「Predator(捕食者)」のような考え方や行動になりがちだ。
しかし、私たちが今後生き残り、持続可能な社会を築いていくためには、他者を踏みつけてでも成功するのではなく、共に協力し合い、支え合う社会が求められる。
馬との関わりの中で、仲間と協力し合い、それぞれが自分の役割を果たしながら、個々の力を伸ばすことが、最終的には全体を強くするということに気づいた。
この姿勢こそが、今後の社会で必要とされるものであり、個々の力を高めながら、チームや社会全体として協力し合うことで、より良い未来を築いていくべきであると感じた。
■ 伝え、共に生きる力を広げる
『口頭継承する - Telling - 後世に残したい創造性を』をコンセプトに自社が運営する「Telling - Cafe & Gallery - 」で提供しているのは、単なる食事や、展示ではない。
能登で学んだ「共存共栄」の精神は、事業の根底に流れる考え方であり、この土地の自然と人々、文化が共鳴し合うように、私たちもまた物事の本質と向き合い、それを伝える役目を担っている。
食材ひとつ、器ひとつにも意味があり、その背後にあるストーリーには思いが込められている。それを、目の前の人たちにただ「食べる」以上のものとして届けることが、私たちの使命だ。
Freewillの「tells market」や「Telling - Cafe & Gallery - 」、「SPIN」といったオリジナルサービスなどを通じて、成し遂げたいことが、私たちにはある。
それは、作り手の想いや、その土地の文化、そして持続可能な未来に貢献する意義を、世界中に届けることであり、多くの方々と共に成長し、共に歩んでいくための架け橋を築くことだ。
私たちは、物やサービスの裏側にある「価値」を伝えることで、社会全体を前進させる力を育むことを目指している。
「共に生きる力」
競争の激しい現代において、個々の力だけでなく、社会全体が共に歩んでいくための連携と協力は不可欠だ。
そのために必要なのは、何よりも「伝える」こと。
その価値が広がり、共鳴し合うことで、社会はより良い方向へと進んでいくと信じている。