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クラウドワークスコーポレートDiv.のアドベントカレンダーのブログ、日曜日の本日は執行役員の田中がお送りします。
私、現在、育児休暇中です。なのですが、完全に仕事を休むのではなく在宅中心に少しずつ仕事を再開しています。そんなこと可能なの?と思われるかもしれませんが、もちろん可能です。これも人事制度「ハタカク!」を推進するクラウドワークスならではの新しい働き方と言えると思いますが、その話はまた別の機会にするとして、今回は、もしかすると社内でも謎に包まれている(?)、私はいったい何をやる人なのか、という話をしたいと思います。
■社長から与えられた2つのミッション
私がクラウドワークスに入社したのは創業から2年半ほど過ぎた2014年4月。マザーズ上場の8か月前で、社員数は20人足らずのときでした。まだまだ「どベンチャー」、上場に向けて全社員が必死で売上を追っていた時期、社長は私に2つのミッションを与えました。
一つは「20年後の未来を描いてくれ」、もう一つは「お金にならないことだけやってくれ」。
創業2年半の未上場ベンチャーが、「20年後の未来」と「お金にならないこと」のためだけに新しく執行役員を配置するなんて、まあ普通できませんし、ちょっとどうかしてると思われるかもしれません。しかし、コンサルタントとして様々な分野の業界事例を見てきた前職の経験から、一見すれば「ちょっとどうかしてる」この投資が新たな市場を生み出す挑戦には不可欠だと私は確信していました。同時に、その「ちょっとどうかしてる」感にぐっと来たんですね。ちょっとどうかしている人、ちょっとどうかしている会社にしか成し遂げられないことがあると私は信じます。
■未来を描く連想ゲームをする
一つ目のミッション「20年後の未来を描く」ために、最も必要なものはなんでしょうか。・・・調査?読書?議論?確かに、それらは準備段階では必要です。
私も様々な調査会社や企業が出した関連レポートを読み、人の働き方をはじめIT技術、経済や法規制、思想トレンドまで未来を占う様々な書物を読みました。その中には、米国国防総省の未来予測レポートなんかもありました。これらの大半は、クラウドワークスへの入社が決まった日から入社前までに読みました。で、そこから答えを見つけるのかというとそうではありません。
それらの材料をインプットした上で、最終的には「こうしたい」「こうなったらいいのに」「こうなるはず」という妄想をMAXに働かせる。私たちが世界を変えるんだとしたら、変わった後の世界はどんな姿をしている?というのを、できるだけ具体的に考えていく。できれば数値化する。
この数値化するというのは、とても大事なことです。
クラウドワークスに入社後1週間で、社長を除く当時の在籍社員全員に一人ずつインタビューをしたのですが、その際、全員に「クラウドワークスは最終的にどれくらいの規模の会社になっていると思いますか?」という同じ質問をしてみました。
ある人はユーザー100万人と答え、ある人は時価総額1000億円と答え、ある人はトヨタやグーグルみたいに誰でも知っている会社にしたいですねと答え、多くの人は考えたことないですと答えました。「規模」というのが何を単位とするかあえて曖昧にしたので無理もありませんが、「大企業」とか「メガベンチャー」とか「世界を変える」とかって、そんな言葉だけじゃ、なんのことやら分かりません。そして、ユーザー100万人なんてちょっと計算すれば、数年以内で達成できてしまうとすぐ予測できるのです。(実際、2年4か月後の2016年8月、ユーザー100万人を突破)
ゴールが分からないのに、何もできるはずがありません。そこで、まずは全員が共有できるゴールを数値化することにしました。
クラウドワークスが新しい市場を作り出し、それによって世界を変えるんだということは、私がこの会社に入った大前提条件なので、そこからスタートします。世界を変える連想ゲームです。
みんなが、世界が変わったと感じる身近なことの例として、わずか15年で国内市場が245倍に成長したEC市場を挙げます。ちょっと前までインターネットでものを買うのを怖いって言ってる人いたよね。ECは本や家電ならいいけど、誰が試着せずに服を買うんだとか、食べ物を買って毒が入ってたらどうするんだとか。でも今、アパレルと食品はEC市場の代表みたいなもので、ITに弱いはずのシニアでも10代の若者でも老若男女がインターネットで物を買っている。そんな風に消費の世界を変えたECは、2013年の市場規模15.9兆円。しかし実は、国内民間最終消費283兆円のわずか5.6%にしか過ぎない。つまり全体の5.6%が変われば、世界は変わったと言える。(今後も市場は拡大するし、全体に占める割合も増えるだろうが、5.6%でも十分変わったと感じられる)
つまり、クラウドソーシングが労働の世界を変えるのならば、民間給与総額192兆円の5.6%である10.8兆円がクラウドソーシング市場になればいい。私たちは、こういう市場を作り出し、そこでNO.1になる。シェア3割なら最低でも3兆円だね。
世界を変えるクラウドワークスの総契約額は3兆円。ただし、ECと同じく20年くらいを要する。このストーリーは、クラウドワークスの20年ビジョンとして一貫して語り続けられています。
もちろん簡単に実現できることではありませんが、EC市場でこの20年に何が起きたのか、そこにどんな困難があってどう乗り越えられていったのか、そして現在、何が起きているのかを学べば、クラウドソーシング市場の成長でこれから起きることを予想し、私たちがやるべきことを描く手助けになります。
重要なのは、数値化することで初めて私たちが挑もうとすることのイメージが具体化できるということです。20年後の未来を描くために、まずはそれがスタートラインとなります。
■妄想リストをつくる
もう一つのミッション「お金にならないことだけやってくれ」には解説が必要でしょう。
これは、サービス開発や営業の第一線で日々数値目標を追う人たちではできないことをやってくれ、という意味です。数値目標を追っている人は目標に直結しない動きはしにくい。特に、上場直前期は数値目標達成のプレッシャーが非常に強かったので、ひたすら効率よく無駄な動きを排除していかなければならない。
しかし、私たちは20年以上をかけて市場を拡大し、世界を変えなければなりません。そのためには、常に次の展開を予測し、いずれ必要になることのための準備をしておく必要がある。あるいは、長い時間をかけて耕し続けなければ花開かないことや、チャンスやリスクを見逃さないよう観察し続けなければならないこともあります。それらは、今すぐお金にはなりません。でも、やっておく必要がある。
私は当時、クラウドワークスで唯一、一つも数値目標を持たないメンバーとして、市場拡大や長期的な事業成長のために必要だけど誰がやるかも分からないし誰もやっている余裕がないことを勝手に見つけてやる役割を務めることになりました。
勝手にというのは結構肝で、というのは、執行役員という立場的にも私は誰に管理されるということもないわけです。だから、自分で仕事を見つけて自分で計画を立てて勝手にやるしかありません。
入社当初は一応、社長に報告とか相談とかをしようとしたのですが、ある日言われたのです。「相談とかいいから勝手にやって。相談する暇あったらどんどん動いて」と。大企業内部や大企業相手の仕事しかしたことがなかった私にとっては、上司に相談もせずに勝手に物事を進めるなんていいの?と大きなカルチャーショックでしたが、でもこれがベンチャーなんだなと順応することにしました。
自分で判断しどんどん進めていくということの身軽さ、心地よさ、そして緊張感。こういうのは好き嫌いがあるでしょうが、私は大好きです。
やりたいこと、アイデアは山ほどありました。市場拡大のためには、クラウドソーシングの認知を高めることや利用者を増やすことはもちろん必要でしたが、ここでも私はゴールイメージを妄想してみました。
国内のクラウドソーシング市場が10兆円になったときには「クラウドソーシングが働き方とビジネスの選択肢として世の中の当たり前になっている」として、具体的にそこでは何が起きているか。その妄想リストに挙がったこと、そこに近づくことを片っ端からやっていけばいい。
例を挙げれば、「クラウドソーシングで地方の人口流出が止まる」とか「クラウドソーシング活用がビジネスの必須スキルとなり、大学の教養課程の必修科目になっている」とか「クラウドソーシングが医療の領域に広がり、世界中の医師による遠隔チーム医療が実現する」とか「南米での建設工事にアジアの重機オペレーターが参加しVRを駆使して遠隔作業する。それによって24時間工事を中断しなくていい」とか。100項目くらいあって、それがどうやったら実現できるか、常にチャンスを探るわけです。
■同志をつくる
しかし、お金も人もないベンチャー企業で「お金にならないこと」を「自分の勝手」でやるわけですから、基本的に社内のお金も人も使えません。当時の私には部下もなく、割り当てられた経費予算もありませんでした。
だから、こう考えました。「社外の人とお金を使おう」。
政府や地方自治体や企業や大学の関係者、NPOや社会起業家などに会い、クラウドソーシングで世の中がどんなに素晴らしいものに変わる可能性があるかを語り、相手の興味を引き出しつつ私の妄想リストの中からいくつかのアイデアを提案して反応を探る。そうする中で、私たちと一緒に、その妄想リストを実現しましょうと力を貸してくれる人や企業・自治体が集まり始めました。
全国でクラウドワークスの活用支援を行っていただく「クラウドワークス・アンバサダー プログラム」には立ち上げ1年で100団体以上が参加し、中小企業庁とともに全国中小企業へのクラウドソーシング活用促進事業を実施(クラウドソーシング協会として受託)、10以上の地方自治体でクラウドワーカー育成事業を実施するなど、本来はクラウドワークス自身がコストを掛けて取り組んでいかなければならない活動を、社内リソースを最小限に進めていくことができたのです。
外部との協力関係を築く上で重要なのは、私たちがどうしてほしいかではなく(その気持ちはいったん置いておいて)、相手の課題を私たちがどう解決できるかを提案し、クラウドソーシングっていいよね!という共感を引き出すことです。
「クラウドワークス」というサービス自体は売り物ではありません。それを使ってどんな課題が解決するか、夢を実現できるか、そこにしか価値はありません。だから、私たちは売り手と買い手ではなくて、共感者であり同志になれるわけです。
社員じゃないんだけど、社員みたいな同志。私はそれを「拡大チームクラウドワークス」と呼んでいますが、この仕事を通じて全国各地で社会をより良くする活動に携わる多くの方々と出会えたことは、個人的にもとても大きな財産になっています。
■最後に
社外の方とのコミュニケーションが圧倒的に多いので、社内の人でも何をやっているのか謎だったかもしれない私の仕事ですが、現在ではIR担当、広報担当、地方創生担当、種々の外部連携を進める渉外担当などメンバーが増えました。こんな面白い仕事ですから、私ひとりでやっているのはもったいなすぎます。
「お金にならない」ことにメンバーが増えるなんて「さらにちょっとどうかしてる」なんて思われるかもしれませんが、2年以上かけて蓄積してきた外部との協力関係やネットワークというアセットが、サービスそのものや事業に直接貢献することも増えてきました。
事業側で次にこんなニーズが来るはず(でも事業部内では目下リソースを割きにくい)というのを先回りでキャッチして、いずれ事業に貢献できる種を虎視眈々と育むというのが最近のもう一つのコンセプトでもあります。
育休中なのに、長い文章を書きすぎました。。。隣で生後3か月の息子が寝ています。
育休中の働き方についてもまた別の機会にご紹介できればと思います。