あなたの“仕様理解力”は現場で通用するか?「読み取り+問い返し」ができる人材こそ、仕様理解力が高い
システム開発において「仕様を理解しています」という言葉はよく使われますが、果たしてその“理解”は、現場で求められるレベルに達しているか、振り返って確認してみても良いかもしれません😊
採用の現場でも「仕様書をもとに開発していました」「要件定義をもとに設計していました」といった経歴が並びます。しかし、いざ面談で詳細を聞いてみると「仕様書のどこをどう解釈したのか?」「不明点があったとき、どう対処したのか?」「顧客との認識齟齬をどう防いだのか?」といった具体的なエピソードが出てこない方もいらっしゃいます
実際の現場では、仕様書は必ずしも“完璧”ではありません。曖昧な表現、過不足のある要件、矛盾した記述が混ざることも珍しくありません。そんな中で求められるのは「書かれていることをただ読む」力ではなく、「読んだ内容を解釈し、周囲と認識を合わせていく」力です
たとえば、仕様に「登録処理後に確認メールを送信する」とだけ書かれていたとします。その一文から、どんな観点が引き出せるでしょうか?
- どのタイミングでメールを送る?
- メールの内容・形式はどうする?
- メールが失敗したらどうリカバリする?
- 管理画面上で履歴は残す?送信状況を表示する?
こういった「読み取り+問い返し」ができる人材こそ、仕様理解力が高いと評価されます。そして、それは上流ポジションに進みたい人材には欠かせない素養です
また、誤解のないように付け加えると「全部自分で判断しろ」という話ではなく、不明点を整理し、適切にエスカレーションできる力があることが重要なのです。「仕様が曖昧だったから」「聞いていなかったから」という言い訳が通用しないのが現場のリアルです
職務経歴書に書くときも「仕様書をもとに実装した」と書くだけではアピールにはなりません。「仕様が不明確な部分を自分なりに整理し、〇〇のように解釈して上長に確認」「仕様変更に対応するため、〇〇な影響範囲を洗い出して対応案を提示」など「自分がどう“考え”、どう“動いた”か」が伝わる記載が大切なのです。
仕様理解力とは、単に“読む力”ではありません。“解釈し、判断し、巻き込む力”です。
それが現場で通用するかどうか――今一度、自分のこれまでを振り返ってみませんか?