エイジレスの取締役であるズッカーマン 励司さんに、これまでのキャリアやエイジレスに込めた想い、そして現在取り組んでいる挑戦についてお聞きしました。学生時代からスタートアップに飛び込み、M&Aや起業を経験しながら、新たな事業を生み出し続けてきたレイジさん。そんな彼がなぜエイジレスを共同創業し、どんな未来を描いているのか、その熱いビジョンに迫ります。
学生時代からスタートアップ参画、そして大手SNS企業へのM&A
まず、レイジさんのこれまでのキャリアについて教えてください。学生時代からかなりいろいろ動いていたとか。
最初のビジネス経験は大学2年生の時に、仲間と一緒に、当時流行っていた街コンイベントの運営を始めたことです。イベント自体は盛況だったんですが、もっとグロースさせるために、街コンを運営しているスタートアップにチームごとジョインしました。最終的にその会社は、大手SNS企業にM&Aされるのですが、立ち上げの0→1フェーズから参画することで、スタートアップの熱狂を体感することができたんです。
バイトで稼ぐのではなく、自分たちで事業を作り上げて稼げるというリアルな感覚を得れたことが大きいですね。
20代の前半でこのような機会を得られたことが、今後自身で事業を起こしていくことへの情熱に繋がっていったと思います。
スタートアップの熱狂を体感した…面白いですね。その後はどうされたんですか?
大学3年の途中で世界一周の旅に出まして(笑)。戻ってきてから、大学4年時にスタートアップ企業に参画して、取締役として活動しました。週6日×16時間くらいで働いて、月給20万円。そんなハードワークをしながら、会社を成長させていったんです。
20代前半で死ぬほど働き、常に新しい課題や挑戦に直面しながらも、一つひとつを乗り越えるという経験を積めたことが、今後のキャリアにとって大きかったですね。
その後、2017年にUIUXデザイン会社を創業して、紆余曲折がありつつも軌道に乗せ、2019年には大手人材会社に会社を売却しました。
創業2年でM&Aですか、すごいですね。そこで収入を得て、一息ついたタイミングもあったんでしょうか。
そうですね。元々それほど裕福な家庭ではなかったので、「お金をある程度得られれば安心」みたいな気持ちはありました。でもM&Aを経験して、自分で小~中規模の事業や利益を生み出すことは再現できると自信がついた一方で、「どうせやるなら大きく社会にインパクトを与えたい」と考えるようになったんです。
そして2021年10月に、小出を代表として、自分は網頭とともに取締役としてエイジレスを立ち上げました。
野心や野望に際限ないほうが、会社は遠くへ行く
なぜ代表経験もあるのに、今回のエイジレスでは代表を務めなかったんでしょうか?
なぜ自分が代表に就かなかったというと、会社を大きくするには、代表が持つ“野心や野望”がすごく重要だと思ったからなんです。例えばイーロン・マスクやスティーブ・ジョブズのような人を想像してみてください(笑)。
大きな野心を持つ人が先頭に立ったほうが、より遠くまで行けると思うんです。私の場合は性格的に「ある程度で満足しちゃいそうだな」という不安というか懸念があって。
2022年、エイジレスの本格スタート──最初は無理だと言われたシニア領域
2022年4月にエイジレスを本格始動されたんですよね。当初はどんなビジネスモデルだったんでしょう?
シニア人材を業務委託で企業とマッチングする構想でした。でも周りからは「オフィスワーク領域でのシニア人材事業は絶対無理」と言われたんですよね。逆に私たちは「そこにこそ可能性があるんではないか」と考えていたんです。
最初はスタートアップにシニア人材を紹介しようとしたんですが、先方の求める技術との相性がよくなくて、なかなか難しい。そこで「SI領域ならうまくいくんじゃないか」とシフトしました。システム開発の歴史やレガシー領域を理解している人材は、若手には代替しにくく、結果的に「シニア人材を紹介してください」という企業が増えたんです。
2023年から一気に伸び始めたSI領域──がむしゃらに動き、課題を把握
SI人材の需要が高まったのはいつ頃ですか?
2022年の夏頃から徐々に増え、2023年に入って明確に加速しました。業界構造も言葉もわからない中、手探りで営業してみたら意外と反応が良かったんです。
最初はがむしゃらに走り続けたと。
そうです。ビジネスの拡張やオペレーション設計を考えずに「とりあえず1円でも売り上げる」モードでした。そこから仲間が増え、売上が伸びる中で「仕組み化しなきゃ」という段階に入りました。つまり、自分一人で動いて成果を出すスタイルでは、事業の規模が拡大するにつれて限界があることに気付いたわけです。
2024年、さらなる拡張へ ── 経営者としての学び
いま振り返ると2023年は経営を学んだ時期だったというわけですね。2024年はどうでしたか?
2024年は、登録企業が増えて売上も伸び、メンバーも拡充していきました。だからこそ私は「自分が本当にやるべき役割は何か」「どこを誰に任せるのか」を考えるようになりました。それまでは拡張フェーズのマネジメントを意識できていなかったので、2024年はそこがテーマでした。
エイジレスで今後やりたいことはありますか?
どちらかというと「0→1を作るほう」が好きなんです。ゼロから形にするのが楽しいんですよね。もちろん経営者である以上は、自分の意思とは関係なく、会社のフェーズや組織の状態によって、やるべきロールや求められるロールをはたすことは理解しています。
一方で「まずは事業を始めて、がむしゃらに成果を出すのが面白い」という感覚は今もありますので、また0→1をいつかやりたい気持ちはありますね。
スタートアップというより「自分たちらしく」 ── 多様性とカルチャーを大切に
他のスタートアップと比べて、エイジレスの何か違うところは?
私自身、学生起業の頃は「スタートアップ=若い人が徹夜で頑張る」イメージが強かった。でも今は労働市場も変わって、家族持ちが起業するのも当たり前。スタートアップを比べるのはあまり意味がないと思うんです。むしろエイジレスの場合は、「エイジレスな社会の実現」という大きな軸があって、そこに共感してくれる人が来ればいい。そんなスタンスですね。
最後に、レイジさんがこれからどうなっていきたいか、ビジョンを教えてください。
「エイジレスな社会をつくる」という目的に近づくなら、形は何でもいいと思っています。シニア人材領域から始まって、そこから別の事業が派生する。たとえば誰かが旅行サービスをやりたいと言ったら、「エイジレストラベル」が生まれるかもしれないし。それがエイジレスの面白さですね。
ビジョンの実現に沿ったうえで、個々の「これをやりたい!」を受け止められる組織が理想です。
インタビューを終えて
「0→1を作るのが好き」と明言するところに、起業家としてのリアルが凝縮されています。スタートアップの熱量を体感しながらも、社会にインパクトを与える事業を求め続けるズッカーマンさんの姿勢は、まさに挑戦し続ける人の原動力そのもの。大きなビジョンのもとで各メンバーの挑戦を歓迎するエイジレスは、「自分の得意領域で勝負してみたい」「新しい領域に飛び込みたい」という人にとって、可能性が広がる環境と言えるでしょう。これからの事業展開にも期待が高まります。