先日、ある製造業の係長が書いたブログ記事に目がとまりました。
普段、IT関連にも関わる中では技術の効果を追いがちですが、その記事は、私たちが本当に目を向けるべき人」の視点も改めて気づかせてくれた気がします。
私たちが提供しているのは「数字」だけではないと話す内容ではじまりました。
生産性向上や品質管理の進化といった、私たちが普段から提案しているメリットが描かれ、特に印象的だったのは、「画像認識AIのおかげで、現場の人間も安心して作業に取り組めるようになった」という物。
自分ではAIの精度といった数字に注目しがちでしたが、現場の安心感や仕事への自信といった、目に見えない価値こそが、本当の意味での成功なのだと改めて感じました。技術がもたらすのは、単なる効率化ではなく、働く人々のモチベーションや心の安定も考えられて初めて、最大限の効果があるものと言う部分が欠けていたのかもしれません。
記事にはベテラン社員が新しい技術に抵抗感を示すという「影」の部分も率直に綴られていました。これまでの取り組みは、新しいシステムの使い方を教える「How」に偏っていたという内容です。しかし、本当に必要なのは、「なぜこの技術が必要なのか」「あなたの経験とどう融合できるのか」といった「Why」の部分を丁寧に伝え、心を動かすことが出来なければ成功しない。
現場の人が納得し、自ら進んで技術を使いたくなるような仕組みをどう作るか。技術的な課題だけでなく、人間関係も含めた、システムの構築と教育等のサポートに関わる領域でした。
これまでは「最高の技術」を提供することが最大の結果を得ると感がられていた部分が、これからは「技術が人にもたらす最高の体験」を加味した物であるべきなんだと感じます。技術の力と、人の力が混ざり合って機能した時、ものづくりはきっと更に価値のあるものになるのかと思いました。
社内のことに目柄を向けても、新たなシステムや設備を導入しているインドネシア工場では、それらに関わる社員たちが本当に生きいきと仕事をしていると感じる場面を何度も見る事がありました。新しい技術が自分たちの領域を高めてくれると確認して、自分達もそれに負けないような仕事をいて行きたいとやる気と自身に満ちています。
自身の業務は人事が中心となりますが、社内のITやシステム導入(自社開発も含めて)に置いては国内の社員やスタッフさん達にも同じように感じて欲しいですし、そんな環境を作れるような組織作りがしたいと改めて感じさせられる内容でした。