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こんにちは!株式会社シックスティーパーセント人事の渡辺です。
今回、60%のプロダクトをより深く知っていただくために、代表の真部とPdMの早坂にインタビューをしてきました。
もしあなたが「60%は、韓国ファッションを中心としたECモールでしょ?」と思っているなら、それは少し誤解かもしれません。
私たちが掲げているミッションは「アジアのブランドを世界に広げる」というもの。商品を陳列し、決済の場を提供する「ECモール」にとどまらず、ブランドの認知拡大、グローバルな越境マーケティング、そして複雑極まる国際物流までを内包し、アジアブランドの成長と進化の新たな可能性を広げる「グロースプラットフォーム」を創っています。
世界を見れば、アジアのファッションカルチャーは今、最も熱狂的な注目を集めています。しかし、その熱狂と「実際に手に入れること」の間には、分厚い “越境の壁” が立ちはだかっている状況です。
本記事では、そんな60%が目指す未来や、越境ECの裏側で立ちはだかる課題、そしてそれを乗り越えるための開発チームの挑戦についてお伝えします。
ーアジア発ブランドを世界へ──60%とは?
真部:60%は、アジアのファッションブランドに特化したECプラットフォームです。韓国を中心に、中国、台湾、香港、インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポールなど、多様な地域のブランドをユーザーに届けるプロダクトです。
特徴は、そのラインナップの幅広さ。まだ日本に進出していないブランドや、現地で人気を集めるインディーズブランドまで約2,000ブランドを取り扱っています。ユーザー層はZ世代が中心で、若い世代に支持されているサービスです。
これまでファッションといえば欧米がメインストリームというイメージが強かったと思います。しかし、アジア各地でも新しいブランドが次々と立ち上がっており、私たちはその商圏を広げることをミッションとしています。
ー情報はボーダレスでも、購買はまだ不自由だった
真部:ソーシャルメディアがグローバルに浸透したことで、ブランドや商品の存在はボーダレスに広がるようになりました。ただし、それを「知る」ことと「安心して買える」ことの間には大きなギャップが残っているのが現状です。
ユーザーがSNSでブランドを知っても、実際に購入して手元に届き、さらにサポートを受けられるようにするには、多くのハードルがあります。
言語、国際配送、プライシング、購入後のサポート体制…。それをゼロから整えようとすれば莫大なコストがかかります。
情報はボーダレスになったのに、Eコマースのオペレーションは複雑なまま。
だからこそ、そこを解決できればブランドとユーザーのつながりはもっとシームレスに広がっていくはずです。そのような課題を解決するために60%の開発に至りました。
ー技術と仕組みづくりで立ち向かう「越境の壁」
|物流課題を打ち破り、「購買体験」全体を支える
早坂:越境ECにおいては、やはり物流が大きな課題です。
WMS(倉庫管理システム)とECがしっかりと結びつき、国内から国外、ラストワンマイルまで追跡ができ、遅延なく届くこと。その上で顧客・物流会社・ブランドのリレーションをシステムでつなぐことが非常に重要だと考えています。
ただ、実現するには多くの課題があります。ブランドごとの発送のズレや倉庫のマネジメントなど、カートシステムを作るだけでは解決できません。実際の配送やカスタマーサポート、返品対応までを含めた「購買体験」全体を支えるソリューションを開発していく必要があります。
また、toCの側面にも課題があります。アジアのブランドはまだ日本では知られていないものが多く、それをどう届けるかは今後の大きなテーマです。
そのために大切なのは、通常のEコマース体験の中に自分たちなりのアイデンティティを込めること。ただ商品を並べるだけでは不十分で、「見つける喜び」や「出会ったときの高揚感」をどう演出するかが大切だと考えています。
一方で、ECというプロダクト自体はすでに成熟しているからこそ、「カートに入れてレジで購入する」みたいな王道の体験は維持しつつ、その中でどう付加価値を加えていくかが重要なポイントです。
|ブランドの可能性を広げる仕組みをつくる
真部:プロダクト開発をする上で、そのスタンスは非常に重要だと考えています。
私たちが目指しているのは「ブランドの成長を支援する」ことではありません。大前提として、アジアのブランドはすでに自分たちで活動をしています。SNSを運用し、お客さんと直接つながり、新しい商品を次々に生み出している。そのエネルギーこそが、彼らの一番の成長資源です。
だから私たちは「可能性を広げるための仕組み」を提供する立場でありたい。おこがましく成長を支援するのではなく、ブランドが本来持っている力を、ストレスなく世界中のお客さんに届けられるようにする。それが60%のスタンスです。
実際、越境をする際にブランドが直面する課題は実務的なオペレーションにあります。購買プロセスの中で発生するコストやリソースの負担を取り除くことで、ブランドの可能性が掛け算のように広がっていくと考えています。
素晴らしい商品やブランドが、世界中のお客さんにストレスなく届く。そのために私たちは、「オペレーション」と「購買体験」を徹底して磨き続けていきます。
ー60%ならではの強みとは?
早坂:ユーザー、ブランド、ロジスティクスの3つの視点からお話しします。
|ユーザーに向けて
60%のプロダクトミッションは『DIG IT!探そう、世界から。見つけよう、ストリートから。』です。
「DIG IT!」とは、「ディグる」の語源で、いいね!や見つけた喜びを表す言葉であり、ユーザーがアプリを使う中で偶然に出会い、掘り当てるような体験を大切にしています。
普通のECのように「目的の商品を買いに来る」場所ではなく、とりあえずアプリを開いて触っているうちに、思いがけないブランドやアイテムに出会えるような体験を提供することが、私たちが目指している姿です。
その上で大切なのは、ブランドの情報をどうユーザーに伝えるか。たとえば、国旗を表示すれば「こんな商品が中国にあるんだ」「タイのブランドってこんなものを作っているんだ」と、視覚的に直感的に理解できます。
また、毎月約60本の特集を組んでいるのも、ただブランドを断片的に紹介するのではなく、日常的なテーマやキーワードをフィルターとして活用しながら、ブランドの魅力を伝えるためです。
検索性や商品性だけではなく、「新しい発見がある」という体験そのものを設計する。これが、60%がユーザーに向けて提供している独自のアプローチです。
|ブランドに向けて
60%は、ブランドにとって一般的なモールのように「商品を登録して販売する」だけのチャネルではなく、「越境ECにおけるさまざまな困りごとを解決すること」をメインのミッションとしています。
もちろん、商品登録や基本的な販売体験は整えていますが、それ以上に目指しているのは包括的なサポートです。たとえば今後は、私たちが持っているデータをブランドに提供する仕組みを強化したり、他社モールとの接続を進めたりしていきます。最終的には「60%に出品するだけで、世界中のマーケットに商品を展開できる」状態を実現したいと考えています。
そうなれば、小規模や中規模のブランドであっても、一気に海外進出が可能になります。60%に登録さえすれば、物流も解決できるし、必要な情報も手に入る。オペレーションやカスタマーサポートまで一貫してサポートできる。そんな包括的なサービスを提供することが、ブランドへのアプローチです。
|ロジティクスに向けて
ロジスティクスについては、越境に特化した対応を進めていきたいと考えています。
海外配送では、通関や手続きの複雑さが大きなハードルになります。既製のWMSでは解決できない部分も多く、そこをシステムから現場まで一貫して考えるのが私たちのスタンスです。
たとえば韓国ブランドの場合、韓国国内の中継倉庫を経由する方が効率的ですが、その分ステータスが増えるため、正しく管理できる仕組みが必要です。また、複数の商品を購入したときに、バラバラではなく1つの荷物で届けられることも大切です。海外ECではブランドごとに別々に届くケースが多いですが、それでは体験が良くありません。
こうした課題を解消する仕組みを自社で作り込むことで、ユーザーには快適な購買体験を、ブランドには越境ならではの“負”を減らす環境を提供できると考えています。
ーカルチャーを体感できるECへ──60%がつくりたい世界
真部:私たちが目指すのは、ブランドとユーザーがシームレスにつながる世界です。
どんなブランドにも、知ることさえできれば好きになってくれる人が必ずいます。ただ、その100人のコアファンのために海外進出や支社設立をするのは現実的ではありません。
そのギャップを埋め、機会損失を限りなくゼロにする仕組みを整えることが、60%の使命です。物流や言語対応、商品データの活用などを通じて、ブランドが世界中のファンと出会える環境をつくりたいと考えています。
同時に、ユーザーにとっては「新しいブランドや服に出会える場所」であり続けたいです。便利さや安さではなく、ホスピタリティや驚き、感動といった体験をECの中でどう実現するかを大切にしています。
そのために、ローカライズしたアプリの展開や、検索体験の進化にも取り組んでいきます。商品や機能だけでなく、国やスタイル、テイスト、さらには感情で検索できるようにする。
加えて、トレンドワードみたいなものも大事だと思っていて。たとえば、最近では「ウィッシュコア」のような、Z世代の中で言語化されて、辞書には載っていないけれど共通言語として流行しているような言葉。
そういうものをプロダクトに取り込んで、フィルターとして商品を探したり、ブランドを知ったりできるようにする。そうすると、ただ商品を見せるだけでなく、ユーザーの消費の深層心理に一歩、二歩踏み込んだようなコンテンツを表示できると思うんです。
60%は、ただのECサイトではなく「カルチャーを体感できる場所」でありたい。そういう体験やプロダクトをこれからも提案していきたいと思っています。
ーカオスだからこそ、面白い
真部:60%の面白さは、ToCからToB、さらにリアルなオペレーションまで一気通貫で関われる点にあります。倉庫やブランド、ユーザー、チームとの連携など、考えるべき課題は常に四方八方に広がっていて、ある種の総合格闘技的な側面がある。
エンジニアとして基幹システムを突き詰めるだけでなく、現場を見て、声を聞き、ソリューションを形にする。技術スキルはもちろん、PdMとしてプロダクトをつくる経験や、商流を変える手応えも得られる。
良くも悪くもカオスですが、その分「面白い体験」ができる環境です。そんな場所に興味がある人には、ぜひ飛び込んできてください!
ー真部さん、早坂さん、ありがとうございました!