【5カ月で訪日客のサービスアパートメント契約数182%増加】インバウンド需要を受け「unito」プラットフォームの多言語対応を開始
株式会社Unitoのプレスリリース(2025年3月25日 11時10分)【5カ月で訪日客のサービスアパートメント契約数182%増加】インバウンド需要を受け「unito」プラットフォームの多言語対応を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000033908.html
UnitoコーポレートPRチームです。
プレスリリースには書ききれなかった、Unito開発の裏側をレポートする「リリースの裏側」。今回のリリースは、「最短即日入居できるお部屋探しプラットフォーム『unito』多言語対応開始」を特集します!
▽リリースはこちら!
この取り組みは、近年の国内中長期滞在に対するインバウンド需要急増によるもの。今回は、「unito」プロダクトマネージャー、プロダクト開発部田村さんにインタビューしました。このタイミングで多言語対応開始に踏み切った裏側や、学生時代に感じた言語に対する原体験を伺いました。
田村俊樹 |プロダクト開発部 PdM
東京工業大学大学院を修了。大学ではアメリカンフットボール部に所属し、大学院ではコーチとしてチームの指導にも従事。また在学中はSEOマーケティングやVCでのコミュニティ運営に携わる。新卒でWebビジネス支援SaaS「ペライチ」に入社し、新規事業責任者としてプロダクト開発とマーケティングをリード。2025年1月に当社に入社し、UXデザインおよびプロジェクトマネジメントを担当。
ー 多言語対応に踏み切る決め手は何でしたか?
以前から何度かチャレンジしていましたが、「三度目の正直」でようやく着手できました。
これまで優先順位を上げられなかった最大の理由は、海外からの新規ユーザーと、国内の既存ユーザーのUXを比較したときに、どうしても後者の改善の方が優先されていたからです。
しかし近年、外国からの申し込みが増加し、ユーザーの声やデータからも英語版サイトの必要性が明確になってきました。初めてサービスに触れる海外ユーザーにとって、言語の壁がハードルとなり、スムーズなサービス利用が難しい状況でした。
そこで、改めて社内で議論を重ね、この度英語版サイトのリリースに踏み切ることにしました。
ー リリースコメントにあった、学生時代の想いも印象的でした。
ありがとうございます。学生の時、研究室に留学生が来て、銀行の口座開設や寮の入寮手続きを手伝ったことがあったのですが、これが思った以上に大変で。日本人でも面倒だなと思う手続きが、言語の壁があるとさらにハードルが上がることを実感しました。
その後、Unitoに入社してからも、外国人向けの賃貸経営に関する書籍を読んで、改めて外国人が日本で部屋を借りる大変さに驚きました。特に、ビザを持たない中短期の滞在者にとっては、さらに選択肢が限られていて。調べれば調べるほど課題の多さが見えてきました。
だからこそ、今回の多言語対応が「日本に来たい・住んでみたい」と思った人の後押しになればいいなという思いで開発に取り組みました。
ー「unito」への海外からの申し込み増加の要因は?増加のために施策を打っていたのでしょうか。
近年の円安に加え、政府によるデジタルノマドビザの導入が始まったことで、ビジネスインバウンド層からの問い合わせが100件近くに達するなど、全体として増加傾向にありました。
そうした流れを受けて、昨年11月頃からマーケティング部の主導で、訪日外国人向けに「マンスリー契約プラン」を開始しました。結果として、施策実施前と比べて外国人の契約数は182%増加。Unitoが展開する家具・家電付きのホテル・サービスアパートメントに対する高い需要を実感したこともあり、プロダクト開発としても多言語対応の準備をはじめました。
ー 多言語対応に向けて、どこから準備をはじめましたか?
まず、サイトの規模が大きいため、影響範囲の調査だけでも膨大な作業が必要でした。適切な翻訳の作成や品質チェックにも多くの工数がかかり、慎重に進める必要がありました。
加えて、単に翻訳するだけではなく、言語切り替えボタンの設置や、それに伴うUIの修正も実施しました。英語ユーザーが直感的に操作できるよう、デザインや導線にも配慮しています。
ー 多言語対応を実装するために必要だったことは?
サイト内だけでなく、システムメールの英語対応も並行して進めています。問い合わせ対応やアカウント関連の通知など、ユーザーとの重要な接点となる部分のため、こちらも慎重に調整を行いました。
ー 今回の多言語対応の概要を教えてください。
まずはWebサイト全体の英語対応を実施しました。スマートフォンやブラウザの言語設定に応じて自動で英語表示に切り替わるほか、日本語との切り替えもボタンひとつで簡単に行えます。トップページや物件詳細、申し込みページなど、主要な画面構成はすべて英語に対応しています。
加えて、英語のキーワードで検索した際にもunitoの英語ページが検索結果に表示されやすくなり、日本の住まいを探す海外ユーザーにも見つけてもらいやすい設計となっています。
また、サイト上からの問い合わせに対しては、英語での自動返信メールも実装。物件の内容ややり取りの流れが伝わりやすくなり、海外からでも安心してご利用いただけるようになりました。
▽新しくなったプラットフォーム(画面上部Languageから英語を選択)
ー これまでの取り組みの中で大変だったことはありますか?
正直、まだそこまで大変だったということはないです。ただ、これをきっかけにインバウンド向けの機能やサービスを強化していくので、ここからが大変になりそうだなと感じています。
日本は住みやすく安全な国ですが、不動産契約の複雑さが課題です。言語の壁はもちろんですが、保証人の問題や、在留カードがないと賃貸借契約が巻けないこと、日本の銀行口座が必要、外国人への貸し渋りなど、その他枚挙にいとまがありません。
Unitoでは、元々家具付きの物件を提供していることもあり、一時滞在に利用する海外の方にも使いやすいサービスになっていますが、これからさらに利用しやすいように開発を進めていきたいです。
多言語対応だけでなく、通貨の選択肢や申し込みフローの改善などに着手することで、より多くの外国人が気軽に利用できるようなサービスを目指します。
ー 今後の「多言語対応」のビジョンを教えてください!
政府によるデジタルノマドビザの導入や、来月開幕する大阪・関西万博の影響もあり、訪日外国人による中長期滞在ニーズは今後ますます高まると予想されています。
さらにプレスリリースにもあったように、欧米では、家具・家電付きの賃貸物件(サービスアパートメント)が広く普及しており、数カ月単位で滞在先を移動するライフスタイルが定着している。一方日本では、コロナ禍以降にリモートワークをはじめとした働き方の多様化が進んだものの、こうした住まい方はまだ始まったばかりで、市場規模も小さくとどまっています。
そのため、Unitoはこうしたライフスタイルに馴染みのある訪日外国人を対象に、サービスアパートメントを活用したフレキシブルな住まい方を日本国内に広げていくことを目指します。
そのためまずは英語対応を優先しましたが、今後は他の言語にも広げていく方向性です。ただし、サイトの多言語化は容易でも、システムメールやアプリの対応には別の課題があるため、慎重に進めていきます。現在はWebサイトとシステムメールの英語対応を完了し、今後はさらなる多言語展開や、外国人がより快適に滞在できる仕組み作りを進めていく予定です。
この取り組みが、日本に滞在する外国人にとって新しい選択肢となり、インバウンド需要を起点に、「フレキシブル賃貸」という新しいカルチャーを育み、暮らしの選択肢を広げる手助けとなるようを願っています。
▽新しくなったプラットフォーム(画面上部Languageから英語を選択)