Unito(ユニット)、最短即日入居可能なお部屋探しプラットフォーム「unito」スマホアプリ機能を大幅アップデート
株式会社Unitoのプレスリリース(2025年2月26日 12時00分)Unito(ユニット)、最短即日入居可能なお部屋探しプラットフォーム「unito」スマホアプリ機能を大幅アップデート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000033908.html
プレスリリースに書ききれなかった、Unito開発の裏側をレポートする「リリースの裏側」。
今回は、「unitoアプリ機能大幅アップデート」を特集します!
実はこの取り組み、「"今日宿を探している人" と "今日家を留守にする人" をマッチングできる仕組みを作れたら」という構想から始まった、unitoアプリのビジョンアップデートによるものです。
新ビジョン「暮らしの総合アプリ」に向けたスタート地点。今回は、今年1月にUnitoにジョインしたPdM田村さんを聞き手に、Unito VP of Product / 執行役員中野さんとの対談を実施。あたらしく生まれ変わるunitoのアプリケーションの未来を伺いました。
中野創太 (執行役員 / プロダクト開発部 部長 / VP of Product)
北海道大学大学院修了後、新卒で宿泊予約サービスの運営会社に入社。マーケティング部およびプロダクト部のグループリーダーとして主幹事業のグロースに貢献。2023年6月に当社に入社し、プロダクト本部長として戦略設計、UXデザイン、プロジェクトマネジメントを担当。2024年に当社執行役員VPoPに就任。
田村俊樹 (プロダクト開発部 PdM)
東京工業大学大学院を修了。大学ではアメリカンフットボール部に所属し、大学院ではコーチとしてチームの指導にも従事。また在学中はSEOマーケティングやVCでのコミュニティ運営に携わる。新卒でWebビジネス支援SaaS「ペライチ」に入社し、新規事業責任者としてプロダクト開発とマーケティングをリード。2025年1月に当社に入社し、UXデザインおよびプロジェクトマネジメントを担当。
ー unitoアプリのビジョンアップデートに着手したきっかけは?
リレント体験の中で「ユーザーにとってネガティブな体験が含まれていた可能性がある」という気付きが最初のきっかけでした。
日数単位の家賃システム「リレント」
外泊する日をunitoに申請するだけで、申請日数分の家賃が下がる。Unitoが特許を取得した家賃システム。ユーザーである居住者は、支払う家賃を月額固定費から住んだ日数分の変動費にすることができ、不動産オーナーは繁忙期・閑散期の稼働率に合わせて、ホテル(民泊)・賃貸を切り替えることができ「賃貸と宿泊の二毛作経営」を実現します。
現在のリレントは、規定上1ヶ月前や1週間前など、ある程度事前に予定を決めて申請する必要があります。ただ事前の申請により「真に自由な暮らし体験」を提供できていたのか、という課題を感じていました。
実際にお客様とお話しする中でも、事前に申請する必要があることから「リレント申請をせずに家を空けることがある」という方もいらっしゃいます。例えば「前日に出張が決まったため、申請期限に間に合わなかった」といった状況です。
unitoの大きな特徴である「使わない日数分の家賃が減額される」というリレントの仕組みが、申請期限の影響で十分に活用されない場合がある。その結果、本来なら家賃を下げられるはずの「リレント」というコア体験が、かえって少し悪い体験になってしまう可能性があるのではと考えました。
くわえてUnitoのパーパスである「暮らしの最適化の追求」を本来の意味で考えると、リレントの仕組みにはまだ改善の余地があると感じています。
例えば、「今日新橋で飲んでいて話が盛り上がったけれど、自宅が郊外にあるから帰らなきゃいけない。でも明日も汐留で予定があるし、できれば今日は新橋で泊まりたい」という状況があったとします。
そんな時、ただ「寝るだけでいい」というニーズに応えられる場所があれば、もっと柔軟な暮らしができるはずです。しかし今は、「自宅がある」という概念が先立ち、一度帰らなければならない状況が生まれています。
さらに最近はホテルの宿泊費が高騰していて、突発的な宿泊の選択肢が限られるという課題もあります。同じように急な出張や家族の事情など、予測できない移動が発生する事象もある。こうした突発的なニーズに対応できるサービスの改善を、リレントも含めてしていく必要があると考えています。
ビジネスの視点から見ると、ホテルがキャンセル料を設定している理由の一つは、直前に空室が出ても新たな宿泊客を確保できないため、稼働率の観点から一定の保証を求めるためです。
それならば「当日宿を探している人」と「当日家を空ける人」をマッチングできる仕組みを作れたらどうか。そんな新しい世界観をUnitoで提供したいと考えています。
ー unitoアプリのビジョン、従来のものと新たなビジョンの差分は何ですか?
これまでのunitoアプリは、「既にunito物件に住んでいる人(既存ユーザー)」を想定した機能が中心でした。具体的には「支払い」や「リレント申請」がメインで、アプリのビジョンとしては “入居後のユーザー体験を支える” ことにフォーカスしているものです。
そのため、マッチングありきで考えた場合、リレント ー つまり「今日家を空けたい」機能はあるけれど、リレントと対になる「今日泊まりたい人」向けの宿泊予約機能を搭載していないので、そこをサービス内でうまくマッチングする仕組みがありませんでした。
ー 住む側の機能は実装していたが、泊まる側は実装できていなかったと。
はい。結果として、このままの運用だと在庫が循環せず、空室を有効活用できないという課題がありました。
宿泊予約機能はunitoアプリだけでなくwebページにもなかったため、Xカ月前にアプリに先行してwebページで「泊まるプラン」をリリースしました。これにより、unitoの掲載物件をホテルとして予約・利用できるようになりました。
右上部が導入された「泊まるプラン」
とはいえ、この方向に進むことで、サービスの使い方が「住む場所を探す人」と「泊まる場所を探す人」の2つに分かれることになります。これを1つのウェブサービスで提供し続けるのは、ユーザーも使いにくく、運用面でも課題が残ると感じていました。
そこで、アプリ内で「住む」と「泊まる」両方の使い方を直感的に選べるようにすることで、ユーザーにも分かりやすく集約できるかなと今見切った形になります。
ー アップデートで既存ユーザーが使いづらくなる懸念もあったと思います。
おっしゃる通りUXの変更で使い勝手も変わる反面、これまでアプリは「支払い / リレント申請」機能のみの搭載だったので、次のunitoの部屋を探し契約する時に、改めてWebページに行く手間がありました。
ビジョンを刷新したことで、今回アップデートした内容だけでなく、将来的にリレントした外泊先で宿を見つけるなどを、アプリ内でシームレスに完結できるようになる。既存ユーザーにとってもプラスの価値を提供できると考えています。
また一般的に、アプリの方がリテンションが高いと言われています。Unitoが目指すのは「物件」という高額な買い物のためのサービスではなく、「日常的に使えるサービス」です。
例えば「次はどこに住もう?」「明日どこに泊まろう?」とふと思ったときに、イメージでいうと新幹線の中で手軽にアクセスできるかが大事。その点で、アプリの方が優れているのではと考えています。
ー アプリは「普段見たくなる」ことが重要だと思います。そのために意識していることは?
まず ”定期的なアップデート” の実施、そして “頭を使わずに触れられるサービス” であることを意識しています。
例えば、トップ画面で「何を探していますか?」「いつですか?」と聞かれると、ユーザーは考えなければならず、気合を入れて利用する必要が出てきてしまう。そうなると、家や宿に関する具体的な想像ができていないと使いづらく、利用頻度も下がると思っています。
Unitoはそうではなく「何となく鎌倉に住んでみたい」「泊まる場所を探してみようかな」といった、モチベーションが小さく抽象的な段階でも気軽に触ってもらえるような設計を目指しています。
そのために、検索サジェストを工夫したり、日付が決まっていなくても検索できるようにするなど、ユーザーの負担を減らす仕組みを取り入れています。
ー ビジョンの完成はどれぐらいのスパン見ていますか?
定期的にアップデートを実施しているので、現時点で考えている機能がすべて揃うまでには、おそらく半年ほどを見込んでいます。まずは半年で、最初の形がほぼ完成するイメージです。
一方で、直前にリレントできるような仕組みや、1日単位で暮らしを柔軟に変えられるようにするルール設計には、もう少し時間がかかると思います。すべての要素が揃うにはもう少し先になりそうですが、機能面では半年ほどで大きな部分は形にできると考えています。
ー 今回の大幅アップデートのポイントは?
最大のポイントは、「住むお部屋の契約がアプリ内で完結できるようになった」ことです。
先述の通り、従来のスマホアプリは既存の居住者向けに「支払い / リレント申請」の機能が中心でした。そこからunitoアプリとしての新たなビジョンを、Unitoのユーザー全体をカバーする「暮らしの総合アプリ」へとアップデートさせました。
第一歩として、今回は「住むユーザー」の契約機能をアプリ内で完結できるようにすることをスコープに含め、実装を進めました。
ー 苦労した点は?
在庫表示の実装に1番苦労しました。その中でも特に「いつから入居できるのか」を事前に把握できるUIを作るまでに、かなり時間をかけてパターン出ししました。
ー 在庫表示機能に着目した理由は?
個人的に、賃貸サービスでの「いつから入居できるのか」という情報はすごく大事だと思うのですが、意外と他社プラットフォームでも、在庫表示がリアルタイムで正確に反映されているケースは少ないんですよね。
その点でUnitoは、ホテルやマンスリー宿泊とも連携しているため、サイトコントロールシステムと直結しており、リアルタイムで在庫を把握できる大きな強みがあります。
そもそも賃貸市場では「在庫があるのかが不明瞭」という問題もあります。実際に内見に行っても、すでに埋まっていたというケースも少なくありません。これは、在庫情報の切り替えが管理会社や仲介業者側のタイミングに依存しているために起こる課題です。
そういう想いから在庫表示を実現したかったですし、「いかに分かりやすく、直感的なUIに落とし込むか」を考えるのが大きな課題でした。
ー わかりやすい在庫情報の表示を実現できたポイントは?
何度もリリースと改善を繰り返し、経営陣からの率直なフィードバックをもとにその都度アップデートしていく形で磨き上げていきました。
実はこのUI、田村君のOne day(入社検討時の一日限定業務体験)で一緒に考えたもので、そこからフィードバックをもらいながら改良を重ねていったもので。
UIのデザインにくわえて、技術的な実装もかなり難しかった。この表示の裏側では、複数の部屋の在庫情報を整理して、分かりやすく要約するロジックが組まれています。
例えばツインルームは10月〜11月、シングルルームは1月〜2月といったように、部屋ごとに空き状況が異なる中で、それを一つの分かりやすい表示にまとめる必要がありました。
そのロジックを作り上げたのがエンジニアチームの竹内さんで、頭を捻りながらアルゴリズムを組んで下さったおかげで実現できた部分が大きいですね。
ー そもそも在庫表示機能を実装するアイディアが浮かんだきっかけは?
「リレント」ならではのビジネスモデルの入り方がよかったのではないかと思います。一般的な賃貸サービスから入っていたら、この発想にはなかなか至らなかったです。
Unitoは民泊・ホテルオペレーターでもあるので、在庫情報の管理に対する考え方がもともと違うところがよかった。ホテル業界では「いつ満室で、いつ空いているのかがリアルタイムで把握できる」のが当たり前ですよね。
そのシステムに対応できる仕組みをUnitoも持っていたので、ホテル並みのリアルタイム性を賃貸にも適用できたというのが、今回の大きな挑戦だったと思っています。
また、僕自身が予約サービス、いわゆる OTA(オンライン旅行代理店)のPdM出身ということもあり、こういう仕組みを実現したいという思いがありました。
ホテル業界では当たり前に提供されている「リアルタイム」の在庫情報が、賃貸業界に無いという課題感はより一層強かったので、それが実現できたのはよかったなと思っています。
ー 「暮らしの総合アプリ=住むと泊まるのマッチングプラットフォーム」を目指す上で、大切にしているところは?
「明日大阪で予定があるから、お前の家泊めてよ」と友人に頼むような感覚が、一番自由な暮らしの形だと思っています。
代表取締役の近藤の体験の一つでもありますが、「明日京都で出張があるから、京都のUnitoの宿に泊まりたい」という場面で、unitoのカスタマーサポートに部屋の手配をお願いするような話だと思っていて。
要はユーザーが求めているのは「今日寝られる場所」「今日暮らせる場所」で、それ以外の手間は極力なくしたい。「宿を探す、比較する、条件を調べる」ー その辺りの手間が全て省かれている状態を目指しています。
ー 具体的に「省く」というのは?
例えば、内見せずとも写真や動画などで物件のイメージを十分に把握できたり、契約をメール内で完結させる署名ツールなどを活用して手続きをシンプルにする。
そういう意味で「いかに賃貸に関わる面倒な部分をなくせるか」というのが、Unitoの大事にしているポイントと思っています。
ー 「今日住む場所が見つかる」という世界観を目指すためにオペレーションに必要な改善は?
物件数の拡充はunitoとして継続して取り組みつつ、特に清掃などのオペレーション管理が複雑な部分ですね。例えば「Aさんが今日リレントして、Bさんが今日チェックインする」という状況が日常的に発生するわけですが、そのスムーズな切り替えを人力で管理するのは不可能です。
そこで重要になるのが、清掃のステータス管理の自動化です。例えば、15時にリレントして退去した後、次の宿泊者が20時にチェックインするという情報が、リアルタイムで予約データと紐ついて管理される仕組みを整える必要があります。
この仕組みがないと、本質的な意味で「住む場所が自由に切り替えられる世界観」は実現できません。だからこそ、裏側のオペレーションをいかにシステム化できるかが重要と考えています。
ー ビジョン達成へ向けたネクストアクションは?
先述の通り、次の課題は現在アプリで搭載していない「宿泊予約機能」の実装です。今ちょうどUI設計を進めている段階で、いかに少ないタップ数で宿泊予約を完了できるかを意識しながら設計しています。
具体的には、「ファーストビューでどこまで情報を入力するのか」「どのタイミングで確定するのか」など、できるだけ直感的に操作できるように調整しています。
他の部屋や物件をじっくり比較したい人は、別の導線で進めるようにすればいい。ここで求められているのは、最適な部屋が最初から選ばれていて、最後クレカの確認だけして、確定したら予約が完了。そのような体験の提供を目指して設計しているところです。
ー このビジョンを達成するためにどんな人と関わってほしい。どんな人が関わってほしいですか?
まず、大前提として身近なところに必要な物件があることは欠かせないので、Unitoのビジョンに共感して、物件を提供してくださるオーナーの皆様には引き続きご関心をお持ちいただきたいと思っています。
また「友達の家に泊まるように気軽に住む」という体験を目指すなら、chat bot的な仕組みが重要になってくると考えています。そのため領域に関心のあるエンジニアの方にも関わってもらえれば、より理想の形に近づけるのではと思っています。
もし「Unitoの目指す世界観、ちょっと面白そう」と感じてもらえたら、ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。
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