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不確実性を乗り越える強いチームづくり  【 キックオフ編 】

経営戦略やコーポレートリブランディングなど会社の方向性を定めるプロジェクトは、不確実性が高く、プロジェクト推進が難しくなる傾向にあります。
これは影響を与えるステークホルダーが多く、合意形成の遅れやスコープ変更など、予測困難な事象が数多く発生するためです。


そんな不確実性の高いプロジェクトでは、「チーム・組織づくり」が成功のために重要になると考えています。
予期しない問題に対応し、迅速な意思決定を行うために。メンバー全員が同じ目的を見て、状況に応じて自立駆動・共創していくチームが理想です。
不確実性に強いチームの要素を分解すると、以下になると考えています。

▼ 不確実性に強いチームになるために必要な要素

  1.  全員が目的と成功状態を具体的にイメージし、共通認識を持っている
  2. 全員が目的を達成するために必要な行動・価値観について共通認識を持っている
  3. チームメンバーの役割や期待する事が明示されつつ、必要に応じて柔軟に調整できるチーム
  4. 組織全体で常に学び・共創し合う意識と仕組みがあるチーム



このようなチームをつくるためには、プロジェクト開始時の「キックオフ」が非常に重要な役割を担います。
今回はキックオフに焦点を当てて「なぜ・何をするのか」「注意点は何か」まとめているので、ご参考になれば幸いです。

目次

  1. 不確実性の高いプロジェクトにおけるキックオフの重要性
  2. キックオフの内容
  3. 1. チームメンバーの相互理解は、アイスブレイク感覚ではなく真剣にやる。
  4. 2. プロジェクト計画の策定とリスクの洗い出しは、ディレクター(又はPM)一人で行うのではなく、全員で考える
  5. 3. チームルールや体制はメンバーの特性やプロジェクトリスクを踏まえて考える。
  6. 最後に


不確実性の高いプロジェクトにおけるキックオフの重要性

キックオフとは、プロジェクト開始時にメンバー全員が集まって一体となって動き出すために実施されます。
内容としては、一般的にプロジェクトの目的と内容について共通認識化、メンバーの役割と責任範囲の明確化、チームビルディングのワークが実施されます。

先ほど、不確実性に強いチームとなる為に必要な4つの要素を挙げましたが、それらはキックオフで土台が作られると言っても過言ではありません。

実際に私たちはキックオフには非常に多くの時間を割いています。
現在、顧客のコーポレートリブランディングを行うプロジェクトを推進していますが、キックオフだけで合計4回も実施していました。

・プロジェクト概要・過去実施内容のインプット:2h
・チームメンバーの相互理解:2h
・チームルールや体制検討を主としたチームビルディング:2h
・プロジェクト計画の策定とリスクの洗い出し:2h


ここまでキックオフを注力するのには、以下の狙いがあります。

  1.  目的・理想状態・計画・チーム体制・チームルールなど、メンバーが同じ方向を見て迷子にならないように共通認識化する
  2. 目的を達成するために、必要な水準や価値観をチーム全員で共通認識化し、文化を醸成する
  3. チームメンバーの心理的安全性を整える

特に2の「文化醸成」については、非常に重要なポイントです。
不確実性が高い状況であるからこそ、全員で「何が正で・何が良くないのか」共通の価値観を醸成し、非常時にも正しい判断・行動ができるようにします。これは、会社の文化醸成の重要性とも重なる所があるのではないでしょうか。


キックオフの内容

一般的なキックオフの内容については、以下のnoteでも紹介されているので、ポイントに絞ってご紹介できればと思います。

▼ポイント

  1. チームメンバーの相互理解は、アイスブレイク感覚ではなく真剣にやる。
  2. プロジェクト計画の策定とリスクの洗い出しは、ディレクター(又はPM)一人で行うのではなく、全員で考える
  3. チームルールや体制はメンバーの特性やプロジェクトリスクを踏まえて考える。


1. チームメンバーの相互理解は、アイスブレイク感覚ではなく真剣にやる。

相互理解はアイスブレイクとして行われることが多いですが、真剣にやればアイスブレイク以上の効果があると考えています。

プロジェクト進行中、メンバー間のコミュニケーション齟齬や、メンバー特性を理解していない事で生まれるフラストレーションなど、相互理解ができていないことによる不協和は度々発生します。
キックオフ段階でメンバーの特性を理解することで、それらは防ぐことができます。

実際に私たちが行った、相互理解ワークをご紹介します。

▼ 相互理解ワークの実施内容

  1. ストレングスファインダーを受講する
  2. 自身の資質を理解した上で、その資質によって考えられる弱みや周囲に与える影響を考える
  3. 他のメンバーが、資質を理解した上で、その人に対してどのようにコミュニケーション・対応をすれば良いか考える。

自身の資質を理解した上で、その資質によって考えられる弱みや周囲に与える影響を考える

他のメンバーが、資質を理解した上で、その人に対してどのようにコミュニケーション・対応をすれば良いか考える。


このワークでは、「ストレングスファインダー」というツールを使っていますが、メンバーの特性を理解できれば方法は何でも大丈夫です。

注意点としては、自分自身の資質を考え言語化するのは難しいため、担当マネージャーや過去にプロジェクトが一緒だった人に、自身の特性や弱み・周囲に与える影響を、事前にヒアリングすると良いでしょう。


2. プロジェクト計画の策定とリスクの洗い出しは、ディレクター(又はPM)一人で行うのではなく、全員で考える

プロジェクト計画はディレクター・PMが主体となって、考える必要がありますが、私はプロジェクトメンバーを巻き込んで考える事を推奨します。

理由としては、大きく2点です。

  • 納品物の理想状態やリスクなど、他に専門性のあるメンバーの意見を加えることで、観点漏れが防げる。
  • メンバー全員が、プロジェクト詳細について共通認識化できる。
    「何を、いつ、どれくらいのクオリティ・スピードで行わないと行けいないのか、リスクは何か」を把握できる。


▼ プロジェクト計画ワークの実施内容

  1. プロジェクトの目的・プロセスを共有する
  2. チームで、目的を達成しているプロジェクトの理想状態をアイデア出しする
  3. 上記を達成するために必要なタスクと、考えられるリスクを洗い出す

目的を達成している理想状態をチームでアイデエーションする。


そのために、必要なタスクと考えられるリスクを洗い出す。


注意点としては、抽象概念から具体内容を考える必要があるので、メンバーの考える負担が強くなってしまいます。
メンバーが具体イメージを持ちやすくなるように、ディレクター・PMが叩きとなるプロジェクトの理想状態や計画を考え、メンバーがアイデア出しができるような足場かけを用意しましょう。

また、上記のワークを実施する中で、メンバーからは具体的すぎるアイデアも出ることが予想されるので、「そのアイデアを採用するとどうなるのか?」と問いかけ、背景にある狙いを探るなど、ファシリテーションによってアイデアの抽象度をコントロールしましょう。


3. チームルールや体制はメンバーの特性やプロジェクトリスクを踏まえて考える。

ここまで、メンバーの特性と、プロジェクトの実施内容とリスクについて、高い解像度にするワークを紹介していきました。

最後に、それらの内容を踏まえて、どのような協働体制やルールが必要かを考えていきます。

▼ 考える観点(具体例)

  • 品質を担保するために、どのような体制/ルールにするべきか?
  • メンバーの特製とコミュニケーションリスクを踏まえて、
どのような報連相ルールがあるとよいか?
  • 納期を担保するための体制は?

最後に

キックオフを成功できれば、プロジェクトを成功させる基盤は整えられると思います。

しかし、不確実性が高いプロジェクトでは、状況に応じて絶えず変化・進化し続ける必要があります。キックオフに満足せず、プロジェクトが進む中でも常に柔軟に動ける組織をつくっていきましょう!

プロジェクト進行中における、チーム・組織づくりに有効な施策も、記事にまとめていければと思います!

【引用元note】https://note.com/light_koala717/n/ne9ef918686af?sub_rt=share_pb

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