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キャリアアドバイザーの視点で見るフルリモート企業に「向く人、向かない人」

こんにちは。『働く』の負を打破すべく、セブンデックスでHR事業の立ち上げに邁進している佐藤です。

今回の記事では、新型コロナウイルスが流行してから急激に希望者が増えた「フルリモート企業への転職」についての考えを書こうと思います。

目次

  1. テレワークのトレンドについて
  2. フルリモートワークのメリットとデメリット
  3. フルリモートワークが向いている人と向いていない人
  4. フルリモート求人の難易度
  5. まとめ

テレワークのトレンドについて

まず日本におけるテレワークの現状について把握しましょう。
国土交通省が令和6年3月に発表した「令和5年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要) -」によると雇用型就業者*のテレワーク人口は以下のとおりです。

出典:令和5年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要) -
*雇用型就業者:民間会社、官公庁、その他の法人・団体の正社員・職員、及び派遣社員・職員、契約社員・職員、嘱託、パート、アルバイトを本業としていると回答した人

雇用型就業者における全体の24.8%がテレワークを実施していることがわかります。
それでは次に、業種別のテレワーカーの割合について見てみましょう。

出典:令和5年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要) -

業種別のテレワーカーの割合は、「情報通信業」が最も高く72.8%、一方、「医療・福祉」が5.8%と最も低く、次いで「宿泊業・飲食業」が6.3%と低いことがわかります。接客等で直接対面や現地作業を必要とする業種については、全体的に低い結果になっております。

テレワーク・オンライン会議(以下「テレワーク等」とする)の利用状況をアメリカ、ドイツ、中国などの諸外国と比較した場合はこちらとなります。

出典:総務省(2023)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」

テレワーク等を利用したことがあると回答した割合は、米国・ドイツでは50%強、中国では70%を超える一方、ヨーロッパでは36.5%、日本においては30%程度にとどまっています。

続いては、時期別にテレワークの実施頻度を見てみましょう。

出典:令和5年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要) -

週1日以上テレワークしている人の割合は、新型コロナ感染症流行期間(2020~2022年)で急激に増加。新型コロナ感染症の「5類移行後」(2023年5月以降)は若干減少しておりますが、新型コロナ感染症流行前(2018 ~2019年)と比べると高いです。
また、週5日以上テレワークしている人の割合は、新型コロナ感染症前後で大きな変化がないこともわかります。

上記より、日本においてはテレワーク、ならびにフルリモートワークがあまり進んでいないことがわかりましたが、雇用する側の企業の声はどうでしょうか。

・Amazon:2025年1月にリモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッド勤務」を廃止。週5日オフィス出社へ
・X(旧Twitter):リモートワーク禁止
・Meta(旧Facebook):2023年9月以降、最低週3日の出社を義務付け
・Google:出社率を査定に反映

世界的なグローバル企業のトレンドとしては、リターン・トゥ・オフィス(RTO)の流れが強まっていることがわかります。

それではなぜ、リモートワークの推進に対して消極的な姿勢なのでしょうか。

Amazonの例を挙げると、企業文化の希薄化を危惧しているためです。
Amazonはグローバルに成長しながらも、ベンチャー気質を保ちながら拡大を進めてきました。ただコロナ禍での柔軟な働き方やリモートワークが進む中で、企業文化が希薄化してきております。
そこでCEOのアンディ・ジャシー氏は、対面でのコミュニケーションを復活させることで、企業文化の再興を目指しています。

次にX(旧Twitter)を見てみましょう。前CEO(現CTO)のイーロン・マスク氏はテレワーク反対派として有名で、彼がCEOを務めるXやテスラでは、社員に向けて「最低週40時間オフィスで働かなければ、クビ」という内容のメールを送り、事実上のテレワーク禁止令を出しています。

彼曰く、RTO推進の背景には「在宅勤務は生産性を低下させるうえに、その選択肢を持たない工場労働者らにとって不公平」という点があるそうです。

フルリモートワークのメリットとデメリット

次に、フルリモートワークのメリットとデメリットについて解説します。
まずはテレワークのメリットとデメリットに関する調査結果を見てみましょう。

出典:令和5年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要) -

出典:日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」

出典:日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」

ざっくりまとめると、こんな感じでしょうか。
テレワークに関する調査結果ですが、フルリモートの場合でも概ね同じかと思います。

▷テレワークのメリット
・通勤がなく、時間を有効活用することができる
・自由な服装で仕事をすることができる
・好きな時間、好きな場所で仕事をすることができる

▷テレワークのデメリット
・コミュニケーションが不足する
・仕事とプライベートのメリハリがつけづらい
・外出が減り、運動不足になる

メリットに関して、通勤がない点は、オフィスの遠方にお住まいの方にとって特に大きなメリットかと思います。また自由な服装で勤務することができる点も嬉しいですよね!

デメリットに関して、自宅=職場になるため外出が減り、仕事のメリハリがつけづらくなるようです。また、対面のコミュニケーションが少ないため、上司や同僚とのコミュニケーション不足が発生していることもわかります。

また生産性に関して、全体の20%程度の方が「業務の効率が低下する」と回答しているとおり、様々な調査結果として、フルリモートワークの場合は「生産性が下がる」ことは周知の事実となりつつあります。

フルリモートワークが向いている人と向いていない人

それでは次に、フルリモートワークが向いている人と向いていない人の特徴について考えてみましょう。

私が考える特徴は以下のとおりです。

▷フルリモートワークが向いている人
・独りでいることが苦にならない人
・自己管理ができる人
・主体的があり、能動的に動ける人
・自宅で仕事をする環境が整っている人

▷フルリモートワークが向いていない人
・孤独が苦手な人
・自己管理が苦手な人
・指示待ちタイプな人
・自宅で仕事をする環境が整っていない人

フルリモートワークの場合、職場=自宅となるため、上司や同僚は同じ空間にはおりません。SlackやMicrosoft Temsなどのオンラインツールはあれど、気軽にお話しできる社員は近くにいないため、独りでいることが苦手な方や、コミュニケーションを取ることが好きな方には不向きです。
一方で、作業に集中できて逆に良いといった合理的な考えをお持ちの方は向いているかと思います。

次に自己管理ができるかできないかは大きいです。リモートワークにおいては、上司から常に仕事内容の進捗や業務品質について管理されるわけではないため、自分自身でコントロールしなければなりません。報・連・相をこまめに行うなど、「自由」と「規律」のバランスを保つことが重要です。

また指示待ちタイプの方も不向きです。思うタイミングでコミュニケ―ションがとれないことも多いため、積極的にこちらからアクションを取る必要があります。そのため、主体的で質問力がある方の方が向いています。基本的にはテキストコミュニケーションが多いため、言語化することが苦手な方は向いていない傾向にあるかと思います。


フルリモート求人の難易度

ここまでテレワーク、フルリモ―トワークについて色々とお話してきましたが、肝心の難易度についてお話しておりませんでしたので、こちらで説明します。

結論、フルリモートワークの求人は難易度がとても高いです。

なぜかというと、そもそも全求人におけるフルリモート求人の割合が1%と言われており、世界平均の14%と比べて極端に低く、求人の母数が少ないためです。

日本における勤務形態は「完全出社」が71%で最も多く、世界11カ国平均の43%と比較しても非常に高い割合である。一方「完全リモートワーク」はわずか1%にとどまり、世界平均の14%と比べて極端に低い結果が報告されている。

出典元:魅力的なオフィスワークの条件とは?フルリモート希望が最も少ない国ニッポンの実情(キャプテラ)

転職エージェント業を行う私の肌感としても同等、いや、体感としては0.1%程度ではないかと思うほどにフルリモートワーク求人は少ないです。

また、フルリモートワークの求人募集がある企業としても、「フルリモートワーク希望者」を積極的に受けて入れている企業は少なく、「カルチャー」や「事業内容」「業務内容」に魅力を感じて応募をしてくれる求職者を歓迎する傾向にあります。

これらの点より、フルリモート求人の難易度は非常に高いと言えます。

くわえて、私から見ると、フルリモートワークで働くことはデメリットが多いように感じます。

実際、私の妻は転職を経験して、現在フルリモートワークで勤務しているのですが、研修はすべてオンラインで実施され、業務外での社員とのコミュニケーションも前職と比較すると希薄に感じます。

30代、40代とキャリアを積み重ねていくにつれて、人脈の重要性は高まりますので、フルリモートの場合はそういったネットワークを構築しにくいのが現状です。

一方で、家庭環境やご自身の都合によって、「フルリモートワークを希望する」「フルリモートワークでないといけない」方もいるかと思いますので、メリットとデメリットを比較しながら、慎重に検討なさることをおすすめします。


まとめ

最後に、テレワーク関連の最新の研究結果をご紹介します。

英科学誌「ネイチャー」に掲載された、米スタンフォード大学や香港中文大学の研究結果(出典:https://www.nature.com/articles/s41586-024-07500-2)によると、出社とテレワークを組み合わせるハイブリッド勤務(週3日出社、週2日在宅勤務)を採用した職場では、仕事の生産性を維持したまま離職率を3分の2に減らせることが明らかになっております。

フルリモートワークが生産性を下げるのであれば、ハイブリッド勤務でも同じ傾向がみられる可能性が見られると思いましたが、今回の研究結果では定説とは異なる結果となりました。

新型コロナウイルスがまん延して以降、テレワーク論争はいまだ最適解がないのが現状です。

皆さんのお考えはいかがでしょうか?

もしもフルリモートワークやハイブリッド勤務を希望する、転職をお考えの方がおりましたら是非一度お話しましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました!

【引用元note】https://note.com/satoyuki_sd/n/n1590d48e8fa4

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