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【#オフィス紹介】第2話. オフィス移転白紙の危機

この記事はシリーズ続編になります。ぜひ第1話よりご覧ください。

■前回までのあらすじ

デジタルインタラクティブ事業本部の新しいオフィスへの移転が計画され、(成り行きで)プロジェクト担当となった僕。Web屋にも関わらず、オフィス移転という未知のプロジェクトも、周りの協力のおかげで順調に進んでいた。

そんな中、新型コロナウィルスが猛威をふるう-。

担当役員の所さんから届く「コロナ収束後も、基本は在宅勤務を中心とします」というメッセージ。

在宅勤務中心=新オフィスは不要?
新オフィス移転プロジェクトはどうなるのか?!

■主な登場人物

宮園 康太(ミヤゾノ コウタ)
この話の主人公。いわゆる中間管理職。音楽と旅行と勉強を愛する少数派。在宅快適ですよ、といいながら本当は寂しくて出社したい。頼られると照れてなんでもやってしまう穏健派の何でも屋。


所 年雄(トコロ トシオ)
デジタルインタラクティブ事業本部(以下DI事業本部)をまとめあげる担当常務執行役員。オンライン会議中に子供にチョップされていた愛すべき上司。本人の行動力が爆速で、周りがついていけないのがたまにキズ。

【目次】

  • 不穏な空気
  • それって新オフィスいりますか?
  • 新しい働き方
  • プロジェクト再始動!
  • 次回予告

不穏な空気

時は少しさかのぼるが、新オフィスプロジェクトへの不穏な空気を感じていなかったといったら嘘になる。

コロナが猛威を振るい始めた3月。東京オリンピックは延期の決断がなされ、飲食店は休業し、あらゆる企業が在宅勤務や自宅待機を余儀なくされた。

そんな中、僕の担当する新オフィスのプロジェクトだって、あおりを受けないはずがない。

実際にデジタルインタラクティブ事業本部も、未曾有の事態に社内はドタバタ状態となり、社会情勢に合わせて方針が目まぐるしく変わる怒涛の1ヵ月だった。

結果、僕たちは「メンバーの健康が第一」の方針の元、可能な限り早く、在宅体制へ移行することになった。

東京だけでも約千名。
この人数がたった1ヵ月でいっぺんに在宅勤務となったのである。

そのタスクのカオスっぷりは想像に難くないだろう。

もちろん、何でも屋の僕は、在宅体制への移行プロジェクトにも参加した。

毎日のように各種機材の手配や配送会社の方とやり取りし、各自PCを自宅へ郵送したり、自宅にインターネット回線がない方のためにモバイルWi-Fiを手配したり、、、

▼梱包し送る前のPCや荷物の山

在宅体制への移行に奔走し、日々の忙しさの中で新オフィス移行プロジェクトどころではなかった。

・・・いや、これから起こるであろう出来事を想像し、あえて考えないようにしていたというのが正しいかもしれない。

そして1ヵ月後、全員の一致団結により、絶対無理だろうといわれていた在宅体制への移行を完了させたのである。

(うちの会社のこの辺の瞬発力は素直にスゴイと思う・・・)

▼在宅移行後の誰もいないオフィス(平日)

それって新オフィスいりますか?

在宅体制への移行完了が目前に迫ったある日、そのメッセージは突然やってきた。

“ DI事業本部メンバー各位
新型コロナウィルスの影響を鑑み、DI事業本部は原則在宅勤務とします。
コロナ収束後も、基本は在宅勤務を中心とします。”

・・・やはり。
新オフィスプロジェクトとして心配していたことが現実となってしまった。

在宅勤務になればオフィスにくる必要はほとんどない。

そうなれば「新オフィスっているの?」という議論になってもおかしくない。

僕は一晩中、いろいろと考えた。

いや、正確にはメッセージがきたのが金曜日だったので、土日を含めずっとモヤモヤした。

  • 所さん、忙しすぎて新オフィスのこと忘れちゃったのかな?
  • 所さん、家が遠いから、実は来たくないだけかな?
  • コクヨさんやバッタネイションさんになんて言おう…。
  • せめて金曜日にいうのは避け…

…埒があかなかったので、僕は休み明けの月曜日に突撃※することにした。

※突撃:
経営層のブースにアポなしで飛び込むこと。うちはいわゆる大企業だが、経営層は基本的にフラットで、誰でもいつでもウェルカムな雰囲気だ(秘書の方は迷惑かもしれない)。そして僕はこの”突撃”が結構好きだったりする。

▼実際の所さんのブース(想像と違うかもしれないが、誤掲載ではない)

【宮園】所さん、失礼します。
金曜日のメッセージ、「出社原則NG」って受け取れるのですが、そうすると新オフィスって必要な…
【所】ううん、今だけだよ。
ほら、みんな真面目だから、これくらい強く言わないと、会社来ちゃうと思って。みんなやその家族の健康が第一だから、ああいう風に言ったんだ。
【宮園】あ、そういうことですね。ということはずっと出社NGというわけではないです?
【所】もちろん。

そうか、そうなんだ。

・・・それを先に言ってくれーー!笑。

もうオフィスに集まることはないのだと思った。

僕のモヤモヤした休日を返してほしい。

その優しさ、あのメッセージからは微塵も感じられませんでしたよ・・・!笑

僕が言うのもどうかと思うが、所さんは自他ともに認めるシャイだ。

みんなが目にみえるメッセージは氷山の一角だ。いろいろな思考の上の結果にしか過ぎない。

そのため、メッセージの内容だけで行動すると、時々大変な目に合う。

【所】ただ、もうこれまでには戻れないし、戻さない。今後はリモートを中心とした働き方としたうえで、新オフィスの在り方は考え直さないとね。
【宮園】分かりました。考えてみます。

基本はリモートワークで出社が必要な場合や出社したい場合は出社する。

ん?考え方によっては、最高じゃないか?
急にやる気がわいてきた。

新しい働き方を考える

コロナの影響で一気に在宅体制への移行が進んだのは予想外だったが、実はもともと、2020年~2022年の中期事業計画で、多様な働き方の受け入れ・自由化については計画していた。

最終的にどこでも、いつでも仕事ができる環境を実現しようとしていたのである。

予期せず、いろいろな制約を一瞬で飛び越えたものの、近い将来やるべきものが早まっただけだと考えるようにした。

僕らは、新しいオフィスの在り方と平行して、新しい働き方についても、早急に検討をはじめた。

そして議論の末、新しい働き方に関する考えをメンバーに伝えるため、「Work Style」というドキュメントに落とし込んだ。


詳細が気になる方は上記を読んでいただければと思うが、要は「これまでの場所や時間の制約を頭からリセットし、パフォーマンスや成果を重視する働き方を個人やチームが自身で選択する」という内容だ。

※人によっては結構過激な内容かもしれない

プロジェクト再始動!

働き方も変われば、オフィスの在り方も変わってくる。

そうなるとオフィスのレイアウトも変わってくるだろう。

正直、コクヨさんやバッタネイションさんと進めていたレイアウトはほぼ完成していたし、今までのレイアウトをそのまま使うこともできた。

しかし、中途半端なものは誰にも利用されないし、誰も幸せにしない。

僕は、新しい働き方に合わせたオフィスにするため、思い切ってレイアウトを見直すことにした。

■スケジュールの見直し

ただ、在宅対応を急遽行っていたことで、新オフィス移転のスケジュールは1ヵ月遅延し、バッファもなくなっている。

そこで移転日を1ヵ月延期し、レイアウトを再考する案を、所さんに打診した。

【宮園】所さん、すみません。オフィスの在り方が変わったので、レイアウトを見直すため、移転日を1ヵ月後ろ倒しにしたいのですが、いいですよね?
【所】ん?移転日は変えないよ。もちろんレイアウトも見直してね!
【宮園】・・・ですよね!!!

そう言われると思ってましたー!

いや、そう言ってもらうのを期待していたのかもしれない。

こう書くと「ブラック企業だ!」と思われるかもしれないが、誤解のないように言うと、労務管理として36協定順守が義務付けられているため、"あくまで限られた時間内で"の条件付きだ。

つまり、「計画は見直し」×「スケジュールは変更なし」×「自分が動ける時間は増えない」という最高にアツい舞台が整った。

(あ、引かないで下さいね。宮園のMは、たぶん、そういう意味です)

―ピンチは、チャンスだ。

僕は、ゆっくりと、レットブルを流し込んだ。

■レイアウトの見直し

もう1つ大きな仕事がある。

ここまで新オフィス移転を親身になって進めてくれたコクヨさんとバッタネイションさんに、スケジュール変更なしで、レイアウトを変更したい、ということを伝えることだ。(鬼か!)

―ピンチは、チャンスだ。(大事なことなので2回言います)

きっと、もっと良いものができる。

僕は、ドキドキしながらも、コクヨの三平さんとバッタネイションの岩沢さんに、電話をかけた。

【宮園】もしもし、、、かくかくしかじかで、大変申し訳ないのですが、プランを見直していきたいと考えているのですが・・(思いっきり歯切れが悪かった)
【三平さん】宮園さんも大変ですね(笑)。うちは大丈夫ですよ。

あなたは神か・・・!

Web制作でいうと、コーディングが完了した後に、設計からやり直すようなものだ。

僕なら一言くらい小言でも言ってしまいそうだが、そんな素振りも一切なく、僕の心配をしてくれた。

【岩沢さん】そうですよね。そうすると、この前進めていたこのコンセプト部分はこのまま使えそうですね、あとこの部分も…

なんと頼りがいのある方だ・・・!
もうこの瞬間から、次を見て考え始めていただいている…。

プロジェクトは、海のように広く深い器を持った二人に支えられ、スムーズな再スタートを切った。

大変な時期だからこそ、全員で協力して最高のオフィスを作ろう。

誰も答えは分からないから、自分たちで答えを見つけよう。

このチームなら必ずやり遂げられる。そう確信した。

【次回予告】これが僕らの答えだ!新オフィス企画書、解禁。

「いや、こうじゃない」
「いや、これはこうだ!」

白熱する議論。
迫りくるタイムリミット。

そしてついに僕らはたどり着く。
―1つの答えに。

次回、第3話:これが僕らの答えだ!新オフィス企画書、解禁。

乞うご期待!


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