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NetDevOps座談会「進化するネットワーク運用の最前線」

こんにちは、エンジニアリングメンター室の海老澤です。
「エンジニアリングメンター室」はエンジニアがエンジニアを応援するオフィシャルな部署です。
過去の活動内容はこちらをご覧ください!
https://www.ap-com.co.jp/blog/archives/tag/eng-mentor

今回はエンジニアリングメンター室の目標の1つである「エンジニアの目線から新しい仲間を増やす」の一環として、座談会を開催しました。

エーピーコミュニケーションズでは、ネットワーク自動化分野に力を入れており、「NetDevOpsを推進するエンジニアやNW自動化エンジニア」を絶賛募集中です。
ただ「実際にNetDevOpsやNW自動化には興味があるけど、実際の業務はどんな感じなんだろう……」 そんな疑問があるかと思います。
今回この疑問を解消するために、NetDevOpsを推進しているエンジニア4名に、彼らが感じるNetDevOpsの面白さや技術、業務の実態などについてざっくばらんに話してもらいました。

エーピーコミュニケーションズでは、現在「NetDevOpsを推進するエンジニアやNW自動化エンジニア」を絶賛募集中です。

メンバー紹介


川名 賢(左上)
役割・担当:自動化開発、プロジェクト内の自動化推進活動を担当
過去の担当業務:ネットワークの検証・自動化
AnsibleやPythonによる自動化に興味を持っている。
リモートワーク歴が長くなってきたので、昇降デスクを買って健康に気を使い始めました。

小野 志峰(右上)
役割・担当: 2024年に新規で立ち上げたNetDevOps プロジェクトのマネージャー
エンジニア歴6年。現場で技術に触れながら、プロジェクトの管理(主に目標推進)も行っています。
自動化のモチベーションは怠惰な性格と凡ミスの多さです。

佐藤 丞(左下)
役割・担当:自動化開発、プロジェクト内の自動化推進活動を担当
自動化担当:歴2年目
エンジニア歴は浅いが、とりあえずなんでも手を上げてチャレンジする日々を送っている。
毎年1回はTシャツと海パンで海外をふらつく。

草野 真太郎(右下)
役割・担当:プライベートクラウドを使用するテナント向けプロダクトの開発・運用やテナントサポートの支援
数ヶ月前までネットワーク構築の現場で業務をしていましたが、今はサーバ・クラウドの海で必死にもがいています!
色んなことを経験させてもらって楽しい日々を送っております。

ネットワークの変革をリードするNetDevOps

海老澤:NetDevOps座談会ということで、エーピーコミュニケーションズの中でNetDevOpsを推進するエンジニアの皆さんに集まっていただきました。まず最初に、NetDevOpsについて簡単に説明をお願いできますか?

小野:NetDevOpsは、DevOpsをネットワークの世界に導入しようという取り組みです。従来、ネットワークは頻繁に変更が行われないものとされていましたが、現在は状況が大きく変わっています。頻繁に変更が求められる中で、ネットワークもIaC(Infrastructure as Code)的に管理していこうという流れだと思っています。

佐藤:クラウドがはやり始めて、ネットワーク自体も頻繁に設定や仕様を変更するようになりましたよね。

川名:そうですね。でも人は増えない(苦笑)。開発と運用の垣根をなくし、柔軟で迅速な対応をしていくというDevOpsの思想が、クラウドの普及とネットワークの急速な変化の中で必要になっているんでしょうね。

海老澤:実務者視点で、NetDevOpsの魅力とか面白さってどんなところですか?

川名:NetDevOpsの一番の魅力は、新しい技術に挑戦できることです。DevOpsを導入することで開発プロセスがスムーズに進み、順次機能を追加できるようになります。そうやってシステムがアップグレードしていく過程を見るのは、非常に楽しいです。

佐藤:今までは、運用チームと開発チームが分かれていて、それぞれの役割が決まっていて交わることはありませんでした。それが、DevOpsによって開発と運用を一気通貫して自分たちが担当するようになったので、それぞれのフェーズで視点が替わったり、運用と開発のコラボレーションが生まれたりすることに面白みを感じています。

川名:うちの案件でやっているのが、運用部隊の人たちを開発メンバーに受け入れて一緒に開発していくという取り組みです。教育が難しかったりもしますが、やはり実際に運用している人たちを開発チームに取り込むことによって、開発しやすくなっています。

小野:良い取り組みですね。運用チームの思い描くものを開発チームが作っていく、というのがあるべき姿だと思うので、運用の人がちゃんと開発チームに入っているというのは、本当に大事ですよね。DevOpsのおかげでそれを実現できるようになりました。

ツール導入と文化変革の難しさ

海老澤:NetDevOpsで実際に推進してみて、苦労するところやこれをするのが難しかったというエピソードや経験があればお聞かせください。

川名:DevOpsを始めるとなると、新しいツールを入れたりして文化を変えていかなきゃいけない。新しいツールのメリットを説明しつつ、みんなに広めていくっていうのは結構難しいですね。

小野:関係者全員が、最低限使えなきゃいけないツールってありますよね。例えば、Git。運用メンバーと一緒にコードのレビューをしたりフィードバックをし合うのに使っていますが、これがなかったらNetDevOpsは成り立たなかったかもしれません。

川名:運用チームにも開発に参加してもらうには、こういったツールや自動化、DevOpsの文化を一緒に学んで貰わなければなりません。でも、日々の運用業務と並行して取り組んでもらうには業務調整をしてもらう必要があり、それが難しかったです。

佐藤:今は、自動化や文化を組織全体に広めることの重要性を管理職層も理解し、インプットの時間を日々の業務の中に組み入れるようになりました。おかげで順調に広まっていっています。

ビジネススピードを支えるNetDevOpsの将来像

海老澤:NetDevOpsの将来性について、どのように見ていますか?

佐藤:いま、ビジネススピードを更に向上させるために、多くの企業がシステムの内製化を進めようとしていますよね。その目的を達するためには、いかにDevOpsを推進できるかがキモになってくる。そういった意味で、今後ホットなキーワードになるんじゃないでしょうか。

小野:もうすでに、当然のように素早いリリースを求められるようになってきています。それに応えるための迅速な環境構築は、従来のような構築方法では追いつかないので、CI/CD関連のツールを使うのが当たり前になっていくでしょう。今後は使うツールも増えていって、認知負荷が高まりそうですね。

川名:それに関しては、AIによるサポートをに期待しています。ツールが増えてもAIが保守してくれるから使いこなせるという感じで、クラウドネイティブに移行しつつAIも活用して、より効率的にCI/CDを回せるようになっていくのかなという感じがします。

NetDevOpsの現場での実践

海老澤:業務ではどんな技術を使っているんでしょうか?

川名:私たちの業務で主に使っているのは、AnsibleとPython、Ansible Automation Platform、それとGitLabですね。GitLab上でコード開発を行い、修正をすると、それをトリガーにCIが動いて自動的にコードの確認が行われるという感じです。まだCDまではやれていないんですけど、今はCIまではやれるようになっています。

佐藤:あと『セルフサービス化』という文脈でいうと、ServiceNowなども入ってきますよね。申請が通ったらそのまま構築されるような。

草野:私が入っている案件では、サービス利用者向けに提供している『サービスの構成管理』のために、AnsibleだったりOpenStackのHOT(Heat Orchestration Template)やTackerなどを使って、リソース提供のセルフサービス化を実現しています。

小野:AnsibleもHotもTrackerも、全部Yamlで書くじゃないですか。これがDevOpsが進んだ原因の一つではないかと思っています。比較的習得しやすいYamlは、運用メインで普段コードを書かない方にも馴染みやすいので、開発者との共通言語として最適なんだと思います。

佐藤:NetDevOpsでは、やはりAnsibleを主軸に置きつつ、ServiceNowを使ったりOpenStackを使ったりとユーザーの要望に合わせて最適なツールを選定していくという感じですね。

海老澤:開発で主流になっている『アジャイル』ですが、NetDevOpsの現場でも取り入れられているんでしょうか?

川名:我々のチームは、現場の運用業務を自動化するプロジェクトを担当しているんですが、アジャイル手法を採用し、ユーザーの要望を反映しながら、逐次機能を追加していく形でツールを進化させています。これには、ユーザーが早期にツールを利用できるようになり、随時その意見を反映しながらアップグレードし続けることができる、というメリットを感じています。

草野:私たちのチームでは、OpenStackで構築したプライベートクラウドを利用するユーザーに対するQA対応窓口や、利便性を向上するためのセルフサービス化を進めています。私たちもアジャイルを採用していて、2週間に1回のスプリントで振り返りとプランニングを行っています。

変化を楽しみ、コミュニケーションを大切にする

海老澤:最後の質問です。NetDevOpsにはどんなタイプの人が向いていると思いますか?

小野:まず、『変化を楽しめる人』。これまでのインフラエンジニアの仕事は『安定させる・変化させない』という志向だったと思うのですが、NetDevOpsではユーザーの要求や環境、求められる技術などで、次々と変化が起こります。なので、変化を楽しめる人は強いと思います。

佐藤:以前小野さんがおっしゃっていましたが、『楽するために頑張れる人』というのも向いていると思います。面倒なことを仕組み化して自分の手元から離す、というのが自動化の源泉なので、そういうことを日々考えてる人は特性に合うと思います。あと、同じチームのメンバーだけではなく運用チームの方との意思疎通がNetDevOpsではキモになるので、コミュニケーション力の高さも強みになると思います。

小野:コミュニケーション能力が高いと言うと会話を連想されるかもしれませんが、実際の仕事では非同期コミュニケーション、文字によるコミュニケーションが多くを占めています。いわゆるコミュニケーション強者じゃなくても、文字でちゃんと論理立ててやり取りできれば、それで十分です。むしろ、それこそが本当のコミュニケーションだと思います。

佐藤:技術力やコミュニケーション力は、これから磨いていきたいという強い思いがあれば、現状持っていなくてもいいと思うんです。私自身、技術も何もなかったところから始めました。それでも、こうして皆さんとお話しさせてもらえるまでになれました。『NetDevOpsって面白そうだな』と思った方には、ぜひチャレンジしてもらいたいですね。

海老澤:色々お話しいただいてありがとうございました!

座談会の所感(海老澤)

今回の座談会に参加し、多くの新しい知見を得ました。特に、NetDevOpsがネットワーク運用においてもDevOpsの概念を導入し、頻繁な変更に迅速に対応できるようになるという点が印象的でした。
そして、開発と運用の垣根を越えてチーム全体でシステムを改善・アップデートしていく具体的な事例が紹介され、そのスピードと効率に感銘を受けました。また、ツール導入や文化変革の難しさも共感できる部分が多く、チーム全体での連携とコミュニケーションが重要であることを再認識しました。
NetDevOpsは技術だけでなく、コミュニケーションや文化の変革を求める取り組みであり、今後ますます重要性が高まると感じています。

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