有限会社サンズ / 代表取締役
経営コンサル事業を手がけつつWEB通販事業も経験
いくつか持っていた顧客企業を対象に、経営コンサルタントとして独立。 一方、IT時代が到来し、巷ではWEB通販が流行り始めていました。 そこで自身でも名刺制作販売のWEB通販を開始。 これまでの投資の経験から「同じ品質で値段が半分だったら、マーケットで勝てる」という経験則を持っていたので、その仮説の検証を兼ねて、ネットで注文できるカラー名刺のビジネスモデルを一から構想し、立ち上げてみました。 コストを下げるために自身でillustratorを習得してデザインも行うなど苦労しつつ、それでも一応のビジネス立ち上げに成功していました。 1999年頃になると、東京でベンチャー企業界隈が非常に盛り上がるようになり、渋谷に「ビットバレー」と呼ばれるコミュニティも登場するほどに。 私自身も東京の企業の経営コンサルをするようになって、いよいよ東京に戻るタイミングかなと考えていました。 しかし、ソフトバンクの孫さんがプライベートジェットでイベントに駆けつけるのを見て、自分の価値提供ポイントになるはずの「資本政策のきめ細やかさ」があまり必要にならない近未来図に多少の躊躇も。 そんな時に、ジャフコ時代の知人から私のことを聞きつけたという野村総合研究所の人から「加登住さん、いまお時間ありますか?」と連絡が。話を聞けば「VCに戻るつもりはありますか?」と。バイオ分野でベンチャーキャピタルを立ち上げる話があり、参加してほしいとのことでした。 当時は日本でも少しずつバイオベンチャーやそれらに投資するVCが出始めた頃でしたが、テクノロジーやサイエンスはともかく、肝心の資金調達や資本政策にあまり意識が向いていない状況でした。 自分の資本政策や上場準備の知識や経験をここに持ち込むことが、自分の勝機であるとともに、草創期にある日本のバイオ業界にも良い影響を及ぼすことになりそうだ。 そう考えて、私はバイオ専業VC設立への参画を決意したのでした。 2000年2月、サンズを友人に売却し、ふたたび東京で働くことになりました。