「生きるに、遊びを。」をミッションとし、「遊び」が衣食住に並ぶ人生を彩る豊かなものとして、Well-Beingな社会の実現を目指すアソビュー株式会社。当社は、設立以来累計88億円の資金調達を行い、レジャー・観光・エンタメ業界に革新をもたらし続けています。会員数1,500万人の遊び予約サイト「アソビュー!」などを運営するマーケットプレイス事業と、日本全国の観光・レジャー・文化施設向けにDXSaaS「ウラカタシリーズ」を活用したDXソリューション事業を展開しています。ウラカタシリーズの観光レジャー施設の導入シェアは50%を超えており、業界に新たな価値を提供するリーディングカンパニーとしての地位を確立し、業界の専門家として豊富なビッグデータを活用したこれまでにない価値提供を行っています。
今回は、後者のレジャー施設向けDXソリューション事業を取り巻く環境の変化や新たな戦略、その中でアソビューが担っていく役割、どんな仲間と共にどんなことに挑戦していきたいのか、当社の代表執行役員COO米山に話を聞きました。
〈Profile〉
アソビュー株式会社 代表執行役員COO 取締役
米山 寛(よねやま ひろし)
大学卒業後エン・ジャパン株式会社に入社。関西支社長、新規事業責任者などに従事。2013年、Yahoo! JAPAN子会社(当時)株式会社インディバルに入社。事業責任者。2015年、アソビュー株式会社入社。SaaS事業と営業部門の管掌役員を経て、2022年10月に専務執行役員CRO、2024年7月に代表執行役員COOに就任。
ー アソビューが挑戦を続ける、”レジャー”の領域を取り巻く環境の変化について教えてください。
コロナ禍以降、余暇を取り巻く環境が変化し、二極化が進むレジャー領域
2010年以降、約50のレジャー施設が閉園しました。その背景には、コロナ禍での借入返済、施設や設備の老朽化、光熱費や人件費の高騰、そして人口減少に伴う採用難の深刻化など、厳しい経営環境があります。一方で、1998年から2022年の間に新たに25の施設が開園しており、レジャー産業全体としては成長産業であるものの、業界内で二極化が進んでいる現状が見受けられます。
コロナが第5類感染症に分類されて以降、消費者にとって「時間を有効活用して余暇を楽しむ」という選択肢が増加しました。映画鑑賞やスポーツ観戦、動画配信サービス、音楽ライブ、美容など、余暇時間を巡る競争がこれまで以上に激化しています。
このような状況下で、いかに生き残り、さらに勝ち残っていくか――各施設がその戦略を再構築する必要があると感じています。
ー 特にコロナ禍以降、余暇市場に大きな変化があった中で、レジャー領域で勝ち残っていくための新たな戦略、アソビューが行う『DXコンサルタント』の役割を教えてください。
システム導入やデータの蓄積・活用などのDXソリューションを提供し、
収益性向上、省人化、リピーター獲得など新たなビジネス戦略を実現する
これまでのレジャー産業では、「売上向上」「来場者数増加」「新規顧客獲得」「大量採用」といったことに注力されがちでしたが、コロナ禍を筆頭に様々な環境の変化を受け、目指すべき方向性も次第に変化してきています。具体的には、売上向上から収益性向上へ、来場者数増加から顧客あたり売上増加へ、大量採用から省人化/無人化へ、そして新規顧客獲得からリピーター獲得へとシフトしてきています。レジャー施設がこれらのような新しい戦略で勝ち残っていくためには、専門的なシステムやデータの蓄積などを活用したDXソリューションが欠かせません。
レジャー産業の方向性が変化する大きな要因となったのはコロナ禍ですが、私たちはそれよりも前からDXソリューションに取り組んできました。事前予約や電子チケットなどのサービスを展開し、レジャー業界に特化した集客力を持つマーケットプレイスとしての強みを築き、今この瞬間も蓄積され続けている膨大な販売データは、他社にはない大きな強みです。
上記の強みを活かし、経営課題の解決や事業再生の支援を行うことがDXコンサルタントの役割となります。レジャー施設の経営を持続可能なものにすることで、その結果として、私たちアソビューが掲げるミッション『生きるに、遊びを。』を実現できると考えています。
ー 新しい戦略で、アソビューが目指す「レジャー施設のサステナブルな経営」をご支援できた事例があれば教えてください。
赤字経営から黒字化に貢献!
仕事体験テーマパーク「カンドゥー」様のV字回復事例
仕事体験テーマパーク「カンドゥー」様のV字回復を後押しした当社の取り組みは、市場の変化に合わせた「収益性向上」「顧客あたり売上増加」「省人化・無人化・DX化」を推進し、経営の黒字化を支援した事例です。当社と一緒に価格変動制やコスト削減に取り組んだ結果、コロナ禍での営業停止やスポンサー離れによる赤字経営から、2024年1月以降には黒字化を達成しました。
(参考記事:電子チケット導入をきっかけに、事業回復を併走!アソビューとの業務提携により、わずか5か月で黒字化に成功した仕事体験テーマパーク「カンドゥー」様の取り組みとは?)
最初のきっかけは、展示会で担当者様とお会いした際にいただいた「入場時の行列緩和を図りたい」「オペレーションを改善して顧客満足度を向上させたい」とのご相談でした。これに対し、当社が提供する「ウラカタチケット」を活用した入場オペレーション改善に取り組み、入場効率と顧客満足度の向上を実現しました。
一定の成果が出たタイミングで、収益性向上を目的とした価格改定を行う際にも、当社をパートナーとして選んでいただき、共に黒字化を目指して取り組みました。その結果、課題解決を実現するとともに、システム導入や個別課題の解決を通じて信頼関係を築くことができました。
こうした取り組みを通じて、「レジャー施設のサステナブルな経営」を共に実現し、経営課題の解決や継続的なマーケティング支援に取り組むパートナーとして、伴走する形が確立できたと考えています。
▲黒字化に成功したカンドゥー様の体験風景
ー 中期的にみて、アソビューが今後目指していきたいことを教えてください。
プロダクトの導入推進だけでなくサステナブルな経営の実現を目指していく。
レジャー施設に足りないピースをアソビューが埋める役割を担いたい。
週末の便利でお得な遊び予約サービス『アソビュー!』や、レジャー業界向けのDXを推進するSaaS『ウラカタシリーズ』は、レジャー業界で約50%のシェアを獲得しています。今後もこれらのプロダクトのアップデートや導入推進を継続しつつ、厳しい経営環境に直面するレジャー施設が持続可能な経営を実現できるよう、経営支援にも一層注力していきたいと考えています。
新アトラクションの導入や人員の増加といったハード面や人材への投資は、十分な体力のある施設でなければ実現が難しくなっています。そこで、「人手不足」に対抗するための「省人化・無人化・DX化」の推進や、競争が激化する中でハード面への投資に依存しない「データを活用した新しいマーケティング」の展開が重要となります。これらの代替手段を通じて、レジャー施設の経営を支え、業界全体を盛り上げていく取り組みをさらに加速させていきます。
実際に、多くのレジャー施設様からは、過去のデータや口コミ分析、価格改定の妥当性の検証、年間プロモーション計画の提案に関するご相談をいただいています。当社は、こうしたニーズに応えることで、レジャー施設に不足しているピースを埋める役割を果たし、施設経営を包括的にサポートしていきたいと考えています。
▲ 当社が支援するパートナー施設:札幌都心の都市型水族館「AOAO SAPPORO」
ー 最後に、レジャー領域で『DXコンサル』として活躍する魅力や、どんな人と働きたいかを教えてください。
「現場で一緒に課題を見つけるハンズオン型のコンサルティング」
アソビューのミッションの共感し、事業再生に熱量高く向き合い続ける人。
机上の空論を語るのではなく、実際に現場で課題を一緒に見つけ解決していく「ハンズオン型」のコンサルティングスタイル。それが、アソビューがレジャー業界で取り組むDXコンサルティングの特徴です。唯一無二のパートナーとして提供価値を高め、レジャー施設の再生を共に進めていく熱意を持つ人にぜひ来てほしいと思っています。
『DXコンサルタント』の仕事は、自分の取り組みが目に見える形でレジャー施設やそのゲストの反応として返ってくる、とてもやりがいのある仕事です。プロフェッショナルとして、自分のスキルや価値を最大限に発揮しながら、その成果を実感できる。それこそがこの仕事の魅力です。また、レジャー施設の存在意義を手触り感を持って感じられる点も、大きなモチベーションとなります。
実際に、大手コンサルティングファームでビジネスパーソンとしてのスキルや経験値を高めた自信のある人たちが、それらをピポットさせて伸びしろのあるこの業界で顧客のために最大限発揮している活躍事例も多くあります。
(参考:単なる導入推進ではなく、挑戦するのは “業界を変えること”。レジャー施設の課題解決に向き合う 『DXコンサルタント』とは)
彼らが挑戦しているのは単なる導入支援ではなく、「業界そのものを変えること」。DXコンサルタントとして、これまでの学びや経験を活かし、「One of them」ではなく主体的に経営改革を支援する醍醐味を味わうことができるのです。
さらに、この仕事は「日本の将来にあり続けてほしいレガシー産業にイノベーションを起こす」という重要な使命も担っています。誰しも、心に残る遊び場の思い出があるのではないでしょうか。そんな、人々が大切にしたい思い出を作り上げてきた場所を守り、成長産業として未来に繋げるために、自分のスキルを活用して貢献することは、非常に意義深く、ロマンを感じる仕事です。
デジタルやデータを活用し、「ハンズオン型」でレジャー施設と伴走しながら唯一無二のパートナーとして経営課題を解決していく。このビジョンに共感し、挑戦したいと考える方を心からお待ちしています!