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チームのゴキゲンを継続させる10%ルール、CTOとVPoEに聞いた取り組みの背景

突然ですが、スタディスト開発本部では、「ゴキゲンに働くこと」を大切にしています。
(ゴキゲンとは読んで字の如くご機嫌、機嫌が良いということなのですが、開発チームではこだわりを持ってこの言葉を使っているので、少し説明させてください)

CTO佐橘の言葉をかりると、ゴキゲンとは以下の状態のことを指しています。

“この仕事は誰かの生活や働き方を良い方向に大きく変えられるものだ、この仕事は未来の自分にとって良い経験/キャリアパスになるはずだ、そんなふうに心の底から思いながら働けている状態のことを私は「ゴキゲン」と表現しています”

▼引用元:スタディスト開発部はこの3年間何を目指し、どこに至ったのか(CTO佐橘)

スタディスト開発部はこの3年間何を目指し、どこに至ったのか
そんなわけで総括すると、 この仕事は誰かの生活や働き方を良い方向に大きく変えられるものだ この仕事は未来の自分にとって良い経験/キャリアパスになるはずだ そんなふうに心の底から思いながら働けている状態のことを私は「ゴキゲン」と表現しており、このゴキゲン状態を自分自身および組織全体に適用できればチームのパフォーマンスは5倍に出来ると本気で思っているよという話です。 ...
https://studist.tech/happy-go-lucky-c8ed5efdeef6

目の前のやるべき仕事ももちろん大事ですが、個人のキャリアパスや仕事を通じた貢献実感がないとゴキゲンは薄れてパフォーマンスも下がってしまうはず。そこで、よりゴキゲンに働く組織になるため、業務時間の10%を通常業務以外の取り組みにもつかえる「ゴキゲンチャレンジ」という取り組みのトライアルを開始しました!

スタディストが本取り組みをはじめた理由や取り組みの詳細、はじめてからの感想など気になる点はたくさん。そこで、CTO・VPoEに聞いてみました。

本記事で話してくれるひと


業務時間の10%をロック、ゴキゲンチャレンジってなに?

ーーまず、ゴキゲンチャレンジの詳細について教えてください!

北野:すごくざっくり説明すると、業務時間の10%を通常業務以外の取り組みにもつかえる権利です。あくまでも権利なので、義務ではありません。新しいことをやりたいが、普段の業務との兼ね合いが難しい時とかあるじゃないですか、そういうときに使ってもらえる権利になっています。

ーーなるほど、義務ではなく権利なのですね。参加資格などはないのでしょうか。

北野:開発本部に所属している全従業員が対象で、参加資格は特にありません。強いて言えば「何かやりたい」という気持ちくらいですかね(笑)開発本部全体が対象になるので、エンジニアだけでなくデザイナーやカスタマーサポートも参加しています。

ーー取り組む時間や方法はどのようなものですか?

北野:開発本部全体で時間帯をおさえています。毎週金曜日の午後4時間をロックしており、なにかやりたいことがある人はその時間でトライするような仕組みです。全員同じ時間を抑えているというのも特徴でして…同じ時間にやるので各自の取り組みに他のメンバーを巻き込みやすいんです。普段の業務ではAチームとの接点が多いけど、ゴキゲンチャレンジではBチーム/Cチームともコラボレーションが生まれたらいいなという点も期待しています。

とある週のスケジュール。毎週金曜15時から4時間ゴキゲンチャレンジタイムになっています

目指すは課題発見から解決まで担える人材。組織としてあるべき姿に

ーー2023年3月から本取り組みを開始されたとのことですが、なぜこのタイミングで開始したのでしょうか。

佐橘:2022年に「開発本部としてどういう組織を目指すのか?」という議論をしたことがきっかけです。組織も約50名と大きくなり、改めて目指す世界観を言語化しようと北野さんと会話していました。

北野:そうですね。そのときに目指す世界観をいくつか話しました。やりたい世界観ができたからには後押しする取り組みを開始したい、特に「組織・個人としてチャレンジがし続けられる」「能力の高いメンバーがいる」といった部分に効果を発揮できればと思い、ゴキゲンチャレンジを企画しました。

佐橘:個人的な想いとしては、組織で働く一人ひとりがキャリアを積み上げるにあたっても課題発見から解決まで担う経験って重要だと思うんです。仕事ってトップダウンでおりてきた決まったことをやるので忙しくなっちゃうことも多いですよね。でも、成長できているひとをみていると、自分で課題定義をしてうまくいく/失敗するという過程の経験がつめている人ほど成長できているし、キャリアにつながっていると感じます。

ーー決まったやるべきことに追われてしまう、すごく身に覚えがあります…。

佐橘:そうですよね、職種問わずあるあるな問題だと思います。なので、このゴキゲンチャレンジが課題発見をする機会になれば良いなと。テーマがなければ課題解決には取り組めないと思いますが、”まずは場を用意した”という状況です。

ーー個人のキャリアについて考えてもらえるのは1メンバーとしてはとてもありがたいですが、それは組織にとってどういう意味があるのでしょうか。

佐橘:会社として強くなっていくと思いますし、一緒に働く以上は組織にとってだけでなく、個人のキャリアや働きがいも大切にしていきたいんです。組織は個人でできていると思うので。とはいえ、本取り組みを通じてリーダー候補が育ったり、実際の業務においても課題発見能力が生かされてほしいなあとは思っています。

ーー佐橘さんは以前から「ゴキゲンに働く」ことを一緒にはたらくメンバーに大切にしてほしいと話されてましたよね。

佐橘:僕自身、前職でゴキゲンに働けていなかった時期があって。それって個人にとっても組織にとってもよくない状態だなと思ったんですよね。詳細は話すと長くなるので、またどこかで(笑)

新機能に社内ラジオ、新しい要件へのチャレンジも

ーー取り組み開始から2ヶ月が経過しましたが、やってみてどうですか?

北野:良い意味で、予想を裏切るカオスな感じになってきていますね。まず第一回目のゴキゲンチャレンジでは、開始30分で実際にリリースできる機能が誕生しました。

ーー30分?!しかもリリースできる機能ですか?!

北野:はい(笑)実業務から離れて、組織やプロダクトについて考えられる機会にもなるので、普段気づかなかった改善点を見つけることが出来るのかなとも思っていて。でもまさかそんなスピード感になるとは予想していませんでした。

佐橘:リアルタイムではゴキゲンチャレンジに参加できていないのですが、気づけば新機能のプロトタイプができていたりするので、驚かされますね。

北野:機能だけでなく、社内ラジオが誕生したのも面白かったです。ゴキゲンチャレンジでやっていることを誰かが配信して、それを参加者が自由に視聴したり、一緒にやってみたり…組織の垣根をこえていていいなあと感じます。

また、iOSエンジニアがWeb開発環境構築にチャレンジするなどモノをつくるだけでなく新しい要件にチャレンジする機会にもなっていますね。


▼最近は「ゴキゲン超特急」という取り組みも。こちらの記事では、4時間のゴキゲンチャレンジでどう顧客に価値提供するのか?の具体的な進め方を紹介しています!

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ROIは定量だけじゃない、まずはトライを重ねていく

ーーちなみにゴキゲンチャレンジの成果はどうやって図るのでしょうか?

佐橘:業務の10%って安くはないんですよね。なのでROIは見ていくべきだとは思っていますが、定量だけで測れるものでもないよなと思っていて。費用対効果やお金で換算するのではなく、会社レベルでやって意味があると思えたらよいかなと思っています。例えば、良い施策やプロダクトが誕生したなどかなと。まずは半年間チャレンジしてからですね。

ーー北野さんは成果や今後の進め方についてどのように考えられていますか?

北野:現時点でも当初に期待していた「普段の所属をまたいだチームを組成しての取り組み」はいくつかスタートしており、変化は起こり始めています。今後はもっとおもしろい取り組みが生まれることを期待して、任意出社日(編集注: スタディスト開発組織は普段はフルリモートワーク)を設けようかと画策中です。せっかく部門全体が同じ時間を共有しているので、偶発的な取り組みが起こるような仕掛けとなることを期待しています。引き続き試行錯誤しながら私自身も楽しんでいきたいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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