大企業 vs. スタートアップ・ベンチャー
最近、インターンや、イベントやYentaで会う若い社会人から質問をうけるため、少し長くなるが、自分の経験をまとめてみました。
最終的には人それぞれだと思うが、何でもかんでもスタートアップが良いという訳ではないと考えています。大企業の素晴らしさもしっかりあるので考えて頂く材料になれば幸いです。
大企業のメリット
当時つとめていたビル
自分のIBMや、IBMで常駐していた銀行やクレジットカード会社での経験から書きます。「うちの会社では違うよ!」という例外もあるかと思いますが、ご容赦ください。
大企業は、多くの経営資源があります。ひと、資金、資産があります。また会社制度もしっかりしており、福利厚生も充実しています。
IBMでは、システムでの不具合では世界中のトップエンジニアと一緒に解決にあたりました。銀行のテストシステムでの問題に対して、米国のソフトウェアチームとシステムログのやり取りをしたり、原因の仮設に基づいた追加のテストを実施し、一緒に仕事をしたことはとても良い思い出です。自分はいく機会がありませんでしたが、営業の方には世界のセールスと一緒のフォーラムが用意されたりと、能力開発やモチベーションをあげるために多くの施策がありました。
社員も多いため、やむえず休職する方や辞めてしまう方がでても、調整がまだききました。(それでも大変ですが)育休・産休をとっている社員もいましたし、出産後戻ってくる社員もいました。
豊富な研修プログラムから必要な研修を受けさせてもらえていたことも大企業ならではの利点でした。外部であれば1研修10万円程度するものを新人のころから受けさせてもらえていました。
また有楽町の国際フォーラムで年初の全社Kick offミーティングを開催したり、忘年会を椿山荘でおこなったりしていました。保養所が熱海をはじめて日本に数箇所あり、家族で利用することもできました。
外資系と比較して、日本の大企業はグローバルなリソースはありませんが、トレーニングや、メンタリング・社員教育に力をいれているところが多いように思えます。
大企業のデメリットと自分がやめた理由
意思決定がなかなか平社員だと見えないことが多いです。もちろん、役職にもついていないので、全部細かいところも含めて教えるのは難しいでしょう。
具体的な事例としては、ある海外のシステム会社と交渉する機会がありました。その会社はシステムをホスティングしていたのですが、頻繁にシステムが止まっていました。いろいろ調べると元々の契約があまりしっかりしていないため、SLA(Service Level Agreement)の定義が曖昧でそれをいいことに気が向いた時にシステムを止められていました。
ことは緊急を要するため、なぜこちらは困っているのか、暫定的にどのような改善して欲しいか、恒久的にはどういう合意を進める予定か、を整理し交渉にいきました。事前に内容も上層と話、合意を得て、現地に飛び、うまく合意が得られました。しかし、そこからがなかなか進まなかったのです。事前に合意したのに関わらず、「この際だからこういう条件をのんでもらえないのか?」「もっとサービス料自体安くできないのか?」等の話がでてきました。こちらも担当者として相手に信頼を得て交渉をまとめてきているのでこういう話があると困ります。
笑い話として、こんな話もありました。銀行が、あるシステム開発をどのベンダーに依頼するかをコンペで決めるということでRFPが出され、IBM含めて複数社が提案をしました。会議の際に、追加の注文がでて、再度提案をするというのが繰り返され、1年経ちました。あるミーティングでこのシステムをどうするかをいよいよ決定するというので営業が呼ばれました。
1年間ずっと提案活動を続けてきた結論として、銀行は「システムを開発しない」ということを言ったそうです。
スタートアップ・ベンチャーのメリット
2017年はじめのメリービズメンバー
ロコンド、MILLEPORTE(株式会社B4F)での経験から書きます。「うちの会社では違うよ!」という例外もあるかと思いますが、ご容赦ください。
スタートアップのメリットは、経営陣と非常に距離がちかく、同時に意思決定と実行が非常にはやいです。経営陣と距離が近いだけであれば規模が小さい会社に入れば良いでしょう。スタートアップはスピードが求められます。スピードが無いと、永遠に実現したいことができないか、その前に資金が尽きてしまいます。必要に迫られ、意思決定をはやくする部分もあるでしょうが、組織もまだ小さく、大企業ほどコンプライアンスを気にしないで良い、予定と少々異なることも(株主次第ではありますが)許容されるところも理由でしょう。
ロコンドでは、会社登記してから約1ヶ月後にはECサービスを開始していました。自分が担当していたフルフィルメントもそれまでに急いで準備しました。3PLの決定、ECシステムと物流システムの繋ぎ込み、スタジオのセットアップ、フォトグラファーの調達、デジタルエディティングの機材と人員確保、等をその1ヶ月で準備しました。あ、最初の梱包用の箱のデザインもしました。
また経営陣もフロアで机を並べて仕事をしており、全社ミーティングでみんなが発言できる場がありました。
スタートアップ・ベンチャーのデメリット
人も増えていき、昨日まで自分の仕事が他の人の仕事になったり、やり方がある日突然変わったりします。このあたりが楽しめると、きっとイキイキと働けるでしょう。
一方、スタートアップもどんどん人数が増えてきていくとだんだんと大企業に近づいていきます。逆に制度等がまだ整備されていない分 混乱したり、スピードが極端に落ちる場合があります。
ロコンドの場合、3ヶ月で100名以上採用したため、マネージメントのどのひとが最終決定をおこなうのかがわからなくなり、一部の意思決定が全然進まない時期もありました。
つまり、「スタートアップ」と呼ばれている企業もそのフェーズによっては全く様子が異なります。
GREEに2011年に入社したときはGREEはすでに大企業になっており、経営陣と一緒に仕事をする機会はかなり限られていました。
もしかしてそれ以上に大事なこと
学生またはまだ社会人3年以内の方で転職を考えられている方は、企業の文化が自分と合うかどうかと共に大事にしてほしいことがあります。
どの方が上司になるか?
「環境が人をつくる」という言葉もありますが、上司がどのような方か、その方があなたのことをよく理解してくれるのか?相性が良いかはとても大事です。
自分のまわりでもとても優秀だが、上司との相性で悩まれている方は多いです。
上司を選べるチャンスがあるのであれば是非選ぼう!
メリービズではそのため、出来るだけオープンな選考をしています
誰が自分の上司になるのか?どんな人なのか?
どんな文化の会社なのか?
メリービズはできるだけオープンに良いところも、悪いところもお見せしようとします。
「これ聞いていいのかな。。。?」と思うような質問も大丈夫です。