「人の役に立つ仕事がしたい」——そう語るのは、入社2年目で生活支援員リーダーとして活躍する甲谷さん。大学時代に生活困窮世帯の中高生と関わるボランティア活動の経験から福祉業界を目指し、manabyへ。今ではクルー(利用者)と涙を流しながら日々を共にし、支援の現場で感情を分かち合う時間を大切にしています。
【プロフィール】
甲谷 直子
2024年4月入社
manaby 古川事業所 支援員 兼 生活支援員リーダー
※2025年8月現在
「誰かの役に立ちたい」——福祉への関心からmanabyへ
—まず、manabyに入社するまでの経緯を教えてください。
大学時代、生活困窮世帯の中高生と話すボランティア活動に参加していました。その経験がきっかけで、「誰かの役に立つ仕事がしたい」と思うようになったんです。福祉分野に興味を持ち始めた頃、manabyの存在を知り、見学に行きました。
—見学の印象はいかがでしたか?
いくつかの就労支援事業所や介護事業所を見学しましたが、manabyが一番わくわくしましたね。manabyは、いろいろなことに挑戦してみる雰囲気、背中を押してくれる雰囲気がありました。
福祉というと柔らかいパステル系をイメージしますが、manabyは赤に近いオレンジで、太陽のような活気を感じました。「挑戦を応援する」「話すことを大切にする」文化が、他にはない魅力だと思います。
就労移行支援は答えのないことに向き合う仕事。壁が高い仕事に向き合うことで、自分がどう変化するかにも興味がありました。
—「ダイアローグ」にも惹かれたそうですね。
はい。manabyで「ダイアローグ」という言葉に出会ったとき、大学でのボランティア経験と通じるものを感じました。もともと学生時代から聞いたことはありましたが、入社して学んでみて、深くしっくりきました。
事業所で話すときも、ダイアローグの姿勢が根底にあって否定されることがないので、安心して発言することができます。いまは社内のダイアローグ研究ゼミにも参加して学んでいるところで、「これってダイアローグ?」と考えることが増えました。
—学生時代はどんなことに取り組んでいましたか?
高校時代は部活に集中していました。吹奏楽です。それから音楽認知心理学を学べる大学を知り、進学しました。音の作用、感じ方の違いを勉強するもので、とても面白かったですね。
もともと音楽の道に憧れていましたが、狭き門であり経済的にも将来的にも厳しい世界であることに直面します。同時に、心理学を学ぶにつれて人の内面に興味を持つようになって、それからボランティア活動に参加し、公認心理師コースに進みました。障害者施設や療育手帳交付の現場を見学する中で、福祉分野への関心がさらに深まりました。
感情を分かち合う日々
—実際に働いてみて、やりがいを感じる瞬間は?
クルーと涙を流したり悩んだり、感情を共有できる瞬間があることですね。クルーの笑顔や就活への真剣な姿勢に触れると、「人生の大事な時間を共にしている」と実感します。「一緒に頑張ろう」と思える瞬間が多くて、日々の支援に力が入ります。
—難しさを感じることもありますか?
関係性づくりはやはり難しいですね。事業所に慣れるスピードは人それぞれなので、声かけや興味のある話題で距離を縮めようと工夫しています。「この人なら話してもいい」と思ってもらうにはどうしたらいいか、できるだけまずは自分で考えてやってみようと思っていますが、どうにもならないときは、支援員の先輩に相談することもあります。
支援を通じて見つけた自分の輪郭
—甲谷さんの“自分らしさ”とは?
もともと涙もろい性格で、悔しさ・嬉しさ・つらさを感じると自然と涙が出てしまうんです。クルーが驚かないように事前に伝えるようにしています。また、manabyノートという、クルーの自己理解をサポートするツールを通じて、私自身も自己理解が進みました。意外とさっぱりしていて、切り替えが早い一面もあるんだな、というのが新しい発見でしたね。仕事をするうえで自分の弱さとぶつかる機会ができて、自分について気付くことが増えたように思います。
—「働く」とは、あなたにとってどんな意味ですか?
「人の役に立つこと、そのために精進すること」だと思っています。私が働くことでクルーの不安が解消されたり、生きやすくなると、自分自身のやりがいや自信につながります。思いやりと謙虚さを大切にしながら、日々の支援に向き合っています。
—今後の目標や、ありたい姿は?
生活支援員リーダーとして、支援員が“らしく”働けるようサポートしたいです。事業所訪問や勉強会の開催、悩みの共有・解決を行いながら、他事業所のやり方を知る楽しさも感じています。実は怖さもあり、毎回緊張するのですが、なんとかやり過ごそうと奮闘しています。
子供時代は内気で挑戦しないタイプだったんですけどね(笑)。大学生時代のボランティア経験で行動力が養われたように思います。
—どんな仲間と一緒に働きたいですか?
「いろいろやってみよう!」と挑戦できる人。不安があっても勇気を出して飛び込める人が活躍できる環境です。私もたくさん背中を押してもらいました。お互いに背中を押しあえる、そんな仲間と一緒に働けたらと思っています。