こんにちは。LegalOn Technologies採用担当です。
LegalOn Technologiesは2017年の創業以来、急成長を続けてきました。 2025年現在、開発組織は250名近くに拡大し、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。かつては言葉にしなくても共有できていた価値観や行動指針も、いまや明文化が欠かせないフェーズになりました。
そんな中で生まれたのが、「LegalOn Technologies Developers Compass」です。
このCompassに込めた想いや、その背景にあった課題とは。
プロジェクトメンバーであるCTOの深川、Engineering Managerの吉岡・時武、フロントエンドエンジニアの川島、プロダクトデザイン マネージャーの駒ヶ嶺に詳しく話を聞きました!
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(左から、駒ヶ嶺、時武、深川、吉岡)
なぜCompassは生まれたのか?プロジェクト始動の背景
― はじめに、このプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。
深川 組織が拡大する中で、以前は言葉にしなくても共有できていた前提が、共有しきれていないと感じる場面が増えてきました。たとえばメンバーから「どうしたらいいですか?」と判断を委ねられることがありますが、僕としては「自分はこうしたい」「こうしましょう!」という主体的な提案が欲しいなと思っていて。
共通の価値観があれば、「開発組織では、こういう動き方が正解なんだ」と自信を持って行動できる。そのための共通言語が必要だと考えたのが、最初のきっかけです。
― その課題意識は、他の皆さんにも共通していたのですか?
川島 人が増えるにつれて「知見や情報が回っていないな」と感じる場面が増えていました。把握しきれなくなるくらい新しいメンバーもどんどん入ってくる中で、共通の考え方があったらいいなと思い始めていました。
吉岡 様々なチームと仕事をする中で、不要な配慮をなくせばもっとスピード感を持った意思決定ができるのにと思っていました。組織の進むべき方向性が明文化されることで、メンバー一人ひとりが共通の指針を判断基準として活用でき、より迷いなく行動できるようになるのではないかと期待していました。
時武 実は4年ほど前にも同じような指針を作ったことがあるんです。組織も拡大し、当時のことを知る人も少なくなって、その指針が薄まってしまっているなという課題感がありました。自律的に動ける組織をつくるためには一定の規律や指針が不可欠だと思っています。ある程度の正解を示すことで、自律性をより発揮してもらえるのではないかと思っていました。
駒ヶ嶺 私も深川さんと同じ課題を感じていました。エンジニアの方とコミュニケーションを取って仕事を進める中で、考慮漏れだった仕様に対して判断を委ねられる場面が多くありました。その時のチームの状況からすると仕方がない部分もありましたが、その関係性が変わらないと近い将来限界が来るなと。それぞれが「こう進めます!」と動くことで、よりスムーズに仕事が進み、組織としても成長できると感じていました。
― プロジェクトはどのように進めましたか?
深川 まず開発組織の全員にアンケートを取り、「今あるカルチャーで大事にしたいもの」と「これから作っていきたいもの」という2つの軸で意見を募りました。そしてアンケートと同時に、このプロジェクトを一緒にやりたい人を募集したんです。
川島 深川さんの発信を見て、ちょうど組織に対して課題を感じていたというのもあり、すぐに立候補しました。
時武 組織が拡大した今こそ、再定義する良いタイミングだと感じて参加を決めました。
深川 僕たちのスタンスは、あくまでも事務局。文化をトップダウンで決めるのではなく、現場の声を吸い上げて形にするボトムアップのアプローチを徹底しました。
駒ヶ嶺 アンケートで集まった現場の声をクラスタリングし、その背景にある「本当に求めている課題は何か」を徹底的に突き詰めて言語化していくプロセスが、最も時間を使いましたし、大変な作業でしたね。
吉岡 どうキャッチーに伝えるかを考えるのも苦労しましたよね。
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組織の声を形に。18個のOur Valuable Behaviors
― 具体的な言葉に落とし込む上で、特に印象的だった議論はありますか?
深川 一番議論が白熱したのは『I Act, We Achieve!!』ですね。もともとは「落ちているボールを拾う」みたいな、よく使われる表現だったんです。
川島 「ボールを拾う」という表現に潜むニュアンスの違いをみんなで突き詰めていきましたね。「そもそもボール落とさないじゃん」とか、「落ちてきたボールをレシーブするのか?」とか、様々な角度から議論が盛り上がりました。
時武 あの議論、何回もしましたよね。
深川 キャッチーな言葉って急に降りてくるんですよね。だから僕ら、あれを「降臨待ち」って呼んでたんです(笑)。
― 「LegalOn Technologies Developers Compass」という名前はどのように決まったんですか?
深川 これも面白い経緯があって。当初は「道しるべ」や、行動規範という意味の「コード」といった案も出ていました。(ドレスコードにおける「コード」と同じイメージです。)色々と議論していたのですが、とりあえず「LegalOn Technologies Developers Compass(仮)」にして次のステップにいこうか、となりまして。で、ロゴとかあるとテンション上がるよね、ロゴ欲しいね、って話が出てきたので冗談半分で、ある時クリエイティブデザイナーに相談をしにいったら、相談のミーティングの時点でもうロゴが出来上がっていたんですよ(笑)。
駒ヶ嶺 タイトルが正式決定する前に、ロゴの制作が先行していましたね。
深川 そうなんです。ロゴが僕たちのイメージにピッタリだったので、ロゴに合わせてタイトルが正式に決まりました。
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― 18個のOur Valuable Behaviorsの中で一番のお気に入りはどれですか?
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深川 僕は 『「どうしましょう?」より「こうしましょう!」』ですね。まさにこのプロジェクトを始めようと思った課題感を、一番シンプルに、そしてキャッチーに表現できた言葉だと思っています。メンバーに主体的に動いてほしいという想いが、この一言に詰まっています。
吉岡 『迷わずやれよ。やれば分かるさ。』が一番好きです。私自身のマインドともあっていて、こういう言葉が指針として入ってきたのが嬉しいなと。議論の過程で「猪木が降臨した」なんて話も出ましたが(笑)、考え込んで立ち止まるより、まず一歩踏み出すことの重要性を後押ししてくれる、今の開発組織に必要な言葉だと思います。
川島 私は『Leverage our knowledge』です。私が事務局に参加した動機が、エンジニアが増えて、知見や情報が共有されていないという課題感でした。この指針は、その課題を解決するためのアクションに直接紐づいているので、特に思い入れがありますね。
駒ヶ嶺 私は『違和感を放置しない』が気に入っています。自分自身、違和感を覚えてもなかなか口に出せない癖があるので、心がけていきたいと思っている指針です。チームのメンバーにも、この指針を意識して違和感を声に出して欲しいですし、自分自身の行動を変えていくための戒めにもなっています。
時武 僕は『1つ1つの積み重ねが最高をつくる』ですね。実は同じ言葉が、昔作った行動指針にも入っていたんです。昔から大切にしてきたことが希薄化せずに受け継がれていて感慨深いです。
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LegalOn Technologies Developers Compassが描く未来
― このCompassはどんな時に活用してほしいですか?
深川 まずはチーム内で意見が対立した時ですね。みんなが立ち返る共通の基準があることで、議論が建設的になるはずです。
時武 あとは、プロジェクトのキックオフとか、何かを始めるタイミングで使ってほしいですね。最初にみんなで目線合わせをすることで、チームのモメンタムを作っていけるはずです。
川島 LLMが爆発的に伸びてきて何をしたらいいか分からないという時に、まさに『迷わずやれよ。やればわかるさ』の精神が活きると思います。どうすればいいか分からない時こそ、このCompassが背中を押してくれる存在になれば嬉しいです。
駒ヶ嶺 日常のコミュニケーションでも活用してほしいです。当社には様々なバックグラウンドのメンバーが在籍しているので、文化の違いによるコンフリクトを減らすための共通言語としても機能することを期待しています。
吉岡 日々の業務で迷ったとき、判断に困ったときにはこのCompassに立ち戻ってほしいですよね。
深川 本当にそう思います。日々の判断や行動の拠り所にしてほしいです。18個すべてのBehaviorをすぐに完璧に体現する必要はないですが、少しずつ実践し続けていけたらと考えています。特にこれからのAI時代は、『学んで、捨てて、また学ぶ』という姿勢や、『迷わずやれよ。やれば分かるさ』という行動力が、今まで以上に重要になってくる。この2つは、今まさに開発組織の全員に意識してほしいと思っています!
― 最後に、プロジェクトが終わって率直な感想を教えてください!
時武 4年前に作った時よりも組織が大きくなった分、多種多様な意見を一つにまとめていくのが大変でしたね。でもその分いいものができたと実感しています。
川島 正直めちゃくちゃ苦しかったですね。普段はスライドを作る機会もなく、キャッチーな言葉を考える機会もないので、慣れない作業に苦労しました。でもなんとか形にできて本当にうれしいです。大変だった分、達成感も大きいですね。
吉岡 みんなで一つの言葉を定義していく難しさと、言葉にすることの責任を実感しました。このCompassが現場に浸透していくのが今から楽しみです。ただ、浸透させる過程は作成と同じくらい大変だろうと思い、身が引き締まる思いです。
駒ヶ嶺 まずは完成してほっとしています。デザインマネージャーとして参加し、エンジニアの考え方や会社の文化の歴史も深く知ることができたのも大きな収穫でした。後日、CTOが美味しいご飯を奢ってくれるとのことだったので楽しみにしています(笑)。
深川 皆さん、本当にお疲れ様でした!価値あるものを生み出すことは、いつだって苦しいものです。でも、この苦しみをみんなで乗り越えたからこそ、本当に価値のあるものが生まれたと感じています。このCompassも、これで完成ではありません。組織や社会の変化に合わせて、これからもアップデートし続けていく予定です。無事にリリースできたので、みんなで美味しいものを食べに行きましょう!(笑)
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