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Contents
- 「いつかカオナビに戻るだろう」と思いながらの転職
- 一度外に出たからこそ得られた、枠組みにとらわれない挑戦
- 仕組み化と戦略で、コンサルとして選ばれる営業組織をつくる
- 外で培ってきた視点と経験がカオナビの次の成長をつくる
キャリアの選択肢は「辞める」か「残る」だけではありません。一度外で得た経験や知見を持って「戻る」という道もまた、企業と社員の双方にとって大きな価値を生み出す選択肢の1つです。
今回は、カオナビのアルムナイ人材第1号として再入社し、フィールドセールスマネージャーとして活躍する前田英俊さんにお話を伺いました。
前田さんはなぜ一度カオナビを離れ、外で得た学びを胸に再びカオナビに戻る道を選んだのでしょうか。退職前と同じ職種でありながら、新たな挑戦を続けるその経緯や、今後の展望を聞きました。
Interviewee
コマーシャルビジネス本部 フィールドセールス部 MMセールス1グループ マネージャー
前田 英俊
新卒で総合人材サービス会社に入社し、営業職に従事。2020年1月にカオナビへ入社し、フィールドセールス部門にて100~200名規模の企業に向けた売上拡大を担当した後、同部門にてマネジメントを担当。一度退職して他SaaS企業で経験を積み、2025年5月よりカオナビ再入社、同年7月よりマネージャー就任。
「いつかカオナビに戻るだろう」と思いながらの転職
──まずは現在の所属チームについて教えてください。
コマーシャルビジネス本部フィールドセールス部MMセールス1グループという、主に従業員1万名以下の企業様を対象とした営業組織に所属しています。私はその中でも、従業員規模100~200名の企業を対象とした売上拡大を担っており、現在はマネージャーとしての業務に就いています。
──これまでのキャリアについても教えてください。
新卒で総合人材サービス会社に入社し、求人広告の営業を経験しました。2020年1月にカオナビへ入社し、フィールドセールス部門で新規営業を担当後、マネージャーに就任しました。マネジメント業務を2年ほど経験した後、外部の環境に身を置くことで、新たなスキルや知見を吸収し、レベルアップしたいという思いから一度退職し、SaaS企業で経験を積み、2025年5月にカオナビへ復帰しました。
──最初にカオナビに転職されたきっかけは何だったのですか?
当時も営業として人事部門への提案をしていましたが、求人広告の営業ですから、採用領域へのアプローチがメインでした。離職が発生すると新たな採用ニーズが生まれるものの、それは課題の根本的な解決にはなっていません。本来あるべき姿は「離職を防ぎ、事業成長のために人材を採用すること」だと思うのです。そのためには、採用の手前にある組織づくりから支援する必要があります。
カオナビの場合、採用だけでなく育成や人材配置、離職防止といった組織全体の課題に幅広くアプローチできます。また、営業の体制も分業制で、私が担当するフィールドセールスは主にお客様との商談から受注までに集中できます。その点も魅力的だと感じ、入社を決めました。
──その後、一度退職された経緯について教えてください。
マネージャーとして2年間、組織成果の最大化に取り組む中で「他社の営業組織はどう運営しているのか」と関心を持つようになったのが、転職のきっかけです。
カオナビを退職したのは、何か不満があったわけではありません。退職する前から「いつか戻ってくるだろう」と頭の片隅で考えていました。外の世界で学びを得て、将来カオナビへなにかしらの形で還元したい、そして自分自身もさらに成長したい、そんな前向きな気持ちでの決断でした。
──なるほど。とは言え「いつか戻る前提での転職」というのは珍しいように思います。
そうかもしれません。実際、カオナビでのアルムナイ採用は私が初めてでした。私が戻りたいと思ったのは、カオナビのビジョンや価値観に強く共感していたからです。そして何よりプロダクト自体を信頼していたことが大きいですね。カオナビという会社が好きだからこそ、いつか戻りたいと思ったのです。「カオナビ」というプロダクトが社会に広がれば、日本の組織はもっと良くなると確信しています。
──ビジョンや考え方への共感は、入社後に育まれた部分も大きかったのでしょうか?
はい、経営陣がなぜその考えに至ったのかを丁寧に言葉で伝えてくれるため、入社後も自然と腹落ちしました。採用面接の際もそうですし、入社後の社内コミュニケーションでもバリューが浸透しているのを実感しています。その環境で働くうちに、自然と共感が深まっていったのだと思います。
──ビジョンやバリューが社内に浸透している状態を作るのは、簡単なことではないような気がします。どのように浸透させているのでしょうか?
大きいのは評価制度です。規程にビジョンやバリューを反映しており、制度を通じて定着する仕組みがあります。さらに、マネージャー層が日常的にバリューを基準に会話していることも、浸透の要因なのではないでしょうか。
例えば「仕組み化にこだわる」というバリューを例に挙げると、マネージャーが「この業務は属人化しそうだから仕組み化しよう」といった提案が自然に出てきます。こうした姿勢がメンバーに広がり、組織全体に根付いていくのだと思います。
一度外に出たからこそ得られた、枠組みにとらわれない挑戦
──他社でのお仕事を経験したことで、どのような学びがありましたか?
同じフィールドセールスでしたが、提案先が営業職やマーケティング担当者など、カオナビでの提案先とは異なっていました。特に、インサイドセールスやマーケティングへの提案はいい経験になりました。
他社の営業組織を経験して、フィールドセールスの前段階の役割を理解できたことで、「ここはインサイドセールスに協力を」「ここはマーケティングにフィードバックを」と横断的な視点を持てるようになり、組織を広く捉えられるようになりました。組織をより広い目線で捉えられるようになったのは、私にとって大きな収穫でした。
──その後、カオナビに戻ることになりました。また別の会社に挑戦する選択肢もあったのでは?
実は、他の企業や職種も経験してみたいという気持ちもありました。人事部に入る道、営業職として人事領域を支援する道、さらにコンサルティングへの関心もありました。ただ、自分が人事部に入ると影響できるのは所属する一社のみです。複数企業をより良くしたいという思いが強く、再びカオナビに戻ることを選びました。
──人事領域の改革なら他社でも挑戦できそうですが、それでもカオナビを選んだのはなぜですか?
カオナビのプロダクトの独自性や方向性に強く共感しており、そこに対して私自身が自信と誇りを持っていることが大きな理由です。他社を経験したことで、カオナビのビジョンやカルチャーが自分の価値観と合致していると再認識したからこそ、またここに戻ろうと思ったのです。
また、カオナビのセールス職は、システム営業でありながら「『カオナビ』を使って会社をどう良くするか」というコンサル的な提案ができるのが魅力です。さらに、人の魅力も大きかったですね。退職後も元上司が連絡をくれるなど温かさを感じ、この人たちとなら知見を活かして強い組織を作れると確信しました。
復帰の際は想像以上に温かく迎え入れてもらいました。今、社内では「今後もこういう形で戻ってくる人がもっと増えたらいいよね」と、アルムナイ採用に対して前向きな声も多いようです。
──世間一般には「出戻り入社」をネガティブに捉える見方もありますが、前田さんはいかがでしたか?
私はポジティブに捉えていました。新卒で入社した会社がアルムナイ採用を推奨していて、抵抗感がなかったからです。ただ、実際に戻る際は「本当に受け入れてもらえるのか」と不安もありましたが、とても温かく受け入れられ、不安はすぐに解消しました。
──復帰後、他社での経験はどのように活きていますか?
営業活動の面では、固定化していた成功パターンを壊し、一から再構築できました。以前は自分の中で凝り固まっていた“型”に頼っていましたが、今はより広い視点で「カオナビならこういった提案もできる」と考えられるようになりました。
部署横断の意識が高まったのも大きな変化です。以前は、フィールドセールスという組織の中でできることに注力していましたが、今は隣の部署と連携しながらできることがないかと考えて主体的に発信するようになりました。これは他社を経験したからこそ得られた視点ですね。
──周囲からはどのように評価されていますか?
上司からは「コミュニケーションがストレートになった」と言われます。以前は部署内の事情を気にしすぎて、枠にはまった会話になりがちでしたが、今は枠組みにとらわれず「組織としてあるべき姿」を基準に話せるようになりました。
本部長からも「視野がフラットになった」と評価していただきました。私自身も、会社全体をもっと良くしていくためにはどうすればいいか、という目線を持てるようになったと感じています。
──一度外に出たことは、前田さんにとって大きな意味があったのですね。
はい、とてもいい経験になりました。凝り固まっていた考えがほぐれ、既存の枠組みにとらわれずに挑戦できるようになりました。「枠組みにとらわれずに行動する」という部分は、まさに今のカオナビが求める人物像とも重なると思います。
仕組み化と戦略で、コンサルとして選ばれる営業組織をつくる
──前田さんが現在担当されている業務について教えてください。
私の業務はメンバーのマネジメントが中心です。加えて、組織として売上をどう拡大していくか、戦略や戦術を考える役割も担っています。
──入社当初は営業担当からスタートし、現在はマネージャーとしてご活躍されていますが、業務はどのように変わっていきましたか?
最初はセールスメンバーの1人として商談や受注活動に集中しており、視線はお客様だけに向いていました。現在は社内と社外の双方を意識し、社内目線ではメンバー育成や組織成果の最大化、社外目線では市場分析や顧客ニーズを踏まえた営業戦略の立案を行っています。
──営業は社外目線、マネジメントは社内目線、と性質が違うように思いますが、いかがですか?
私にとってはどちらも面白いです。私はチェスや将棋が好きなのですが、マネジメントはそれに近い感覚があります。メンバーの強みを把握し、どう育成・配置をすれば成果が最大化できるかを考えるのがマネジメントです。戦略を立て、実行して検証するプロセス自体が楽しいんです。
提案に戦略性が求められるという意味では、営業もマネジメントと近い部分があるように思います。状況を読み、一手を打ち成果に結びつける感覚はどちらにもあって、それが面白いと感じています。
──復帰される際、別の部署への配属を希望することは考えませんでしたか?
考えましたが、やはりはじめはある程度勝手が分かる部署の方が早く成果を出せるだろうと思い、外で得た知見を還元する意味でもフィールドセールスを選びました。
──今後マネージャーとして挑戦したい課題はありますか?
一番は部署間の連携です。マーケティングが生み出したリードをインサイドセールスが温め、最終的にフィールドセールスが提案活動を行うという流れがあるのですが、それぞれの部署が持つ情報やゴールが微妙にずれていると感じることがあるのです。
例えば「100~200名規模の企業をターゲットにする」と決めたら、その規模に多い製造業をターゲットにするなど、マーケティングのセミナー企画・インサイドセールスのトーク設計・フィールドセールスの事例提案まで一貫した流れを作るべきです。しかし、実際はそれぞれ別の方向を見ていて、分断されてしまっていることがあります。ここをしっかりと統一していきたいですね。
──具体的にはどのような取り組みをされていますか?
フィールドセールス部門では、インサイドセールス部門との週次定例会を設けて、KPIの話にとどまらず「現場で実際に起きていること」を密に共有しています。この取り組みも、他社での経験があったからこそ必要性を強く認識できました。
──フィールドセールス部門としては、どのような未来像を描いていますか?
再現性のある強い営業組織をつくっていきたいです。カオナビのプロダクトは、あらゆる企業にとって「あったらいいな」という存在ではあるものの、「なくてはならない」とまでは思われていないのです。
だからこそ、私たち営業が介在することでお客様の潜在的な課題を捉えてし、期待を超える提案・提言で「だからカオナビが必要」と実感していただかなければなりません。
そのためには製品の特性を熟知した上で、高度なヒアリング力や提案力が求められます。こうした営業を再現性高く行い、最終的には「コンサルとして選ばれる営業組織」を目指したいと考えています。
──ご自身のキャリアの未来像についてはいかがですか?
役職へのこだわりはあまり持っていません。それより「カオナビを起点に社会をもっと良くしていくために、自分はどのように貢献できるか」を常に考えています。例えばこれまでの経験を活かして営業企画として誰もが成果を出せる仕組みをつくるのも良いですし、営業戦略の立案でも役に立てたらと思っています。組織全体を底上げする役割を担うことが、今の自分に最も合っているように感じます。
外で培ってきた視点と経験がカオナビの次の成長をつくる
──前田さんが「一緒に働きたい」と思う人物像はありますか?
一言で言えば、主体性と行動力のある人です。カオナビはまだまだ完成された組織ではありません。だからこそ、整ったレールの上を走るよりも、自ら課題を見つけて「もっと良くできる」と声を上げ、周囲を巻き込みながら動ける人と働きたいですね。既存の枠組みにとらわれず改革を推進したいと考えている方は、特に相性がいいと思います。
──社内のメンバーに対して、行動力を感じたエピソードはありますか?
あるメンバーは、競合他社に大きく負けたことをきっかけに「二度と負けたくない」と徹底的に情報収集をして、自ら勉強会を立ち上げました。あれはまさに行動力の表れでしたね。行動力は、悔しさや怒りといった感情から生まれることも多いと思います。
また、日常業務の中で「ここはもっと効率化できる」と気付いたときに、ただ指摘するだけでなく実際に仕組みを改善してくれる人もいます。そうした日々のアクションの積み重ねが、組織を強くしていくのだと思います。
──最後に、フィールドセールスに興味を持つ方へメッセージをお願いします。
今の環境にモヤモヤを感じていたり、もっと裁量を持って事業成長に貢献したいと思っている方にとっては、カオナビは間違いなく面白い挑戦の場になると思います。
これからカオナビに入ってくる方は、外の世界で培った視点や知見を持ち込むことになります。その経験や視点はきっと、カオナビの次の成長をつくる大きな力になるはずです。ぜひ、これからのカオナビを一緒につくっていきましょう。
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