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当社はフィットネスクラブ・公共運動施設・スクールなどウェルネス産業向けに顧客管理、予約、決済システム「hacomono」を提供するスタートアップです。
2013年7月に創業し、「ウェルネス産業を、新次元へ。」というミッションのもと、リアル店舗の業務効率化を通して健康な人々を増やしていくことに取り組み、そのミッションに共感してくださる方やプロダクトのファンを着実に増やしてきました。2022年の3月には総額26億円の資金調達を達成し、従業員数も100名を超え、組織・サービスともに今、大きな変革期を迎えています。
4月にはCOOとして平田英己が入社し、7月に取締役に就任。戦略コンサルティングファームのローランド・ベルガーを経て楽天で執行役員を務めた平田が加わったことで、さらなる成長へ向けた基盤が整いました。
ここでは、プレスリリースで紹介しきれなかった平田のキャリアやhacomonoに入社するまでの経緯などについて、本人に行ったインタビューの模様をご紹介します。最後には、代表の蓮田と平田が考える、今後への抱負やこれからどんな方と一緒に働いていきたいかについてもお伝えしたいと思います。
挑戦できる環境を求めて転職、厳しくとも成長を実感する日々
ーまず、これまでのキャリアについて教えてください。
大学では経済学を専攻し、卒業後はNHKへ入社しました。放送業界に興味があって、卒論のテーマにも取り上げましたし、業界を変革したいという想いがあったんです。そこでは、番組の編成部に配属されました。何時にどんな番組を放送するのかを決める、テレビ局内の中枢ともいえる部署です。業務自体は忙しくも充実していましたが、組織が大きくて若手のチャンスが少なく、この先20年働いても業界を変えられるポジションに就くことは難しそうでした。
若いうちにもっといろいろな経験を積みたかったので、3年半ほど働いたところで戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーに転職しました。
そこでは中期経営計画策定や赤字企業の経営を立て直す企業再生プロジェクトなどを担当し、ひたすら戦略策定のためのデータ分析やディスカッションに明け暮れる日々でした。とても大変でしたが、わずか半年前につくった資料を見て「何てレベルの低い資料をつくっていたんだ」と反省するぐらい、自分が成長していることを実感できる日々でした。
業界ではプロジェクトマネージャーを1年ほど経験すると戦略コンサルタントとして一人前と認められるのですが、私も無事にそこまで昇進して十分な経験を積めましたので、新たな挑戦の場を求めて楽天へ転職しました。
ー楽天ではどんな業務を担当していたのでしょうか。
最初は社長室に配属され、社長の三木谷さんの直下にあった3〜4名のチームに加わりました。三木谷さんが自らプロジェクトを立ち上げてうまくいっていない事業を立て直すことがあったのですが、そのときにこのチームから1〜2名選抜されて一緒にプロジェクトを進めるんです。社内では「SWATチーム」なんて呼ばれていましたね(笑)
私もいろいろなプロジェクトを担当しましたが、一番印象に残っているのが、赤字であったエンタテインメント事業を黒字化したことです。当時は本や音楽を買うといえばAmazon一択。楽天ブックスは大きな差をつけられていました。
ーどのような取り組みを行ったのですか?
まずはマーケティング費の費用対効果や受注ごとの限界利益など赤字の原因を数値として見える化し、マイナスをなくすことに取り組みました。そうしたら、創業から10年ぐらい赤字であったところを1年で黒字化できたんです。このタイミングで社長室から楽天ブックスに異動になって事業の責任者を任されるようになりました。
そこからは成長フェーズとしてプラスをさらに大きくしていくことに力を入れました。ここで、私が戦略コンサルで培った戦略策定と、楽天が蓄積していた戦略実行ノウハウをかけあわせた取り組みがとてもうまくいったんです。
具体的には、スケールメリットが効く領域でAmazonと戦っては不利ですから、それ以外の領域で戦おうと考えました。コアなファンに深く刺さるサービスを提供し、さらにファンになってもらおうと考えたんです。それが成功して一定の事業規模を確保した後は、品揃えや配送などスケールメリットが効く領域にも挑みました。強みの強化です。楽天ブックスはJ-POPやコミックのシェアが高かったので、それを活かした戦略で、最終的に大きく売上を伸ばすことに成功しました。
新天地はスタートアップ、不確かな状況だからこそ面白い
ー事業も軌道に乗っているなか、なぜ再び転職しようと?
自分はストレッチした環境に居たほうが早く成長できるタイプだと思うんです。そう考えたとき、心地よく働けている今の状況では成長が止まってしまう気がしました。
このままいけば、J-POPやコミックなどの領域ではAmazonに勝てそうというところまできていましたが、その名誉ある瞬間は後任が成長するきっかけにしてもらい、自分は新しい挑戦に向けて新天地に移ることを決めました。
ー検討先にはスタートアップも含まれていたのでしょうか。
最初はまったく考えていませんでした。これまで同様の企業規模で探していて、とてもいいオファーもたくさんいただきました。でも、どれもこれまでの業務とあまり変わらなくて。そんなとき、エージェントからスタートアップを紹介されて話を聞いてみたら、とても面白そうだったんです。そこからスタートアップも含めて検討を始めて、出会ったのがhacomonoでした。
ーそれまでの3社ともいわゆる大企業ですが、そこからhacomonoへの転職を決めた要因を教えてください。
主な理由は3つあります。まず、ウェルネスを通じて日本を元気にしていく「ウェルネス産業を新次元へ。」というミッションに非常に共感したことです。楽天時代も、衰退の兆候が見られていた日本のエンタテインメントを盛り上げようと「エンパワーエンタテインメント」というミッションに向かって全力で取り組み、事業として成長できましたから、働くうえで共感できるミッションがあることはとても大切だと感じていました。
2つ目は、大きな成長性を感じたことです。プロダクトがとても強い。今後、飛躍していくことを感じました。そして3つ目が、経営メンバーの存在です。蓮田、工藤、才馬と一緒に飲みながらざっくばらんに話をしてみて、純粋に「この人たちと働きたい」と感じました。スタートアップのトップともなると我が強い人も多いイメージですが、hacomonoの経営陣にはそのような人がいなくて、本当に謙虚かつ真摯に事業に取り組んでいることを感じました。
さらにいうと、フルリモートである点にも惹かれましたね。これまでの企業はリアルで集まることを重視する雰囲気だったので、フルリモートでもリアルと同じ結果を出せるのか、興味がありました。
ー周囲は反対されたのでは。
「なぜ?」という反応は多かったですね(笑)
でも、かつての同僚で同じくスタートアップに転職した友人たちは皆「よかったね」と言ってくれました。私も、大手企業では経験できないような、どんどん状況が変わっていくだろうhacomonoで働くほうが絶対に面白いだろうと考えていたので、気持ちはゆるぎませんでした。
ー入社してみて、最初にどんなことを感じましたか?
想像以上にしっかりしている会社だということです。もっと整っていないものだとばかり思っていました。これは代表の蓮田がきちんとした経営論をもっていることや、よいVC(Venture Capital)に恵まれて的確なアドバイスをいただけていることが理由だと思います。
ーhacomonoでのご自身の役割について教えてください。
まずは蓮田が多く抱えている経営業務の一部をしっかりと引き継いでいこうと思っています。まだメンバーが少人数であったときの“阿吽の呼吸”で行っている部分をきちんと仕組み化し、中長期的に成長していける戦略の立案や、それを実行できる組織づくりに着手していくつもりです。
ーフルリモートの生活はいかがでしょうか。
不都合はまったく感じないですね。むしろ、リアルで集まるメリットって何だろう?と考えるようになりました。
リアルでも集まるしリモートもするという中途半端なかたちをとってしまうと、どうしてもリアルに主軸が置かれ、参加できなかった人が取り残されがちです。しかし、hacomonoはフルリモートがベースなのでそのようなことが起こりません。実際、北海道や茨城、大阪、香川、九州など様々なところに住みながら活躍しているメンバーがたくさんいます。
私は妻と共働きで、幼い子どもが2人いるのですが、子どもが急に体調を崩したときなどもフルリモートなら柔軟に対応できますから、その点を含めてもとても働きやすいです。
実行力のある組織で、壮大なミッション達成に挑む
ー最後にお2人にお聞きします。成長に向け、これからどんな方にhacomonoに加わってほしいと思いますか?
蓮田:まず、我々の事業に共感していただけることはもちろんですが、そのほかプロ意識や向上心が高い方に加わってほしいと思っています。当社のミッションは、社会を変えていくという壮大なものであり、それには長期的な目線で取り組むことが大切です。短期的に経験を積もうという方でなく、会社の成長とともに自分も高めながらミッション達成を目指す、そんな意欲のある方と一緒に働きたいですね。
平田:私は、自分の強みは勝てる戦略を構築することだと考えていますので、同じように考えることが好きな方だといいですね。どうすればウェルネス産業がよくなっていくのか? どうすれば新次元に移れるのか? 壮大なテーマについて考えていくプロセス自体を楽しめる方を待っています。
また、これはhacomonoのカルチャーでもありますが、スキルがありつつも、きちんと周囲への気配りや、相手を尊重した言動ができる方だとなお嬉しいです。
ーー今後への抱負をお聞かせください。
蓮田:1年ほど前までは私も業務執行に関わっていたこともあり、「この企業に導入された」「見送りになった」など、一喜一憂することが多かったんです。しかし、事業が軌道に乗ってきたこれからは経営が現場レベルでの出来事に一喜一憂することよりは、もっと広い視野をもって、成長できる組織づくりに注力していく必要があります。
具体的には、きちんと数字を見て、KPIを回していくことですね。今までは代表の私が執行も担っていたことで十分に手をつけられていなかった部分を、平田と役割分担をして進めていきたいと考えています。
カルチャーを現場に浸透させるための人材育成やそれができるリーダーの育成、さらに、現場がお客さまにしっかり向き合える組織づくりなどにも、今までは私が携わっていました。その辺りを平田配下の各リーダーやマネージャーでタクトをふってもらいます。
私自身は、人やプロセスなどを管理するマネージャー型より、皆が向かう方向性を示すリーダーシップ型のほうが得意です。タイプの異なる経営メンバーで役割分担をする意味でも、マネジメント部分を平田に補ってもらうべくメンバーに加わってもらいました。すでにさまざまな面でよい変化が現れています。
平田:まだ達成しているSaaS企業が少ない、T2D3の達成に向けて引き続き取り組んでいきます。現在の戦略と組織でも2つ目のDまでは達成できる手応えを感じていますが、3つ目のDを実現するにはかなりの力が必要になるはずです。そこを乗り超えるため、正しい戦略づくり、それを実行していける組織づくりを進めていきます。