\日本一の公教育を目指すまち/北海道安平町にて、教育フォーラムを開催しました!|株式会社FoundingBase
日本一の公教育を目指すまち、北海道安平(あびら)町は、最も優先するべき政策分野に「子育て・教育」を据え、学校教育と社会教育の2本柱で教育まちづくりを行なっています。 ...
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FoundingBaseでは半期に一度、全社メンバーが一同に集う合宿を開催しています。
2023年度上半期合宿が先日行われ、「自由」のUpdateにつながるProjectを推進したチームに贈られる賞として、BestProject賞の授賞式を行いました。
2023年度上半期の BestProject賞を獲得したのは「安平町 あびら教育フォーラムチーム」。
日本一の公教育を目指すまち、北海道安平町は、最も優先するべき政策分野に「子育て・教育」を据え、学校教育と社会教育の2本柱で教育まちづくりを行なっています。
FoundingBaseでは、2019年より開始した町独自の社会教育事業「あびら教育プラン」の立ち上げを皮切りに、今年度新設された小中一貫義務教育学校の地域開放スペースの利用促進や、小中学校の総合的な時間のカリキュラム作成等、町民の方とともに教育まちづくりを推し進めてきました。
「日本一の公教育を目指すまち」はどのように生まれ、今後、どのような飛躍を目指すのか。試行錯誤を繰り返し辿り着いた“安平町らしい”教育まちづくりのあり方を発信したいという思いから、この度、安平町役場と共催で「あびら教育フォーラム」を開催しました。
教育・シティプロモーションの事業横断でプロジェクトを進め、当日は数多くの教育関係者・自治体職員の皆様にお集まりいただき、2日間の総動員数は340名、27自治体が参加。安平町で実施した「教育」テーマのイベントでは過去最大規模のものとなり、FoundingBaseのプレゼンス向上に貢献したことが評価されました。
今回は、あびら教育フォーラムのプロジェクトを推進した志田さん、早川さん、山本さんに、取り組み内容や苦労、今後の抱負を伺いました。
◾️インタビュワー:石井(教育事業 Manager)
【石井】
まずは、BestProject賞の受賞本当におめでとうございます!あらためて受賞された感想を聞かせてください。
【志田】
よろしくお願いします。このBestProject賞は、私が所属する教育事業としてはこれまでなかなか取れていないものだったのですごく嬉しかったです。また、今回は教育事業とシティプロモーション事業部共同でのプロジェクトであり、安平町拠点全体としてのこれまでの取り組みが評価されたと感じ、非常に嬉しかったです。
【山本】
偏差値教育であればテストの点数の向上など数値的な変化が見えやすい一方で、我々が携わる安平町の社会教育事業の「あびら教育プラン」は、数値化されにくい非言語能力などを養っていくもので、数値的な変化は見えにくい。
そのため、「子供たちに変化が起きているかどうか」をどう可視化できるかを念頭に、教育事業を長年進めてきました。今回のイベントの成功・参加者数という形で、事業に対する評価をいただけたことが非常に嬉しいですし、今後「FoundingBaseらしい教育事業」が全国に広がっていく一端になればと思っています。
【早川】
ひとことで言うと、ラッキーだったなと。というのも、これまでFoundingBaseとして安平町と一緒に積み上げてきたものが今回評価されたと思っていて、その場に関われたことが幸せだったなと感じています。
【石井】
改めて、あびら教育フォーラムが実施された背景について教えていただけますか?
【志田】
そうですね。近年安平町では、早来学園の取り組みをはじめ教育分野において注目度が上がっており、全国からの視察もたくさん増えていました。その背景のもと、FoundingBaseと共催で、安平町の教育を紹介する場・イベントをつくりたいと、教育委員会からお話しをいただいたことがきっかけです。
FoundingBaseとして安平を「知らない」まちから「気になる」まち、「関わりたい」まちへと変化させるためにも、今回のイベントは非常に大事なものでした。
【石井】
これまでFoundingBaseが安平町で取り組んできたアクションの蓄積が、今回教育委員会さんから直接ご相談していただくことに繋がったんですね。
【早川】
補足すると、役場主催で今回のような有料形式のイベント開催をするには難しさがあります。では、民間で誰が適任かとなった場合に、安平町の教育方針が、幼児教育から学校教育、社会教育を包括したアプローチであることを考えると、個別具体の教育事業を専門的に行うのではなく、「まちづくり会社」として地域の価値共創に取り組むFoundingBaseを選んでいただいたのではないかと思います。
【志田】
このような背景のもと、イベントでは、安平町の変化を支えてきた一貫性、接続性、協働性をキーワードに幼児教育、学校教育、学校設計、社会教育、まちづくりに関するパネルディスカッションを8コンテンツ実施しました。
▼プログラム詳細はこちら
https://foundingbase.jp/n/nec3193e433f1
【石井】
その結果、2日間で340名、27の自治体の方々にご参加いただきました。どんな方々の参加が多かったんですか?
【志田】
北海道内外の自治体関係者の方々、そのほかだと、大学生、民間の幼稚園や子ども園の方、省庁の方、建築関係、農業関係の方々など幅広い方々がいらっしゃっていましたね。
【石井】
イベントを終えて参加された皆さんの反応はどうでしたか?
【早川】
自治体の皆さんからは、特に北海道を中心に反応がよかったですね!FoundingBaseのまちづくりに興味を持ってくださったり、安平町にまた別途視察で来たいという言葉をいただきました。ある自治体の社会教育課長の方からは、「自分のまちと同程度の規模感の安平町の取り組みを知り、自分の自治体にも希望が持てた。勇気をいただいた。」と仰っていただき、非常に嬉しかったですね。
【志田】
私としてすごくよかったと思っているのは、安平の学校の先生からの言葉です。「安平の社会教育含めた包括的な教育の取り組みが、このようにたくさんの人から対外的に評価を受けていることをことを改めて理解できた」と仰っていただけました。
【石井】
今回のあびら教育フォーラムを通して、安平の教育の価値がまちの内外に発信されたんですね。
【志田】
単なる発信ではなく、今回のイベントを通して、これまでの安平の教育でやってきたことを行政の方、学校の方も含めて棚卸しができたような気がします。あれ良かったんだねとか、これって実は他の人にとって価値あることなんだねと、関係者自身が再認識できた点も価値あることだったなと。
【山本】
安平町は、教育を軸としたまちづくりを行うことを2017年に制定していますが、役場の方からも「今回のイベントを通じて、それが間違っていないと改めて確信する機会になった」というお声をいただきました。
【石井】
確かに、自分たちがやっていることが本当に正しいのかどうか信じることって、とても大変ですよね。外部からの評価によって、この道でいいんだないう認識に繋がることはありますね。
新設された校舎を見学する様子
【石井】
これまでの安平町での事業の蓄積が、今回のあびら教育フォーラムに結実したことが深く理解できました。皆さん自身、安平に住み、日々業務に取り組まれている中で、まちにおいて何らかの変化や影響があったかなと思うのですが、印象的に感じたことを教えてもらえますか?
【山本】
ここ最近、まちの中で「挑戦する人」がとても増えたという声は、町民の方からも上がっています。例えば、まちの人が自ら主催するイベントが色々な場所で起きており、開催時期が重なってしまい、集客に苦しむぐらいです笑
【志田】
FoundingBaseの担う教育事業において、失敗を許容する価値観を醸成していることが背景にあると思います。例えば、子どもたちのプロジェクト発表会では、作品の完成度よりも、そこに至るまでの試行錯誤に注目できるような仕掛けを入れています。そうすることで、夢中や、やってみたいから生まれる“失敗”もおもしろい作品になる。結果として、チャレンジのハードルが下がっているのではと思います。
【早川】
数字で見える変化としては、教育に特化したまちづくりのおかげで、町への移住者が増加していることですね。「教育」事業を通して安平町の価値が高まり、人が集まってくる。その結果、「教育」分野に留まらず、町内の様々な方から相談や、連携のお話をいただくようになりました。
【石井】
安平町でのこれまでの皆さんの取り組みが、まさにFoundingBaseがVISIONとして掲げる「地域の価値を共創し、地域という選択肢を提供」してきたことを改めて理解できました。ありがとうございました。最後に、今後の安平町における取り組みの展望について教えてください。
【山本】
今回、新たに学校ができたのが早来地区という場所で、遅くとも2032年には町内のもう一つのエリアである追分地区にも、学校建設を行うというの話が立ち上がっています。安平町全体で更なる教育まちづくりが進んでいくことが今から楽しみです。
あと個人的には、現在0〜6歳こどもを対象にしたイベントを定期開催していまして、新たに学校が完成する時期に学校に入学する子どもたちや保護者世代との繋がりを今から作っていきたいと考えています。
【早川】
これまでの取り組みを通じて、まちに変化が起きている実感はありますが、町内にはまだまだ関わりきれていない方々が沢山いるので、現状に満足せず、さらにまちの方々との共創を広げていきたいです。まちの人が力を発揮できる機会をどんどん作っていき、対外的な注目を、町内の方々の満足度が上回り続ける状態を目指したいですね。
【志田】
安平町は「日本一の公教育を目指す町」を掲げています。私は他の自治体の方々とお話をする機会も多くありますが、「いい取り組みだね」とは言われますが「自分の自治体もやらなければならない」と思ってもらえるまでは、数字的インパクトも含めてまだまだ足りていないと感じています。
教育事業を通して、仕事や勉強以外でも自分の才能ややりたいことを実現できる、自分の新たな一面や可能性をひらけるまちにしてできればいいなと思います!
受賞の感想・今後の展望について、あびら教育フォーラムチームにお話しいただきました!改めてBestProject賞おめでとうございます!