どうも、こんにちは。濵田です。
私はバチャナビやToursという企業の職場という空間にデジタル技術を用いることで、たくさんのひとがアクセスすることができるサービスを展開しています。
その関係もあり、"職場"というものの価値を考える機会やたくさんの職場という空間作りに携わられた方達の意見をお聞きすることもとても多いです。その中で私自身が感じている「職場の価値」を気ままに書かせていただきます。
※ちなみに私は内装設計やデザインのプロではないので悪しからず。
後半にはZ世代の採用や定着における職場環境の重要性という観点でも触れていますので、興味がある方はぜひ、ご一読ください!
職場とは何か。
そもそも、職場とは何かをAIに聞いてみました。
「職場」とは、個人や集団が職務を遂行するために使用される物理的または仮想的な空間を指します。職場は通常、仕事を行うための設備やリソースが整った環境であり、オフィスビル、工場、店舗、学校、病院、または在宅勤務の場合は自宅などが該当します。さらに、現代ではインターネットを介して仕事をする場合、オンラインプラットフォームやクラウドベースのシステムも「職場」とみなされることがあります。
職場の定義はその組織の業種や職種、文化によっても異なり、従業員がその職務を効果的に遂行できるように設計されています。また、職場は社会的相互作用やプロフェッショナルな成長の場としても機能し、従業員のキャリアや個人的な発展に影響を与える重要な環境です。
とのことです。
ほうほう、確かになと思いつつ、つまり、これという概念はなく、その会社がこだわりを持って設計すればどんな空間も職場になり得るということだと解釈しました。
わたしたちは職場見学という領域でサービスを展開しており一年で300社を超えるオフィスに訪問をさせていただきました。実際にそこで感じることは、職場というのは、その会社のニーズ、文化、業務の性質に基づいて多様な形を取り得るということです。
例えば、創造性を促進するために開放的なスペースを採用する会社もあれば、集中を必要とする作業のために執務スペース中心のオフィスを持つ企業もあります。また、テクノロジーの進展により、家やカフェ、公共の場所など、従来のオフィスビル以外の場所でも職務を遂行できるようにもなりました。
このように働き方や価値観が多様化する現代では、職場の概念は非常に柔軟であり、会社がどのような環境で最高のパフォーマンスを発揮できるかを定義する必要があります。重要なのは、単におしゃれな空間を提供することではなく、職場が従業員にとって機能的で快適であり、生産性や満足度を高めることができる環境であることです。
職場という空間を「アンビエントファクター」として捉える。
最近、デザインやプロダクト作りの領域で長年活躍している方から教えていただいた「アンビエントファクター(目に見えない環境要素)」という言葉は、職場という空間を組織における「アンビエントファクター(目に見えない環境要素)」として捉えるという非常に有益な視点を私に提供してくれました。
職場環境は従業員の気分、生産性、創造性、さらには健康に至るまで多方面にわたり影響を与えるため、その要素を細かく理解することが非常に重要です。
職場というのは大別すると4つの目に見えない環境因子によって構成されているのではないでしょうか。
- 物理的環境:照明、音響、温度、家具の配置など、職場の物理的な構成は従業員が快適に感じるかどうかに大きく影響します。適切な環境は集中力を高め、生産性を向上させます。
- 身体的環境:職場における人間工学に基づいたデザインは、従業員の健康を支援します。例えば、調整可能なデスクや人間工学に基づいた椅子、適切な休憩スペース、そしてリラクゼーションエリアの設置などが含まれます。これらは従業員が身体的に快適であり、長期間の健康を支援します。
- 心理的環境:職場の文化や雰囲気もまたアンビエントファクターとして重要です。開放的で支援的な職場環境は、従業員のモチベーションと満足度を向上させます。
- 技術的環境:使用する技術やツールも職場の環境を形成します。効率的な技術やサポートシステムは、業務の効率性向上、ストレスの軽減に寄与します。
職場の環境要素が全体的な業務の流れや従業員のウェルビーイングに与える影響を理解し、改善することは、組織全体の成果向上につながります。
職場をアンビエントファクターとして捉え、その要素を意識的に管理することが、組織の成功に不可欠な要素となると考えます。
職場をデザインする。
ここまでの流れで察していただいているかもしれませんが、一般的に「かっこいい」や「オシャレ」とされるデザインは、見た目は魅力的でも、必ずしもすべての企業や業務に適しているわけではありません。職場のデザインは、その企業のブランド、文化、そして何よりも従業員の日常の業務やウェルビーイングをサポートする必要があります。
バチャナビで取材をさせていただいている企業の職場はどれも素晴らしいものばかりなのですが、その理由はデザインが「かっこいい」や「オシャレ」というわけではありません。自分たちの業態や置かれている外部環境を眺め、社員に期待する役割や働き方を理解し、言語化されているからこそ、素晴らしい職場だと感じさせられているなと思います。
これからオフィス移転や改装など検討されている企業様はぜひ、自社の具体的な要件と従業員のニーズに基づいて適切な職場環境を慎重に計画し、カスタマイズしてみてください!
Z世代にとって職場とは。
Z世代がオフィス空間に求める価値観についても、考察してみました。Z世代は以前の世代と比較して、職場に対する期待が異なり、オフィスの機能や環境に新たな価値を見出していのではないかと感じます。
以下は、バチャナビユーザーへのヒアリングを通じて見えてきたZ世代のオフィスに対する価値観の特徴です。
職場の雰囲気
Z世代は、職場の雰囲気に非常に敏感です。彼らは包容的で開放的な環境を好み、多様性とインクルージョンが尊重される職場を求めます。彼らにとって、職場は単なる仕事をする場所ではなく、自己表現や個性が尊重され、創造的な意見交換が行われるコミュニティの場でもあります。
オフィスまでの道のり
Z世代はワークライフバランスを重視する傾向にあります。そのため、通勤時間が短い、あるいは通勤そのものが不要なリモートワークを好むことが多いです。オフィスまでの道のりがストレスの少ないものであることが、彼らの職場選びに大きく影響します。
リモートワークの選択肢
パンデミックの影響でリモートワークが急速に普及し、特にZ世代にとってはこれが新しい標準となっています。彼らはフレキシビリティを非常に重視し、リモートワークやハイブリッドワークの選択肢がある職場を好みます。この柔軟性が彼らの生産性や仕事への満足度を高める要因となっています。
自由度
Z世代は、自由度の高い職場を求めます。これには仕事の時間、場所、方法に関する自由が含まれ、彼らは自己管理を重視し、創造的なプロセスを通じて結果を出すことを期待されます。また、彼らは評価をアウトプットのみに依存するのではなく、どのようにしてその結果に至ったかのプロセスも評価してほしいと望んでいます。
これらの特性を理解し、適応することで、企業はZ世代の才能を引きつけ、採用することが可能になります。また、これらの要素を職場設計に取り入れることで、Z世代だけでなく、他の世代の従業員にとっても魅力的な職場環境を作り出すことができるのではないでしょうか。
職場見学というコンテンツを採用に活用する。
ちなみに、結論からお伝えすると職場や働く環境というのは、求職者にとって非常に有用な情報です。
一方で、選考をする方々は求職者が職場の魅力についての言及することに違和感を覚えることもよくあるでしょう。それは、多くの企業がまだそのような観点を重要視していないか、または「職場の魅力」が抽象的で具体的な成果に直結しないと考えられているからかもしれません。
しかし、Z世代のような新しい力が労働市場に参入するにつれて、企業は従業員の期待に応えるためにも、遅かれ早かれこれらの要素をより重視するよう企業も変化する必要があります。
結局のところ、職場の魅力を採用プロセスの中核の一つに据え、それを維持し続けることで、企業はより多くの才能を惹きつけ、保持することができます。これにより企業の文化を形作り、継続的な成功へと導く基盤となると考えています。
職場に魅力を感じる候補者を理解し、受容する。
もちろん、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)への共感なども採用プロセスにおいては重視されるべきです。ご存知の通りMVVへの初期共感が高い人材は、企業の文化や目標と自然に一致しやすいため、採用において非常に価値が高く、面接ではそれらが一つの選考指標となることも多いと思います。
しかしながら、その共感があっても、職場の日常的な環境や雰囲気が悪い場合、従業員のモチベーション低下や早期退職につながる可能性があります。これは、企業が理想と現実の間でギャップを持っている証拠でもあります。
一方で、求職者にとって職場環境や働き方が魅力的であれば、そこにいること自体がメリットとなります。このような環境では、従業員が企業のMVVに対して時間をかけて深く理解し、共感を深めることができるため、このようなアプローチを推奨することも採用戦略の一つとして有意義ではないでしょうか。
ここまで、長らくお読みいただきありがとうございます。
バチャナビを通じておそらくHRという仕事に関わるビジネスパーソンの中ではトップクラスに様々な企業の働く環境やそれらの情報を欲する候補者と関わらせていただいてきました。
それらを通じて感じたこと、職場や人や組織に対して本気で向き合う人から聞いたこと、Z世代を中心としたこれからの働く人々の考え方をもとに整理してみました!
私たちは、職場見学プラットフォーム「バチャナビ」とバーチャルオフィスツアー生成ツール「Tours」を自社プロダクトとして展開しています。このサービスをさらに拡大することや、サービスの利活用に興味がある方はお気軽にご連絡ください!
誰よりも熱く、サービスやこれからの展望について語らせていただきます!