こんにちは! 株式会社コーボーの人事、梁瀬です。
皆さんが仕事をしている中で、業務の中に生成AIを取り入れたり、業務DXはどれほど進んでいますか?「 ちょっと難しそう」「自分には関係ないかな」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。 実は私も、つい最近までそう思っていました。しかし、当社にて2025年1月から「AI・DX推進グループ」が発足してから、その考えはガラリと変わったんです。
この記事では、コーボーに新しく誕生した「AI・DX推進グループ」のエンジニアマネージャー米田さんが初めて世に送り出したプロダクト、”COOBOO AI PORTAL”の開発秘話に迫ってみたいと思います!
「エンジニア歴20年」から「AIの伝道師」へ
ー まずは、コーボーに入社前の米田さんの略歴について改めて教えてください。
新卒の会社で約15年間、官公庁系の業務システム開発を行ない、VB.NETやJavaをメインに設計から開発まで一通りの経験をさせてもらっていました。初めは自分一人での常駐だったのですが、ありがたいことに実力を評価いただき、最終的には20人以上のチームで常駐しておりました。 (詳細は米田さんストーリーへ)
ー そこから、コーボーに入社しどのようなキャリアを歩まれてきたのですか?
2021年1月にコーボーに入社して、2024年の12月まではSESエンジニアとして、PythonやDocker、AWS、Google Cloudを使ったプロジェクトに要件定義の段階から関わっていました。最初はシステム開発からスタートしたんですが、半年ほど経った頃からはPL(プロジェクトリーダー)の役割も任せてもらえるようになりました。さらに、2022年の7月からは、コーボーのテックチーム(SESエンジニアチーム)のマネジメントも担当していました。
ー プロジェクトではもちろん、当社初のSES事業のエンジニアマネージャーとして自組織でも活躍している米田さん。2025年1月に社内への異動がありましたが、その経緯を是非教えてください。
実は、代表の成田さんとは2023年頃から「社内に戻ってきて、何か新しいことを一緒にやらないか」という話を時々していました。ちょうどその頃、ChatGPTをはじめとするAI技術が世間を賑わせていて、私自身も業務外でAIについて色々調べたり、試したりすることに夢中になっていたんです。社内のLT(ライトニングトーク)会でChatGPTのAPIを使ったアプリを発表したり、コーボーのコンテンツ制作を手伝う中で、Difyというツールを使ってインタビュー記事を自動生成するアプリを作ったりもしていました。そんな中で、代表が考えていることと、私が「やってみたい!」と思っていたことがピッタリ合致したんです。それは「社内に戻るなら、AIを使ったプロダクト開発に挑戦したい」というものでした。
当時はまだSESとしてお客様先のプロジェクトを担当していたので、お客様ともしっかり話し合いを重ねて、異動に向けて準備を進めました。幸い、お客様からも「それは面白い取り組みだから、ぜひ頑張って!」と温かい言葉をいただけて…。そして2025年1月、ついにコーボー社内でAIを活用したプロダクト開発や業務効率化を目指す新しいグループ、「AI・DX推進グループ」が誕生しました。…まぁ、現状はまだ私一人だけのグループなんですけどね(笑)。
(2025年1月よりAI・DX推進グループの立ち上げをしたエンジニアマネージャーの米田さん)
「職人に新たな武器を!」 - コーボーAI・DX推進の熱き想い
ー 新しく立ち上がったAI・DX推進グループですが、どんな未来を目指しているのか、そのビジョンとミッションについて教えていただけますか?
はい。グループのビジョンは「コーボーの職人たちに、新しい道具を。」というものを掲げています。そしてミッションは各メンバーがちゃんとAIを『道具』として使えるようにカスタマイズする、便利屋さんのようなイメージを持っています。コーボーで働く全てのメンバーが、AIという新しい"道具"をうまく使って、日々の業務をもっと効率的にしたり、改善したり、最終的にはお客様に提供できる価値を高めていくことを目指しています。単にプロダクトを開発するだけじゃなくて、最新のAI情報の共有や、例えばGoogle Workspaceの効果的な使い方みたいな、業務効率化につながることであれば、何でも積極的にやっていきたいと思っています。
ー なるほど、「道具」としてAIを活用してもらう、という考え方なんですね。
そうなんです。AIは決して魔法の杖ではなく、あくまで便利な「道具」の一つです。メンバー一人ひとりがその道具をしっかり使いこなせるように、そばでサポートしていくのが、AI・DX推進グループの大切な役割だと考えています。
「AIをもっと身近に!」 - COOBOO AI PORTAL開発秘話
ー そして、グループ設立からなんと2か月という爆速スピードで「COOBOO AI PORTAL」を開発、社内リリースしてくれました。開発の背景を教えてください。
AIやDXに積極的に取り組んでいる色々な企業の話を聞いたり、事例を調べたりする中で、「AIサービスの使い方がよく分からない」「どんな指示(プロンプト)を出せばいいのか難しい」といった課題を抱えているケースが多いことが分かっていました。それは、きっとコーボー社内でも同じだろうなと。また「どんなプロンプトを書けばいいか分からない」という声も実際に耳にしてもいたんです。
そこで、COOBOO AI PORTALでは、難しいことを考えなくても、「やりたいこと」に集中できるような、直感的で分かりやすい画面デザインを心がけました。プロンプトのことをあまり意識しなくても、自然とAIに触れることができる仕組みを目指したんです。また、開発にあたっては、まず各部署の実際の業務をヒアリングして、「どの部分をAI化できそうか」を洗い出すことから始めました。その上で、開発の手間が少なく、すぐに効果が出るものから順次開発を行いました。
(COOBOO AI PORTALのダッシュボード。週単位で新しい機能が搭載されています!)
ー 私自身、社内ではITリテラシーは低い方だと自認しているので、使う前は「うまく使えるかな?」と不安な気持ちもありました。しかし、そんな私でも操作に迷うことなくサクサクとやりたいことが出来るUIに本当に感動したんです!米田さん、本当にありがとうございます。泣。さて、COOBOO AI PORTALでは、どんなことができるのでしょうか?
このAIポータルは、クラウド基盤として主にGoogle Cloudを利用していて、Google Workspaceを使っているコーボーのメンバーだけがアクセスできる、セキュリティもしっかりしたシステムになっています。
機能としては、まずGoogle MeetやZoomでの会議を録音して、自動で文字起こしする機能があります。2025年の4月からGoogle Meetにも標準で文字起こし機能がつきましたが、このAIポータルでは、ただ文字起こしするだけではなく、それを議事録形式にまとめたり、Q&A形式に整理したりと、色々なフォーマットで文章を編集できるので、多くのメンバーに活用されています。
特にHR(SES)事業部でよく使われているのが、「人材要約機能」と「案件要約機能」です。HR事業では、ビジネスパートナーやフリーランスの方のスキル情報、クライアントからいただいた案件情報を社内外に発信する業務があるのですが、この機能を使うことで、長文の情報もポイントを押さえて分かりやすく要約してくれるんです。
他にも、SNSの投稿文を考えるのを手伝ってくれる機能や、メールの文章をチェックしてくれる機能、ブログ記事の下書きを作成する機能など、本当に様々な機能を用意しています。
もちろん、ChatGPTのような、一般的なAIチャット機能も搭載しました。これは、色々なAIプロダクトをリサーチした結果、標準的なチャット機能も備えているものが多かったので、やはり必要だろうと判断して導入しました。ただ、そこにもコーボーらしさを加えたくて、会社のマスコットキャラクター「ちゅ~にんぐ君」をアイコンにして、返答の仕方も少しだけキャラクターに合わせて調整しています。これが思った以上に好評で、よく使われる機能になっており、導入して良かったなと思っています。
(COOBOO AI PORTAL内に搭載されている、AIチャット機能)
ー 私も本当に色々な機能を活用しています!「COOBOO AI PORTAL」が活用されるようになってどのくらいの業務削減につながっているのでしょうか?
3月17日に正式リリースを行い、約1か月半の期間で10名程度が活用し、合計で30時間近くの業務時間削減の成果がありました。特にHR(SES)事業のメンバーから、要約機能がすごく便利だと感激の声を頂いています。また、当社のエンジニアの多くはSES事業に在籍しているため、エンジニアが活躍する場面はSES事業の中であることがほとんどでしたが、「社内でもこんなことが出来るんだ!」という刺激にもなったと思います。AIポータルではアンケート収集などフィードバックサイクルも設計しているので、今後も継続的な改善や機能追加を行って、どんどん業務効率化を進めていこうと考えています。
ー これからの進化も、ますます楽しみですね! 最後に、この記事を読んでくださっている方に、メッセージをお願いします。
AIは、決して一部の専門家だけのものではなく、誰もが使える身近な「道具」です。この「COOBOO AI PORTAL」を通じて、少しでもAIの可能性を感じて、日々の業務に活かしていただけたら嬉しいです。
また、今回ご紹介した「COOBOO AI PORTAL」の開発に関するより詳しい技術的な内容などを、以下のSpeaker Deckで公開しています。ご興味のある方はぜひご覧ください!