続編です⚽採用担当として、ご応募いただく方の職務経歴書を見させていただく機会が多いのですが、開発経験が浅いにもかかわらず「要件定義を担当しました」と書かれているケースをよく見かけます。でも、採用担当者の視点からすると「本当に要件定義を経験したのかな?」と疑問を抱くことも少なくありません。今回は、「要件定義」の本来の意味を解説し、キャリアの浅いエンジニアが誤解しがちなポイントを整理していきます。
要件定義とは?
要件定義とは、システム開発の最上流工程にあたり、クライアント(発注者)の業務課題を整理し、システムに求められる要件を明確にする工程です。
このフェーズでは、以下のような業務が含まれます。
- ビジネス要件の整理:顧客の経営課題や業務プロセスをヒアリングし、システムで解決すべき課題を特定
- 機能要件・非機能要件の定義:システムに必要な機能や性能要件を文書化
- 関係者との合意形成:顧客、経営層、開発チームと調整し、最終的な要件を確定
このように、要件定義は単なる仕様書の作成ではなく、クライアントの課題を深く理解し、適切な解決策を導く高度な業務です。経験豊富なシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーが主導することが多く、開発経験が浅いエンジニアにいきなり任されることはほとんどないかと思います。
「要件定義を担当しました」の違和感
なぜ経験が浅いエンジニアの職務経歴書に「要件定義を担当しました」と書かれることがあるのか、考えてみました🐈
- 実際には「要件定義」ではなく「仕様策定の補助」や「基本設計の一部」を担当していただけのケース
- クライアントとの打ち合わせに同席し、議事録を作成しただけでも「要件定義に関わった」と認識してしまう
- ネット上の職務経歴書テンプレートを参考にして、実際の経験とズレが生じたまま記載してしまうケース
採用担当者が見ているポイント
記載された経験が実際のスキルレベルと合致しているかを慎重に見ます。「要件定義を担当しました」と書かれている場合、以下のような具体的な質問をさせていただくことあります。
- クライアントの業務課題をどのように整理されましたか?
- 要件を決定する上でどのような意思決定プロセスを経ましたか?
- 関係者との合意形成で苦労した点はどういうところですか?
これらの質問に答えられない場合、「要件定義を担当した」という記載は信憑性を欠くものになってしまいます。
では、どう書けばいいのか?
実際の経験を正しく伝えるためには、業務範囲を明確に記載することが重要です。例えば、以下のように具体的な役割を明示すると、適切なアピールができます。
✅ クライアントとの打ち合わせに同席し、議事録を作成
✅ 仕様策定の補助として、既存システムの調査・分析を担当
✅ 基本設計の一部として、機能仕様書の作成を担当
このように書くことで、「実務経験に即したスキルを持っている」と採用担当者に伝わりやすくなります。
まとめ
「要件定義を担当しました」と書く前に、
✔ 本当に業務課題を整理し、要件を決定するプロセスに主体的に関わったか?
✔ 具体的にどの業務を担当したのか?
を振り返ってみてください✨
日本教育クリエイトに限らず、エンジニア採用活動している担当者は、実際の経験とスキルが一致しているかを見極めていますので、誤解を招く表現を避け、リアルな経験を適切に伝えることで、より魅力的な職務経歴書になりますよ😊