異なるキャリアが交差し、新たな価値を生み出す場所
2024年10月に東証グロース市場への上場を果たしたHmcomm株式会社。「音声認識を民主化し、キーボードレスの新しい社会を自ら創造する」というミッションを掲げる同社のR&Dセンターは、どのような場所なのか。
今回は、エンジニアチームの若山さん(マネージャー)と星野さん(研究員)に、それぞれの入社の経緯から現在の業務、そして技術者としてのやりがいまで、率直にお話を伺いました。
【転機と決断】なぜHmcommを選んだのか
若山さん:自然言語処理の学びが仕事につながった瞬間\
「キャリアとしてはWEBシステム開発を20年近くやってきました。金融・不動産・自社プロダクト開発など、幅広い分野を経験してきましたが、転職を考えていた2017年頃、ちょうど自然言語処理の勉強をしていたんです」
若山さんがHmcommと出会ったのは、まさにその学習内容が活かせるタイミングでした。
「VoiceContactの音声認識後の会話を要約する機能を開発したいという話があって、自分が勉強していたことと完全に合致したんです。当時はまだ社員10人ちょっとの小さな会社で、開発部門全員で朝会をやるような規模でしたが、『ここなら技術的な挑戦ができる』と感じて入社を決めました」
星野さん:石油探査から音声AIへ、数学への情熱が導いた転身
一方、星野さんのキャリアは全く異なる分野からスタートしています。
「20年以上海外で石油探査の技術職をやっていました。膨大なデータをGPUとクラスターで処理する仕事で、今思えば深層学習に近い部分もありましたね」
帰国後、新たなキャリアを模索していた星野さんは、数学への興味からAI分野に注目しました。
「数学が好きだったので、そこから派生してAI分野の論文を読んでいた際に興味を持ちました。AIスクールで学んだ後、研究っぽいことをしている会社を探していて、Hmcommの異音検知の研究開発というポジションに惹かれて2018年に入社しました」
【現在の仕事】LLMの最前線で社会実装を推進
急速に進化するR&Dセンターの今
「今の部署は、かなりLLMに寄っています」と若山さんは説明します。ここ数年で、R&DセンターはLLM(大規模言語モデル)を活用した開発に大きくシフトしました。
若山さんは現在、大手グループ向けにコールセンターの会話を要約するAPIシステムの開発をリードしています。開発マネジメントから仕様設計、そしてモデル自体のチューニングまで、開発工程全般を担当。
「お客様に使ってもらってこそのシステムだと考えております。直近の例として、PoCで使ってもらった結果、良い評価をいただき、顧客グループ全体で展開されるような計画があります。実際に使ってもらえるものを作れることにやりがいを感じています」
星野さんは、LLMのチューニングを中心に、より研究寄りの業務に従事しています。
「業界特化のための継続事前学習や、LLMの安全性に関する研究プロジェクトに携わっています。作業は幅広く、時にはお客様側の研究者の論文執筆のお手伝いをすることもあります。技術的な工夫を試して、うまくいく瞬間が楽しいですね」
【やりがいとストーリー】現場を知ることで生まれる開発への想い
若山さん:地方都市のコールセンターで感じた使命感
最も印象に残っている経験として、若山さんはコールセンターのPoC実施時のエピソードを語ってくれました。
「VoiceContactのPoCで地方のお客様のところに行った時、実際のコールセンターで使ってもらっている様子を初めて見たんです。オペレーターの方が電話対応している現場を見て、中にはクレーム対応で大変そうな方もいて...『こういう方々の業務をもっと楽にできたらいいな』と強く思いました」
星野さん:偶然の発見が実用化につながる喜び
星野さんは、異音検知での技術的ブレークスルーについて語ります。
「異音検知では、稀な正常音に反応してしまうという問題がありました。これは論文でも問題視されていたことなんですが、ちょっとした工夫をして解決できたんです。その手法は今でも使われています。PoCで自分なりに工夫したらうまくいった、そういう瞬間が技術者として最も楽しい時です」
【技術的な強み】実装力と研究力の融合
豊富なPoCで培われた社会実装の知見
「音声認識の特許技術を持っていることはもちろんですが、何より多数のPoC案件をこなしてきた経験が強みです」と若山さんは語ります。
「特に信号処理に強いメンバーが多く、マイクの選定から設置方法まで、実装時の細かなノウハウが蓄積されています。これらの知見が、単なる研究開発ではなく、実際に現場で使われるソリューション開発を可能にしています」
【未来への展望】変化を楽しみ、挑戦を続ける仲間を求めて
求める人物像
最後に、どのような人がHmcommのR&Dセンターに向いているか尋ねると、二人から共通の答えが返ってきました。
若山さん:「変化の多い企業なので、変化することを楽しみ新しいことにチャレンジしたい人が向いていると思います。熱意・積極性のある人にはよりチャンスが与えられる企業風土があります」
星野さん:「AIの進歩は高速で、実装の単純化も進んでいます。変化に順応でき、やる気と行動力が高い方が向いていると思います」
働きやすい環境
「フルリモートで働けるのも魅力の一つです」と二人は口を揃えます。技術に集中できる環境で、自分のペースで研究開発に取り組める。さらに「10%ルール」により、勤務時間の10%を自由な研究開発や勉強会に充てることができます。
エンジニアとしての成長を実感できる場所
インタビューを通じて感じたのは、HmcommのR&Dセンターが「研究のための研究」ではなく、「社会実装を前提とした実践的な開発」を行っている点です。異なるバックグラウンドを持つエンジニアが、それぞれの強みを活かしながら、音声AIという最先端技術で社会課題の解決に挑んでいます。
産総研発ベンチャーとしての技術基盤、上場企業としての安定性、そして何より「技術力の世界最高峰を本気で目指す」という熱い想い。変化の激しいAI業界で、新しい技術への挑戦を楽しみながら、実際の現場で使われるプロダクトを作りたい。そんな想いを持つエンジニアにとって、HmcommのR&Dセンターは理想的な環境かもしれません。
エンジニアチームへの応募を考えている方へ
Hmcommのエンジニアチームでは、AI Suiteサービス開発やLLMサービスを実現するためのクラウドシステム構成、大規模GPU計算基盤を活用したLLMの並列分散学習・チューニングなど、最先端の技術開発に取り組んでいます。
音声AIの技術で社会を変革する――その最前線で、あなたも一緒に挑戦してみませんか?