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未来はもうどこかにある──孫正義のタイムマシン経営とキャズム理論から考える「ヒット商品の作り方」[社長コラム]
「未来はすでに存在している。ただし、均等には行き渡っていない。」
ある本を読んでからこの一文が最近あらためて刺さっている。
SF作家ウィリアム・ギブスンの言葉だが、ビジネスの現場にもそのまま当てはまるなと思う。
未来って、ある日いきなりやってくるものじゃない。
むしろ、どこか一部のエリアにだけ、少し先に“偏って”やってくる。
たとえば海外のスタートアップ、あるいは業界の一部、世代の一部。
局所的に起きていることが、数年後に当たり前になる。
この“未来の片鱗”をどう扱うかが、キャリアや事業に大きく影響するんじゃないかと最近考えてる。
タイムマシン経営は、「ズレ」を武器にする戦略だった
孫正義がずっと言ってきた「タイムマシン経営」は、まさにこの構造をビジネスに落とし込んだもの。
要は、すでに海外で起きている未来を、まだ来ていない市場に先回りして持ち込む。
技術を生むんじゃなくて、未来の“時間差”を取りに行く。
そういう地政学的な視点でビジネスを考えていた。
それって一種の“情報アービトラージ”みたいなものだと思う。
誰かがすでに見ている未来に、自分だけが早く気づき、翻訳して届ける。
勝負の本質はそこにある。
キャズムを越えられないのは、技術のせいじゃない
ここで、キャズム理論の話を重ねてみたい。
新しいプロダクトが出たとき、最初に飛びつくのはイノベーターとアーリーアダプター。
でもその先、マジョリティに広がるまでには大きな“谷”がある。これがキャズム。
多くのプロダクトがこの谷を越えられない。
でもその原因って、プロダクトの完成度や技術力の問題というより、「翻訳できなかった」からということもあるのではないだろうか?
マジョリティが理解できる言葉に落とし込めなかった。
彼らの文脈(コンテクスト)に乗せた価値提案ができなかった。
だからこそ、「未来はすでにある」という視点が必要になる。
どこかにはもう起きている。
その証拠を持って説明できれば、キャズムは“飛び越えられる”。
翻訳者になるか、観測者で終わるか
未来を“見る”だけなら、誰でもできる。
でもそれを“持ち帰って、翻訳して、実装できるか”が、本当の意味での差になる。
それって要は、思考のリーチと、説明のセンスだ。
観測したものを、言葉・仕組み・導線に落とし込んで社会に届けられるかどうか。
ビジネスでもキャリアでも、ここができる人は強い。
「先を見てる人」ってよりも、「今と未来の間に橋を架けられる人」。
自分にとっての“未来の前線”を見つける
何をチェックするか、誰の動向を追うか、どこの業界にヒントを見出すか。
これってもう、日常の習慣レベルの話かもしれない。
・海外のスタートアップが当たり前にやってること
・20代が当たり前に使ってるサービス
・自分の業界じゃまだ評価されてない概念や手法
そういった「偏在してる未来」を日々観測しておくこと。
それが数年後、キャズムを越えるときの武器になる。
おわりに
大事なのは、「未来はどこかにはもうある」と信じられること。
そして、その片鱗をどう読み、どう動くか。
それができる人が、変化の中で生き残るんじゃないか。