創業からの2年間、グロースピリットはHR×DXの領域でキャッシュエンジン事業を中心に拡大してきました。一方で、これからのフェーズではプロダクト開発・複数の新規事業展開にも本格的に取り組んでいきます。
今回は、グロースピリットが掲げる「3つの経営戦略」について、COOの安永さんにお話を伺いました。
まだまだ創業期であるグロースピリット。
経営陣の経営に対する考え方や戦略をお伝えすることで、皆さんの理解が深まる記事になると嬉しいです。
“堅実な成長”と“挑戦し続けられる環境”の両立へ
──まず、グロースピリットの経営戦略はどのようなものでしょうか?
大きくは「3つ」の戦略を持っています。
1つ目は、キャッシュエンジン経営。
2つ目は、プロダクト戦略。
3つ目は、マルチバーティカル展開です。
この3つを掛け合わせることで、既存事業の安定と、新たな挑戦の両方を成立させながら、グロースピリットらしい成長曲線を描いていきたいと考えています。
Strategy 01:キャッシュエンジン経営
──まず1つ目の「キャッシュエンジン経営」とは?
最近のスタートアップは、プロダクトを中心に据えて“Jカーブ”を一気に狙うモデルが多く見られると思います。
ただ、そのようなスケールビジネスの裏側は、プロダクトは最初から黒字にはならず、むしろ赤字から始まることがほとんどです。
だからこそ、多くの企業はVCなど外部資本を入れてスピードを上げていく。
一方で、グロースピリットが重視しているのは、自分たちの足元でしっかり利益が積み上がる“キャッシュエンジン事業”を育て続け、そのうえで複数のスケールビジネスを展開することです。
- キャッシュエンジンビジネス
堅実で、早く安定した売上を上げることができるビジネスモデル。 - スケールビジネス
開発にコストがかかるが、成功すれば大きな利益を生み出す可能性があるビジネス。
──なぜそこまでキャッシュエンジンを重視するのでしょうか?
シンプルですが、理由は2つあります。
1つは、会社としての“生存確率を高める”ため。
もう1つは、“挑戦し続けられる状態をつくる”ためです。
実は、あんなに派手で煌びやかなサイバーエージェントもキャッシュエンジン経営が成長の土台だったと考えています。従来の一般的なビジネスモデルである広告事業が土台となり、ABEMAなどの大きなメディア事業を育てていきました。
そして、私たちはこれまでエクイティによる外部資本は一切入れていません。
資金調達はすべてデットで行い、
100%自社株で経営しているからこそ、意思決定が速く、柔軟に動くことができます。
キャッシュエンジン事業が成長しているから、自分たちの判断で新しい挑戦ができる。
これが、グロースピリットの成長の“土台”になっています。
▼グロースピリットのキャッシュエンジン経営の考え方はこの本が土台です。
これから起業を考えている人にはとてもオススメです!
Strategy 02:プロダクト戦略
──2つ目の「プロダクト戦略」について教えてください。
グロースピリットでは、2030年までに 10プロダクトを創出するという目標を掲げています。
「なぜ10個なのか?」とよく聞かれるのですが、大きく2つ理由があります。
1つは、社会に対してより大きなインパクトを残すため。
もう1つは、社内のキャリア機会を広げ、挑戦できるフィールドを増やすためです。
──プロダクト開発の進め方にも特徴がありますよね。
はい。私たちは、プロダクト戦略で 2つのスタイルを採用しています。
①BPaaS型で赤字期間を最小化する
SaaS型のモデルは、どうしても黒字化までに時間がかかる傾向があります。
そこで私たちは、プロダクトで顕在化した課題に対し、“人が踏み込む”支援を掛け合わせることで、複合的な収益モデルをつくっています。
現在開発中の “Hugmus × HRBPO” がまさにその代表的な形です。
プロダクトだけで収益化を狙うのではなく、テクノロジーと人的価値を組み合わせたBPaaSモデルで、事業リスクを減らしキャッシュポイントを最大化していきます。
② コンパウンド戦略で、同時多発的にプロダクトを開発する
複数プロダクトを同時に進めることで、
基盤・データ・環境を横断的に連携させ、開発スピードも開発コストも下げていきます。
実際にファーストプロダクトHugmusの開発を主軸に置きつつ、そのシリーズVerとしての2つ目・3つ目のプロダクト構想も進んでいます。
それには特に「データ」に対するアプローチが重要です。
経験豊富なエンジニアが集まり、「データエンジニアリング」に強みを持つグロースピリットだからこそのスタイルだと考えています。
Strategy 03:マルチバーティカル展開
──3つ目の「マルチバーティカル展開」はどんな戦略ですか?
現在、グロースピリットのお客様は約9割がIT業界です。
今後は、そこで得た知見を他のドメインにも広げていきたいと考えています。
具体的には、介護・建設・医療・物流など、様々な領域の“負”にアプローチを横断していきます。
例えば、Hugmusの機能を業界特有の文化に合わせていくこともできますし、まだテクノロジー活用が進んでいない領域へのDX支援も構想しています。
また、DX社会に伴うリテラシー向上に向けた様々な領域で活躍する方向けの教育事業をBtoBでも、BtoCでも。
事業成長を実現しつつ、“ビジネスを愉しめる社会”の実現のためにマルチ領域への展開をしていきます。
3つの戦略が連動し、「堅実 × 非連続」の成長が生まれる
──3つの戦略をまとめると、どういう世界を目指しているのでしょうか?
キャッシュエンジンで足場を固める。
プロダクト戦略で未来をつくる。
マルチバーティカル展開でVisionの実現へ。
これらが相互に作用することで、
“堅実な成長”と“非連続な挑戦”を同時に実現できる状態をつくります。
さらに、私たちが掲げる、
Vision:ビジネスを愉しめる社会を創造する
Mission:日本のHRをアップデートする
に繋がると考えています。
「挑戦し続けるために、堅実に」
──最後に、この記事を読む方へのメッセージをお願いします。
単一プロダクト・単一事業に依存する形だと、法律や環境変化による影響で一気に売上が止まってしまうことがあります。
その場合、できることは「追加の資金調達」ですが、それを何度も繰り返すことは現実的ではありません。
だからこそ、私たちは“堅実に利益をつくりながら、何度でも自らのVision実現に向けて最短距離で挑戦できる会社”を目指しています。
キャッシュエンジンを大切にするからこそ、新しいことに挑戦できる。
そして、挑戦が続くからこそ、会社は強くなる。
それらを自分たち自身が強く早く意思決定を繰り返していくことで、Visionの達成に繋がる。
これからのグロースピリットの成長を、一緒に形にしていける仲間と出会えたら嬉しいです。