Web担当者必見!失敗しないマーケティングリサーチの手法と進め方
【生成AI活用も!失敗しないUX改善・調査分析の事例資料を公開中】マーケティングリサーチの進め方にお悩みのWeb担当者必見!効果を最大化するマーケティングリサーチの秘訣とは?リサーチ手法から失敗しない進め方まで、現役のリサーチャーが解説します。
https://www.trans-plus.jp/blog/column/202508_MarketingResearch_vol1
こんにちは!トランスコスモス採用担当の寺坂です。
面接で求職者の方とお話をしていると、「今の会社では希望するキャリアを築けず悩んでいる」「描けるキャリアパスや求められるスキルが不明瞭で不安……」といったお声を聞くことがあります。たしかに、ビジネス志向の方とクリエイター志向の方では必要なスキルが違いますし、どんなキャリアパスを描きたいのかは人によって様々ですよね。
実は一時期、DI事業本部内でもメンバーから似た悩みの声を聞くことが増えていました。そこで設計されたのが、「キャリアモデル&バッジ制度」です。メンバーのスキルアップの実現と体系的なスキル管理を目的に設計されたこの制度は、「目指すキャリアモデルを達成するために、やることが明確になった」といった前向きな声も多く寄せられています。また、現場の声を聞きながら、継続的に制度の改善も進められています。
今回は制度のオーナーである竹下さん(DI事業本部/副本部長)と、設計をリードされた木幡さん(DI事業本部・HRマネジメント部/副部長)にお話を聞き、制度の内容だけでなく、その背景にある設計にあたっての目的や想いについても深掘りしていきます!
キャリアモデル&バッジ制度とは?
制度の誕生ストーリー
運用してみた課題や今後の展望
制度の運用を通して描く未来
<積極募集中!>
──まずは、キャリアモデル&バッジ制度の概要を教えてください。
(木幡さん)
キャリアモデル&バッジ制度は、DI事業本部で取り組んでいる育成制度のひとつです。社内外で求められるスキルを「バッジ」として定義し、「自分がどんなスキルを持っているのか」とか、「次のステップに進むにはどんなスキルが必要なのか」というのを、"見える化"する仕組みなんです。自分のキャリアの方向性や、これからの成長ステップがはっきりすることで、目指す姿に向かって着実にステップアップしていけるようにサポートしています。
Webディレクター職種を例に挙げると、自分の志向や強みに合わせて、3つあるキャリアモデルの中からひとつを選べるようになっていて、それぞれのモデルには3段階のレベルが設定されています。段階的にスキルや成果を積み上げていくことができるんです。
キャリアモデル(ディレクター)のイメージ
Webディレクターという職種は業務が様々で、現実的なキャリアパスが多岐にわたるため、その中から今後も重要な3つを軸として設定しました。またフロントエンドエンジニアや、Webデザイナー、データエンジニアなどのキャリアも定義され、必要に応じてキャリアをクロスしていくことも可能な仕組みとしています。
キャリアモデルを達成するためには「バッジ」の取得が必要になります。バッジは、スキルや経験を証明する"成長の証"みたいなもので、いろんな種類があるんですよ。目指すキャリアモデルによって、必要なバッジの組み合わせも変わってきますし、バッジにはTier1〜Tier3までの習熟度があって、Tierが上がるほど専門性や実践力が高まっていることを示します。
バッジの取得条件(必要なスキルや実績)が明確化されているので、メンバーは次のステップに進むために自分がなにをするべきなのかが分かりやすく、自発的にキャリアを形成することができます。
研修コンテンツなどの学習環境も整備し、Tier1は研修を受講することで取得が可能です。Tier2以降は実績を証明する必要があります。一部所属する組織の部長に委ねる場合もありますが、それぞれのバッジに「バッジオーナー」を定め、オーナーが取得を認定しています。
──そもそも、この制度はどういうきっかけで始まったのでしょうか?
(竹下さん)
もともとDI事業本部にキャリア制度はありましたが、「なんでもかんでもやれるようになろう!」みたいな、1本のキャリアモデルしかなくて。ただ、デジタルマーケティング領域もやることがどんどん増えていくので、「キャリアアップのために結局なにをすればいいんだろう?」という悩みを抱えるメンバーが多くなっていたように思います。
そんな時に他社のオープンバッジ制度の話を聞き、「それいいね!」という話をしたのが2022年の年末だったかな。来期の事業計画を考えているタイミングだったので、2023年度からの実施に向けて計画に組み込みました。
DI事業本部 副本部長 制度オーナーの竹下さん
──発想から実行までのスピード感がはやいですね。かなりしっかりと練り上げられた制度ですが、設計にあたっての苦労はありましたか?
(木幡さん)
どのスキルをバッジ化するかを決めるのには時間がかかりました。会社として期待している分野、組織が注力していく分野ってどこだっけ?という話し合いを繰り返しおこなって決めましたね。年末に制度の話が立ち上がって、2023年の4月くらいまではこの話をしてたんじゃないかなあ。
(竹下さん)
キャリアモデル自体は比較的すんなり決まったのですが、それぞれのモデルに対して「どんなスキルや経験を積めばそこまで到達したと言えるのか」「どのバッジを紐づけるのか」というところは難しかったですね……。
あとは、「業務として今は対応しているけれど、今後の世の中では求められなくなっていくのでは」というスキルをバッジとして認めるか、というのも議論しました。最終的には、組織が目指す方向に沿っているか・世の中のニーズが高そうか、という未来を見据えた観点で選ぶことにしました。
──運用開始時にすでにバッジが15種類あったので、研修を用意するのも結構大変だったのではないでしょうか?
(木幡さん)
大変でしたね(笑)
先ほど話にあがったように4月頃まではどのスキルをバッジ化するかの話をしていて、そのあと5月末までは新卒の研修に付きっ切りで、6月からさてどうしよう……と思っていたら、竹下さんが「上期中(9月末まで)によろしく」って。
(竹下さん)
(笑)
(木幡さん)
チームのメンバーと、ぎゃーって慌てて作りました(笑)
ただ、もともと社内に展開しているいろんな研修をうまく組み合わせてパッケージ化するなど、工夫して乗り越えました。既存の研修に関しても、ひとつひとつは大事な研修なんですけど、つながりが見えにくく「点」になっている印象もあったので、シナリオに沿って再編集するきっかけにもなりましたね。
バッジごとに研修が用意されています
──実際に制度を運用する中での苦労や工夫はありますか?
(竹下さん)
理想形で制度を設計しているので、目指すキャリアに対して必要な経験をどう提供するかは課題でした。例えばメンバーがデータ活用やコンサルティングの仕事をしたいと思っても、担当している運用案件からなかなか離れられない……ということが発生します。ここはもう、都度会話をしたり仕組みを作ったりしながら対応していますね。最近でいうと、木幡さん達が模擬案件で経験を積むような取り組みを始めてくれています。
(木幡さん)
そうですね。例えばコンテンツマーケティング系のバッジ取得にあたって、実践的なコンテンツマーケティングの経験を積むため、「トランスコスモスのオウンドメディアにDI事業本部のサービスを紹介する記事を書こう」といったことをプロジェクト化しています。年間のプロジェクトで、2クール回すような結構大掛かりなものになっています。更にそこから派生してAIでもライティングを行えるようにする新規サービスの話が挙がり、PoC(概念検証)から始めましょう、みたいなことも話していますね。
▼実際にメンバーが作成したコンテンツはこちら!※一部抜粋
いずれもトランスコスモスが運営する下記メディアに掲載されています!
今後も順次更新予定なので、ぜひご覧ください✨
──運用してみて、メンバーからの反応はどうでしたか?
(木幡さん)
「なにをすれば良いか分かりやすくなりました」という声は多かったです。制度の運用を開始したタイミングから研修も公開していたので、まず学習してみるというアクションが分かりやすかったのかなと思います。半面、それが義務のようになってしまうという課題もあるのが現状かなと。
(竹下さん)
そうね。特に若いメンバーからは「やることが明確になった」と言われることが多いかなあ。地方の拠点に行ったときとかに直接そういう声をもらって、なんか、やってよかったなってすごい思ったんだよね。
運用にあたって工数的な負荷が出てきてしまうというのは課題としてありつつ、事業本部全体で「やるべきだよね」っていう理解を示してくれているのと、指導する側からも、メンバーにまずなにを教えればいいかが明確になったという声を聞いています。
(木幡さん)
制度がなじむまでには結構パワーが必要かなというのと、育成制度はすぐに結果が出るものではないということもあり、みんなで改善しながらやりつづけていくものなのかなと思っていますね。
制度設計をリードされた、DI事業本部 HRマネジメント部の木幡さん
──今後どのように制度を進化させていきたいですか?
(木幡さん)
まずはできるだけポジティブにこの制度を捉えてもらえるようにしていきたいです。実はこの制度を評価に紐づける前提で改訂していたのですが、それが逆に縛りみたいになってしまいそうだったので、見送ることにしたんです。
先ほどの模擬案件のようなトレーニングのケースを拡充するとか、バッジを持っていることによって挑戦したい案件にチャレンジしやすくなるように仕組みを作るとか、よりバッジを効果的に使えるようにしていきたいですね。
2023年10月に開始したこの制度も、現在(2025年6月時点)の累計バッジ申請数が約6,000件と大きな数字になってきました。今はマネジメントや品質管理など、ベーススキルのバッジ取得がメインですが、VOC(お客様の声:Voice of Customer)やCDP (顧客データ基盤:Customer Data Platform)といったこれから伸びていく領域の申請数も増やしていきたいです。ちなみに新しいバッジも随時検討中で、AI関連のバッジも追加予定です!
──制度を通じて、どんな姿を目指しているのでしょうか?
(竹下さん)
まずはメンバーのスキルアップが第一にあるかなと思います。スキルアップすることで自身の市場価値を高めて、それがクライアントへの価値提供にもつながって、結果会社としても成長していくような好循環になっていったらいいなあと。あとは、ぜひ自分のスキルを後進の育成にも活かしてほしいですね。
それと、せっかく身につけたスキルは、対外的にもアピールしてもらえたらいいんじゃないかなと思います。そこから仕事につながったら、もちろんそれはうれしいですけど(笑)どちらかというと、スキルを身につけて、「トランスコスモスのメンバーで世の中のCXやDXを支えていきますよ」という働きかけができれば、それが世の中への貢献になっていくのではないかなと思っています。
▼実際に研修を受けたメンバーの声をご紹介します!
(新卒3年目 Nさん)
キャリアバッジは「業務の枠組み」「自分の立ち位置」「今後必要なスキル」などキャリアを俯瞰するきっかけとなりました。実務分野の知識を深められることはもちろんですが、実務以外の分野に興味をもって横断的に学べることは、とてもワクワクしますし、今後のキャリアの入り口となっています。ワークを通じ、学んだフレームワークを顧客提案に活かせたり、他の同僚のアウトプットを確認できたりしてとても有意義に感じます。
(新卒2年目 Mさん)
昨年新卒入社してから業務に必要最低限のスキルはOJTで身につけられましたが、キャリアモデル&バッジ制度をきっかけに今後どのようなスキルを獲得していくべきか長期的な視点で考えられるようになりました。
また、カオナビ(タレントマネジメントシステム)で閲覧できる周りの社員のキャリアモデルや取得バッジを参考に、キャリアの相談や研修内容について会話することで、自身のスキル向上のモチベーションが上がっているのを実感します。
データ分析に関する研修を受講し、今までの業務だけでは得られなかった分析手法や思考法の基本を習得することができました。
──最後に、トランスコスモスに興味のある方へメッセージをお願いします!
(竹下さん)
大きい会社って、堅いとか自由度が低いとかってネガティブなイメージもあるかもしれませんが、25年間働いてきてまったく逆だなって感じてます。若い時からたくさんチャンスをもらって、やりたいことは「やってみろ」って大体チャレンジさせてもらえてきたなと。
1回だけ「止めとけ」て言われた開発案件を勝手に進めて、見事に失敗して。そんな時でも上司に頭を下げていただいたのは今でも身に染みてます。
お客さんの「入り待ち」したのが良き(?)思い出です。
マネジメント職になって一番残念に思う瞬間は、スキルや経験が足りないがゆえに「自分が得意なこと」が見えていなかったり「自分がやってみたいこと」に出会えていなかったりっていうメンバーがいた時です。これだけ自由にチャレンジできる環境があるのに、そこに立てないって悲しいじゃないですか。だからこそ、メンバーのスキルアップやキャリアップは積極的に支援したいし、なるべく多くの活躍の機会を得てもらいたいと思っています。
デジタルの世界は環境も技術もどんどん進歩しています。ボイスや映像などの新しいチャネル、ウェアラブルやIoT/CPS(サイバーフィジカルシステム)などの新しいデバイス、生成AIやデータ等を駆使して、これまでを凌駕するような新しい体験価値を提供できる可能性にワクワクしています。
ぜひ、一緒にチャレンジしてくれる方をお待ちしています。
(木幡さん)
DI事業本部ではバッジ制度をはじめとした色々な研修や学べる環境をどんどん拡充しています。デジタルマーケティングの進歩のスピードに負けないよう、育成やキャリアアップもどうすべきか常に考え、出来るだけ最速での提供を意識しています。仕掛けている自分たちでも忘れてしまうくらい(笑)色々仕掛けているつもりです。
竹下さんも言うように、チャレンジする意識や行動力がある人にはチャンスも訪れやすいなと感じます。会社の仕組みや制度を使い倒し、成長しながらチャレンジできる方と一緒に仕事が出来るとうれしいです!
──ありがとうございました!