元社会人野球監督が語る「最強のチーム」の創り方
本日は、フジパスク株式会社代表取締役の小林秀行社長に、私たちインターン生が独占インタビューを行いました。
フジパスクはどのようにして、顧客から絶大な「信用」を勝ち得てきたのか。
そして、元社会人野球選手・監督である社長が目指す「最強のチーム」とは、どのような姿なのか。
会社の根幹に流れる熱い想いと、その挑戦の軌跡に、7つのテーマから深く迫ります。
1. 挑戦の原点:3人の「何でも屋」から始まった”信用”への道
社長が繰り返し語る「信用」という哲学。その原点は、事業が始まった当初の挑戦の中にありました。
インターン生A: 本日はありがとうございます!早速ですが、フジパスクのこれまでの歴史、特に事業の始まりについてお伺いしたいです。
社長 小林: よろしくお願いします。私たちの会社のルーツは1971年、当時は自動ドアの施工がメインでした。大きな転機は1990年、ナブコさんが立体駐車場事業を始めたことです。最初はたった3人で、二段式の駐車場からスタートしました。
インターン生B: 3人から!そこからどうやってお客様の信頼を得て、事業を大きくされたんですか?
社長 小林: とにかくお客様の「困った」を解決したい一心でしたね。設計事務所さんから「三段式が欲しい」という声があれば、他メーカーの製品でも扱って応える。その誠実な積み重ねが「フジパスクに頼めば何とかしてくれる」という”信用”になったのです。それがすべての基盤ですね。
2. 変化こそ成長:お客様の声に応え続けた、事業変革の軌跡
お客様のニーズに応える中で、フジパスクは柔軟にその姿を変え、成長を続けてきました。
インターン生A: 事業が大きくなる中で、会社としてはどのような変化があったのでしょうか?
社長 小林: 当時はバブル期でマンション需要も増え、立駐の設置やメンテナンスの依頼が殺到しました。事業の効率化のために営業部と保守部(メンテナンス)に分かれたのもこの頃ですね。常にお客様の状況に合わせて、最適な体制を考えてきました。
インターン生B: 今ではメーカーとしての機能もお持ちですが、どのような経緯があったのですか?
社長 小林: 2013年にナブコさんが立駐事業から撤退することになり、私たちがその役割を引き継ぎました。さらに2019年には部品供給の製造権も譲り受け、自社で部品を供給できるメーカーとしての体制を整えたのです。これも、お客様に安定して製品を届けたいという想いからでした。
3. ターニングポイント:アパグループ様の信頼を勝ち取った「一歩先の提案力」
会社の歴史の中で、特に大きな転機となった仕事がありました。それがアパホテルで有名なアパグループ様との出会いです。
インターン生A: 特に印象に残っている、会社の転機となったお仕事はありますか?
社長 小林: そうですね、アパグループ様との仕事は大きなターニングポイントでした。元々お付き合いのあったゼネコンさんから立体駐車場に関する相談がきっかけです。マンションを建てる際、「駐車場の台数も確保したいが、戸数も確保したい」何か良い案はないかと。
インターン生B: どのようなご提案が、大きな信頼に繋がったのでしょうか?
社長 小林: 私たちは、ただ駐車場を売るのではなく、限られたスペースを最大限に活用できる地下式の立体駐車場を提案しました。この提案が、私たちが持つ製品ラインナップの「幅広さ」があったからこそ受け入れられ、結果的に大きな信用を得ることができました。お客様の事業の成功まで考えて提案できた好例だと思っています。
4. 成功の秘訣は「人」:失敗と縁に恵まれた、社長の素顔
次々と事業を成功させてきたように見える社長ですが、その道のりは決して平坦ではなかったと語ります。
インターン生A: 社長が考える「成功の秘訣」とは何でしょうか?
社長 小林: いやいや、成功ばかりじゃないですよ(笑)。むしろ失敗の方が多い。ただ、振り返ってみると、本当に「人」に恵まれたなと感じます。私がここまでやってこられたのは、幅広い人脈の中で色々なチャレンジをさせてもらえたから。これに尽きますね。
インターン生B: 失敗もたくさん経験されたんですね。
社長 小林: もちろんです。だからこそ「失敗をどう乗り越えるかが重要」だと考えています。挑戦すれば失敗はつきもの。大切なのは、そこから何を学び、どう次に活かすか。その繰り返しが、会社と自分を成長させてくれるのだと信じています。
5. 「仲間には、絶対に幸せになってほしい」:社長が語る、社員との絆
社長の話の端々から感じられるのは、社員への深い愛情と感謝の念です。
インターン生A: 社長にとって「働く仲間」とは、どのような存在ですか?
社長 小林: 社長という立場は、企業の全責任を負う重圧を常に感じています。でも、それ以上に「働いてくれている社員には、絶対に幸せになってほしい」という想いが強い。彼らの生活を守り、成長を支えることが私の原動力です。
インターン生B: 何か印象に残っている社員さんとのエピソードはありますか?
社長 小林: 例えば、Hさんという社員がいます。彼は元々、私たちの「お客様」側の大手設計事務所でした。しかしリーマンショックで会社が傾き、縁あってうちに入社してくれたのです。人の縁の面白さと、仲間のありがたさを感じずにはいられませんね。
6. 元野球監督が創る「全員野球」の組織:仕事もプライベートも全力で楽しむ文化
元野球監督というユニークな経歴を持つ社長。その経験は、現在の組織づくりにも色濃く反映されています。
インターン生A: 今後の会社の展望についてもお伺いしたいです。
社長 小林: 次の世代にこの会社をしっかりと繋いでいくことが、今の私の最大の使命です。そのためには、M&Aなども視野に入れながら事業を拡大し、会社の基盤をより強固なものにしていきたい。その計画を成功させるための最大のカギは、なんといっても「採用」、つまり新しい仲間です。
インターン生B: 社長はどんな方と一緒に「チーム」を作りたいですか?
社長 小林: メリハリを持って働ける人ですね。仕事もプライベートも充実させてほしい。だから、ワークライフバランスはしっかり取ってほしい。集中すべき時に集中し、休む時はしっかり休む。そういう切り替えができる人と、一緒に未来を創っていきたいです。
7. 未来の仲間へ:フジパスクが次の世代に繋ぎたい想いと、求める人物像
最後に、この記事を読んでいる未来の仲間へ、社長から熱いメッセージをいただきました。
インターン生A: 最後に、この記事を読んでいる学生や求職者の方へ、メッセージをお願いします。
社長 小林: 私たちが何か大事な判断をするとき、常に軸にしていることが2つあります。一つは「自社にとって利になるか」。そしてもう一つは「お付き合いのある方々にご迷惑をかけず喜んでいただけるか」。ビジネスは信用がすべて。その誠実な姿勢が、今のフジパスクを築いてきました。
インターン生B: 挑戦してみたいけど、失敗が怖い、という人もいるかもしれません。
社長 小林: 私たちの会社は、挑戦と失敗の繰り返しでできています。このインタビューが、建設やものづくりの世界に一歩踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。失敗を恐れず、私たちと共に未来を築いていきたいという皆さんを、心から待っています!
編集後記
インタビューを終え、「信用」という一見すると目に見えないものが、どれだけ大きな力を持つのかを改めて感じました。お客様への誠実な姿勢、そして「絶対に仲間を幸せにする」という社長の強い想い。その両輪が、フジパスクという会社の温かい雰囲気と、前に進む推進力を生み出しているのだと確信しました。
「人とのご縁や運で、ここまで来られた」と謙遜されていた小林社長。その”運”や”ご縁”は、間違いなく社長の太陽のような明るさと誠実な人柄が引き寄せたものだと、短い時間ながらも強く感じたインタビューでした。